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December 2013

Tuesday, December 31, 2013

ソーラーFITでデリバティブ

安倍晋三がこんなアホだとは。いや、薄々気づいてはいましたが、靖国参拝で炎上中です。中韓からのツッコミは想定内だったんでしょうけど、アメリカから公式に失望が伝えられ、ロシアやEUまでもですから、ジュネーブ軍縮会議で孤立して国際連盟を脱退した戦前の状況に酷似します。鬼畜米英まであと半年ぐらい?

国家主義のなれの果ては同じ軌跡を辿るってことなのでしょうか。だとすれば日本民族の学習能力の無さはなんとも。あるいはカール・マルクスが指摘したように「歴史は繰り返す・1度目は悲劇として、2度目は喜劇として」ってことなのか。もう笑うしかないしょーもなさです。

国家神道も靖国神社も明治政府がでっち上げた国営カルト宗教ですし、そもそも墓地でも何でもないわけですから、そこへ参ることの意味は慰霊というよりも「私はカルトに嵌まってます」ということになります。英霊がどーたらこーたらとか、平和、非戦の誓いとかは基本的にフィクションです。問題は一国のリーダーがカルトに嵌まっているという困った状態に同盟国のアメリカも失望の念を持たざるを得なかったわけです。それでも主権国家相手だから、かなり遠慮した物言いになっているけれど、敢えて失望と表現し、日本がどうあれ中国と対立する意思がないことを表明せざるを得なかったということです、

本当に世界が見えていないというか、アメリカはそもそも中国と事を構える気はないですし、むしろ通商を通じたアジア地域でのプレゼンス拡大が狙いです。そのためには巨大なプレイヤーとしての中国を無視できないですし、また通商の拡大こそが敵を減らす戦略という安保観で動いているわけで、そのコンテクストの中にTPPもあるわけです。それを理解せずにアメリカが入れと言うからTPP交渉に参加したものの、農業分野などの関税撤廃に抵抗して交渉そのものを膠着させてしまいました。TPP交渉参加に多少意味がるとすれば、出遅れた中国に焦りを感じさせ、国を開かせる動機づけをすることですが、日本が足を引っ張ってどーするって話です。

まるで東西冷戦と日米構造協議の80年代のまま時が止まったような世界認識でいて、「最近のアメリカは内向きで困る」とか、世界の変化について行けてない自分たちこそ内向きで後ろ向きとは気付かないんですから、失われた20年は必然だったのかと改めて思います。例えば中国の防空識別圏設定も、国際慣習に反して一方的な通告で、しかも本来対象外の民間航空機も事前に飛行計画を提出するようにとしたことにあって、尖閣を含むとか何とかは無関係ですし、アメリカを含めて他国の民間航空会社が飛行計画を提出している一方で、日本では政府がそれを止めさせるというのは、明らかに間違った過剰反応です。真に必要なのは、日中双方でスクランブル合戦にならないための実務協議をすることですが、民間機の安全性はどーでもいいんでしょうか。

南スーダンPKOで韓国軍に銃弾を提供したニュースですが、武器輸出三原則の例外として政府が発表した件ですが、ことの是非よりも韓国の南スーダンPKO部隊の銃弾不足を世界に晒したわけです。韓国軍が否定コメントを出したのは、現場の兵士を危険にさらさない為と考えられます。PKO法に則って自衛隊を派兵するのは良いとして、現場の緊迫した状況を考えもせずに能天気に政治利用しようとするんですから呆れます。

本来先日成立した特定秘密保護法で保護すべき情報のはずですが、ガイドラインを曖昧にしたまま事後的な公開も制限する同法の筋の悪さを政府自ら明らかにしてしまったわけです。緊急性が高く他国PKO部隊の兵士の生命に関わる問題だけに、当面非公開にした上で、一定期間後に公開し検証に付すのが常識的な対応かと思いますが、今の政権ではそのような常識は通用しないようです。

で、本題ですが、再生可能エネルギー発電の固定価格買い取り制度(FIT)がとんでもないことになっております。

膨らむ「太陽光利権」 始まったバブル退治  :日本経済新聞
制度そのものは菅政権時代に菅首相が政治生命と引き換えに成立させたものですが、やはり筋の悪さが災いしております。そもそも1kwあたり42円という高額の買い取り価格を20年に亘って保証するという制度で、買い取り価格自体は毎年度見直されて値下げされますが、逆にそれ故に早い者勝ちで申請が相次ぎ、認可を受けた総発電量は2,000万kw超というのに、実績は1/10強という水準で、有体に言えば認可を受けても事業化されずに、権利を第三者へ転売されっるケースが後を絶たない状況です。いわばソーラー地上げ屋が横行し、不毛なマネーゲームが行われているわけです。

これは制度の瑕疵であると共に、日銀の異次元緩和による緩和マネーの存在も指摘できます。ソーラーバブルの可能性に関しては既に指摘しておりますが、株高を演出した異次元緩和の副作用ということを指摘しておきます。流石に経産省も事業実態のないものは認可取り消しを行うとしていますが、実態調査に振り向けるマンパワーが不十分ならば結果的に黙認となりますが、さりとて公務員の増員は財政状況から難しいのが現実です。そしてそのツケは電気料金に跳ね返ります。日本の官僚制の下ではまともな制度設計はハードルが高いようで、いきおい前例踏襲圧力が強くなり、政権交代がまともに機能しないわけです。

また太陽光を高く設定した固定買い取り価格は、風力、水力、バイオマスなど太陽光よりも有力なエネルギー源の利用にブレーキをかけるという意味で、二重に問題のある制度です。しかも電力会社に拒否権を残したために、北海道電力では接続拒否が現実的に起きています。それでいて泊原発は再稼働させようとしているんですから、電力不足だから原発再稼働が必要という論理は破綻しているわけです。北海道電力の受電能力の低さは、再生エネルギーの宝庫でありながら本州への越境送電も困難にしており、結果として電力会社の地域独占の口実を与えているわけでもあり、安倍政権で打ち出された電力改革では発送電分離も努力目標に過ぎず、しかも一番ぬるい法的分離(持ち株会社傘下での分社)が目標ですから、電力料金は原発再稼働の有無に拘らずハネ上がります。

北海道電力では昨年11月27日に発生した暴風雪による高圧送電線の倒壊で56,000世帯で最大54時間に及ぶ大停電がありました。送電網が脆弱で迂回路が構成できないなど、明らかに人口密度の低さが災いした結果です。南北に長い日本の国土を考えれば、送電網は所有分離して公的関与で整備することが必要ですが、電力会社の権益を侵す改革はできないのでしょう。「寒冷地での停電は命に係わる」として原発再稼働の口実にしようとした矢先の停電事故だっただけに、逆にウソがばれてしまった一件です。

ドイツでも自然エネルギーの豊富な北部の送電網の弱さから、需給のミスマッチで電力料金が高騰して特に企業部門から不満が噴出していますが、北海道電力管内の状況はよく似ています。発送電分離を本気でやるならば、今から手当てが必要ですし、電力需要創出のためにJR北海道の在来線電化といったことも考えて良いのではないかと思います。これはJR北海道への経営支援の意味もあり一石二鳥ですが、経産省と国交省で管轄が違うから門前払いになるんでしょうね。

こんな状況で心配なのが北海道新幹線なんですが、新幹線がいかにエネルギー効率が良いとはいえ、大電力を消費することは間違いないんで、新函館j開業時点はともかく、札幌まで延伸となれば、電力網の強化避けられないところでしょう。そうでなくても事故続きでデータ改ざんまで出てきたJR北海道にそもそも新幹線のオペレーション能力があるのかという点にも不安があります。こういう問題を解決することこそ国土強靭化だと思うんですが、新幹線や高速道路の新規着工や高速道路料金無料化15年延期でメンテナンス費用捻出とか、土建屋が喜びそうな話ばかりです。

しかも求人難で公共事業は今や半分が入札不調で執行できない状況で、価格見直しが行われていますが、それはとりもなおさず事業費の膨張を意味しますから、財政再建どころじゃないわけで、結局消費税増税しても国の借金は減らないとなること間違いなしです。日銀の異次元緩和で金利を抑え込んでいるから危機のシグナルも見えない事実上の財政ファイナンス状態で、経済成長に欠かせない生産性はむしろ低下するというジレンマは続きます。行きつく先は鬼畜米英?

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Sunday, December 22, 2013

猪ノベーションの蹉跌

猪瀬知事辞めちゃいましたね。彼の主張や手法は穴だらけでひどいものだったんですが、辞任に至る経過は納得できない感大です。丁度西松事件や陸山会事件での小沢一郎氏の追い込まれ方と酷似しているという意味で、心情的には応援できない猪瀬氏に対して同情を禁じ得ません。言葉を変えれば「虎の尾踏んじゃったのね」ってことですかね。日本の統治システムには、ホッブズのリヴァイアサンが棲んでいるのか?

住まいの近くに徳洲会系列の病院があり、実際に医療サービスを受けた経験から言えば、過剰検診や過剰投薬といった日本の医療システムの悪しき傾向の対極に位置するもので、各地の医師会と摩擦を起こすのも無理もないところですが、それゆえ患者サイドからは評判がよく、徳洲会系の病院はいつも混んでいる状況ということで、ま、繁盛しているわけですが、待たされるのが玉に傷ではあります。徳洲会自体が既得権益層から見れば許し難い存在なのでしょう。

過剰投薬自体は、ユーザー側の問題もありまして、特に高齢者が健康不安から複数の医療機関で診療を受け、同じ薬を処方されている実態もあり、医療のフリーアクセスという日本の制度が裏目に出ていて、これらはレセプトやカルテの電子化とネット共有で防げる問題でもありますが、医師会の反対で実現できておりません。加えて混合診療も、医師が最先端分野まで把握していなければならず、医師間の競争ではじき出されることを嫌う医師側の事情で実現していないわけですから、医師会が競争抑制カルテル的な存在であることが、医療保険制度にストレスを与えているわけです。世界に誇る日本の皆保険制度はアメリカのオバマケアでも参考にされたものではありますが、それが医療機関の効率性を削いでいることは指摘できます。

というわけで、僻地医療で台頭した徳洲会も東京23区内への進出が悲願だったのですが、医師会の反対もあって実現できておりませんでした。そこへ立ち上がった東電病院売却ですから、徳洲会サイドからの働きかけがあっても不思議ではありません。ただし猪瀬氏が東電の株主総会で東電病院売却を提案した当時は石原都政の時代であり、猪瀬氏がどこまでコミットしていたかは明らかではありません。むしろ政治家としての石原新太郎と徳田虎雄の親密さからいって、石原前知事のコミットが疑われます。

あと未確認情報ですが、東電病院が社員専用となっていた経緯として、立地する新宿区に医療機関が多く、競合があるからということで都から一般診療の認可を得られなかったとする関係者の証言もあるようですが、逆に徳洲会の都区内進出を阻止したい勢力の意向を無視して当時の猪瀬副知事が先走ったことから、トラップが仕掛けられた可能性も否定できません。これらのことから、都議会与党の自民公明両党が、最初から100条委員会の招集へ動かなかったことで、結局真相は闇の中というわけで意図を感じさせます。

皮肉なことに猪瀬知事肝いりの渋谷駅―六本木駅間の都営バス終夜運行が20日に始まりました。当面金曜夜(土曜日未明)にバス1台で70分ヘッドで試験運行ということで、初日の20日は盛況だったようです。猪瀬知事の辞職で次の展開は予想できませんが、タクシー待ちの列も長く伸びていたようですから、この程度の運行頻度でであれば、棲み分けは問題ないのかもしれません。

ただし前エントリーでも指摘したように、終夜バス運行自体の政策目標(アジェンダ)が不明確で、ゴールイメージが描けません。単なる酔客輸送ならば今は景気の波が上向きなのでうまくいっているだけで、景気後退で萎む可能性もあるわけです。終電の混雑緩和には一定の意味があるかもしれませんが、鉄道とバスの連携が取れない日本の縦割り制度の中で成功方程式を構築するのは簡単ではありません。国家戦略特区とやらも官僚の抵抗で骨抜きにされているようですが、過疎地のローカル線問題とも絡めて制度そのものを見直す発想をむしろ邪魔しているかもしれません。アベノミクスの「第三の矢」とやらは結局飛ばない矢でしかないということですかね。

高齢化が進む日本の現状では、社会保障費が毎年1兆円程度膨張し続けているわけですから、消費税を社会保障財源にするということは、今後も消費税を上げ続けなければならないわけで、社会保障改革は待ったなしなんですが、その期待を背負って登場した民主党政権は、本丸の改革の前に消費税増税を決めて政権を降りるという愚かな対応を取りました。国民からは「裏切り者」と罵られ、増税の「成果」は自公政権に乗っ取られ、それでいてこんなデタラメな政権運営に物申すこともできない体たらくです。そもそも消費税を上げるにしても、8%、10%と小刻みに上げることで抵抗感を減らそうとした結果、逆に実務的に税の価格転嫁困難ということになってしまったんですからどうしようもありません。

その結果JR東日本を皮切りに従来10円刻みだった鉄道運賃をICカード乗車券に限り1円刻みとする運賃の認可申請が出そろいました。JR東日本では山手線内及び電車特定区間相互間では10円刻みとなる乗車券運賃を切り上げとしてICカードが安くなる配慮をしているものの、幹線運賃と地交線運賃は四捨五入ということで、ICカードが高くなる区間が生じるなど、問題のある対応をしています。発券や改札機のメンテナンスのコストを考えれば、ICカード乗車券利用が安くなる設定とすべきですし、そのことがICカードの普及を通じてJR自身の合理化にも寄与するわけで、諸外国の都市交通では常識どころかICカード利用が相当有利になる制度設計となっています。

この辺を見直せなかったのは、鉄道営業法の縛りが強固だということなんでしょうけど、目的駅まで有効な乗車券の携帯を旅客に課す現行法はそもそもICカード乗車券を想定していないんですから、制度を変えるか実態に即した解釈の変更で対応すべきところです。ただしこの問題は大都市近郊区間の最短距離特例とも絡んでいて、乗車駅と降車駅の改札間で運賃が一意に決まるシステムを前提としているため、経路検索などでシステムの負荷が大きくなるという問題もあり、ICカード乗車券システムによるコスト削減効果を圧迫しているのかもしれません。欧米の大都市で見られる都市圏の均一運賃やそれに近いゾーン運賃などへの制度変更も、日本のように多数の事業者毎の独立採算性を前提にすると困難になってしまいます。オリンピックで「お・も・て・な・し」を言うのならば、外国人に理解不能なサインシステムと並んで複雑怪奇な運賃制度も見直すことが必要なんじゃないかと思いますが、事業者も規制当局もそういう発想を持ち合わせていないようで残念です。

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Sunday, December 01, 2013

百鬼夜行の公共性

猪瀬都知事が徳洲会から5,000万円を借り入れをしたということで、メディアが報道合戦になっておりますが、ニュースの出所はどこなんでしょうか。徳洲会は元々使途不明金が多く、また地方に大病院を建てて地元医師会と対立してもいましたし、選挙では現ナマが飛び交う金権選挙で目立っており、検察の狙いは脱税の立件と見られます。そんな中で、5,000万円の現金が出てきて「これは何だ?」「猪瀬知事に貸して帰ってきた金だ」といったやり取りがあったと言われますが、流れから言って本筋から外れた捜査情報がメディアにリークされたあたりの気持ち悪さは、西松建設や水谷建設の不正献金事件と通底します。

当の猪瀬知事は釈明に追われていますが、元々渋っていた都知事選出馬が決まったものの、落選すれば職を失う不安から、それに備えた当座資金として借りたということで、選挙資金には使っていないということで、現行法上ではグレーゾーンですが、すんなり立件できるわけでもないし、政治絡み、選挙絡みのお金としては正直ショボい金額でもあり、検察が立件に動くとは思えないのですが、検察しか知り得ない捜査情報がリークされたことに変わりはなく、どうにも胡散臭いと感じます。ま、猪瀬知事の釈明で見せる小物っぷりをせいぜい楽しみましょうか。道路公団にしろ地下鉄統合にしろ猪瀬改革をインチキと断じてきた私としては、猪瀬氏の改革派イメージが裏切られたという感想は持ち合わせませんが。

一方で「徳洲会のお世話になったのはイノセだけぢゃない」という声もありますが、西松事件で小沢氏が叩かれた一方、自民党の二階氏には塁が及ばなかったように、猪瀬知事がスケープゴートにされたという可能性は指摘しておきます。検察は捜査情報の全てを公開しているわけじゃありませんし、逆に公判前に手の内を明かすことはあり得ませんから、情報がリークされたことを以て、逆に猪瀬氏の立件はないと見て良いでしょう。同時に陰に隠れたもっと悪い奴らには司直の手は届かないでしょう。選択的な情報リークは、世論操作の常套手段なんで、特定秘密保護法が問題視されるゆえんでもあります。

というわけで、特定秘密保護法の成立を待つまでもなく、この国の報道の自由は瀕死の状態にあるということは再三指摘しておりますが、法案成立阻止とか目に見える形のイベントにしか反応しないリベラル勢力の怠慢も指摘しておきます。日本国憲法第12条にあるように、憲法が保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって保持しなければならないのであって、いかなる法律が成立しようとも、自らの守備範囲で不断の努力を続けるまでのことです。

もう少し続けますが、そもそもは民主党政権時代の尖閣ビデオ流出事件、自衛隊イージス情報漏えい事件、警察公安情報漏えいの3事件が立法化のきっかけで、政権交代で中身も大分変わった模様です。尖閣ビデオに関しては、元々秘密でも何でもない情報を政権の意向で非公開としたことで迷走したものですし、イージス漏えいはイージスシステムを深く理解するためにUSBメモリーに落として自宅へ持ち帰って自宅PCで自習していたものが、自衛隊員間のアダルト画像交換に紛れて拡散したもので、且つ当事者とされた海自二等海佐の夫人が中国籍ということで、すわハニートラップかと言われた事件で、この件がアメリカの怒りに触れたことが、立法化をごり押しする理由のようです。まぁ秘密情報をUSBメモリーに落とすってのは非常識ですが、この手の非常識は日本の官庁や企業組織の中では結構ザラにある話でして、そもそも秘密情報のアクセス権の管理がいい加減という組織文化に問題があるわけで、同種の情報漏えいが秘密保護法の成立で防げる保証はありません。

公安情報の漏えいが実は国民的には最も深刻なんですが、公安がマークしている人物が明るみに出れば、マークがブロックされるという面もさることながら、公安がマークしている人物本人にとっても、それが濡れ衣であっても社会生活を困難たらしめるものということで、二重の意味で漏えいが許されない種類の情報ですが、公安に睨まれたくないメディアの腰が定まらず、上記2件に比べれば露出度は低く、この国のメディアはホント根性なしです。特定秘密保護法の成立で情報漏えいは防げなくても、情報操作で世論誘導はやり易くなるとは言えます。ますますニュースの裏を読むリテラシーが問われます。

で、長い枕から本題ですが、12月20日から金曜深夜(土曜日)の渋谷駅―六本木駅間の都営バス終夜運行が始まります。

渋谷駅~六本木駅間で終夜バスの試験運行を開始します | 東京都交通局
猪瀬知事肝いりで、深夜の移動の利便性を高めるというのは結構なことなんですが、それが国際都市東京の魅力アップにつながるのかという点は別問題です。金曜夜の酔客輸送の公共性というのは、簡単に答えの出る話ではありません。

ま、その辺は脇に置いとくとして、渋谷駅1:10発から4往復70ヘッドで、おそらく1台で機織り運行でしょうけど、あくまでも試験運行ということで、需要の掘り起こしにつながるかどうかが問われます。現状この時間帯の移動はタクシーでということでしょうけど、乗客がタクシーから移転集約されただけなら意味がないわけで、むしろ需給調整規制撤廃で増えたタクシーを地域指定で減車する国交省の方針もあり、別の問題を引き起こす可能性はあります。深夜バス準拠の倍額運賃400円でも、タクシーの710円(2km)+90円(288m毎)*4=1,070円とは開きがありますfが人数次第でもあり、タクシーの現在の利用実態にも左右される部分でもありますが、この辺は直ぐに結果が出ることでもあり、注目しましょう。

連動して東急が電車の終車延長と関連の深夜バスと深夜急行バスの繰り下げと増発を金曜限定で行うことが発表されており、連動した動きがあるのかどうかも注目です。個人的には酔客の選択肢を増やすことが都市の魅力アップにつながるというのは疑問なんですが、保守間合い確保が必要な電車の終夜運転が難しい以上、深夜の足をバスへ誘導すること自体は一定に評価できますが、鉄道の終車後のサービスとしてバスやタクシーまで動員してシームレスに提供することが、欧米の大都市では当たり前で、日本の都市交通は交通モード毎の縦割りが非効率を助長しており、せっかく特区指定を受けるなら、そこまで踏み込んで欲しいところです。形はどうあれ公共交通が終夜運行することで、終電ラッシュが解消される可能性はあるわけですし。猪瀬知事のバス終夜運行案は、具体的にどういった問題を解決するのかが明らかではありません。

で、夜つながりの話題として一部報道で夜行寝台列車の廃止報道があり、ネット上でも話題になっておりますが、基本的に私はこうなると早い段階から睨んでおりました。そもそもかつての夜行列車全盛時代は、そもそも鉄道の輸送力不足と速度の遅さから、需要を満たす必要性から夜行列車が多数設定されていたわけで、東海道新幹線開業前の全盛期には、東海道夜行急行が15分ヘッドで運行されておりました。また団体旅行も盛んだった一方、道路事情やバスの性能の問題もあって、団体旅行用の集約臨が設定されていて、日光や伊勢南紀や十和田湖などへ向かう不定期列車が設定されていて、複数の団体旅行を集約して列車を仕立てるものでした。修学旅行列車ひので、きぼう、こまどりなどもこの仲間でした。

しかし東海道新幹線の開業後はそのスピードと輸送力で夜行へはみ出していた需要を吸収していきましたし、特急となった寝台列車の多くも、通常期は編成減車が当たり前で、団体客の受け入れで席を埋めていた状況ですから、夜行列車の先細りはずっと前から続いていた傾向であり、車両の老朽化もあり、また客車列車であるために、機関車の問題は特に深刻です。機関車を保有する貨物鉄道にしてみれば、自社の列車運行に供する目的で機関車を保有しているのであって、夜行列車を運行する旅客鉄道のために機関車を融通するというわけにはいきません。ただでさえ民営化以来経常赤字の続くJR貨物に負担をかけるわけにはいきません。

あと新幹線や国内航空で多くの都市間で短時間の移動が可能になると、朝から出先で用事があっても、前日移動と前泊で対応することが好まれる一方、料金負担の割には疲れが残る夜行列車利用は忌避されるようにもなります。ただしこの部分はホテル代も節約しつつ出先での活動時間を確保したいというニーズはあるわけですが、その部分は旧ツアーバスを含む高速夜行バスが担うようになりました。1台30-40人という輸送サイズが多様な需要の掘り起こしに適していたこともあり、都市間のみならず観光地をターゲットとする路線まで出てきており、需要を集約して初めて成り立つ夜行列車では対応が不可能と言える域にに達しています。もはや時計の針は戻らないわけです。

この辺は都営バスの終夜運行とも通底しますが、買い手の購買力が需要構造を変えるという点は見逃されがちです。またニッチになった夜行需要をバスが担うのであれば、無理をして夜行列車を走らせる意味は薄いわけですね。夜行列車にもはや公共性はないのです。

そういう意味では青い森鉄道が夜行列車廃止に反対を表明しているのがまた、ややこしいんですが、IGRいわて銀河鉄道と共に、ローカル列車だけでは住武運あ運賃収入を得られない在来線転換三セクの2社は、JR貨物の線路使用料と夜行列車の高単価の収入が屋台骨を支えていたのですが、その片方がなくなるとなると穏やかではないわけです。JR貨物の線路使用料に関しては、JR向けよりも高い使用料が認められている一方、JR貨物へはJR東日本が支払う整備新幹線区間の線路使用料の上乗せ分を原資とする差額補助がされており、元々無理を通したパッチワークのような状況でした。

誤解の無いように言えば、JR貨物は第三種事業者として線路使用料を支払う立場ですが、夜行列車は第一種事業者として三セク2社が運行する列車であり、運賃収入はそのまま売り上げになりますので、ある意味貨物列車よりもおいしい存在ではあります。元々夜行運行の多い貨物のために指令業務は夜間も行うわけですから、夜行列車分については、JR東日本への車両使用料などの精算はあるものの、ほとんど丸儲けなわけで、三セク2社の屋台骨に響くわけですが、だからといって三セク2社のために夜行列車を運行するというのも本末転倒というものです。元々北海道へ伸ばすためにはフル規格でなければならないという理屈で押したフル規格新幹線が仇となっているわけです。だから言わんこっちゃないんですが。

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