« December 2010 | Main | February 2011 »

January 2011

Sunday, January 30, 2011

スーパーでもフレッシュでもない新型ひたち

先日、都内某所で鉄道をテーマとしたワークショップでスタッフとしてお手伝いいたしました。例題で相互乗り入れに伴う車両走行キロ精算に代わる現金以外の精算方法についてグループワークをお願いしたら、あるグループから「キップの券売機を並べて乗客に選んで貰う」というアイデアが出たのに驚きました。なまじ鉄ちゃんは固定観念に囚われて、このような柔軟な発想ができなくなっていると反省しきりです。

ワークショップでは遠路九州からの参加者もあり、九州新幹線鹿児島ルート全線開業を控えた現地の裏話などもお聞きできて面白かったのですが、いずれどこかで取り上げたいと思います。

そんな中でやや旧聞ですが、常磐線特急ひたちの新車投入の話題を取り上げます。

常磐線特急に新型車両を導入!~ E657系特急形交直流電車 ~(PDF)
昨年N'EXの車両更新が行われて、次はどこかと思えば、常磐線のスーパーひたち、フレッシュひたちということで、踊り子はまたしてもお預けになりました。

発表ではE657系10連16編成160両を新製し、651系とE653系を一気に置き換えるということで、車齢の浅いE653系も押し出されることになります。新幹線整備が進むJR東日本エリアでおそらく最後の特急街道である常磐線ですが、巨大メーカーが立地することもあり、ビジネスラインとして好調だったわけですが、651系7+4連9編成、E653系7連8編成4連4編成の合計171両を160両で置き換えるわけですから、供給面では減量策となるわけです。

運転区間が原則上野―いわき間となり、いわき―仙台間は系統分割されてE653系により公募で新愛称名を決めるということですから、実質的には同等なのかもしれませんが、フレッシュひたちで朝の上りで見られた7連2編成併結の14連がなくなるわけです。おそらくE531系へのグリーン車組み込みで、フレッシュひたちが担ってきた近距離の着席乗車需要がかなり代替されている結果なんでしょう。また団塊世代のリタイアで通勤需要が減少している影響もあるのでしょう。つくばエクスプレスの開業も影響しているかもしれません。シートピッチを狭め普通車のみとしたE653系の輸送力に頼まなくてよくなった結果として」の需給の適正化が狙いと考えられます。

というわけで、おそらくフレッシュひたちの停車駅を整理してスーパーひたち系統に統一される形になると考えられます。また2013年には東北縦貫線が開業し、東京駅乗り入れが予想されますが、10連ならば遠路伊豆急下田まで乗り入れられます。651系は首都圏操配用に転用が予想されますから、一部代走で捻出した運用で季節臨を設定することは考えられます。とすれば東海道線で乗車機会があるかもしれず楽しみです。185系がよりみすぼらしくなりますが-_-;。

転用計画は未発表ですが、651系は首都圏操配用として183系や485系を置き換え、E653系についてはいわき―仙台間の新特急への充当分以外は他地域へ転出となりそうです。おそらく上沼垂の485系を置き換えていなほなどに使われると考えられます。思えば1969年、いなほと同時に登場したひたちですが、秋田運転所所属のキハ81系でいなほの間合い運用で臨時列車扱いだったひたちです。積雪地帯を走るいなほの遅延を考慮した措置だったんですが、ひたちのお下がり(E653系)がいなほへ転身と立場が逆転しているのが興味深いところです。

というわけで、651系が1989年、E653系が1997年の登場ですから、実はもう新しくはないのですが、時の流れはJR化後の新車と言えども容赦なしということですね。日光、きぬがわ用の485系183系は253系の改造車に置き換えが決まっておりますが、JR東日本に残る国鉄特急形は風前の灯火ということらしい。185系踊り子がしんがりになりそうで怖い^_^;。

p.s.2/1一部加筆修正いたしました。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

Tuesday, January 18, 2011

寒中のCOSMOS狂想曲

いやー、寒いですね。これだけ寒いと体の動きも鈍くなります。この寒さが様々な問題を引き起こしておりますが、ここではこれを取り上げます。

JR東日本の新幹線トラブル、原因はシステムの処理容量オーバー - ニュース:ITpro
BPnetの記事の記述が正確ですので取り上げます。

昨日のJR東日本の新幹線全線の1時間に亘る輸送障害の原因が、運行管理システム"COSMOS"の処理容量オーバーだったわけです。COSMOSは国鉄時代に開発された新幹線総合運行管理システム"COMTRAC"の進化形で、JR東日本の新幹線全線の運行管理を行うシステムです。簡潔にいえば列車集中制御装置(CTC)の発展形で、平常時はあらかじめ決められた手順で列車運行に関わる進路選定や駅出発案内表示や自動構内放送などをトータルに自動化し管理するもので、加えて臨時列車、臨時停車、保守作業のための線路閉鎖、列車遅延や運行障害に伴う運転整理など、イベントや異常事態に対する指令業務を支援するシステムです。

JR東日本では在来線向けにはATOSというシステムを用いておりますが、線区単位、ブロック単位に指令を配置し、必要に応じて直通運転の中止などで障害の拡大を防ぐ仕組みのATOSとは異なり、COMTRACの流れを汲む集中管理システムとなっており、今回それが全線運休を余儀なくさせる弱点として働きました。

また5方向へ分岐する各新幹線が東京―大宮間の線路を共有する形態で、この区間だけ見れば15本/時という過密ダイヤで、且つ寒冷地積雪地で遅延が生じやすい条件が揃っております。実際昨日のトラブルも、朝の新白河、福島両駅のポイント不転換で、後続列車の到着番線を手入力で修正作業をしていたところ、必要な修正箇所を自動検出するシステムが作動して手入力が追いつかなくなり、容量オーバーとなったわけで、指令業務支援のための仕組みが仇となった形です。

先日東北新幹線新青森開業となり、列車本数も増えている中でのトラブルですから、JR東日本は容量アップを含むシステムの改修を検討するとしておりますが、東京口の線路容量の逼迫が背景にあり、再発防止には集中管理の見直しも場合によっては考える必要があります。その場合途中駅での運転打ち切りが増える可能性があり、打ち切り駅での乗客の滞留など、混乱を拡大する可能性もあり、悩ましい問題です。

意味不明の内閣改造で横滑りした大畠国交相は早速厳しい指導を示唆しておりますが、この発言でこの人は馬渕前国交相よりできる人ではないことがわかります。リーダーが無能だと能力を活かせないのはお気の毒な限りです。特に日和見リーダーというのは、上った梯子を外されるという意味で、バカ殿や宇宙人より始末が悪いです。馬渕大臣は高速道路無料化に熱心だっただけに、この人事で高速道路無料化の行方も怪しくなりました。

そういや仙谷官房長官も交代となりましたが、仙谷氏にしろ真淵氏にしろ、辞める理由はなかったのに、参院で問責決議を受けたから辞めさせるというのは、ホントに最低のリーダーです。自己保身のためなら仲間だって裏切るというのならば、この人のために働く人はいなくなりまっせ。

| | Comments (4) | TrackBack (0)

Sunday, January 09, 2011

これからの「年金」の話をしよう

年が明けて更新が滞っておりますが、新年にふさわしいお目出度い話題が見つからず、今に至りました。というわけで、一応明るい話題のつもりですが、読後の感想には責任を負いかねます^_^;。

政権の迷走は予見できたことですが、アキカンでダメだからといっても、代わる人がいない。これは民主党に留まらず野党の自民党なども同じで、解散へ追い込むという主戦論で勇ましいですが、政権構想は何一つ示せていない状況です。こうなると官僚の出番とばかりに、さまざまなことが進んでおりますが、要注意です。

例えばこんなニュースです。

省エネ家電に新割引、買い替え時CO2削減分を : 環境 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
エコポイントで家電販売が下支えされてきたものの、3月で期限切れとなり、販売の落ち込み、価格の下落は確実な情勢ですが、無理筋の制度です。

例えばエコポイントで買い替えが進んだTVですが、ブラウン管TVから液晶などの薄型TVへの買い替えで、TV単体の消費電力は、視聴時間が同じならば下がる道理ですが、売れたのは大画面のものが多く、また付与されるエコポイントが多いこともあり、これって省エネ?という疑問が付きまといます。

加えて2台目の購入や、録画用ハードディスクドライブやブルーレイドライブなどの周辺機器が増殖したりしてますし、冷蔵庫でも大容量のものへの買い替えが進みましたので、言われるほどの省エネ効果は出ていないと推定されます。つまりCO2排出削減分の還元策は制度として成り立たない可能性があります。一応買い替え世帯をモニターして実測値をはじくようですが、「標準値」を設定するというところがミソです。つまり実数値ではない架空の数値を設定するのです。

エコカー減税で主にEUからクレームがつけられた車重別の標準燃費からの改善効果を評価するという制度設計であるために、重量の嵩むオプションを付けて重量区分を上方シフトして燃費改善効果を高く見せるインチキが横行したことは既に指摘したとおりです。EUとのFTA交渉はタフなものになりそうです。

エコポイント制度であまり指摘されませんが、制度終了後の在庫処分で付与されたはずのエコポイント分以上の値引きが行われるとすれば、慌てて買いに走る意味は無いんで、柳の下のドジョウを狙っても、いずれ消費者に見透かされること確実でしょう。今のところ経産省で検討中の段階ですが、支持率が低迷する政権が飛びつく可能性が高いだけに頭痛いですQ-o-フゥ。

そんな中で社会保障の充実に意欲を見せるアキカン宰相の意向もあり、鉄建機構の埋蔵金1.5兆円の内1.2兆円を取り崩して基礎年金の国庫負担分に充てることを決めたことは取り上げました。それに先立って基礎年金の国庫負担を50%とする財源が見つからないということで、財務省から待ったがかかり、11年度予算では国庫負担を36.5%として不足分を年金積立金の取り崩しで充てる案が出され、財務省と厚労省が対立しておりました。そこへ出てきた埋蔵金活用で、メデタシメデタシと感じたとすれば、騙されてますのでご注意を。

総額140兆円と言われ、厚生年金と国民年金の積立金を厚労相が年金積立金管理運用独立行政法人に寄託し、民間金融機関(信託銀行等)へ運用委託し、一部は自主運用とされておあります。JAL再建問題で指摘した企業年金制度が積み立て方式ですので、公的年金制度とは違うのですが、就労ができない年齢まで生き延びるリスクに備える保険という点で基本的な仕組みは同じです。

この辺は公的年季制度の歴史過程で戦費調達という裏の目的があったために、元々の制度設計が積み立て保険の形態でありながら、法令上は明記されず、故に積み立て不足が放置され、運用で賦課方式へ移行させた歴史が絡む問題です。積み立て不足自体は積立金の運用目標を高く設定していることに由来するもので、運用利回りが高ければ納付する保険料を安く、給付を高く設定できる仕組みですが、当然運用実績を上げるためには株や海外債券などのリスク資産を組み込んだ運用を強いられ、バブル崩壊で元本が毀損したわけで、日本の公的年金では積み立て不足は数百兆円に達するという試算があり、財政資金の臨時拠出も非現実的です。

完全な賦課方式ならば積立金は要らないか、若しくは制度の持続性を保証するレベルの資金があれば十分なんで、大まかに言って1年分の支給額相当の積立金があれば、万が一大災害等で国の経済活動が完全停止しても給付を続けられるわけですがその水準は現時点で20数兆円規模。団塊ジュニア世代が受給年齢となる2040年ごろには倍増が予想されますが、それでも50兆円強といったところでしょう。そしてその水準が10年程度続いてから暫減すると見込まれます。つまり現状で90兆円程度は取り崩しても問題は無いわけで、むしろ制度の持続性を担保し、給付水準を維持するために計画的に取り崩すことが望ましいといえます。この辺は以前にも指摘しました。

加えてスウェーデン方式と言われる見なし積み立て方式への移行が、特に年金未加入者が多いと言われる若年層の制度参加のインセンティブとなることを指摘しておきます。見なし積み立て方式はリアルに積立金を積むわけではなく、納付された保険料は賦課方式に準じて現在の受給者への給付へ回されますが、制度へ参加した証しとして個人別に年1回積立額が明示され、受給額も推計できる仕組みです。制度の骨格は賦課方式ながら、保険料の納付が受給権とリンクしている点で積み立て方式と同等の効果を期待するものです。当然見なしとはいえ積み立て不足は財政による穴埋めが前提となり、制度の安定性は増すわけです。しかも現行制度からの移行も比較的容易です。ただし運用は安全性重視で国債運用に限定し、運用目標を置かないなど、積み立て不足が生じない仕組みにする必要はあります。

この辺は以前にも論じたところでして、賦課方式は人口動態の影響を受けますが、経済状況を柔軟に反映させられるという意味で、公的年金としては望ましい仕組みです。

とまあこんな話をなぜ蒸し返すかと言えば、財務省の動きに懸念があるからです。参院選前に消費税10%をぶち上げて惨敗した菅首相ですが、ここまでの「年金」の話でお気づきの方はいらっしゃるでしょうが、年金制度単体で見れば消費税を上げずに制度改革は可能です。医療、介護、保育などの現物給付では、サービス給付という性格上費用のコントロールが難しく、将来の財政負担が増える可能性を否定するのは難しいのですが、年金だけに限れば、現金給付という性格上、財源がクリアすれば良いわけで、やる気があればすぐにでも可能ですが、予算折衝で財務省が国庫負担の財源不足で年金積立金の取り崩しに敢えて言及したところに、年金問題を消費税増税に繋げる裏の意図が見えてしまいます。こんなことも見抜けない間抜けな政権で政治主導とはちゃんちゃらおかしいですな。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

« December 2010 | Main | February 2011 »