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Sunday, January 10, 2016

アセット・バブル・エコノミクス・コーポレート・ベンチマーク

Asset Bubble Economics Corporate Bentchmark 略して ABECoBe(アベコベ)てなネタですた^_^;。

思えばアセット・バブル・エコノミクスをアップしてはや3年余り。正直申し上げまして当時はまだ冗談半分のネタでしたが、実際に踏み込んで現在に至るわけですが、当時はいくら安倍晋三がバカでも、ここまではしないだろうと、あるいは本人バカでも周りが止めるだろうと。いずれも裏切られました。自民公明の現政権与党は、支える官僚込みでバカ集団ですわ。またそれを支持する財界も矛盾を突かないメディアも、バカの三役そろい踏み。なるほど安保法制も通るわけだし、いずれ戦争もおっ始めるかも。今国会でもこんなやり取りが。

安倍首相、妻がパートで働き始めたら「月収25万円」 例え話が波紋
雇用の増加が平均賃金を下げているたとえ話のつもりだったようですが、いろいろな意味で安倍晋三のバカさ無知さをさらけ出してしまいました。簡単に計算すると、主婦がパートで月25万円稼ぐと仮定すると、パートとはいえ正社員並みのフルタイム週5日1日8時間勤務で月22日勤務として176時間ですから、25万円/176時間≒1,420円となり、最新の最低賃金改定値の全国加重平均786円の約1.8倍で現実離れしているわけです。加えて言えば扶養控除を巡る103万円の壁問題で、女性活躍のために扶養控除見直しをぶち上げたの誰でしたっけ?って話もあります。主婦のパートが多くの場合扶養控除の範囲内となる年103万円以下に抑える傾向は以前からあったわけで、これを満たす水準は月6万3千円余りに過ぎません。それをなくして大いに稼いでもらいましょうという政策を提案しているご当人が、こんな基礎的な算術で躓き炎上ってシャレになりません。恥ずかしすぎるわ。

ことほど左様に思い付きとしか思えない政策を打ち出して、結果の検証なんてできませんから、またぞろ新手の政策を打ち出しの連続で、結果なん出ないわけですが、特に財界が評価するのは円安株高を実現したことの1点に尽きるのでしょう。これも正確に言えば、リーマンショック後の円高株安が反転したのは2012年11月ごろで、野田政権の時代でした。これは単純に世界経済がリスクオン、になっただけで単純な経済循環の結果に過ぎないんで、だれが政権にいても変わらないものです。

このリスクオン/リスクオフというのは、金融取引の国際化が進んだ結果、世界の余剰資金が瞬時に動いて相場を動かす現象です。かつて海外送金しようとすれば、外貨建て為替を当日の相場で購入し、それをエアメールで送るとか手間がかかったわけですが、今やクリック1発ですから、日米欧中心に中央銀行が通貨供給量を増やしても、それが国内の流動性を高めるとは限らず、世界中を駆け巡るわけです。中国をはじめとする新興国の台頭は、工業化の遅れで国内の資本構築が遅れていた国々に外部から資金がもたらされた結果と見れば、不思議でも何でもないわけですが、資金の出し手は主に先進国や資源国の余剰資金ですから、何らかの理由で流動性が変化すると、資金が引き揚げられたりもするわけです。1997年のアジア危機や98年のロシア危機などがそれですね。

リーマンショックも同様ですが、ちょっと違うのがアメリカ自身の金融緩和よりも、主に日本の量的緩和の影響を指摘できます。つまり低金利国の日本で資金調達してアメリカ経由で世界へ投資された資金の変調と見ればわかりやすいのですが、ゼロ年代にアメリカの金融仲介機能はかくも肥大化していたわけです。リスクオン/リスクオフというのは、専ら資金の出し手の強気/弱気に対応したものということですね。国内資金余剰を抱えながら金融緩和が続く日本はその出し手側というわけです。つまりグローバル経済の中での流動性の変化に対して脆弱な位置にいるというわけです。

アベノミクスが本格的に始動したのは2013年4月に黒田総裁が打ち出した異次元緩和(QQE)からと見て良いですが、この時点でドル円100円前後の水準にありました。QQEの結果円安が進んで現在120円前後まで進んだんですが、それによって企業決算は軒並み好決算の一方、輸入価格の上昇で家計の実質所得はマイナスです。その結果国内消費は弱く、経済亜足踏み状態です。7-9月のGDP速報値のマイナスが改定値でプラスに転じたことが話題になりましたが、統計の正確性云々よりも、誤差範囲程度の成長率の低さこそが実態です。つまりアベノミクスは経済として効いていないことがバレてきたと。ま、裏の目的が実質的な円安誘導ですから、その意味では大成功なんですが、恩恵は企業に偏っているわけです。

でも日銀は物価動向に拘りがあるようで、原油安を受けての2014年10月のハロウイン緩和みたいな余計なことをして批判を浴びるわけですが、それでも黒田総裁が強気を崩さず、2%の物価目標を取り下げない理由はおそらくGDPデフレーターの動きだろうと思います。QQE後も目立って動かなかったんですが、2014年4月の消費税増税でプラスに転じ、その後じりじり上げているのですが、これつまり政府が音頭を取ってやった消費税増税分の価格転嫁がきかけで、それに尾錠してコスト上昇分の転嫁が始まったと見ることができます。特に原油価格の下落は追い風で、その結果食料品を中心に価格転嫁が進んだわけですね。

GDPデフレータはGDPの名目値と実質値の差で、長くマイナスが続いていたわけですが、それが反転したことを以てデフレ脱却と見ているようです。その結果QQEを続ければ物価目標は後ずれはあっても達成されると見ているようです。注意が必要なのはGDPデフレーターの統計数字としての性格でして、国内物価の上昇分は付加価値の増加として算入されて名目値を持ち上げる一方、輸入物価の上昇分はコストに算入されて実質値を押し下げますから、単純な輸入物価の価格転嫁がダブルで計上されて大きく見える点です。

しかも輸入物価上昇分の価格転嫁が終わればそこまでの一過性の現象ですから、これが続くためにはさらに円安に誘導しなきゃならないわけで、それは歓迎されないし、結局家計所得を増やすしかないから、政府だけでなく日銀までもが企業に賃上げを要請するという倒錯した事態に至ります。本当は原油安の恩恵を最大化し家計実質所得を押し上げるために物価目標を取り下げてQQEを終わらせるのが通貨当局として正しいのですが、真逆の判断をしているわけです。

かくして米FRBの年末の利上げをきっかけにリスクオフが鮮明になり、日本株は新年5日続落と戦後初の動き。いやこれは中国の失速のせいだと言うなかれ。中国人民元の下落は香港などのオフショア市場の先物主導で進んでおり、米利上げによる資金の逆回転を見込んだ投機の結果です。投機ですから短期で終わっていずれ落ち着くと思いますが、米利上げで中国から資金が流出するという連想からの商いですから、米利上げが起点です。ま、中国当局の経験値の低さが火に油を注いだのは間違いないですが。てなわけで、タイトルのアベコベが今後進むわけです。謹んで新年のお祝いを申し上げますwwwwwwwwww.

で、めでたいニュースを2つ。

北海道新幹線・東京―新函館北斗 最安で1万5460円  「青春18きっぷ」追加料金で乗車可に :日本経済新聞
北陸新幹線、大阪延伸ルートで新たに2案 協議難航も  :日本経済新聞
北海道新幹線の開業で在来線が分断されると、青春18キップの扱いがどうなるか注目されましたが、在来線乗り継ぎのつなぎという名目で2,300円のオプション券を追加して乗車できるようにという妥当なところに落ち着きました。めでたい。

2つ目は北陸新幹線の敦賀以西のルート問題。こちらは着地点が見えませんが、元々弦が開業時点でフリーゲージトレインを導入して湖西線経由で京都・大阪へというJR西日本の目論見が、当のフリーゲージの開発が進まず事実上白紙となり、焦ったJR西日本が小浜京都ルートを持ち出して迷走したわけですが、利害関係がかなり複雑です。事業性を考えれば米原ルート1択でしょうけど、それだと大都市側をJR東海に依存してJR西日本としてはうまみがない。加えてアーバンネットワークの拡大で活性化された在来線の切り離しは考えにくいし、さりとて敦賀乗り継ぎは新在の駅の高低差が大きくなる見込みで越後湯沢のほくほく線乗り継ぎの悪夢の再現と北陸サイドが不満と。では切り離し可能な小浜線に着目したわけですが、そこへ議員の賀田引鉄が重なり迷走というわけですね。

元々フリーゲージは開発自体無理だし無意味と申し上げてまいりましたが、これが現実です。また整備新幹線の財源はJRの並行在来線の切り離し区間が長いほど、また関係する自治体が多いほど多くなるわけで、この観点からだと議員の我田引鉄で持ち出された舞鶴ルートが最善となります。ただし事業性はほぼ議論されてませんが、国会議員による利益誘導としては旨味があるわけです。

というわけで最後に、やめよう整備新幹線(怒)。

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