« これからの「年金」の話をしよう | Main | スーパーでもフレッシュでもない新型ひたち »

Tuesday, January 18, 2011

寒中のCOSMOS狂想曲

いやー、寒いですね。これだけ寒いと体の動きも鈍くなります。この寒さが様々な問題を引き起こしておりますが、ここではこれを取り上げます。

JR東日本の新幹線トラブル、原因はシステムの処理容量オーバー - ニュース:ITpro
BPnetの記事の記述が正確ですので取り上げます。

昨日のJR東日本の新幹線全線の1時間に亘る輸送障害の原因が、運行管理システム"COSMOS"の処理容量オーバーだったわけです。COSMOSは国鉄時代に開発された新幹線総合運行管理システム"COMTRAC"の進化形で、JR東日本の新幹線全線の運行管理を行うシステムです。簡潔にいえば列車集中制御装置(CTC)の発展形で、平常時はあらかじめ決められた手順で列車運行に関わる進路選定や駅出発案内表示や自動構内放送などをトータルに自動化し管理するもので、加えて臨時列車、臨時停車、保守作業のための線路閉鎖、列車遅延や運行障害に伴う運転整理など、イベントや異常事態に対する指令業務を支援するシステムです。

JR東日本では在来線向けにはATOSというシステムを用いておりますが、線区単位、ブロック単位に指令を配置し、必要に応じて直通運転の中止などで障害の拡大を防ぐ仕組みのATOSとは異なり、COMTRACの流れを汲む集中管理システムとなっており、今回それが全線運休を余儀なくさせる弱点として働きました。

また5方向へ分岐する各新幹線が東京―大宮間の線路を共有する形態で、この区間だけ見れば15本/時という過密ダイヤで、且つ寒冷地積雪地で遅延が生じやすい条件が揃っております。実際昨日のトラブルも、朝の新白河、福島両駅のポイント不転換で、後続列車の到着番線を手入力で修正作業をしていたところ、必要な修正箇所を自動検出するシステムが作動して手入力が追いつかなくなり、容量オーバーとなったわけで、指令業務支援のための仕組みが仇となった形です。

先日東北新幹線新青森開業となり、列車本数も増えている中でのトラブルですから、JR東日本は容量アップを含むシステムの改修を検討するとしておりますが、東京口の線路容量の逼迫が背景にあり、再発防止には集中管理の見直しも場合によっては考える必要があります。その場合途中駅での運転打ち切りが増える可能性があり、打ち切り駅での乗客の滞留など、混乱を拡大する可能性もあり、悩ましい問題です。

意味不明の内閣改造で横滑りした大畠国交相は早速厳しい指導を示唆しておりますが、この発言でこの人は馬渕前国交相よりできる人ではないことがわかります。リーダーが無能だと能力を活かせないのはお気の毒な限りです。特に日和見リーダーというのは、上った梯子を外されるという意味で、バカ殿や宇宙人より始末が悪いです。馬渕大臣は高速道路無料化に熱心だっただけに、この人事で高速道路無料化の行方も怪しくなりました。

そういや仙谷官房長官も交代となりましたが、仙谷氏にしろ真淵氏にしろ、辞める理由はなかったのに、参院で問責決議を受けたから辞めさせるというのは、ホントに最低のリーダーです。自己保身のためなら仲間だって裏切るというのならば、この人のために働く人はいなくなりまっせ。

|

« これからの「年金」の話をしよう | Main | スーパーでもフレッシュでもない新型ひたち »

JR」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

都市間高速鉄道」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

鉄道事故」カテゴリの記事

Comments

>新幹線総合運行管理システム"COMTRAK"
揚げ足を取るようですが、KではなくCです。(なんか競馬のCMみたいだ・・・)
ややこしいですけど、新幹線総合運行管理システムはJR東のCOSMOSで、東海道山陽のCOMTRACは新幹線運行管理システムですね。

>COMTRAKの流れを汲む集中管理システム
COSMOSは分散制御方式です。ATOSと同じく制御は分散、管理は集中というタイプですね。なので、制御するコンピュータは各駅に配置されていますが、操作は指令で一括して行うことになります。
(ネットを検索すればいろいろなところに書かれていますが、私の手持ちの資料の中では鉄道ピクトリアルの2002年5月号がソースとしては参考になります)

>必要な修正箇所を自動検出するシステムが作動して手入力が追いつかなくなり、容量オーバーとなった
2008年の年末に発生したトラブルは手入力が追いつかなくなってシステムダウンを引き起こしたのですが、今回はシステムの方が追いつかなくなりました。

>再発防止には集中管理の見直しも場合によっては考える必要があります
中央集中型の典型例が東海道山陽のコムトラックですが、CTCによる一括制御なので指令員による手動制御が容易に可能です。やろうと思えば京急並の「逝っとけダイヤ」もでき、その失敗例が葛西社長時代の2000年に発生した東海豪雨です。豪雨の中で運行し続けたために、新幹線の遅延ワースト記録を樹立しましたw

今回も08年のトラブルも人間とマシンとのやりとりで発生しています。手動制御であれば起こり得ません。

しかし、ITproの記事に「東京の運行本部と各駅で、データが整合しているか確認するため」「JR東日本は全新幹線を停止させた」とあるように、コスモスやATOSでは手動制御が難しく、運転整理であっても常にシステムを介した制御になります。分散制御が裏目に出た格好ですね。

長々と失礼しました。

Posted by: yamanotesen | Thursday, January 20, 2011 at 01:23 AM

あちゃー、間違いだらけでした。よく調べねば^_^;。

というわけで、フォロー感謝です。m(_ _)m

COSMOSのシステムはおそらくヒューマンファクター排除が狙いなんでしょう。処理をシステムに委ねれば、少なくとも人為ミスは防げるわけですが、その分システムにかかる負荷は増すわけですね。

逆にCOMTRACでは司令員の判断のウェートが高いわけで、かなりストレスフルな仕事ですね。優劣はともかく、これだけ異なったシステムが並存することは、海外の高速鉄道プロジェクトへの参加には不利になりますね。

今後3月には"はやぶさ"が走り始め、ダイヤがより複雑になるわけですから、ある意味その前に弱点が明らかになったという評価も可能です。

Posted by: 走ルンです | Thursday, January 20, 2011 at 08:17 PM

一部の報道ではコスモスとコムトラックを混同していたり、問題の本質を見誤っているものが散見されます。走ルンですさんが間違うのも無理はないと思います。

ATOSもCOSMOSも今まで何度かトラブルがありましたが、その多くはシステムそのものの故障ではなく、人間とマシンとのやりとりに関するものです。いわゆるマンマシンインタフェースですね。少しずつ改善されているとはいえ、何度も繰り返しているのは問題です。

海外展開については、むしろ案件に応じて最適なシステムを柔軟に提案できるメリットにもつながると思います。日本が官民一丸となって取り組むのが前提ですけどね。

Posted by: yamanotesen | Friday, January 21, 2011 at 12:40 AM

励ましていただいて恐縮です。

ATOSもCOSMOSも確かにマンマシンインターフェースで問題を起こしてますが、ダイヤの複雑さなど、要求水準が高すぎるのかもしれません。

とはいえ職人芸で「逝ってこい」連発も問題ですし、暗黙知に依存するシステムは、いずれスキルの継承がうまくいかなくなる可能性が高いだけに、JR東日本の挑戦は意味があります。

海外展開では、ただでさえ国際標準の壁があります。その中で日本基準を国際標準に反映させる努力が必要なときに、当事者が「あっち向いてホイ」やっている場合かという危惧があります。

Posted by: 走ルンです | Saturday, January 22, 2011 at 12:03 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50724/50623262

Listed below are links to weblogs that reference 寒中のCOSMOS狂想曲:

« これからの「年金」の話をしよう | Main | スーパーでもフレッシュでもない新型ひたち »