« February 2015 | Main | April 2015 »

March 2015

Sunday, March 29, 2015

かがやきの電源

基本テレビ見ないんで、法ステの古賀古館バトル見てないんですが、番組降板のタイミングでの古賀氏の生放送での官邸圧力暴露は、政権のメディアコントロールの酷さを晒しました。これまでも政権によるメディアコントロールはありましたが、テレ朝への免許剥奪まで踏み込んだ圧力は、もはや民主国家のそれではありません。安倍マンセー\^o^/。

JR福知山線尼崎事故で二審でも山崎前社長への無罪判決が出ました。速度走査機能を持つ新型ATS(ATS-P)を設置しなかったことに絞って業務上過失致死での立件を目指したのですが、以前にも取り上げた通り、元々無理筋です。結局事故の予見可能性という問題に矮小化され、事故をもたらしたJR西日本の企業体質には切り込めなかったわけです。日本の刑事司法制度では個人しか訴追できず、英国の法人故殺罪のような組織罰が規定されていないことが問題なんで、敢えてそこを争点とする訴訟で立法府へのけん制とする訴訟もあり得たんですが、日本の刑事司法はそこまで踏み込みません。あるいは民事で被告が企業の場合負担力に応じて高額賠償が判例として確立しているアメリカの例もあり、日本企業は結構カモられてます(小声)。だから福島第一原発事故でも誰も訴追されないみたいなことになるんですが。

事故といえば独ルフトハンザ系列のLCCジャーマンウイングス機の墜落事故がありました。こちらは若い副操縦士が故意に墜落させたことがほぼ明らかになっております。副操縦士は精神疾患で精神科の診断書を取得しながら破棄して会社に報告しなかったということですが、会社に報告しにくいことだけに、本人と雇用主の会社との関係は問われるところです。それ以上に安全に定評のあったルフトハンザ系列のエアラインでこれですから、難しい問題があります。機材のダウンサイジングとLCCの台頭で世界規模でパイロット不足が深刻化している状況で、若手パイロットの育成を急ぎ過ぎていないかという点は注意が必要です。加えて鉄道と航空の棲み分けにも影響するかもしれません。

という中で、日本でも北陸新幹線が開業し、迎え撃つ航空側は新幹線の普通車指定席を下回る格安チケットで対抗し、小松も富山も機材の小型化で便数は維持という姿勢です。輸送量では鉄道に分がありますが、逆に需要が喚起されれば共存は可能と見ているわけですね。これは多分北陸新幹線の特急料金設定が予想以上に高いことが影響していると思いますが、根本受益を期待できないJR西日本区間の特急料金が高く設定されていることによるわけで、来年の北海道新幹線でも同様ではないかと思います。この辺は九州新幹線でも博多で打ち切りの料金体系になっていたりして、今後の整備新幹線は採算面で料金が高めになるとすれば、新幹線の開業が即航空の撤退につながらない可能性を示唆します。日本のパイロット不足も続くということですね。

で、本題の電源問題なんですが、北陸新幹線の特徴として、50hzと60hzの周波数の異なるエリアにまたがっている点があります。東海道新幹線では東電エリアで50hzを60hzに変換する周波数変換所を設置して全線60hzの電力供給としているのに対し、北陸新幹線では分岐する上越新幹線が50hzである一方、基本計画上大阪までの路線ということもあり、また技術革新で車両側を2電源対応とすることが可能になったこともあり、周波数切替セクションという前代未聞の設備が登場します。しかも複数。わかりやすく以下に列記します。

高崎―軽井沢    東京電力 50hz
軽井沢―上越妙高 中部電力 60hz
上越妙高―糸魚川 東北電力 50hz
糸魚川―金沢    北陸電力 60hz
それぞれ駅西方にセクションがあり見事なつぎはぎですが、ルートの関係で4電力会社にまたがりますからこうなるわけです。車両側が2電源に対応してますから、とりあえずは問題はないんですが。でも4電力から受電というのは、新幹線としては異例の多さです。電力の地域独占体制は強固です。

余談ですが、福島第一第二と柏崎刈羽が立地するのは東北電力エリアで首都圏への大容量送電線が遊休化しています。東北や新潟で再生可能エネルギー発電して首都圏に販路を求めるときに使えるインフラです。同様に福井県の原発銀座も北陸電力エリアで近畿圏への大容量送電線が空いているわけです。2018年の電力自由化までに原発再稼働しないと難しくなるということで、推進派は焦っているというわけです。自由化しても送電網のイニシアチブは失いたくないわけです。そうすれば新規電力は競争劣位に置かれますから、自由化は骨抜きにされ、今まで通りコストを料金に付け回し放題になります。

元々国鉄時代の東北、上越新幹線の計画では、東京駅7番ホーム(14,15番線)を北へ延ばして東京駅北方にセクションを設けて60hzから50hzへ切り替える計画で、東海道新幹線とは直通も計画されていて200系以来2電源対応可能な車両システムだったのですが、耐雪構造など東海道新幹線との仕様が違い過ぎて直通は断念され、その後の国鉄分割民営化で別会社となったことで、東京での直通の可能性はほぼなくなりましたが、西へ延びて大阪を目指す以上、2電源対応は避けられないし、まして東海道新幹線ほどの需要も見込めず高価な周波数変換所のような地上設備の設置はあり得ないということでこうなったわけです。

で、思い出していただきたいのは、整備新幹線で優先着工とされた高崎―長野間の当初計画では高崎―軽井沢間がフル規格、軽井沢―長野間が在来線改軌のミニ新幹線だったことです。在来線の信越本線は直流1,500v電化ですから、計画通りならば交直両用の2電源車が必要だったわけで、それはそれで興味深い存在になったと思いますが、在来線区間は新幹線区間より低速ですから部分出力でも問題ないわけで、コストダウンの余地があるわけです。見てみたかった^_^;。一方2周波数対応はお預けに。

そしてJR西日本区間は糸魚川―魚津(現黒部宇奈月)間と石動―金沢間は新幹線規格の路盤に狭軌の線路を敷くスーパー特急方式で、加えて踏切のない湖西線と北陸トンネル内を併せて160㎞/hの高速運転が構想され160㎞/h対応車として681系を登場させました。対東京ではほくほく線経由で越後湯沢で上越新幹線に乗り継いで時間短縮という計画でした。これは軽井沢―長野間がオリンピック対応でフル規格に変更された後も変わりませんでした。とはいえ長野開業時に長野新幹線とするネーミングにクレームがついたように、フル規格での北陸延伸の政治圧力は存在していました。

そして長野―上越間のフル規格事業にJR東日本が同意したことで、スーパー特急を主張するJR西日本が孤立し以下略となるわけです。JR西日本は、並行在来線切り離しで孤立する城端線、氷見線、高山本線(猪谷―富山)、大糸線(南小谷―糸魚川)の切り離しを主張し抵抗しましたが、押し切られました。ただし貨物幹線となる北陸本線で三セク移行後の貨物問題では、東北本線の場合と違って、三セクの旅客列車とJR貨物の貨物列車の車両走行キロによる比例配分で保守費負担というルールになり、これがトワイライトエクスプレスの廃止やサンダーバードの富山乗り入れを断念させる原因となりました。

今回えちごトキめき鉄道で混乱がありました。JR東日本から引き継いだ妙高はねうまライン(妙高高原―直江津間)とJR西日本から引き継いだ日本海ひすいライン(市振―直江津)で、前者はET127系(JR東日本E127系譲受)で2連ワンマン基本、後者はET122系(JR西日本キハ122同形新造)で1連ワンマン基本と、電化路線で気動車を投入するわけですが、糸魚川―梶屋敷間の交直でんっどセクションを境に西が交流60hz電化となり、高価な交直両用車を避けたわけです。国鉄時代の電化区分を引き継ぐために生じた矛盾ですが、元々沿線人口が少ない過疎地でJR時代より増発を狙ったことと、メーカーが地元企業の新潟トランシスで収益機会となること、地元メーカーでメンテナンスが安心といった理由がありますが、開業記念でフリー切符を売りまくった結果、大混雑で積み残しを出す騒ぎがありました。特にキハ単行の日本海ひすいラインがひどかったようですが、さりとて2連非ワンマン運行はすぐ手配できるわけでもないですからやむを得ないところ。地元利用が定着すれば笑い話になると期待しましょう。

正直なところJR東日本の飯山線も含めて、孤立してシナジー効果を失った赤字ローカル線が直営で存続し、貨物ルートとしての公共性を理由に並行在来線が三セクで存続って、何か変ですよね。今後人口減少で地方のローカル輸送はますます存続が難しくなる中、欧州式にオープンアクセス制で、自治体が運行に関与するフランチャイズ制導入とか考えるべきでしょう。これ整備新幹線の並行在来線に留まらず、例えば三島会社で上場まで視野に入れる好調なはずのJR九州でさえ、個別線区で黒字は篠栗線だけとか、トラブル続きのJR北海道では千歳線以外全て赤字線という現状は、ローカル輸送では福岡都市圏や札幌都市圏など大都市近郊以外稼げない現実を示します。欧州式にオープンアクセス制でローカル輸送をフランチャイズへ移行するということを考えないと、JR直営ではコストダウンのための減便を受け入れるしかないということになるのではないでしょうか。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

Sunday, March 15, 2015

ラインのまよい

すっかりライン好いておりますが^_^;。上野東京ライン開業を受けてのエントリーですが、本題に入る前に気になるニュースを。

メルケル首相の「慰安婦問題」発言、独側が否定  :日本経済新聞
ドイツのメルケル首相が来日し、朝日新聞社で講演を行い、民主党の岡田代表と会談して、自然エネルギーシフトや慰安婦問題で発言したと言われますが、特に後者の発言に関して政府が外交ルートで確認したということですが、眩暈がします。

公人たる現役宰相が外国の野党政治家との会談での発言内容に関して、政府批判のニュアンスがあれば内政干渉にもなりかねませんから、公式に認めるわけないのですが、同時に欧米で昨今の安倍政権の右傾化懸念が言われている中で、公人としてギリギリのニュアンスでの言及があっても不思議ではないんですが、それを気にして外交ルートで問い合わせる政府はひょっとしたら主権国家のプロトコルを理解してないんじゃないかと疑われます。

ことほど左様に公人は自らの言動に慎重であるべきで、言論の自由はある意味制限されるのは仕方ないのですが、選挙時のTBS報道番組で発言拒否した安倍首相が、衆院予算委での追及に「私の言論の自由だ」と答弁したように、そもそも公人としての自覚がないってことです。そんな首相にツッコミを入れるメディアはほぼ皆無で、むしろ元公人2人の発言に噛みつく日本のメディアって何者?

1人は小泉元首相の脱原発発言ですが、よく聞けば安禅や経済性で政府が嘘をついていて自分も騙されて、安全対策も不十分で放射性廃棄物の最終処分も決まらない中での再稼働推進が問題としているもので、国民目線ではごく常識的な発言ですが、政府は否定に追われています。

もう1人は鳩山元首相のクリミア訪問ですが、こちらは政府もメディアも批判のオンパレードで、「国益を損なう」とか「宇宙人、地球へ帰ってこい」とか、凡そ一私人に対する態度として異常です。発言自体は「ロシアとウクライナの両国間で平和的に解決すべき」という、NATO加盟国以外の国では多数派の見方をなぞっているだけで、至極まっとうなもので、NATO加盟国でもない日本の政府の対応やおそらくメディアコントロールされている国内世論の方が異常なんで、非難されるいわれはありません。

またNATO加盟国も一枚岩ではなく、ドイツは明らかに平和裏に事態を収束させようとしてますし、民間に目を向ければ米エクソン・モービルや英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルや日本の商社などがロシアの資源開発に深くコミットし、自動車メーカーは生産拠点を置くなどしており、新規投資は滞るとしても、これら仕掛かり中の案件が停止する事態には至っておりません。

ただ気になるのはロシアとウクライナを巡っては、解決に向かうと予想外の事件が起きるという不思議な状況があります。親EU派の野党指導者ユーシェンコ氏が毒を盛られ、顔に跡が残る無残な姿に共感を集め大統領に就任しますが、親EU派の内紛でティモシェンコ首相と対立したり、そのあおりで親ロ派のヤヌコビッチ氏が大統領に選ばれ、それでも世論に押されてロシアの理解を得ながらEU加盟を模索するも、右派セクターが仕掛けたと見られるクーデターまがいの政変で失脚など泥仕合です。加えてドイツの仲介で和平交渉が進んでいたタイミングでのマレーシア機撃墜事件もありました。親ロ派武装勢力の誤射という見方が主流ですが、ウクライナ軍の撃墜説もあり五里霧中という具合に、話し合いの機運が芽生えると不可解な事件が起きるという不幸なプロセスが続きます。

アメリカが一度は決めたシリア空爆を、反政府軍にテロリストがいるということでオバマ大統領が議会に諮るという行動で止め、その後ロシアの提案で毒ガス兵器の除去が決まりシリア政府も同意し、限定的ながら話し合い解決が見えたところでイスラム国(IS)の台頭という面倒な事態になり以下略というやはり不幸なプロセスですが、ここでもロシアとの話し合いの機運がしぼみます。

おそらくスノーデン事件が影響しているのではないかと思いますが、米NSAが同盟国のトップまで盗聴対象にしていたり、またイラク戦争の根拠とされたイラクの大量破壊兵器疑惑が嘘だったということもあって、同盟国内でもアメリカに単純に同調して良いのか迷いがあり、シリア空爆でやはり必要性を訴えながら議会で否決されて断念した英キャメロン首相の対応を見ても、以前ほどアメリカべったいではないですし、またロシアの強気の裏にスノーデン氏情報がある可能性もあり、アメリカも引くに引けなくなっている可能性があります。

こういう点を踏まえると、特段の利害が絡まない日本の立ち位置はもっと中立的で良いのですが、安倍政権は何を考えているのか、こっちの方が不可解です。そもそもクリミアは元々ロシアの固有の領土だったところで、ソビエト時代にウクライナ系住民を移住させてウクライナに編入されたものの、ロシア系住民が多く住民投票でロシアへの帰属を決めており、住民投票で帰属を決めることはウクライナ憲法でも認められており、手続き上は瑕疵はありません。固有の領土が政治的理由で移管されたという意味で、日本の北方領土とそっくりの構図です。ま、北方領土と絡めてロシア寄りになる必要はありませんが。

とまあ前置きが長くなりましたが、昨日野暮用で大宮まで出かけました。決して上野東京ラインの試乗でわありませぬ(汗)。大船駅改札の発車案内に並ぶ上野東京ラインの表示を見て改めて、そういえば昼間は基本東京行きがないことを実感しました。快速アーバンが上野折り返しのほかは高崎線/宇都宮線直通なんですが、旅客案内上はちょっと煩雑さがあります。思えば横須賀線は「総武線直通の千葉行き」といった案内ですから、合わせれば良いのに、上野東京ラインを強調した結果、わかりにくくなってしまっており、本末転倒です。

初日でもあり、車掌氏もフレーズが増えてやりにくそうです。思えば湘南新宿ラインは経由地が違うので、路線愛称を活用した案内に意味があるわけで、京成の北総ルートに成田スカイアクセスの愛称を与えたのと同じですが、取ってつけた上野東京ラインはむしろ混乱の元ではないかと危惧します。ま、ソフトの見直しは事後的に可能ですから、ぜひ見直してシンプルで分かりやすいやり方に変えてほしいですね。仮に見直されればE電以来ではありますが^_^;、当時のような柔軟性を示せるか、見ものです。常磐線に関しても品川延長で良いでしょう。

でも高崎線/宇都宮線側は約半数は上野折り返しが残り、常磐線も昼間は中電快速が品川乗り入れで朝夕ラッシュ時は上野止まりで通電快速がその逆というのも考えたなと思います。高価な交直両用車E531系をラッシュで品川に延ばせば運用がタイトになりますし、グリーン車とトイレの分定員輸送力が低下するという面からも合理的です。そのために田町区に松戸区のE231系を留置してラッシュに備えておりますが、松戸区といっても天王台の電留線に常駐するE231系を都心側にも置いておくのはやはり運用面でメリットがあります。加えて常磐線の折り返しが11番線ですから、常磐線上りから東海道線下りへは同一ホーム向かい側の12番線で乗り継げて便利です。日立と戸塚を行き来する日立関係者には便利です。

というわけで東京折り返しが基本無くなるわけですから、丸の内や大手町といった既存ビジネスゾーンの利便性は低下しますが、ある意味そこを犠牲にして上野や品川を高く売る戦略とすれば、JR東日本が上野東京ラインに入れ込む理由もわかります。ケイキュウカッコカリもありますし(笑)、上野東京ラインと上野を強調したネーミングも、東上線と呼ばれたくなかった訳じゃないと(笑)。上野に本社を置く東京メトロは思わぬ漁夫の利?^_^;

あと隠れた狙いは近距離の新幹線需要の代替でしょうか。既に指定席を確保して湘南新宿ラインで大宮から新幹線という利用が一定数見られますが、東海道線がらとりあえず大宮へ向かう列車本数がこれだけ増えれば、北海道新幹線開業を睨んだターミナル分散策としての新幹線大宮折り返しが現実味を帯びます。これらを考えるとJR東日本がテンパったのも無理ないのかも。でも案内方法は見直せよ。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

Saturday, March 07, 2015

ラインのなやみ

川崎のリンチ殺人事件ですが、毎度少年法改正の話題が出るのに辟易します。実際には逮捕前から容疑者の実名入り画像がネットで流れていて有名無実化していて、今回も週刊新潮が実名報道に踏み込んでいます。

少年法の趣旨としては、更生に重きを置いているわけで、こうして実名が晒されることでその可能性を閉ざすことになるわけで、問題です。またメディアスクラム問題が事実上の社会的制裁と見做されれば、公判で量刑の軽減につながる可能性もあるわけで、何のための実名報道なのか、メディアはもっと自覚すべきです。最近減った凶悪事件でありいろいろと現代的な背景も散りばめられているので、部数稼ぎにはもってこいということなんでしょうけど、それによって失われる社会的便益(法秩序の維持)と引き換えと考えると情報搾取に等しいと言えます。

今回は被害者の通夜に縁のない若者がノートPCで実況して出席した同級生と揉めたなんてこともありましたが、雑誌の部数稼ぎに倣ってネットのPV稼ぎをする輩まで排出します。しかも咎められて「報道の自由」を主張したというんですから頭痛いです。報道の自由は権力の監視において公益性が認められるもので、事件自体より捜査当局の対応こそ注視すべきです。

その意味で気になるのが、逮捕までに時間がかかったことです。ラインの交信記録でとっくに容疑者を割り出していたはずの警察が、なかなか逮捕に踏み切らなかったのですが、ネットでは加害者の親が逮捕前から弁護士を立てていたことを理由とする説が流れましたが、思うに取り調べの可視化でビデオ録画が義務付けられたことの影響ではないかと思います。まぁぶっちゃけ逮捕して取り調べをすると録画しなきゃならないから、変なことできないということで、逮捕前の任意取調べに時間をかけたということじゃないかと。

当然任意取調べできわどいことも起こり得るわけですし、容疑者の親としてjは弁護士に頼りたくなるでしょうし、依頼する時間的な猶予も得られたということじゃないでしょうか。冤罪防止のための取り調べ可視化ですが、運用で換骨奪胎されている感があります。ま、容疑者側に時間的猶予が与えられたという意味では以前と同じではないんですが、弁護士の出番は増えるかもしれないけど本当に冤罪が防げるのかどうかは微妙です。

同様に冤罪防止を期待された司法取引制度も、美濃加茂市長の斡旋収賄事件で、贈賄側の業者の証言の信憑性が公判で否定されました。有罪確定で量刑を軽減したい贈賄側業者が虚偽の証言をした可能性があると指摘されたわけです。警察といい検察といい、冤罪防止の制度の運用で台無しにしている構図です。捜査当局の内輪の論理が優先されていないか、疑問は尽きません。こういう問題を監視するのが報道の自由ってもんです。

てなわけで、件数自体は減っている凶悪事件ですが、減っているから尚のこと目立つという側面もあるわけで、出版不況で部数を減らすメディアにしろ、承認欲求やアフィリエイトでPVを稼ぎたいネットユーザーにしろ、着眼点の愚劣さは同じです。この手のリンチ殺人は昔は結構多くて、有名どころでは連合赤軍事件がありますが、社会一般から隔離された閉じた共同体ではしばしば見られます。

今回の事件も主犯格の少年を中心としたグループ内の出来事で、社会一般とは異なったルールが支配していたわけで、それが突出しただけとは言えます。この手の事件が減っているのは、一つはネットの普及で情報が大量に流通し、閉じた共同体が維持しにくくなっているという事情はあるでしょう。所謂バカツイッタ―の炎上事件のように仲間内のノリのつもりが世間から非難を浴び地位を失うというようなことで、リンチ殺人に至る手前で共同体が崩壊する確率が高まったということかと思います。喜ぶべきことかどうかは微妙ですが-_-;。

その一方で大人たちの世界では内輪の論理がまかり通る場面が多いのが何ともはやです。閣僚の政治資金規正法絡みの疑惑やら不倫路チュー事件やら、政治家の身勝手で国会は空転する一方、自衛隊海外派兵の恒久法制定や文官優位の自衛隊法改正などが閣議決定されてます。後者は文民統制の撤廃ではないと説明されてますが、警察予備隊に始まる自衛隊の歴史を塗り替えるものであり、本来の意味での文民=政治家がここまで劣化している現状からすれば、現実的にはワンクッション置く方がベターではあります。ドサクサ紛れで事が進むことは問題です。

というか、自衛隊自身が内輪の論理が強い組織になっているきらいがあります。例えばオスプレイの配備問題ですが、固定翼機でヘリ並みの機動性があってヘリより速う遠くへ飛べるという触れ込みですが、輸送力は大型ヘリの半分ですし、固定翼の輸送専用機に比べれば遅いし、ホバリングが不安定でそれだけ地上からの攻撃にさらされやすいという欠点もありますが、そういった装備品としての優劣をまじめに検討したフシはありません。むしろ米海兵隊のオスプレイ国内配備tが露払いになったという意識が先にきているのではないかと思います。

これは制服組に留まらず背広組も同様ですが、文民である政治家を補佐するに足る専門性よりも防衛相の組織内の論理が優先している可能性を示唆します。武器輸出解禁にしても、国内メーカーが専守防衛の縛りで特殊設計となる自衛隊向けにしか装備品の生産ができないから量産効果が働かず高値なので、海外メーカーとの共同開発が必要で、且つ海外市場へのアクセスも可能になるという触れ込みですが、これ言い換えると国内メーカーがガラパゴス化しているということであり、その意味では輸出のハードルは相当高いと言えます。現在商談中のオーストラリア向け潜水艦にしても、メーカーの川崎重工はサポート体制が組めないとして消極的なんですが、文官に補佐された政権が前のめりになっている状況です。

というわけで、この手の組織の劣化はそこらじゅうに見られるので、いちいち指摘する気も失せますが、例えば当ブログでたびたび取り上げているJR九州の上場問題ですが、本業赤字で経営安定基金の運用益に鉄道・運輸機構の利子補給で事実上の補助金でやっと最終黒字のJR九州が上場できるわけがないのですが、経営安定基金の取り崩しという禁じ手で上場を強行しようとしています。JR九州の鉄道事業で線区別で黒字は篠栗線だけという惨憺たる状況です。輸送量自体は多い鹿児島本線も新幹線並行区間で売り上げを落として赤字という現状です。上場となれば収益確保は至上命令ですから、赤字ローカル線の維持は困難になるでしょう。それでも株式売却益を整備新幹線の財源にしたい政権が前のめりです。もはや日本は社会主義国か。

小泉改革の目玉だった郵政民営化も迷走を続け、持ち株会社の日本郵政と金融2社の親子同時上場という利益相反の疑いのある計画が進行中です。親子上場によって日本郵政が保有する金融2社の株式売却益を郵政が自社株購入に充てて株価操作することが想定されているようです。一方でオーストラリアの物流大手トールの買収を発表し、海外進出と企業物流などの新分野進出を目指します。とはいえ明らかな高値買いですし、ペリカン便の統合でシステム障害を起こしたように、統合作業自体も茨の道です。上場の政府方針は動かせないということで、奇策に頼るしかないという危うさです。

というわけで、世論そっちのけ、資本主義のルールも捻じ曲げて進む現政権の視野狭窄ぶりは本当に危険です。リンチ殺人じゃないですけど、イスラム国(IS)に拘束された邦人2人を見殺しにしてますし、あまつさえ自衛隊海外波形の突破口にしようというトンデモぶりです。早く政権が終わってほしい。

で、こういった内輪の論理は政権に留まらずいろんなところに見られるわけですが、上野東京ラインの紫ラインを巡る混乱にもそれが見られます。東京近郊区間路線図は元々決して見やすいものではないですが、旅客案内を考えれば東海道線と東北・高崎線のオレンジラインを繋いで常磐線のアオ(青緑)ラインを品川へ延ばすのが実態に即した案内法のはずですが、上野東京ラインのアピールのために紫ラインを追加した結果、日暮里の扱いで混乱し、東北・高崎線直通列車は日暮里に停車しない旨の注記を追加せざるを得なくなり、旅客案内上ますます見難く混乱した状態になっています。

上野東京ラインのアピールという営業上の要請が旅客案内の利便性を損なっているという意味で、旅客目線を持たない営業は却って害毒という好例です。大きな組織は相当注意しないとこの手のことを引き起こしてしまうと肝に銘ずるべきでしょう。てなわけでやっぱラインはネタじゃん^_^;。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

« February 2015 | Main | April 2015 »