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Sunday, September 11, 2011

支持率6割任期1年の首相職

野田政権発足で報道各社の世論調査では、6割前後とまずまずのスタートのようですが、鉢呂経産相の不適切発言で辞任ということで、早速痛手です。

しかしその内容が「放射能うつした」とかいう言った言わないレベルの話で、本人と記者クラブ記者だけの談話の中での話ということで、客観的にどういうやり取りがあったかという事実報道は皆無です。記者クラブの大政翼賛体質そのままの不気味なニュースです。え、「死の町」発言? 本当の事じゃないですか。

不気味ついでに言えば、昨年6月の菅政権発足当時の世論調査で支持率はやはり6割前後ですから、野田政権も余命1年で確定でしょう。所詮メディアの政局報道で捏造された政権は、メディアの身勝手で簡単に逆風にさらされます。鉢呂氏の発言に関する客観的事実関係は全く明らかにされない中で、本人が辞表を書くという流れは、何度も見てきた風景です。

元々野田首相自身、耐震偽装事件で追い込まれていた安倍政権当時の民主党国会対策委員長で、永田議員の偽メール事件問題でミソをつけた人でもあります。元々首相の器じゃないのに、ドジョウ宰相などとはやし立てて人気を演出しても、閣僚の発言の揚げ足取りはするわけで、どうしようもないこの国のメディアの病状を憂います。

鉢呂氏の発言は元々TPPに懐疑的だったり、原発再開に慎重だったりで、野田政権の中では目立っていたというのもありますし、親小沢派と見られていたなど、メディアに狙われる要素はいろいろあったわけです。閣内不一致はメディアや野党のツッコミどころになるわけで、そうやって煽れば新聞も売れるしスポンサーフィーも入るわけで、悪質な錬金術です。

先日の民主党代表選でも、馬渕澄夫氏が決選投票で野田氏へ投票の意向という誤報を流し、明らかに決選投票の結果に影響しましたが、法令上任意団体に過ぎない政党の代表選は公職選挙法の対象外ということで、違反には問われないのです。とはいえ実質上首相選びとなる与党代表選の結果を左右する可能性のある報道は、政局に手を突っ込んだと見られても仕方ありません。小沢代表時代の大連立工作問題のときは読売新聞主筆の暗躍が言われましたが、当時大連立に反対した面々が大連立に熱心という変な逆転現象も起きてます。政治の混乱はメディアの仕事を生み出すわけです。

というわけで、野田政権とメディアの蜜月は長くないと見られます。それでいて政治の混乱で震災復興が遅れるとこぼし、円高で大変だと騒いでみたり、デタラメにもほどがあります。なお、G7財務相中銀総裁会議でマルセイユにいた安住財務相は、円高の窮状を米ガイトナー財務長官に訴えて笑われています。以前指摘したとおりの展開です。

そんな中で復興増税の議論は進んでいて、おおむね13兆円規模で15-20年で償還して負担を減らすとしておりますが、通常の建設国債などで用いられる60年償還ルールを用いれば、単年度の負担は1兆円を切りますし、復興バブルを抑制する意味でも不要不急の公共事業は執行停止が望ましいわけで、これぐらいの財源は増税なしで出せなければおかしいということは、度々指摘してまいりました。

とはいえさすがに増税一辺倒では党内もまとまらないし、国民にも不人気というわけで、政府保有株の売却が議論されてます。JT株の政府保有分50.1%を1/3相当に圧縮して6,000億円、郵政見直し法に基づく政府保有株の2/3相当で6兆円超、東京メトロ株の政府保有分売却で2,000億円などで、NTT株は対象になっていませんが、総務省が政府保有株を根拠に他社の新規参入を促す政策を採ってきたこともあり、売却は現実的でないということのようです。

郵政見直し法に関しては、自民党は猛反対してますが、公明党は増税に慎重な分、適切な修正協議を条件に賛成に回る可能性があります。ただしその場合、連立パートナーの国民新党との関係が微妙になる可能性もあり、すんなり行くかどうかはわかりませんが、規模が大きく、復興財源のほぼ半分を賄える規模です。

東京メトロ株の売却は、都営地下鉄との経営統合が半ばということで、早速東京都が「約束が違う」とツッコミを入れております。以前週刊東洋経済で東京メトロ株の時価総額を6,000億円と見積もりましたが、この半分とすれば3,000億円となるはずですが、東京都が保有株を手放さなければ、この程度にしか評価されないという意味なのか、都の株式保有継続を前提に国の保有分を残すという意味なのかは不明ですが、公営交通が民間事業者と覇権争いをするのは本末転倒です。例えば共通運賃制の導入など自治体として民間事業者の力を引き出す方向で努力して欲しいですし、国も交通基本法の制定を打ち出しながら実現できていないなど、地域交通のあり方をきちんと整理できていない現状を改める必要があります。この論点は津波被害を受けたJRや三陸鉄道などの復旧でも言えることで、復興で予算を使うことよりも、構造的な阻害要因を取り除く事こそが政治の仕事です。

という中で、メディアに使い捨てられる新政権にそれが可能とはとても思えず、ユーツな思いばかりがこみ上げます。

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