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Sunday, August 30, 2015

TOICAの壁

北陸新幹線の開業で並行在来線が切り離されたことで、青春18きっぷの使い勝手がかなり変わりました。首都圏からだと、中央線、信越線又は大糸線経由のルートは使えなくなり、JR東海エリアを通る必要がありますが、青春18シーズン特有の混雑と乗り継ぎに辟易しなければならないわけで、どうせならTOICAの壁で日常的に足が向かないJR東海エリアを中心に消化しようというのが、この夏の戦略でした。

加えてやはり疎遠な静岡、浜松、名古屋の都市交通にも触れておきたいということで、5日分のうち3日分をJR東海エリアに割り当て、ついでにシャッター街と化した後に復活が伝えられた小田原駅の地下街や伊東線でリゾート21乗車などのオプションを睨みつつ、いつもながらの行き当たりばったりですが、なかなか実り多いものとなりました。

名古屋では愛環、リニモ、城北線、ゆとりーとライン、基幹バス新出来町線などの初乗車を楽しむ一方、廃止が取り沙汰される養老鉄道もと欲張りました。養老鉄道に関しては、過去に逆上下分離疑惑を指摘しました。正直裏は取れておりませんが、当時の日本企業のコンプライアンス意識からいえば否定できないところです。

その養老鉄道の廃止ですから、地元にとっては面白くない話ですが、線形が悪くインフラがぜい弱な一方、複数の市町村に跨ることから、同時に分離されたものの、伊賀市内で完結する伊賀鉄道が公的支援を得つつ東急の中古の投入ながら老朽車両の更新を実現しているのに対し、厳しい状況です。元々国鉄貨物の通過輸送で稼いでいた路線ですが、国鉄の車扱貨物の撤退で翻弄され、車社会の名古屋都市圏の外延で需要にも合致しないルートなど悪条件が重なっています。とはいえバスで代替するには距離が長くスピードダウンのマイナスを考えると解決は簡単ではありません。

名古屋にj関しては、初乗りのリニモ9で、なるほど丘陵地帯でアップダウンが激しいことから、非粘着駆動のリニアはありかもしれないとは思います。また荷重制限があることから、大量輸送向きではなく、海上の森の開発問題で揉めた愛知万博の経緯からも、輸送インフラのキャパによる開発抑制効果も評価すべきでしょう。インフラ整備に伴う環境負荷の面でもプラスでしょうし、とにかく首都圏と比べれば都市規模の違いから適正な輸送インフラの考え方も違ってくるわけですね。この辺は新出来町線やゆとりーとラインも同様です。その新出来町線は優先信号が導入されていないので、ほぼ交差点毎、停留所毎に信号につかまってしまいますが、おそらくバス優先にすれば混乱するということなのでしょう。

そういう意味でゆとりーとラインの発想は自然なんだと思います。ガイドウエー区間では結構なスピードを出しますし、駅間も長く、郊外から都心へのアクセス手段としてはうまく考えられています。ただし案内輪の収納問題からツーステップ車なのは惜しいところ。バリアフリー対策は悩ましいところです。それでもここまで高度化されたバス輸送システムという意味で、BRTと称して良いでしょう。ゆとりーとライン利用は名鉄瀬戸線小幡駅からゆとりーとライン小幡緑地まで徒歩連絡したんですが、落ち着いた郊外住宅地で、都心との距離を考えると首都圏から見てうらやましい限りです。都市の実情をフィジカルに知るにはまち歩きは重要です。

てことでやっと本題ですが、青春18きっぷで西に向かうと、JR東海エリアの駅で首都圏からカード1枚で突撃してきた乗客の精算所の長い列は恒例でしたが、いつからかは定かではありませんが、とりあえず東海道線の東京―熱海間プラス山手線内乗車に限り、駅の自動精算機で精算可能になっていました。さすがに精算でマンパワーを消費するわけにはいかないわけです。ただし逆は不可というわけで、券売機で磁気券購入が必要です。また沼津下で乗り入れるJR東日本の普通列車グリーン車ではSuicaグリーン券に対応しておらず、改札外で磁気グリーン券を事前購入する必要があります。

いろいろ調べると、名古屋地区のmanacaで実施される乗継割引に非対応で、都営バスの90分ルール割引やバス得ポイントなどSuicaとPASMOで共通化されているのとは異なります。名鉄とラッチ内でつながる豊橋と弥富では乗継専用タッチセンサーを設置、PiTaPa陣営の近鉄との共同使用駅である桑名では専用のゲートのない自動改札機(こんなもん初めて見ましたが)を跨線橋上に設置して乗継客にタッチさせるなどしてあくまでも改札分離して自社だけで独立ブロックを形成するその姿勢は孤立主義的傾向の強いJR東海らしいと言えばらしいですが、乗客の利便性は置き去りです。尚、JRと近鉄の共同使用駅である津はTOICAエリア外なので特別な対応はないようです。

一方新幹線専用カードのEX-ICとは併用可能で、新幹線を使えばエリア外もカードだけで利用可能ということで、なるほどあくまでも新幹線利用への誘導なのかということですね。加えTOICAエリアの三島―岐阜羽島間で、新富士を富士、岐阜羽島を富士に置き換えて新幹線停車駅2駅以上の区間でTOICA定期円を所持する場合は、普通車自由席乗車に限り特急料金をカード残高から引き落とすことが可能という具合に新幹線への利用誘導が露骨です。

ま、そんなこんなでちょっと気になったのが、いくつかの駅で改札外へ出てみて、駅前が結構悲惨な状況なのが目につきました。決して人口は少なくないのに、車社会で郊外型店舗でにぎわいが駅前から消えたということなんでしょうけど、特に四日市と近鉄四日市の駅前の違いを見ると、終わってるという感じです。新幹線で稼いでローカル輸送はおざなりということでしょうか。ま、あれこれ考えさせられます。

近鉄に限らず、静岡鉄道が自社系列のジャストラインと連携したり、遠州鉄道が中間駅の整備された駅前広場に自社バスを乗り入れたりして一貫輸送を意識している一方で、JR東海は駅の外は異界とばかりの冷淡さです。また系列企業であるはずの東海交通事業城北線の扱いも酷いですね。勝川は数百m離れた高架線上の無人駅で、JR駅への乗り入れは可能な造りですが敢えて繋がずですし、枇杷島も貨物線を通じて名古屋までレールは繋がっており、折り返しのホームを確保できれば乗り入れ自体は可能ですが、そんな気はさらさらなさそうです。沿線は人口も張り付いており、利便性を高めればもっと利用されそうですが。

車両面では主力の313系は良くできた車両ですが、とにかく編成が短く、青春18シーズンのせいもあるかもしれませんが、混雑までは無「なくても立客は当たり前というのも、違和感を覚えます。JR東日本で上野東京ラインの開業で話題となった10連の混雑があれだけ悪評なのですから、輸送力の余裕は大事です。その一方かつてのスター311系は発進時のショックが大きく乗り心地を損なっています。同じカム軸制御の211系がマイルドなのと比べると不思議ですが、これにあたるとハズレ感があります。てなわけでJR東海disな話になりましたが、見たまま感じたままですので悪しからず。

青春18きっぷは元々学校の休暇シーズンの余剰輸送力を活用して追加コストがほとんどかからないから実現できている格安な企画商品ですから、受益をリース料で召し上げられる整備新幹線のスキームを前提とする限り、今後も利用エリアが縮小せざるを得ないわけで、来春の北海道新幹線開業で青函間の特例もなくなること確実です。そんな中で北陸新幹線に新たな動きです。

北陸新幹線延伸で新ルート「小浜・京都」案 JR西  :日本経済新聞
従来の3ルートに対する第4のルートの提案です。従来の3案は基本計画線に8沿った小浜ルート、軌間可変電車(FGT)を前提とする湖西線ルート、東海道新幹線乗り入れを前提とする米原ルートですが、コスト面で有望とされる米原ルートはJR東海が内職を示しますし、アーバンネットワークに組み入れられた並行在来線の扱いで地元との合意形成が難しいということもあり、JR西日本は湖西ルートでの整備を検討していましたが、北陸新幹線による観光需要の誘発効果を目の当たりにしてか、若狭湾の中心都市小浜と京都をルートに組み入れ、将来は大深度地下で大阪延伸というものです。

この場合並行在来線は小浜線敦賀―小浜間が想定されますが、原発銀座のリッチな自治体の助けで小浜線の電化を実現した柳の下のドジョウ狙いでしょうか。とすれば原発の順調な再稼働が前提となりますが、逆にだから国も後押しが期待できるという読みもあるかもしれませんがちとキナ臭いところです。原発と新幹線といえば川内を連想させますが、原発関係者は京阪神から通勤が可能になり、小浜がシャッター街になるという微妙さが隠れています。また恩恵のない滋賀県が騒ぎ出すということで、すんなりいきそうもありません。あーあ。

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