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Saturday, August 06, 2016

社畜人ヤプー

お盆が近づいてますが、お盆に家へ帰るのは、ご先祖様と社畜。盆と正月ぐらいしか長期休暇が取れないから。お盆に家からいなくなるのは、アニオタと鉄ちゃん。アニオタは東京に集まり鉄ちゃんは全国に散らばります。ポケモンGOという新参者は所かまわずwww。アヅー。

相模原市の障がい者施設の殺傷事件は痛ましい出来事ですが、容疑者の言動から明らかなヘイトクライムであることが救いようの無さです。社会はなぜ障がい者を包摂しなければならないか。簡単に言えば彼らを包摂することが人の尊厳を守ることになるからで、しかも護るべき障がい者は社会的には少数者である一方、層の厚い中間層を前提とする民主社会では、包摂の負担は広く薄く多数で担うから過重な負担にならない故に合理的なわけです。

ただし中間層の二極化による所得格差の拡大は世界的傾向として見られ、日本も例外ではないわけです。中間層の二極化で所得を減らした中間層の一方で租税回避に励む富裕層で、結果税負担はむしろ増えて、怒りが弱者に向かうという構図になるわけですが、それ以前に弱者の包摂の意義が日本社会でどの程度共有されていたのか、疑問なしとは言えません。こんなニュースがそれを示します。

小池都知事:韓国人学校用地の有償貸与計画「白紙に戻す」 - 毎日新聞
元々舛添前都知事時代に決定したものですが、辞任に伴う都知事選で小池氏は白紙撤回を訴えて当選したから当然ということですが、舛添都知事を辞任に追いやった民進・共産の都議団はどう責任を取るつもりか。舛添氏に都知事として頑張ってもらった方が、両党の理念に近い都政ができたんじゃないのか。後の祭りだが。小池氏に投票した都民も考えてほしいところですが、外国人対する不寛容が堂々と選挙戦で主張されるってのは異常です。

日本社会が抱える差別性というのは、あまり意識されてませんが、結構深刻じゃないか。そもそも正規非正規の雇用者間の待遇差は以前から指摘されてきたところですが、正社員といっても大企業と中小零細企業ではやはり待遇差がありますし、最近顕著なのが元請けと下請けの関係でして、元請け企業は社員への待遇を維持するために下請け企業にコストカットを強要し、下請け企業はやむなく雇用者の賃金に手を入れる。そのためにはキーマンとなる技術者を独立させて1人親方にして人件費を削る。その結果下請けも技術力が低下して横浜の傾きマンションのような事件が起きるわけです。

これ建築業界だけの話じゃないんです。例えばIT技術者。NTTを中心とするNECや富士通などの電々ファミリーに多数いたITや通信の技術者も、多くが希望退職でリストラされたものの、中小のソフトハウスや通信事業者に転職すると所得が減ってしまうということで、彼らの多くは半ばセミリタイア気味に他業種へ転職し、その間の技術革新もフォローできずにスキルを腐らせましたし、同様のことは家電業界でも起きて、台湾、韓国、中国のメーカーに高待遇で迎えられ、日本の家電メーカーを追撃しことごとく撃破したわけです。つまり何が言いたいかと言えば、日本においては転職はほぼ減給方向でしか実現しないわけですから、よく言われる雇用の流動化によるミスマッチ解消は進まず、むしろ正社員はいつまでも会社にぶら下がって高待遇を維持したいということになり、これは仕事に自信のない人ほど顕著なんですから、希望退職もスルーしてとにかく残りたい人の中から選ばれたサラリーマン社長がまともな経営判断なんかできるわけがないんです。結果は東芝や三菱自動車が端的に示します。

逆に三菱自動車へ電光石火で出資を決めた日産のゴーン会長の見事さは舌を巻きます。燃費データ改ざんで株価ダダ下がりのタイミングで出資を決めてますから、日産が33.4%出資のための金額は元の株価水準なら4,000億円と見積もられるところを2,370億円と4割引きで手に入れたわけです。もちろんこういう判断は一方でひそかに三菱自動車への出資の可能性を探っていたから可能だったんでしょうけど、いざというときに決断する難しさはあるわけで、凡百の日本人経営者とは格の違いを見せつけました。もちろんこの出資劇が成功するためには三菱自動車自身が立ち直る必要がありますから賭けではありますが。で、三菱自動車に日産流のコミットメント経営を移植しようとしているわけですが、上位下達の企業文化が強い三菱自動車で可能かは未知数っておいwww。

やや脱線しましたが、日本の正社員というのは、業務を特定せず雇用主である会社に大きな人事権があるメンバーシップ型と呼ばれる雇用形態で、これが実は問題なんです。アベノミクスでとにかく金融を緩和し財政出動もやって公共工事は増えたけど車外へ出した職人は仕事が選べるから高給を取れる一方、若手の育成は10年以上かかりますが、社外へ出しちゃったからOJTもままならず若手は育たない。そもそも少子化で若年人口が減っている中で10年修行しろじゃ不人気で若手は集まらない。高給取りの可能性があるのはIT関連だけど日本ではIT土方と言われるぐらい元請け下請け関係が根強くアメリカのITベンチャーのようなわけにはいかないし、そもそもクライアントの無理解で納期までのデスマーチ状態でやっつけ仕事になるからバグが多いし、働く方も心身を健康に保てない。かくしてブラック企業のオンパレードとなるわけです。ジョブズは出てこないわな。

メンバーシップ型雇用を見直すという意味では、民主党政権時代の2012年改正労働者派遣法が画期的だったということは以前にも述べましたが、正規非正規という一種身分制のようなものを前提にするのではなく、労働者派遣法の改正を通じて常用雇用の代替防止とジョブ型雇用へのシフトと企業の事業見直し促進を狙ったのですが、その意欲的な内容は特に企業側は殆ど理解できなかったようで、政府に要請して現状の3年ごとに人を入れ替えれば派遣労働は続けられるという風に改悪されました。業務内容によって仕事が評価されれば、転職もスムーズになりますから、雇用の流動性を高めてミスマッチを解消するという課題も解決可能ですが。

それをつぶした現政権が今になって「はたらき方改革」なんてこと言ってますがチャンチャラおかしい。正社員には残業ゼロ法案というご褒美が待ってます。それでも正社員になりたいとすれば、名作小説「家畜人ヤプー」の世界を夢見ているのかい?

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