いろんな意味で終わる2015年
新年早々終わる話題ですが^_^;最近正体不明のスパムコメントが大量に来ていて、ウイルス拡散の踏み台になる恐れもあるので、アクセス制限をかけて削除しているんですが、これが結構な手間で、それゆえ更新に手間取っている状況が続いています。
というわけで、自由なはずのサイバー空間がとかく使いづらくなっておりますが。こんなニュースもありました。
米劇場、警戒下の盛況 「正恩氏」の映画公開始まる :日本経済新聞仮にも主権国家の元首をおちょくった内容で、しかも下品という評判ですが、配給元のソニー・ピクチャーエンタテーンメント(SPE)が謎のサイバー攻撃を受け、それが北朝鮮によるものというFBIの発表もあり、SPEは当初安全に配慮して劇場公開を自粛したところ、「暴力に屈して表現の自由を歪めるな」という世論に押され、オバマ大統領まで言及し、SPEは公開に踏み切ったわけです。しかしそれでは終わりませんでした。
サイバー攻撃、「北朝鮮犯行」疑問視の報道相次ぐ :日本経済新聞米CIAのウソの報告を真に受けてイラク戦争を始めたアメリカの闇を見る思いですが、結局北朝鮮犯行説は肯定も否定もされないまま、アメリカ政府は制裁を決断し、中国に協力を求めます。その後北朝鮮でネットが繋がらなくなって混乱しました。さらに怒った北朝鮮政府が「オバマは猿」とサイトに書き込んだらまたしても5時間のネット切断。ガキの喧嘩かい。
で、年が明けてみれば、もっと凄惨な事件が起きました。フランスの風刺週刊紙シャルリエブド銃撃事件ですが、こちらは表現の自由への重大な侵害行為としてパリで大規模デモとなり、オランド大統領が声をかけて各国首脳も手を携えて参加してテロに屈しない姿勢を示しました。デモ参加者をテロリスト呼ばわりするどっかの国の政治家とは大違いです。
欧州首脳、反テロで結束 パリで100万人規模行進 :日本経済新聞問題のシャルリエブドの風刺画に対しては、イスラムから見てかなり屈辱的で差別的ではないかという議論もありますが、それでテロが正当化されないのはもちろんですが、当のイスラム教徒の中からもテロを非難する声が出ております。近代の西欧列強の植民地主義、帝国主義に対するカウンター・イデオロギーの性格のある現代イスラム教世界も変化しつつあり、テロへの非難が反イスラムに陥らないことが重要です。その意味でSPEのサイバー攻撃問題も被りますが、この辺日本の嫌韓などのヘイト主義者たちはちゃんと見てほしいところです。立脚すべきは普遍主義です。
てなことはどこ吹く風、ドメスティックな利権漁りに忙しい宰相殿は、佐賀県知事選で奇妙な電話攻勢で公選法違反の疑いも総務省は自動電話なのでシステム会社の業務なので合法という謎な見解で頬かむり。それでも勝てませんでした。
佐賀知事選で自公敗北 農協支援の山口氏が初当選確実 :日本経済新聞滋賀県、沖縄県に続く県知事選敗北ですが、そもそも候補者の樋渡氏はあの民主主義の敵の武雄市長ですから、無理もないところです。政権側は一応改革派を名乗り、TPP絡みの農協改革への期待からの推薦だったようですが、平然と反対派を封殺し、やりたい放題やった結果を県民は見ていたわけですね。沖縄振興予算を削った政権がどう出ますか。長崎新幹線関連で佐世保線肥前山口―武雄温泉間の複線化が取り沙汰されてますから、これが削られるかも。どうせなら長崎新幹線自体を事業凍結すれば、北陸や北海道へ回す予算ねん出できますが。どうせ軌間可変電車の実用化を待たなければ開業もできないんだしwwwww。
新幹線つながりでこんな話題も。
富山)在来線ダイヤに不満 あいの風とやま鉄道説明会:朝日新聞デジタル三セクに引き継がれる並行在来線へサンダーバードなどJR西日本の特急が乗り入れず、金沢で乗り換えとなることに伴って、対大阪、名古屋の早朝の移動が現状よりも不便になるというものです。新幹線の保守間合い確保のため0-6時の間は列車が運行できないために生じる不便ですが、並行在来線三セクの事情もあります。
新幹線後もJR特急乗り入れなら年15億円減収 富山県試算 :日本経済新聞新幹線開業後の並行在来線を引き受ける三セクにとって、JR貨物の線路使用料は頼みの綱ですが、JRへ支払われるそれの金額が低すぎるということで東北新幹線延伸のときに問題になり、JR旅客会社が支払う新幹線リース料への上乗せ(東北)やJR貨物の三セク出資(九州)などで調整されています。北陸の場合は東北と違って客単価の高い寝台特急の廃止が既に決まっており、それだけ貨物からの線路使用料収入が頼りなんですが、貨物と旅客の車両キロ比率で負担が変わるルールで特急を1往復させるだけで年間6,500万円、現行の28往復を維持すると年鑑15億円の負担増ということで、JR特急の乗り入れをを断念したわけです。尤も東北も寝台特急は廃止が決まりましたが。何かほくほく線と構図が似ていますね。少なからぬ負担で建設された整備新幹線ですが、出来てみれば却って不便になるという詐欺のような話です。所詮中央で考えたバラマキはこんなオチにしかならないわけです。いい加減目を覚ませ。
ただしあいの風とやま鉄道のこの選択は、ある種の示唆はあります。元々全国新幹線網整備法の趣旨は、新幹線を建設して空いた在来線の貨物輸送の強化にあったわけで、貨物輸送インフラとしての在来線存続は一概に責められません。ローカルな旅客輸送も場合によってはバスの方が利便性が高まる可能性もありますし、JR北海道の惨状を見れば、整備新幹線とは別に、都市間輸送を担う主要幹線でもローカル列車の撤退は視野に入れて考える必要があります。人口減少で存続自体が困難になることは目に見えてますので、むしろそれを踏まえた地域の在り方を見直すべきでしょう。また早朝の対関西、名古屋への利便性確保は航空便で考えてもいいわけですし。
航空の話題になったところで、迷走続きのスカイマーク・エアラインズ(SKY)にも動きがあります。
スカイマーク、12月の搭乗率54.5% 過去5年で最低水準 :日本経済新聞機材の大型化に対して集客力が伴わなかった結果でもりますが、エアバスの違約金問題などのゴタゴタで利用が忌避された面もあるでしょう。それにしても厳しい状況です。記事中にでは否定されているANAの出資ですが、20%程度の出資の打診はあるようです。ただし系列に入るつもりはなく、JALとANAの二股提携も引き続き交渉中ですが、こんなことしてる間に倒産もあり得ます。それを証明するようなこんな報道も。
スカイマーク「転職するなら400万円返せ」 パイロットに教育訓練費の返還を求めて提訴そこまで追い込まれていると見るべきでしょう。ANAの傘下に入るか倒産するか。国交省のANA贔屓の態度では究極の2択しかないのでしょうか。しかしここまであからさまに政治が介入するのですからひどいですね。整備新幹線問題もそうですが、地域の実情に沿った最適化こそが重要なんで、行政権限や補助金で地方や民間を縛る発想はぜひとも終わらせたいですね。
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