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May 2016

Sunday, May 29, 2016

ミエミエサミットで消費税増税延期の茶番

1-3月期GDP速報値が発表されました。

1~3月期GDP、年率1.7%増 うるう年効果で  :日本経済新聞
前期比+0.4%、年率換算+1.7%と数字上はまずまずですが、花冷えエントリーで指摘したように、今年はうるう年で1日多いので、年率換算+1.2&の上振れがありますので、実質は+0.5%程度で辛うじてプラスということになります。ただ同時に前期(10-12月期)の二次速報値も発表され、一次速報値の年率換算-1.1%から-1.7%に下方修正されていて、うるう年効果を省けばマイナス基調という微妙な結果です。そのため人によって評価が混乱しております。ま、所詮二次推計値であるGDPで1%未満の動きは誤差範囲と見做せますから、横ばいが実際というところでしょう。中身としては輸出増と円高と原油安で輸入減で貿易収支はプラス。消費もプラスですが、これはうるう年効果によるとすると実質マイナス。設備投資はマイナスに転じ、住宅投資もマイナス、在庫投資も寄与度が下がるなど、概して企業部門の慎重姿勢が目立ちます。

てなわけで、来年4月の消費税増税を巡る判断も五里霧中かと思いきや、こちらは既に肚が決まっていたようです。

消費増税「19年10月に」 首相、2年半延期の意向  :日本経済新聞
これも予想通りですが、サミットでのお墨付きは得られたのかといえば、微妙です。
サミット閉幕、成長底上げ、見えぬ実効  :日本経済新聞
日経をははじめ国内メディアは指摘しませんが、海外メディアは内政運営のお墨付きにサミットを利用する日本の姿勢を厳しく指摘します。それもそのはず安倍首相のこんな発言にあきれ顔です。
世界経済に下振れリスク、G7一致 首相「政策対応を」  :日本経済新聞
これもウソ八百、実際は「リーマン級危機」を言い立てる安倍首相にあきれ顔。ラガルドIMF事務総長は「リーマン旧危機」を否定しています。ただしIMFの成長見込みで主要国で日本だけがマイナス成長ということで、消費税増税延期自体は反対していないのですが、サミットを内政運営のダシに使う姿勢に不快感を示したものです。安倍首相の非常識ぶりはこんなところにも。
伊勢神宮、なぜ「参拝」でなく「訪問」か G7首脳招待  :日本経済新聞
安倍首相のリクエストに対応した外務省の苦労が見えますが、宗教を巡るナイーブさの理解を欠いているのではないかと思います。立場を逆にして日本人が教会に連れていかれて指で十字を切って祈れと言われれば違和感があるはずで、ましてテロに揺さぶられる世界で宗教が争いの火種になっている現状に無頓着ということを首脳たちに晒したわけですから、常識を疑います。

消費税に関しては様々な立場から様々な議論がありますが、私のスタンスは財政再建のための増税そのものは否定しないけど、インボイスのない日本の消費税制度は欠陥精度で、税率を高くすると矛盾が吹き上がるからやめとけといった基本スタンスです。だから延期自体は反対するつもりはありませnが、できればインボイス導入を予定する2021年を待ってからやるべきで、2年半の延期は中途半端と申し上げておきます。

加えて現状の8%の消費税も10%への増税の予告とセットですから、家計消費は10%をすでに織り込んでいると見るべきです。実際駆け込み需要のある耐久財を除外した非耐久財消費の増税後の動向を見るとほぼ-5%と10%増税を先取りした動きが見られ、一斉に価格見直しに動いた外食産業で昨今値下げの動きがありデフレ再燃か?といわれる状況があります。この状況で増税延期をしても、将来の増税が予告されている状況に変化はないわけですから、消費を押し上げる効果はないわけです。消費を促すなら増税そのものを一旦白紙撤回するしかありません。というわけで顰蹙を買いながらサミットで得たお墨付きも効果なしと断定できます。

ということで、ここまで出鱈目な政権運営は見たことないけど、メディアが突っ込まないからやりたい放題で、むしろ副作用で経済にダメージを与えているという見立てはダメノミクスのエントリーで指摘した通りです。この辺アメリカでは格差拡大の現実に新自由主義的な処方箋しか示せない他の候補に代わってトランプ氏を選ぶアメリカの有権者の方がまともなのかもしれません。ただしトランプ氏が変節しなければですが、早速こんなニュースです。

トランプ氏、共和党に歩み寄り パリ協定の離脱宣言  :日本経済新聞
これはトランプ氏が共和党の正式な大統領候補となった結果、トランプ氏の方が共和党に歩み寄った形です。となるとパリ協定は京都議定書同様実効性を失う可能性があります。ま、日本の財界からはむしろ歓迎されるかもしれませんが-_-;。で、オバマ大統領はパリ協定の年内臂臑を議会に求めると発言しています。クリントン氏の不人気ぶりからトランプ大統領の可能性に危機感を持っているわけですが、こうなるとTPPは後回しになること確実で、こちらはだれが大統領になってもオバマ大統領が譲歩し過ぎたという見立てから再交渉は避けられないところ。アメリカは譲歩を反故にする一方、日本の譲歩項目はそのままになる可能性が高くなります。いずれにしても批准できずに漂流する可能性が高くなりました。

で、最後にとってつけた鉄ネタ^_^;。

インドネシア・ジャワ横断鉄道、日本に建設要請へ  :日本経済新聞
散々中国disって事業を白紙撤回させた日本勢ですが、インドネシア政府はほぼ日本の在来線と同規格の既存鉄道の改良で高速化という現実的な計画で日本の協力を求めました。新興国のインフラ投資は今後も続くと考えられますが、先進国の成長停滞に中国の失速も重なって以前のように威勢の良い計画は難しくなったと見るべきで、インドネシア政府はその点身の丈に合った事業を考えているわけですが、元々日本は新幹線システムを売り込みたかったわけで、現地の事情を無視したインフラの売り込みはむしろ問題です。その一方でこれ。
リニア大阪延伸、最大8年前倒し 政府・JR東海が調整  :日本経済新聞
人口減少が始まった日本の身の丈を考えるとリニアは過大投資ですが、自己資金でと突っぱねてきたJR東海に政治がすり寄ってきています。丁度東海道新幹線の大規模改修費の無税積み立てを勝ち取ったときの権謀術策そのままですが、JR東海らしいといえばらしい政商ぶりです。

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Sunday, May 22, 2016

五輪霧中

2020年の東京オリンピックの雲行きが怪しくなってきております。特に2億円超の「コンサルタント料」問題は、下手すれば東京開催返上の可能性すらありますが、国内報道ではその辺の言及がなく、危機感が足りないかも。

そもそも発覚の仕方が異常で、元々ロシア陸連のドーピング疑惑を捜査中に、渦中のIOC幹部の息子の会社に2億2,000万円が振り込まれていて「これは何だ?」というのですから、笑えない。東京開催決定の前後2回に分けての振り込みは賄賂性を疑わせるということで、フランス捜査当局が本気になったものです。

パナマ文書で話題のタックスヘイブン問題が、それ自体では違法性を問えない一方、コンサル料を受け取った会社は、アジアのタックスヘイブンとして知られるシンガポールが所在地で、しかもすでに解散しているとか。裏金ではない証明はほぼ不可能でしょう。JOCが潔白を主張するなら、騙されたとして詐欺で訴えるならわかるけど、守秘義務を盾に解散した会社に操を立ててるっておかしいです。この辺説明付かないなら捜査の進展で返上を迫られる前に、東京開催を自ら取り下げる方が良いかも。オリンピック自体は代理開催でロンドンが有力らしいけど、開催されるなら、出場選手には場所が変わるだけの話です。

以前から気になっていたのですが、オリンピック関連で様々な利権がうごめいている印象はありましたが、生易しいものではないようです。例えば新国立競技場問題では、神宮の森の再開発問題とリンクしていて、ザハ案の迷走がそれをあぶりだしています。

新国立競技場、隈案に決定の裏に利権の闇|Close Up|ダイヤモンド・オンライン
ちょっと複雑なんですが、元々宗教法人明治神宮をはじめ三井不動産など民間地権者の所有地ながら、国内風致地区第1号に指定されて15mの高さ制限が課されていた神宮の森に3棟の高層ビル計画が持ち上がり、それを可能としたのがザハ案の新国立競技場で、それを露払いとして高さ制限が大幅に緩和された新たな都市計画が東京都によって策定され、新高層ビルの日陰となる都営霞ヶ丘アパートは公園化されることになり、住民の追い出しで揉めて裁判になっています。

公園化は再開発で必要になる公園スペースの確保の意味もあります。ところが露払い役のザハ案がコストがかかりすぎると批判を浴びて白紙撤回され、再コンペとなったわけですが、この先がややこしい。隈研吾氏と伊東豊雄氏の2案に絞り込まれ隈案で決着したのですが、隈案はザハ案でサポートした日建設計がサポートしており、データ流用を巡ってザハ氏から知的財産権侵害を指摘されるなど火種は残っております。問題になった聖火台はサブトラックと共にザハ案では別に作る計画だったので、隈案では反映されていなかったって、そうなるとパクり疑惑は深まるのか?-_-;

で、問題なのが伊東案の落選理由。伊東案ではコスト削減の別メニューとして人工地盤上の公園計画を省略した案を提示した結果、東京都側の委員が反発したとか。曰く「今更都市計画を変更できない」だそうな。これ神宮の森のトリプルタワー計画と読み合わせると腑に落ちます。高層ビル建設のためには所定の公園面積を確保しなければならないんですから。伊東氏にしてみればコスト削減のための別メニューの提示で撥ねられた格好で、良心を示したのにとかなりお怒りだとか。

もちろんこれらは状況証拠だけですが、そもそもザハ案自体が神宮の森の高さ制限緩和のダシに使われた可能性もあるわけで、オリンピックという夢の祭典はここまで食い物にされているのかと愕然とします。本来公共施設のデザインコンペでは、建設の目的や予算、立地場所の法規制などの建築与件を明示して行われるはずですが、新国立競技場ではそれがなかったようです。結果として径間500mを超える巨大キールアーチという物理法則に挑戦するようなザハ案が採用されたわけで、意図を感じざるを得ません。ザハ案に批判が集まって白紙撤回された一方で、旧国立競技場の解体を拙速に進めたのも、既成事実を作って後戻りできないようにしたと見えます。

それでもコスト面での世論の批判もあり、舛添都知事によって競技施設計画の一部が中止されるなどしたのですが、その舛添都知事が今批判を浴びています。

高額出張や公用車利用… 舛添都知事に「公私混同」批判  :日本経済新聞
批判の許が専ら与党の自民公明陣営からというのが匂います。何だか猪瀬前都知事のときのように、辞めるまでバッシングが続く感じです。しかも猪瀬氏は都知事選を控えて徳洲会から5,000万円を受け取ったわけで都知事としての責任を問われる構図だったのですが、舛添氏の政治資金絡みの問題は都知事になる前の話ですし、都の公金や公用車の使用に関しては、一応都の基準の範囲内です。ま、これも石原都知事時代の蕩尽で基準が緩くなっていたのかもしれませんが、当時一部で批判されたものの、今回のようなバッシングにはなっていません。早い話舛添氏は虎の尾を踏んじゃったのね。だから都議会も100条委員会を開きたくても公式には理由がないわけで、あとはひたすら叩いて辞めるのを待つってことじゃないでしょうか。てなわけで五輪霧中^_^;。

これらは公共事業では普通に行われてきた手法ではあります。だから時々揉めるわけで、最たるものは成田闘争ですが、辺野古の新基地でも同様のことが起きています。ほとんど報道されませんが。そんなときにこんなニュース。

沖縄女性遺棄 日米首脳会談で再発防止要請へ  :日本経済新聞
政府も抗議の姿勢は見せているものの、沖縄での世論の沸騰に広島訪問を決めたオバマ大統領や日米同盟の先行きを心配って変だろこれ。

えーと、正確には公共事業ではないんですが、先日市川市で住民の反対で保育園の建設断念のニュースがありましたが、報道が明らかなミスリードで、近隣住民が子供の声にうるさいと苦情といったニュアンスで報道されましたが、住民の言い分は、事業主体の社会福祉法人の説明が不十分で市川市も対応が悪いこと、特に前の道路が狭く、保育園ができて児童の送迎のマイカーが増えれば通行が困難になることが一番の問題ということで、そうなると道路の拡張など都市計画から見直さないと保育園一つ作れないというわけで、児童の歓声の苦情が事業者や行政の見直しの口実に使われたということのようです。神宮の森の再開発や辺野古の新基地とは逆の構図ですが、利権絡みでやらなければならないことは何が何でもやるけど、そうでもない案件は人のせいにしてやめる。自分たちは傷つかないというわけですね。

昨今、東芝の粉飾問題や三菱自工の燃費不正など、日本企業の劣化を示すニュースが続きますが、その流れの中で共通する問題は、リーダーの不作為や現場軽視に、優秀なはずの現場が疲弊しているのではないかという疑問です。オリンピックも元々既存施設の活用でローコストでエコな大会を目指していたはずが、予定になかった国立競技場の建て替えを皮切りに神宮の森の再開発とどんどん話が大きく膨らむ一方、人手不足で人件費はつりあがる一方、ゼロ年代のリストラで職人をリストラで社外へ出した結果、横浜の傾きマンション問題などが起きるわけですが、その時に指摘した技術者の高齢化と若者の減少による技術の伝承問題もあり、現場の能力低下も疑われます。

技術の伝承問題はそもそも国鉄改革で誕生したJRで指摘された問題で、国鉄末期の新規採用手控えとJR化後も余剰人員対策もあって採用手控えが続いた結果、40代の中堅社員が極端に少ない歪な年齢構成となっており、例えばJR福知山線事故のときの若過ぎる運転士が日勤教育などの懲罰的処分を恐れて指令への虚偽報告をしたりしたことが、事故の遠因となっていると指摘されてます。昨今特に気になるのが饋電系のトラブルで、3月にも高崎線籠原駅での碍子の経年劣化によりDC1,500v電流の地絡事故で連動装置などが焼損した事故では、復旧に2日半を要し影響甚大でした。碍子の経年劣化そのものは阻止できないので、劣化を早く見つけて交換するしか対策がないのですが、海岸沿いなど環境的に劣化の早い場所は現場で経験的に把握されていて、重点的に点検、交換が行われていました。籠原の現場がどうだったかは不明ですが、技術伝承がどうだったかなど、不明な問題は残ります。

き電系統の事故は復旧に時間を要するのは2015年8月の京浜東北根岸線桜木町事故でもありましたが、このときはエアセクション停止による前後き電区間の短絡による大電流で架線が溶断したものでした。京浜東北根岸線は保安装置がATCで、停止禁止のエアセクションには止まらない仕様だったのに、花火大会で駅の混雑対策でホームの混雑が引けてから次の電車を入線させるという確認運転をしていたことが仇となり、手動運転で停止禁止エアーセクションに留まってしまったものです。運転士はエアーセクションの停止禁止は把握しておらず、典型的なマン―マシン系トラブルとなりました。お金かけて高度な保安装置を入れればよいわけではないわけです。むしろシステムの構成が複雑化すると、事故対応も複雑化して想定外の結果を生むこともあるわけです。国鉄改革から間もなく30年を迎える中、JR各社は難しい段階にあるようです。

おまけですが、鉄道ジャーナル6月号の曽根悟教授の高崎線事故の解説が面白かったのですが、首都圏のJRでき電事故が目立つのは、日常的に大電流を扱っていることと関係がありそうです。供給電力が15連3列車が重なると10,000Aにもなるのでは、正常電流と異常電流の区別がつきにくく、自動遮断の精度を上げられないということですね。結果的に地絡事故が起きても回路の自動遮断ができずに大事故になるということで、難しい課題です。

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Sunday, May 08, 2016

壊れかけの Nation

鼻グジュグジュ状態で書いたエントリーをなぞる安倍首相。

財政出動 協調に壁 首相欧州歴訪終了、独英と温度差  :日本経済新聞
ホントわかりやすいけど、独英首相にクギを刺された格好です。ロシアのプーチン大統領との会談も成果は出ず、結局何しに行ったの?プーチン大統領は安倍首相訪ロの4日前に北方四島を含む極東振興のための土地「分与法」の署名し、返す気さらさらないところを見せております。日本のメディアはガン無視ですが。それでもプーチン大統領が安倍首相に会うのは金づるだから?

まだ震災も収束の気配はないし、保育園の待機児童問題も解決の道筋が見えない中での外遊で成果なし。内緒ですが伊勢志摩サミット開催が決まって伊勢志摩地区のホテルが閑古鳥とか。早々観光客が自粛したそうな。テロ警戒で警備も大変だし、サミットで手を上げるところなくなるかも。

待機児童問題が解決しないのは、構造問題があり、解決は困難です。具体的に言えば、待機児童問題が表面化しているのは専ら都市部であって、農村部などでは見られないですが、理由は単純で、都市部に雇用が偏っており、それだけ女性の労働力率が高くなるわけで、都市部に需要が集まるわけです。加えて重要なのが、保育士は今でこそ男性もいますが、女性が多く、故に本人の妊娠・出産を機に退職となります。保育士の低待遇が問題視されてますが、表向き退職理由のトップは妊娠・出産です。そしてそれゆえ賃金が上がらず、また育児後の復職も難しくなるわけです。所謂キャリアの中断が避けられず、それを口実とした低賃金ということですね。単純に賃金上げて解決とはならないわけです。日本の性差別の根は深いです。同時に少子化対策が労働力不足と競合するという点は既に指摘しています。この政権は安保や改憲には熱心でも、国民が直面する問題の解決には興味なしです。

ニュースクリップを続けます。

トランプ氏、共和党候補指名確実に クルーズ氏撤退  :日本経済新聞
トランプ氏に関しては様々な論評がありますが、共和党の保守本流の崩壊と見るべきでしょう。常識的にはこれで民主党クリントン候補が大統領となる可能性が高くなったということは言えますが、エスタブリッシュに近いクリントン氏が若者に人気がないということで、若者のリベラル票はサンダース氏に流れており、格差拡大による不満がサンダース氏を善戦に導いた一方保守の共和党系ではトランプ氏がその役割を担っており、しかも他の有力候補をことごとく駆逐してしまったということですね。実はトランプ氏は差別的、排外的発言ばかりが取り上げられますが、富裕層への累進課税などリベラレル的な主張もしており、特に失業率の高い白人男性の若者層の支持を集めており、むしろ茶会党系のクルーズ氏の方がタカ派的だったり市場原理主義的だったりします。アメリカの保守派が示す処方箋に国民が懐疑的になりつつある一方、だからといってリベラルへは行けないで取り残された国民が多数いるということです。アメリカが壊れかけている?

実はイギリスのEU離脱問題も同様の火種があります。キャメロン首相自身は残留派といわれますが、党内や支持者からの突き上げでガス抜きを迫られての国民投票なんですが、パリやブリュッセルのテロ事件もあり、離脱派が勢いを増している状況です。保守派の分裂が意味するところは、先行きに対する国民の不安の反映と捉えると、実は深刻なのかもしれません。EU離脱論はイギリスに留まらず、最も恩恵を受けていると見られるドイツですら反EUの政治勢力が伸びています。グローバル化が行きつくところ、主権国家が主権を制限される局面が増えていることに対する不満と不安が背景にありそうです。ある意味改憲派が牛耳る日本の現政権もそんな流れの中に位置づけられるのかもしれません。「9条を守れ」しか言わない日本のリベラル陣営は本当に事態を理解していない。多分主権国家が資本主義と共に解体過程に入ったかも。壊れかけの Nation がキーワードかも。

もうちょい身近な話題。

バスと車衝突、母子死傷 福島・常磐道  :日本経済新聞
またしてもバス事故ですが、場所が問題です。福島第一原発事故で放射線空間染料が高く、全域が避難区域に指定されているエリアに開通させた高速道路で事故です。最悪なのは元々一般道と区分されたクローズドサーキットで、しかも2車線対面通行ですから、事故当時者に留まらず、足止めされた車も多数あるわけです。線量の高いエリアで長時間の足止めで、車内に留まって復旧を待つしかないわけです。車外へ出るよりはマシとはいえ、放射性核種を遮断するほど高性能なフィルターは車に備わっていないことは指摘しておきます。こういう事態を想定できていれば、常磐道の開通を急ぐ意味はあったのかどうか。自衛策としては近づかないことしかありません。事故は乗用車が反対車線に突っ込んだもので、バス側の原因ではないのはせめてもですが、該当の桜交通のバスは池袋発相馬行きの便ということで、運転手含め41名乗車ということですから、GW中でほぼ満席だったわけですね。高速バスにとっては稼ぎ時であるとともに、渋滞や不慣れなドライバーによるもらい事故のリスクもあり、厳しい現実を見せつけます。

そんな高速バス界隈の話題としては先月開業したバスタ新宿でしょう。新宿駅周辺19か所に分散していた高速バス乗り場が集約されたことで、乗客の利便性は高まりましたし、何よりバスの客扱いによる西口広場を中心とする道路渋滞とR20甲州街道のJR陸橋上の客待ちタクシーの車列の解消による効果もあり、渋滞解消には一定の効果が認められます。ま、上り車線中央のバスタ新宿右折路に迷い込んで進入路信号で強引に直進する困った一般車がちらほら。事故が心配です。

実はバスタ新宿の建設には道路予算が使われているのですが、R20甲州街道の国道整備事業という名目で渋滞解消は事業の目的になっております。それゆえJR・京王などの既存バス事業者に留まらず,WILLERなどの新免事業者まで収容する巨大バスターミナルが実現したわけです。バスターミナルと言えばバス事業者単独あるいは複数事業者の合弁事業が多かったのて、バスタ新宿はその意味で新しい整備手法ではあります。またJR新南口と一体で交通結節機能を重視している点も事業目的にうたわれております。ただこの点は課題もあります。

JRからなら新南口新南改札を出れば、2F-4F直通エスカレーターが目の前で、昇るとロビー入口というアクセスの良さですが、JR以外からは意外とアクセスしにくい位置関係にあります。特に小田急と京王からは悩ましいところ。小田急の場合は南口改札を出れば甲州街道を挟んで向かいの位置関係ながら、陸橋上に1箇所しかない横断歩道を渡るしかありません。サザンテラスへ渡るミロード橋も選択肢にはなりますが、結局階段でサザンテラスへ降りるしかありません。そしてシースルーのエスカレーターで3Fタクシーフロアへ出て折り返し、4Fへのエスカレーターへ乗り継ぐのですが、ロビーから遠いCエリアとDエリアの角に出て、狭い通路を辿ってロビーを目指すことになります。むしろJR連絡改札から中央東改札を出て地上へ上り、R20陸橋下からアクセスする方が楽かもしれません。

京王の場合は新線新宿出口2からR20陸橋上へ出るのが早いけれどわかりにくいですね。特に安田生命第二ビルにあった旧新宿高速バスターミナルと比べると、遠くなったことは間違いありません。で、ややこしいのは京王系の高速バスは到着便は旧ターミナルにほど近い26番ポールを使っていて、多客期の増発便では出発便もあるということで、案内上混乱が予想されます。そんな中リムジンバスは京王百貨店前(成田便)と安田生命第二ビル前(羽田便)のバス停を維持しており、空港アクセスバスという特殊性はあるものの、クレバーな対応です。

地下鉄の場合は新宿三丁目の方が物理的に近いのですが、案内上はタカシマヤを目指してということになりますから、慣れないと使いにくいかも。ま、不慣れな人の裏技はタクシー拾って「バスタ新宿」が吉。特に荷物のある時は有力な選択肢です。

乗客案内では予約分を含む発券の分かりにくさは指摘できます。ロビーの発券カウンターはハイウエイバス・ドットコム(京王系)、高速バスネット(JR系)、発車オーライネット(独立系)で窓口が分かれており、不慣れな人を迷わせます。さらにアクアライン系統など近距離路線は自由席で直接乗り場へと案内され乗車券発券はなし。ICカード利用可否も路線や事業者ごとにバラバラ。新免含む一部事業者では乗り場でチェックインでやはりロビーでの発券はなし。この辺は不慣れな人ほど迷うところですが、こういった縦割り体質はバス業界の業なのでしょうか。

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Sunday, May 01, 2016

かわせ円高アベコベあそう

いろんなニュースが流れて脳みそオーバーフロー気味でまとまらず、更新が滞っております^_^;。取り上げたいニュースは数多ありますが、特に個人的に関わりが長かった業界のニュースをさらりと。

セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長の退任に至ったお家騒動を「コーポレートガバナンスの勝利」とするアホな評価があるようですが、鈴木氏は昔から「文句があるならオレを頸にしてから言え」というスタンスで地位を築いてきた人で、創業者の伊藤正俊氏が渋々認めるという流れでワンマン体制を築いた最強のサラリーマン経営者ですが、今回はそれが裏目に出ただけです。あまりに長く君臨しすぎて、創業家も取締役も世代交代して若返っていたことが誤算の1つ目。米ファンドのサードポイント対策で社外取締役を選任したり指名・報酬委員会を立ち上げたりしてコーポレートガバナンスの制度整備をしたりしたけど、選任した社外取締役の1人が鈴木氏を結果的に退任に追い込んだことが2つ目。そして鈴木氏肝いりのオムニチャンネル構想が成果を上げていないことが3つ目です。

特に3つ目ですが、ネット通販ではリアル店舗の存在が勝敗を分けるという見立ては業界内では広く共有されていて、目新しさはないんですが、結局ネットの進化が急過ぎたこと。具体的にはアマゾンのロングテール戦略です。結局小売りは売り上げ上位20$が売上の80%を占めるべき分布の世界で、セブンもPOSデータを活用して所謂売れ筋で収益を上げてきたんですが、逆に売れない80%はそれなりに拘りの強いコアなユーザーがいる一方、高価で非競争的なので値引きもなくアマゾンの収益の柱になっているのですが、リアル店舗では品ぞろえしにくく、つまりリアル店舗の弱点を突いた戦略で成長してきたライバルとはそもそも勝負にならないわけです。時代の変化は冷酷です。

てことで本題。年初来続くアベコベ相場ですが、日銀の追加緩和の期待空しく、連休の薄商いも手伝って一気に円高が進みました。

企業収益、減速一段と 資源安で減損3兆円  :日本経済新聞
異次元緩和による円安効果で物価上昇と企業収益改善を狙ったアベノミクスは当然逆回転しますが、対策をアメリカに封じられます。
米、日本の為替政策を「監視」 円売り介入けん制  :日本経済新聞
一応監視対象国は対米輸出超過の大きい中国、ドイツ、日本の3カ国と韓国に、プラス為替介入を大規模の行っている台湾ということですが、貿易量の多い3カ国のうち、ドイツはユーロ圏で金融政策はECBが担っており、ドラギ総裁の下大胆な緩和策を続けてますが、ドイツ連銀の反対で足踏みもしているわけで、むしろドイツのスタンスは為替操作国とは言いにくいところです。加えて中国は、確かに不透明な為替操作をしているものの、元高誘導が目的で通貨安を目的としていないわけですから、明らかに日本がターゲットということになります。で、日本政府もこんな発表をします。
為替介入実績ゼロ 財務省、26日まで  :日本経済新聞
わざわざ発表したのは「日本は不透明な為替介入をしていない」とアピールしたかったのでしょう。言外に「だから少しは為替介入を認めてくれ」という意図はあるでしょう。でもアメリカは動じません。理由の1つはこれですね。
米為替の監視対象指定、裏にTPP 早期批准へ議会懐柔  :日本経済新聞
TPPに反対が根強い議会筋の懐柔とガス抜きというわけですが、記事のニュアンスとして実際に対抗策を発動する環境にないことを根拠に挙げてますが、甘ーい。
強気「黒田日銀」に試練 消費・物価もたつき鮮明  :日本経済新聞
28日の政策決定会合で追加緩和を見送った黒田日銀ですが、事前の予想で追加緩和が予想され相場にも織り込まれた中で動かなかったのですから、本当は動けなかったということでしょう。お陰で相場は大きく反転、円高になりました。直前の米FOMCでFRBは利上げを見送っており、国際経済のリスクを指摘していますが、本音は「日欧がマイナス金利なんて馬鹿なことやるから動けないじゃないか」ということですね。そのFRBはバーナンキ議長時代に一連のQE政策を「国内景気を睨んだものでドル安誘導が目的ではない」と度々述べていたわけで、立場が変わると真逆のことを言うわけですが、さすがに強気の黒田総裁もアメリカを敵に回す度胸はないわけです。そんな中で麻生財務相の「必要に応じて対応する」という口先介入が空しく響きます。以上タイトルのネタバラシですた^_^;。

TPPに関しては元々一方的な為替介入は禁止事項ですから、TPPを本気で批准する気があるのかどうか。というかそもそも中身を理解しないまま交渉していた疑惑がますます募ります。一応アベノミクスの成長戦略の中心テーマだったはず。加えてインフラ輸出と武器輸出もアベノミクスの看板政策でしたが暗雲です。

[FT]安倍首相に打撃 豪潜水艦、仏が契約獲得  :日本経済新聞
三菱重工が豪華客船を受注しながら、資材費や人件費の高騰で赤字受注となり、度々ボヤ騒ぎまで起こし納期遅れとか、いろいろありましたし、重工から分かれた自工の燃費不正など、三菱ブランドが傷つく昨今、加えてオーストラリアで政権交代があって安倍政権との蜜月も解消といろいろ要因はありますが、結局これです。
豪潜水艦、フランスを共同開発相手に選定 日本勢受注ならず  :日本経済新聞
元々非核三原則で原潜を持てない日本の通常型潜水艦は潜航性能もステルス性も非原潜でトップクラスではありましたが、それゆえの技術的過信が背景にあり、逆に発注者のニーズはあまり考慮されなかったようです。つまりインドネシア高速鉄道と同じ構図です。そのインドネシア高速鉄道には後日談が。
日本が中国を撃退!インドネシア鉄道受注の逆転劇|Close Up|ダイヤモンド・オンライン
つまり中国の高速鉄道計画を徹底的にDisってプロジェクトそのものを白紙に戻しました。これを「実質的勝利」と総括する日本勢の頭の悪さに眩暈。プロジェクトを進めさせて二進も三進もいかなくなって日本の助け舟を求める流れを予想できないのでしょうか。台湾ではそうして逆転受注したんですがね。きっと今回も仏潜水艦の技術をDisって白紙にするんぢゃないかwwwwwwwwwwwwww。ニッポンバンザイ\(^o^)/。

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