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Sunday, July 06, 2014

心頭滅却すれば火もまた自ら涼しーもんか

甲州、恵林寺といえば、臨済宗の名刹で、応仁の乱で荒廃するも、甲斐武田家の菩提寺として復興し、武田家滅亡後逃げ込んだ六角義治を匿ったとして織田軍によって焼き討ちされました。快川紹喜僧正は業火の中に敢えて留まり、「安禅必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火もまた自ら涼し」の辞世の言葉を遺したとされております。実証的には異論があるようですが、宗教的な解脱の意と共に、不条理な暴力に対する抵抗の意もあって、広く知られております。

で、先週新宿ミロードテラスの焼身自殺事件が起きて、快川の言葉を思い出したんですが、聞けば集団的自衛権の行使に反対した覚悟の行動で、しかも通行人の通報で駆け付けた警察と消防が説得したものの止められず、決行に至りました。警察は軽犯罪法違反の現行犯として身柄を拘束して病院へ収容し、一命を取り留めたことが明らかにされておりますが、警察の監視下で詳細は不明です。自殺事件と自殺未遂事件ではインパクトが異なりますから、どこまでが真実かは不明です。

1965年、南ベトナムのゴ・ディン・ジェム大統領の仏教徒弾圧に反対した僧侶の覚悟の焼身自殺の映像が世界へ流れ、ベトナム反戦運動に火がついた歴史がありますが、仏教徒に共通する精神性があるのでしょうか。ちなみに焼身自殺はなかなか死ねないし、意識も飛ばないので、最後まで苦しみながら悶え死ぬという意味で、よほどの覚悟がなければできないことです。その意味でWHOの報道自粛勧告でセンセーショナルに扱うなとされてはいるものの、簡単に模倣できないものでもあり、勧告を盾に完全無視したNHKの対応には疑問が残りますが、偶然ですが、大河ドラマ「軍師官兵衛」で恵林寺焼き討ちが放映され、ジワジワきます。ミロードテラス事件の暗喩としてブックマークしておきましょう。狂気とはいえ人の命の重みは弁えるべきです。

集団的自衛権の問題に関しては、前エントリーでも触れましたが、閣議決定が公明党に踏み絵を踏ませる無意味な儀式であることは改めて指摘しておきます。自衛隊法やPKO法など個別具体法への落とし込みは来年へ先送りですから、以前のエントリーで指摘したように、まともな手続きではないということで、私自身は必ずしも集団的自衛権行使に反対ではないのですが、憲法を変えるにしろ個別具体法へ落とし込むにしろ、揉めるから後回しという姿勢にははっきり反対です。反対者を説得できるようなまともな議論を仕掛けられないほど頭悪いってことなんですね。

閣議決定当日の官邸前デモでは4万人が集まったそうですが、警官が4万2千人動員されたそうで、参加者より警官が多いデモ風景も異様です。敢えて言えば中国ぐらいか。その伝でミロード事件を報じないNHKは新華社通信に喩えられるのか(苦笑)。

集団的自衛権の行使自体も誤解が多いんですが、朝鮮半島有事を想定したと思われる紛争地域からの邦人救出問題は、元々自衛隊法で自衛隊の任務とされており、個別的自衛権の範囲ですし、実際は民間航空機を徴用して行うことになります。攻撃の標的になる軍用の艦船や航空機は間違っても使いません。敢えて言えば2機の政府専用機は元々自衛隊所属で邦人救出の任務を負っているもので、首相の外遊用のアッシー君ではありません。

あと最近の朝鮮半島情勢は大変化しており、紛争の可能性としては南北軍事境界線よりも中朝国境の方がキナ臭いですが、仮に紛争が起きても第三国同士の紛争であって、集団的自衛権の出番はありません。仮にその動きに呼応して米韓連合軍の北上という事態になったとしても、北朝鮮の反撃で韓国側に被害が出て日本に助けを求めて初めて、集団的自衛権の行使となるわけですが、昨今の日韓関係から言えば、韓国が日本に要請するとは考えにくいですね。ついでに言えばこんな状況で日朝平壌宣言の和平プロセスを動かすのは、米中韓各国にとって迷惑千万な話でもあります。それを裏付けるようなこんな報道も。

日朝間の説明が食い違う重大原因とは?
お粗末にも、特別調査委員会を示す文書がない!:東洋経済オンライン
安倍政権はここでも国民を騙そうとしているようです。まさに呼吸するように嘘をつくとでも表現すべきでしょう。STAP騒動の小保方氏と双璧です。そんな中で政権の意向でトップ交代したJR北海道のニュースです。
北海道の特急、120キロに減速 JR北、8月ダイヤ改正 2014/7/4 21:30:日本経済新聞
先日も江差線札苅駅での貨物列車の脱線事故がありました。この事故は積荷の偏りが影響したとの報もありますが、現時点ではまだはっきりしておりません。

現実的にはメンテナンスが追い付かないならば減速するしかないわけで、更にスーパーとかちのカーブの減速は、車体傾斜システムを止めるということで、元々線路を傷めないはずの車体傾斜を止めるのは、車両側のメンテナンスの軽減が狙いでしょうけど、ここまでしなければならないJR北海道の現状を考えると、北海道新幹線は新たな負担にしかならないという点も押さえるべきでしょう。高い保守精度を求められる新幹線にマンパワーを取られるわけですから、在来線に振り向けるリソースの減少はかなり深刻なものになりそうです。それでいて受益分はリース料として召し上げられますから、収支改善効果はほとんどないということも申し上げておきます。バラ色の未来を騙って整備新幹線をゴリ押しした政治家は責任を感じているでしょうか。

というわけで、嘘つきは政治家の始まりかい[怒]。

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Comments

こんにちは。いつも興味深く拝見しています。

JR北海道では、またしても発煙故障とか。
本当に異常事態が収まらない感じで、
こんな状況では、おっしゃるように
新幹線は負担にしかならないですよね。
政治家よりも有権者の方が泣きたいです。

Posted by: ポポロ | Monday, July 07, 2014 at 02:03 AM

まいどです。

ごまかしにごまかしを重ねてきた結果がこれですから、有権者は大迷惑ですが、そんな嘘つき政治家はせめて次回の選挙で落選させるしかありませんね。

整備新幹線問題は、このままじゃやばいぞと以前から指摘してきましたが、北海道新幹線で詰みになりそうです。怖いのはヘボ将棋指しの常で、勝負ついていることに気付かない。あるいは不都合な現実は敢えて見ないで悪手を繰り返すことですが、その間に現場は疲弊し続けます。

今のままでは出口が見えませんね。

Posted by: 走ルンです | Monday, July 07, 2014 at 08:18 PM

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