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Tuesday, September 22, 2009

グッドJALバッドJAL

やー、前の記事で指摘したように、ホントにJAL問題は新政権の命運を左右する問題になりそうです。

日航の新旧分離要請へ、政投銀など主力行 実質債務超過の恐れ
ソースは明かされておりませんが、おそらく日経の独自取材によるスクープでしょう。元々9月末期限の再建策を見て対応を決めるとしていた日本政策投資銀行他の金融機関ですが、とても追加出資は無理ということで動いたのでしょう。加えて政権交代で、与党族議員などの圧力を受けることなく抜本改革が可能になったという見方もあるのでしょう。前原国交相が24日にJALや金融機関などからヒアリングを予定しているタイミングですから、なんかいきなり生臭い話に発展した感があります。

処理のスキームは米GM支援に似たグッドカンパニーとバッドカンパニーに分離し、前者へ国が支援し、後者は時間をかけて清算処理するというものですが、日本国内の事例としては、国鉄改革で旧国鉄債務を一部を除いて清算事業団によって処理することで、新生JRを身軽な状態で再スタートさせたことに近いといえます。あるいは98年の金融国会で、破綻が心配されていた日本長期信用銀行、日本債権信用銀行の救済策として民主党案を自民政権に丸呑みさせた金融再生法も同様の処理となります。

当時から民主党の政策立案能力に注目していた私としては、時を経て民主党政権が誕生したタイミングでJAL問題に遭遇することの歴史の皮肉を思わざるを得ません。いわゆる民主党の流儀に整合的な処理案であり、金融機関にそれなりの知恵者がいたのかもしれません。とはいえ簡単に進む話でもありません。

というのは、このために特別法を制定する必要があること、当然予算措置も伴いますから、現在政権で進められている補正予算の執行停止を含む見直しで捻出した財源の一部を回さざるを得ないこともあり、政権内でも揉める可能性があります。加えて地方路線の整理を伴いますから、与党議員の造反も予想され、来月の臨時国会は早速大荒れとなりそうです。

結局JAL問題は鳩山首相の帰国を待って判断を仰ぐ話となり、タイムリミットも迫っているだけに、いきなりリーダーシップを試される展開となります。処理を誤れば本当に鳩山新政権が空中分解しかねない話ですし、また外国エアとの出資交渉も事実上ストップせざるを得ません。

2年前のおJALの記事で指摘したとおり、87年に株式公開し、政府全額出資の特殊会社から一般の民間企業になったJALは、同年実施された国鉄改革によるJR発足と関連し、特殊会社でスタートしたJR各社の先行事例としての意味合いもあったわけで、その後小泉構造改革で実施された道路公団民営化、郵政民営化、政府系金融機関改革など一連の民営化策の着地点となるはずだったのですが、その民営化会社が破綻の危機に瀕した場合の先行事例となってしまったわけで、皮肉な話です。同時に郵政見直しを掲げる新政権だけに、おかしな処理をすれば郵政見直しの議論も歪めてしまう可能性があり、本当に取扱い注意の案件になってしまいました。どうなるでしょうか。

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