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Sunday, November 07, 2010

C-ATSシアター、スカイアクセスの韋駄天走り京急のお上品

流石に中国ネタでアクセスへこみました^_^;。その間に公安データの漏洩と尖閣沖の証拠ビデオ漏洩が相次ぎ、政府の情報管理の甘さが露呈しましたが、世界ではウィキリークスという政府の機密情報の内部告発サイトがイラク戦争の民間人誤爆や捕虜の拷問など、従来知り得なかった情報がネットで流通するようになり、これを機密漏えいの犯罪行為と見るか、報道による権力監視と見るかで論争が始まるなどの事情もあり、一筋縄ではいかない問題です。

日本のメディアは専ら政権の危機管理の甘さや外交の汚点という取り上げ方で、野党は政局にしようといきり立っておりますが、むしろ国民的には中国の言いたい放題でストレスがたまっていた中で、溜飲を下げた感がありますし、中国当局も今のところ冷静です。ネットへの漏洩は打つ手なしということは中国政府自身が骨身に染みているでしょうし、結果的に問題は尾を引かないと考えられます。

元々海上の出来事は第三者の目撃情報を得にくい中で、海上保安庁は自らの行為の正当性を証明するためにビデオ撮影していたわけで、北朝鮮籍と見られる不審船銃撃事件のときのようにビデオ映像は公開することが前提だったのに、船長を逮捕して書類送検したことで、刑事訴訟手続き上公判前の証拠開示が禁止されていることから、公開予定のビデオを秘密扱いにシフトしたことが、漏洩の背景にあります。ネット時代に対応できない法令の見直しは必要でしょう。

という中で、注目したニュースはこちらです。

成田空港への鉄道利用増 スカイアクセス開業が寄与  :日本経済新聞
成田スカイアクセス開業から間もなく半年ですが、利用実態がなかなかニュースにならないなと思っていたところで出てきたニュースですが、とりあえず京成電鉄のシェア拡大ということで喜ばしいところです。スカイアクセス線と在来線の分担率はスカイアクセスが半分以上ということで、運賃差が微妙に影響しているようですが、とりあえずは狙い通りということは言えそうです。

一方のJRはE259系を投入したN'EXは好調を維持したようですが、一般列車の利用が落ち込んだということで、安さを求める利用者が新ルートでもJRよりは割安な京成へ流れた可能性はありますが、断定は避けておきます。鉄道全体としてはシェアが拡大し、バス、マイカーが減少している傾向はあるものの、鉄道シフトと言えるレベルかどうかは微妙なところですし、羽田空港の国際化によって今後も流動的と見るべきでしょう。

というわけで、とりあえず好調なスタートといえる成田スカイアクセスですが、やはりターミナルの日暮里がハンデとなっているようで、運賃料金が割高なN'EXの牙城を崩すには至らなかったと言えそうです。この辺は開業前から指摘してきたところです。

で、タイトルのC-ATSシアターですが、勘の良い方は保安装置ネタとお気づきでしょう。成田スカイアクセスのスカイライナーの160km/h運転とアクセス特急の120km/h運転を支える保安装置に焦点を当てます。C-ATSというのは、従来の1号型ATSを大幅にバージョンアップしたもので、これなくして成田スカイアクセスの高速運転は成り立たなかったものです。

その前に1号型ATSについて解説します。元を辿れば1960年の都営1号線(→都営浅草線、以下浅草線と表記)開業で京成電鉄との相互直通運転が始まったのですが、銀座線、丸の内線、大阪市1号線(→御堂筋線)、名古屋市1号線(→東山線)で採用された打子式ATSはクローズドな都市内地下鉄向けで、郊外鉄道へ直通する浅草線向けに開発された保安装置で、ベースは旧国鉄のATS-B型です。

ATS-B型は元々車内警報装置を発展させたもので、閉そく信号軌道回路を車軸で短絡することで列車の在線を示す自動閉そく信号システムに、地上のループコイルで列車を検知して逆相電流を流して見かけ上信号電流を無電圧とし、それを列車の車上子が検知してベルを鳴らし、運転士が5秒以内に確認ボタンを押して停止措置を採らないと非常ブレーキがかかる仕組みです。

1号型ATSはそれを機能拡張し、0.8秒の軌道回路オフで常用ブレーキによる45km/h速度照査、3秒オフで非常ブレーキ作動と停止後15km/hの速度照査を行うものです。3秒オフは国鉄型ATSの確認作業を自動化したようなもので、事後の15km/h以下での無閉そく運転を許容することで高密度運転線区での乗務員支援に配慮し、構造単純で使い勝手の良いシステムです。

ただし欠点もあり、絶対停止機能がないので、例えば乗務員が15km/hで無閉そく運転中に心神喪失した場合には事故を防げませんし、最高速度が青天井となりますので、成田スカイアクセスのスカイライナー160km/h運転には問題のあるシステムです。

それが2005年4月のJR西日本福知山線脱線転覆事故を契機に、それまでなかったATS設置基準が決められ、速度照査機能と絶対停止機能の付与が義務付けられることになりました。絶対停止機能を持たない1号型ATSは見直しを迫られました。

とはいえ都営、京成、京急の他、北総鉄道、芝山鉄道、新京成電鉄と6社局が関わる問題だけに簡単ではありません。協議の結果、軌道回路による情報伝送をデジタル信号化して多様な情報を扱えるようにしたしたのがC-ATSです。頭文字のCはCommon(共通)、Continuos(連続)、Contrl(制御)のCを表すもので、相互直通各社の連携を意味します。

機能は大幅に拡張され、速度照査段に25km/hを追加、そのほか閉そく信号の速度現示に対応した速度段での速度照査のほか任意の速度が設定でき、曲線部の速度制限や過走防止、誤出発防止などの機能を持たせられます。加えて車上子は1号型の機能も持たせ、受け取る信号に応じて1号型として作動したりC-ATSとして作動したりして、切替にスイッチ操作を必要としないので、地上側の整備の進捗に合わせて使えるなど工夫されております。

地上設備は現在京急及び都営浅草線で設置を追え、京成は上野駅、高砂駅で先行導入後、本線上野―高砂間、成田空港線(スカイアクセス)、金町線に導入、当然ですが北総鉄道もスカイアクセスと同時に導入されてます。スカイアクセス線ではスカイライナーとアクセス特急に対して120km/h、スカイライナーに対して160km/hで連続速度照査しており、スカイアクセスの韋駄天走りを支えているわけです。尚、上記6社局中、新京成だけは1号型ATSに絶対停止機能を付加しており、京成との直通運転ではスイッチで切り替える仕様で、将来もC-ATSの導入はなさそうです。

都営浅草線内では全線で70km/hの速度照査を行う他、押上や泉岳寺など分岐器設置駅で機能が使われるだけという使い方です。京急では閉そく信号の速度段による照査の他、過走防止や平面交差に対する誤出発防止など、目一杯機能をフル活用しております。その結果京急にある変化が言われております。

韋駄天走りといえば何より京急の専売特許だったのですが、C-ATSの導入後、かつての頻繁な加減速でジェットコースターまがいの職人芸的な運転がなくなりマイルドになったと言われます。真偽のほどは定かではありませんが、C-ATSの機能を目一杯に使うことで、全体にムリ、ムラ、ムダがなくなったということらしいです。逆に言えばそれだけ1号型ATSの融通無碍さが活用されていたとも言えるわけで、間違いなく保安度は高まったと言えます。間違っても「京急はぬるくなった」なんて思わないように(笑)。

一方、C-ATSのせいで以前より遅れるようになったとも言われますが、これも京急蒲田駅の立体化で空港線大鳥居までの長い単線並列状態で、ダイヤがタイトになったことが影響している可能性もあります。なにしろエアポート快特の蒲田通過を余儀なくされ、国会議員まで担ぎ出されたぐらいですから、厳しい状況ですが、下り線が高架化され空港線の蒲田のカーブが直線になった地点のシーサスクロッシングで上下線が合流するまでは窮屈なダイヤは仕方ないところでしょう。

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Comments

便座船(笑) BとGのミスタッチですが、これほど違うとは。

Posted by: fugafuga | Monday, November 08, 2010 at 10:05 PM

う、絶句(苦笑)。

Posted by: 走ルンです | Monday, November 08, 2010 at 10:47 PM

いつもヒネリの効いた洒落を生み出す、
走るんですさんのパソコンだから、
誤変換もやけにヒネリが効いてますね(笑)。

Posted by: ポポロ | Tuesday, November 09, 2010 at 12:59 AM

PCの誤変換でうけても嬉しくないっス(涙)。

Posted by: 走ルンです | Tuesday, November 09, 2010 at 10:36 PM

C-ATSの速度照査パターンは任意の地点で発生させることができないのが欠点ですね。入換信号などでもかなり低い速度で連続照査が行われるようになりました。

分割併合が大幅に減ったとはいえ品川での1分間隔の発着はそのままですし、蒲田付近を抜きにしても「ムリ、ムラ、ムダがなくなった」とは思えません。ATSとは関係ないですが先日開業した国際線ターミナルにはホームドアが設置され、全体的に乗務員への負担が増えたように感じます。

京王相模原線もATCの先行導入で酷いことになっているようですが、安全性と効率性を両立して欲しいものです。その点、西武ATSやJR東のD-ATCはバランスの取り方が上手いと思います。もちろん、理想はATACSですけどね。

Posted by: yamanotesen | Sunday, November 14, 2010 at 09:29 PM

保安装置の更新はいろいろな問題を引き起こしますね。

京王相模原線も混乱してますか。京王の場合ATSからATCへ変更ですから、運転取り扱いそのものが変わるわけで、乗務員の習熟もそれだけハードルが高いといえます。特に相模原線だけの先行導入ですから、切り替えにヒューマンファクターが覗きます。

その点JR東日本のD-ATCはATCからATCへの更新ですし、西武のATCはAF軌道回路を用いながら減速度の低い貨物列車に対応するためにパターン速照を導入したのが良かったのでしょう。JR横総線のATCからATS-Pへの変更は特殊扱いの区間を解消したので乗務員にとってはむしろウエルカムだったと思います。

とはいえ保安装置自体の経年劣化もあるわけで、どうせ更新するならより良いシステムへというのは間違っておりません。移行期間の混乱はある程度は仕方ないところです。

Posted by: 走ルンです | Sunday, November 14, 2010 at 10:22 PM

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