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Saturday, June 11, 2011

狡猾っと関西節電要請

震災から3ヶ月。被災者にいつまでも「がんばって」と言い続けるのも限界です。本来は「もうがんばらないで」と言わなければならないのに、とても言えない現実に暗澹たる思いです。それもこれもアキカン宰相による天災バカボン政権が働かないからですが、国民も被災者もそっちのけで「後継は野田財務相」と言って現体制を維持しようというのですから呆れます。将に

天災バカボンこれでいい野田-_-;
ねじれ国会が言われますが、参議院は今でも民主党・新緑風会が最大会派です。野党との修正協議を柔軟に行えば良いわけで、要は現政権が与党内の意見集約ができていないから、野党に足許を見られて迷走するのであって、それ以上でも以下でもありません。バカボン一家で政権をたらい回ししても事態は打開されません。

迷走のあげくやっと自民、公明と修正合意した復興基本法で復興債の発行と償還を通常の国際から分別することが盛り込まれておりますが、マクロ的には無意味な区分経理です。復興債発行額を最大30兆円として通常の国際と同様60年償還とした場合の毎年度の元利金等負担額は、金利上昇を加味しても1兆円に満たないもので、政府のリストラで十分カバーできるもので、むしろ復興需要によるGDP押し上げ効果でそれぐらいの税収増が見込めないようならば、復興そのものが失敗と評価することすらできます。こんな与野党談合しかできないんですから、政権の能力不足は明らかです。

わき道に逸れますが、復興が進まない中で財源の議論ばかり先行するのは、完全に財務省に操られているからですが、百歩譲っても国債増発か増税かという二択で議論されているのが変ですが、あまり指摘されないので申し上げますが、少なくともあと3つ有力な選択肢があります。

1つはいわゆる埋蔵金です。例えば外為特会で80兆円ですが、貿易決済の円滑化が目的ならば輸入決済額の半年分もあれば十分ですが、半分の40兆円でもまだ余裕がありますし、国債整理基金の剰余金10兆円の取り崩しは全く問題ありません。そのほかにもありますが、兆円単位の剰余金を抱えている基金からの取り崩しで相当な資金が手当できます。

2つ目は既に成立している予算の組み替えで、一部法改正が必要なものがありますが、基本的に政権による執行段階でのチェックで差し止めることは可能です。以前に指摘した公共事業費など以外にも、5,000億円規模の農地基盤整備事業費を被災地の農業復興へ回すなどはやる気があれば直ぐに可能ですし、法改正を伴う案件も表立って反対しにくい状況にすらあります。

3つ目は民間資金活用ですが、1つはPFI法の見直しで、政権の迷走で忘れ去られておりますが、復興事業への民間からの提案を幅広く受け入れる素地となるだけに急ぐべきです。もう1つは規制緩和ですが、復興特区としてさまざまな提案はされているものの、できれば被災地限定の特区ではなく、国全体の制度として考えるべきです。実際既に指摘しているように震災後の企業倒産件数の9割が被災地以外ということもあり、サプライチェーンの復興を視野に入れれば必然的にそうなります。

加えて二重ローン問題ですが、これは逆に国がしっかり関与すべき問題ですが、結局ローン物件の買い取りなどは行われず、金融機関のリスケジュールに国が信用保証するという線に落ち着きそうです。阪神大震災でも耐震偽装問題でも行われなかったから今回だけの特例はやりにくいということのようですが、実際は被災地企業の倒産が少ない理由に、手形決済の猶予が影響している現実があります。つまり震災や津波で事業の継続性は損なわれても容赦なく来る手形決済日に、受け取った側が敢えて決済を行わないことで不渡りが起きていないだけですが、当然それはいつ不渡りになってもおかしくない時限爆弾ですから、そういった企業が事業再開しようとして銀行に融資を申し込んでも実行されるわけはありませんから、結局復興の目を摘んでいるわけです。同様にローンの支払いが事実上猶予された個人が新規にローンを申し込んでも審査ではねられるのは自明ですから、結局住宅の再建にもつながらず、また被災地の土地のいくばくかを国が一時保有すれば復興事業も進めやすくなるわけですがそれも叶わず、いつまでも復興需要は起きてこないことになります。債務の切り離しは喫緊の課題です。

それなのに政府は仮設住宅を8月までに完成させると意気込むのですが、その仮設住宅が3万棟完成したにもかかわらず、入居は4割という状況です。理由は仮設住宅に移ると食糧支援などが受けられなくなることと、仮設住宅自体が用地確保に苦戦していて、完成しても遠くて不便ということもあり不人気です。こうなると仮設住宅の整備に拘らず、民間アパートの空室借り上げや使える公共施設の開放や他地域への移住も含めた被災者のニーズに寄り添った対応が必要なのに、それができないのですから、いっそ国なんかない方が良いという話にすらなりかねません。

本題に戻しますが、そのアキカン宰相の置き土産となりそうなのが、浜岡の運転停止に端を発する原発停止ドミノです。政治家の人気取りとしては軽率極まりない話ですが、予想通り原発立地自治体が一斉に定期点検中の原発運転再開に同意しない事態が広がっております。一様に原発の安全性に関して国が規準を明らかにせよと言っているのですが、例によって「問題ない」を連発するばかりで自治体に判断を丸投げしていて、国自らの責任をあいまいにしようとしています。これでは事態は膠着するばかりで、結局定期点検で運転停止した原発は廃炉されるわけでもなくそのまま放置されるだけとなってしまいそうです。これは反原発派から見ても問題のある対応です。

こんな状況に関西電力が声を上げました。福井県が11基ある関電の原発の運転再開に不同意を表明しており、原発運転再開ができなければ東電エリアへの電力融通もできないし、関電エリアでも節電をお願いしたいというものですが、唐突な話にあの名物知事が早速ツッコミです。

橋下大阪府知事、関電の節電要請「協力しない」  :日本経済新聞
関西広域連合に参加する福井県知事の立場も代弁し、知事が原発に関して「話し合いたい」と言っても「国策だから」と相手にしないことをチクリ。関電の頭の高さは相当なもののようです。関西広域連合でも5-10%の節電対策をまとめたばかりで、15%の節電要請は間が悪いということもありますが、既に多くの企業で工場、オフィス、データセンターなどを東日本から西日本へ移す検討がされ、実行段階だっただけに、民間活動へのインパクトは大きく、混乱が予想されます。また規模や業種による割当もなく一律ですから、戸惑いは拡がります。

鉄道関連では大阪市が節電のための一部減便の検討を発表したところ、ラッシュの混雑を心配する声が寄せられ、ラッシュ時の減便はしないと発表したのですが、関電の節電要請でまた流動的です。近鉄では10%を超える節電ならば列車減便は避けられないとして検討を始め、阪急電鉄では編成減車で減便なしとするなど、少なからず混乱が見られます。

あと大阪キタの陣で話題にした小売業でも、節電の影響は避けられません。東日本ではファッションビルのルミネで夏のバーゲンを前倒しして6月16日スタートとしました。7月にバーゲンで来店客が増えると空調の稼働率が上がって節電枠を突破する恐れがあるための苦肉の策ですが、巨大ドームにミスト空調を仕込んだ大阪ステーションシティで集客が好調な中で、売上減を覚悟した自粛ができるでしょうか。

同記事で指摘したように、そもそも企業等の自家発電設備の出力合計は6,000万kw/hにのぼり、更に増強中ですから、仮に全国の全原発が停止しても。余剰電力を融通できる仕組みさえあれば問題ないんですが、電力自由化で発足した日本卸電力取引所(JPEX)の規模が小さく、6月に東電、東北電エリアで復活した取引でスポット価格が上昇しております。規模が小さいだけに値上がりしやすいんですが、おそらく関電エリアをはじめ全国で同様の値動きとなるでしょうから、自由化すれば電気料金が上がるというプロパガンダに利用する腹でしょう。政府からも発送電分離発言が出る状況ですから、その対策と見ると構図が透けて見えます。

とはいえ政府高官が発送電分離に言及しながら、実際の検討は落ち着いてからとか暢気な事言っているから舐められてるんです。電力不足で復興の足を引っ張ろうが日本経済の足を引っ張ろうがお構いなしの電力会社の姿勢に対しては、政治がきちんと対応すべきです。だから今、電力自由化をやるべきなんですが、そんな構想力を持たないリーダーじゃ役に立ちません。というわけで菅首相に心からのお願いです。

これ以上無意味に「がんばらないで」(笑)

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Comments

関西も節電ですかとあきれる毎日です。
こうしてみると、東電をはじめとした電力会社の発言力は絶大だったんですね。
それにつけても、大本営発表を繰り返すマスコミ。
この際、NHKをはじめとして民法テレビ局は節電のために昼過ぎ3時間ぐらい一斉放送休止をしたらどうでしょうか。
テレビを見れない → 家庭の空調を消して → 鉄道で外出 → 買い物をする → 小売と鉄道の売上増

ところで、節電で経費が少なくなった鉄道会社は運賃値下げしてもらえないのでしょか

Posted by: Hybrid | Sunday, June 12, 2011 at 11:33 PM

節電を呼びかけるテレビの電力消費はバカにならないんですよね。仰るように大本営発表で国民を惑わすぐらいなら、放送自粛ぐらいしてほしいです。

夏の場合ピークタイムは昼間の午後ですから、その時間出かけるというのは自衛策ですね。鉄道で外出して消費に貢献ならなおよしです。

鉄道会社の節電が運賃を下げる水準には至らないでしょう。むしろ減便すれば運賃収入を減らす可能性もありますし。テレビ放送自粛の一方で車内モニターへの配信は行うとすれば、甲子園観戦は山手線でとか(笑)。でも暑そうです。

Posted by: 走ルンです | Sunday, June 12, 2011 at 11:59 PM

政治家なんて皆一緒でしょ。自分の人気取りだけで、真面目に国内外の問題に取り組んでいるとは思えません。総理が誰になろうと、政権政党がどの党であろうと結果は同じだと思います。いっそ堕ちるところまで堕ちた方が良いんじゃないんですか?(笑)

Posted by: yamanotesen | Monday, June 13, 2011 at 05:57 PM

入居率の低さですこし補足させてもらいますね。
一応、宮城県仙台などでは全壊被災者がアパートを借りて移った場合などにその居住費用を全額持ってくれてたりします。
移れる人はまだいいんですが、津波に全てを持っていかれた人たちはどうにもならない状況になっています。
現在、「25最以下男性のみ」とか「工事経験者のみ」等といった引き合いは増えてるようですが、当たり前なんですが求職とのアンマッチが解消できません。
サラリーマンは失業保険があるのでまだなんとかなるのですが、それ以外の人の場合、現状手の打ちようがなくて、本来、こういうときの為に生活保護があるのですが「もうしばらくしたら義援金でるかも知れないからまって」と門前払いしている例も見受けられます。
とはいえ役所も人的リソースを被災に振り分けてしまっている事情があり怒るに怒れません。
自治体によっては三ヶ月たった今でも、まだ被災証明が終わっていないところがあります。
ここからは個人の所感です。
被災時に皆でちゃんと何時間の並んだ上でお金を払って物を買ったというのは、今でも当然かつ正しい行いだったと確信していますが、今こうやって資金ショートで困っている人が続出している現実を見ると正直、複雑な気分です。
海側が困窮する一方で内陸のほうはどんどん回復してます。
来月には仙台空港鉄道の一部が走れそうです。
どうしたものでしょうね。

Posted by: 幻月 | Monday, June 13, 2011 at 07:14 PM

問題は政治家だけではなく、官僚の劣化や東電に代表される発言力の強い企業など、すべからくこの国の統治機構が劣化してます。真実を伝えないメディアも同様です。

ある意味こんなもんなんですから、期待しないというのが正解でしょう。しかし日々を生きるしかない国民はたまりません。ある意味自己責任を問われているのかな?

幻月さんのご報告ありがとうございます。ご指摘のように津波で被災した海岸部と内陸部で二極化が進んでいるのが気になります。

また仮設住宅は県の事業なんですが、岩手、宮城、福島の各県で事情が違ってます。仮設住宅に関しては、岩手県がいち早く用地確保を終えていますが、市町村や被災住民のニーズを汲み、公有地以外に民有地借り上げなど柔軟な対応をしております。残念ながら宮城県は最も遅れている状況です。

悪い噂はいろいろあります。阪神大震災では、復興予算が被災額を上回るなど、結果的に火事場泥棒を許してしまったんですが、今回はある意味政治の無能で空手形になっており、全国の土建屋が蠢いているとか。復興に名を借りた大規模公共事業の夢再びという取らぬ狸の皮算用ですが、そのために復興の大儀を振りかざして生活再建が後回しになっているフシがあります。

結局被害の少なかった内陸部の復興は進んだのに、海岸部は時間が止まったままとなってます。両者が連動しないのは確かに変です。

Posted by: 走ルンです | Monday, June 13, 2011 at 09:33 PM

ご返答ありがとうございます。
宮城についてはしばらく後手を踏むかもしれません。
県知事の村井さんは消して無能というわけではないのですが、どうにもここぞという時の周辺との調整に失敗することがしばしばある方です。
全国紙にはさすがに出ませんが今回も職住分離案(高台移住)と漁業特区に執心してるところがあって他の優先度を下げてしまってる節があります。
私個人は高台移住自体は悪い案ではないと思うんですが、これは津波被災者達との調整がとても難しい話です。
現実問題として議論が生煮えになり画鋲で終わる可能性が高いことと復興の遅れを懸念して、議会側は、まずは既存の場所への町の復旧案を組み立ててその上で住民と話をしないかと説得してます。
このあたりがはっきりしないと気仙沼線もどのように敷きなおすのかすらも決められない状態です。
福島についてはそもそも福島中央の福島市と浜どおりに交流や情報の交流が平時から乏しく、原発のこともあって避難者の受け入れと風評対策が優先されているようです。
一応、常磐線相馬駅のある相馬市は常磐線の避難地域外の早期復旧を強く要望してますが、これも宮城が後手に回っている影響で流出した山下、坂本、新地駅の処遇が決まらず現在塩漬け状態です。
せっかく他地域の支援でここまで持ち込んだのに地域の不手際も露骨に出てしまっている点、申し訳ないです。

Posted by: 幻月 | Monday, June 13, 2011 at 09:59 PM

宮城県の復興遅れですが、さまざまな要因があると思いますし、おそらく表に出ない事情もあると思います。多分知事の姿勢の問題だけではないでしょう。

制度面でネックになりそうなのが、高台移住の場合、土地の造成が必要ですが、そのためには都市計画法に基づく手続きが必要で、これがかなり時間がかかる代物です。まともにやれば2年3年はあっという間ですから、これでは復興に手が出せません。この辺の制度の見直しはやはり国がやるべきことです。

Posted by: 走ルンです | Tuesday, June 14, 2011 at 12:00 AM

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