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September 2016

Thursday, September 22, 2016

日米金融あっち向いてホイ

本題に入る前に豊洲新市場問題。

豊洲盛り土問題、都庁の統治不備露呈  :日本経済新聞
迷走を重ねてますが、都庁のガバナンス問題に発展してややこしくなってます。汚染度封じ込めのはずの盛土がされてなかっただけでなく、その意思決定がいかに行われたかも説明が二転三転。これじゃ移転はいつになるやら。環状2号線着工はその分遅れます。たまった水の水質検査の結果、基準値を下回るヒ素やシアン化鉱物が検出されました。一部で基準値以下だから移転すべきという議論もありますが、汚染物質が汚染土由来である以上、現況のままなら汚染物質が染み出してくる証明でもあるわけですから、追加的な有効な封じ込め策は必要です。

蓮舫民進党代表の二重国籍問題ですが、これ法的には何の瑕疵もないないのに、味方から「説明しっかりしろ」って後ろから弾が飛ぶ状況で、民進党のグダグダぶりにうんざりします。二重国籍問題を言うならアルベルト・フジモリ氏の件も見るべきでしょう。2000年に自らの金銭疑惑による訴追を逃れるため、ブルネイのAPEC会議の帰路に立ち寄った日本で訴追逃れで大統領辞任を表明し留まり、日本政府はフジモリ氏の日本国籍を認め庇いました。2001年にペルー司法省が殺人罪で起訴。2003年にはICPOを通じて身柄引き渡し要求も日本政府は拒否。にも拘らず2005年には翌年の大統領選出馬返り咲きを目論んでチリに亘って当局に拘束され収監されました。この状態で2007年には日本の参院選の比例候補として国民新党から立候補ですから、どこまで節操がないのか。蓮舫氏がこれより悪質とはとても言えませんが、両親そろって日本人のフジモリ氏は許容できても、父親が台湾人の蓮舫氏は許せないということなんでしょうか。だとすれば純血ヘイト主義言説でしかありません。

ンで本題。メンドクサイから2つ並べます。

日銀総裁、利回り曲線の操作「十分出来る」  :日本経済新聞
米FRB、年内利上げへ「新たな証拠待つ」  :日本経済新聞
日米の金融政策決定会合が同日というのも珍しいですが、祝日の影響でしょうか。時差の関係で日本の日銀が先に決定しなければならないから後出しじゃんけん戦術は使えなかったんですが、整理すると日米ともに結果的には現状維持ながら、日銀は政策目標を利回り曲線に変えて国債購入目標を流動化するということで、マイナス金利の結果生じた長期金利がマイナス圏にならないようにして金融機関の収益圧迫という副作用を回避しようということですが、事実上国債購入を絞るテーパリングを意味しますから、年内利上げを強く示唆しながら動かなかった米FRBに先駆けて緩和見直しとなったわけで、「あっち向いてホイ」状態になったわけです。その結果為Fが動きました。
NY円、続伸 1ドル=100円30~40銭、日銀会合・FOMC受け1カ月ぶり高値  :日本経済新聞
日銀の「総括」で期待された外債購入は流石に踏み込めず、公式の為替介入はアメリカが反対している以上できないというわけで、円高の進行は今後も続くことになります。円高は輸入物価の下落を通じて家計にはプラスですが、そもそも異次元緩和の裏の目的が円安誘導だったわけですから、日銀は完全に打つ手を封じ込められたことになります。国債購入の減少は、マイナス金利と並び立たないことと、購入する国債自体が減って買い進めなくなるのは時間の問題ですから、長期で緩和を継続するには金利操作の方がやりやすいというわけですね。でもテーパリングじゃないよと強弁するのは、前回7月の政策決定会合で株式ETFの買い付け額を3.3兆円から6兆円に増額したことと併せて読むと、結局国債を買う代わりにETFを買うって話です。その結果株式市場でも異変が起きています。

以前から日銀のETF購入は「池のクジラ」と揶揄されてましたが、最近は購入枠拡大もあって、市況への影響がかな目立つようになりました。具体的には9時の開始後下げて始まるとなぜか10時以降急上昇してチャートが水面から顔を出したクジラのシルエットになるということで、ホエールウォッチングが市場のトレンドですwwwww。その結果安値で拾いたい個人投資家が安めの指値で注文を入れても拾えずに個人投資家が株式市場から遠ざかるという笑えない現実が。「貯蓄から投資へ」じゃなかったのか。株式のクラウディングアウトってあんまり聞かないけど、民間を圧迫しているんですよね。それに加えて不動産市場に不穏な動きが。

基準地価、商業地9年ぶり上昇 訪日客けん引  :日本経済新聞
基準地価の発表で地方も含めて商業地の値上がりが目立つ一方、住宅地は停滞し全用途ではマイナスです。しかし最近の日経は思い込みが強いというか、偏った報道姿勢が目立ちますが、訪日外国人増加の影響よりも、不動産投資信託(REIT)の影響でしょう。大都市のオフィスビルや賃貸マンションに加えて、ショッピングモールや高速道インター近接の物流センターなどREIT物件は増えています。REITは大きな資金を要する不動産投資を小口証券化して賃貸収益を投資家に還元するというもので、リスク分散と流動性確保が狙いです。

その結果確かに不動産投資が活性化されましたし、収益性に疑義が生じれば売られてしまうということで、不動産バブルの抑止にもなっているのですが、問題は低金利でして、元々ミドルリスクミドルリターンの金融商品という性格で予定利回り5%程度を見込んでいたのですが、リターンの水準がそのままでも低金利で相対評価が高くなれば当然投資資金が入ってREITも値上りしてリターン率は下がるわけです。その結果、土地の評価額が高くなるわけで、5%のリターンが1%になれば価格は5倍になるわけで、それが土地評価額へ反映された結果と見るべきでしょう。

しかし日銀の利回り曲線目標へのシフトで長期債の金利が上がれば、REITにも値下げ圧力がかかるわけで、地価水準も今がピークと見るべきでしょう。加えて長期金利の上昇は住宅ローン金利の上昇で住宅投資にマイナスですし、増えている売れ残りマンションも、低金利だからデベロッパーがやせ我慢で在庫している状況が変われば安値で換金売りが出るでしょうから、土地の値下がりが避けられない状況になります。2020年のオリンピックを待たずに土地失速が迫ります。

てな状況ですが、住宅投資に関しては人口減少に直面する日本にとってはむしろ歓迎すべきことです。更に言えば不動産投資もより選別されたものだけが残ると考えるべきで、その意味ではショッピングモールよりもネット通販の拡大が見込まれる物流センター投資以外は減ってくると見るべきでしょう。物流センター投資はアマゾンなどのネット通販事業者の自社配送と宅配便と中小企業ののネット通販を助けるサードパーティロジスティックス(3PL)がオーバーラップしながらサービスを競っている状況ですから、当分は投資が続くと見られます。その宅配便関連でこんなニュースが。

地下鉄、宅配の足に 東京メトロ・ヤマトが実証実験  :日本経済新聞
宅配便もネット通販の増加で利用は増えているものの、運賃は低く抑えられていてく苦しいところですが、輪をかけてドライバー不足が顕在化してきました。昔と違ってドライバーに高給を約束できない状況の中、ヤマトでは長距離の鉄道利用や航空便利用も併用しながら、物流業界の言うラストマイルと呼ばれる地域の集配網にマンパワーを集約する必要があります。その意味で近接地域の荷物の営業拠点間の横持ち便を過疎地の岩手県では以前から定期乗合バスに乗せて運ぶことが行われ、京都市では京福電気鉄道嵐山線で同様の取り組みが為されましたが、圧倒的に荷物量の多い首都圏では多数の横持ち便をさ知らせている状況があるわけで、それを地下鉄など通勤鉄道の余剰輸送力を活用してクリアできれば画期的です。

これは鉄道事業者側から見ても、ラッシュ対応の余剰輸送力の収益化になるわけで、人口減少で利用客減が見込まれる中での新たな増収策になります。加えてピーク対応の輸送力が昼間は余剰となり車両の半分は車庫で休んでいる現状から、収益機会の拡大で、さらにピークタイムの混雑緩和投資に結び付けば、鉄道側の設備投資を誘発する効果も期待できます。これらの動きが主に民間同士のコラボレーションで起きていることに注目すべきでしょう。財政や金融で強引に現金をばら撒き、公共工事を積み上げても使えるかどうかわならない豊洲新市場のようなものしかできないならば、政府はよけなことするなと言いたいところです。

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Sunday, September 11, 2016

マクロまっくろ

北朝鮮の核実験がありました。南シナ海問題で中国包囲網をと粋がっていた日本もそれどころじゃない。安保理決議に拒否権を持つ中国次第ではあんまり中国を問叩けない。幸い今回は中国も同調してくれましたが。

ただ基本的に北朝鮮の核開発は誇張された部分があると思います。そもそも核の抑止力は敵対する国同士で敵国の核施設を叩けば少なくとも核による反撃は防げるわけで、冷戦時代の米ソでは軍事機密の壁もあって、複数存在する核ミサイル発射施設を完全に叩けないから、どちらも核攻撃ができない状況だったわけで、冷戦が終わった段階で、本来終わる話なんですが、中国の核開発で米中間は同様の関係ながら、中国は既に核先制不使用を宣言してますので、アメリカが同様の宣言を出せばやはり当面は問題がないのですが、アメリカ国内と同盟国の反対で潰されました。もうちょっと言えば日本政府がそれにコミットしたわけです。脅威を煽ったと見られても仕方ありません。

で、例えばイギリスの核装備は核弾頭搭載のSLBM装備の原潜を配備して、公海の深海に潜んで発射するから敵に直接叩かれないということで、ある意味弱者の戦略なんですが、ソ連解体で核装備を継承したものの、経済規模から重荷になっているロシアも、STARTで戦術核削減でアメリカと合意しながら、戦略核の規模は保持し、それをSLBM化して原潜に搭載するとしているわけで、ある意味ロシアも弱者の戦略を取るようになったという意味で、ロシアの立ち位置は、アメリカと力づくで対立はしないけどちょっかいは許さないというスタンスなわけです。てことで、北朝鮮はこれを見習ったわけです。

ただし核弾頭をSLBMに搭載可能とするためには、相当な小型化が必要で、今のところ北朝鮮にはそこまでの技術はないだろうという見立てですが、ミサイル発射と併せて立て続けに行うことで、見かけ上の核抑止力を演出することは可能という目論見かと思います。つまり当面は核搭載SLBMがアメリカ本土に着弾する可能性は低く、アメリカがその気になれば北朝鮮のミサイル発射施設を攻撃して核による反撃を封じることは可能と見ているいうことで、実際アメリカは北朝鮮の直接交渉要求を無視しています。てことで北朝鮮の挑発は今後も続くでしょうけど、騒げば術中にはまるだけ。騒ぎ過ぎないことが大事です。

てことでこの問題は脇へ置いといて、マクロ経済の問題についてが本題です。4-6月期のGDP改定値が発表されましたが、まさかの上方修正でした。

GDP年率0.7%増に上方修正 設備投資上振れ  :日本経済新聞
数値のずれ自体は珍しいことではなく、元々個別の推計値を集成する二次推計値となるGDPの数値ではよくあることです。加えて生産=所得=分配という定義上の関係もあり、季節調整や年度の数値集成などの要請もあって細かく動くわけです。集計が早い消費などの数値から速報値が推計され、そこへ設備投資や在庫増などの供給側の推計値が出てきたところで改定値に反映されるわけで、今回で言えば速報値段階で消費がプラスながら弱かった一方、改定値では設備投資と在庫増が予想より上振れしたことが要因とされます。

で、問題は設備投資と在庫増の関係なんですが、消費が好調で在庫不足から生産を強化して在庫を積み増したいけど、生産設備の制約から設備増強が必要になったということならば、両者の関係は明白で、強い消費に背中を押されて企業が積極的な投資を始めたということになりますが、消費は前期比プラスながら弱いわけで、これは当てはまりそうにないということで、考えられるのが1つはインバウンド消費の減少ではないかと。所謂爆買いが終わって、商品在庫が積み上がり、在庫増ということで、設備投資とは直接結びつかないということですね。

設備投資増はむしろ大都市圏の再開発ブームや相続対策の賃貸アパート着工の増加などが寄与したと見られます。ある意味低金利の影響ですが、地価で見ると局地的にバブル越え地点も見られるなど過熱気味。持続性はハテナです。ただし消費に関しては、前期(1-3月)がうるう年効果で上振れしており、それを前提に見れば、弱いと断定できるかどうかは微妙ですが、少なくとも設備投資や在庫増とは関係ないとは言えます。

そして2月以降の貿易収支の黒字化の影響が持続していることが指摘できます。貿易収支は15年度を通して赤字基調だったのが、円高になった2月に15,500億円、3月に1.1兆円の黒字を記録して以降、黒字基調で推移しています。円高と原油安で輸入金額が減ったことが寄与したものですが、少なくとも現物取引である貿易収支で見る限り、円安期に赤字、円高転換で黒字という現実があります。円安で所得収支黒字は減ってますが、経常収支の黒字は高水準で辞されており、円相場の変動は国内の所得配分を動かすだけの意味しかないわけです。てことでマクロまっくろなんですね。

つまり異次元緩和や大規模財政支出などのマクロ経済政策が必要な状況なのかという疑問があるわけです。日銀は今月、金融政策の検証をすると言ってますが、これを追加緩和のサインと見る向きが多いのに驚きます。経済は低位安定ながら一応巡航速度で動いているし、むしろ金利低下が不動産価格を押し上げてバブルの様相すら見せている中で、むしろ緩和の出口を明確にすることで、将来の出口ショックを緩和することが重要です。少なくとも日銀が掲げる2%物価上昇が実現すれば金利は上昇します。ギリシャショックで明らかのように、金利上昇は唐突に起こり経済を混乱させますから、そうなる前に財政再建を進めるべきなんですが、そんな気さらさらない政府の対応です。

米FRBが利上げを宣言しタイミングを模索している状況ですが、日米で経済の基調にそれほど差があるわけではないのに、金融政策のスタンスが真逆ってのはかなり変です。同時に異次元緩和の出口にはかなり時間をかけざるを得ないわけですが、政権に近過ぎる今の日銀にそれが可能かと言われれば、無理かなと。政府の反対を押し切って量的緩和政策を終わらせて中央銀行の独立性を見せた福井総裁のような芸当は望み薄でしょう。

歴史を紐解くとフランスのルイ15世時代、摂政オルレアン公爵フィリップ1世に請われて経済顧問となったジョン・ローに行きつきます。ジョン・ローはスコットランド生まれの金融家で、若いころ貴族の娘を争って決斗で相手を死なせ、死刑判決を受けて収監されるも、友人の手引きで脱獄し大陸に渡り、アムステルダムを起点に金融家として頭角を現し、実績を買われたものです。

ローは兌換紙幣を発行し納税に使える法貨とし、市中に流通させると共に、フランス政府発行の国債の流通市場を整備してその売買を通じて紙幣の供給量を調整するなど、現代に通じる金融政策の基礎を築いたのですが、ルイ14世時代の浪費で財政赤字が深刻なフランスの財政再建は叶わず、フランス領ルイジアナの開発計画を発表してミシシッピ開発会社を立ち上げ、ロンドンで株式募集をかけるという奇策に出ます。その際配当原資として不換紙幣を発行してこれに充て、投資利回りを好感されて高値を付けました。一方フランスの政府財政は好転せず国債が暴落すると、フランス国債をミシシッピ開発会社の株券と交換するという奇策を重ね、フランス経済は好況に沸くことになります。

しかしバブルは続かず、銀行の取り付け騒ぎで支払い能力以上の現金が引き出され、それをきっかけに発券銀行を併合していたミシシッピ開発会社株が暴落しバブルがはじけました。ロー自身は職を辞しフランス国外へ逃亡し、この時の混乱が原因でのちのフランス革命の遠因となるというわけです。ちなみにミシシッピ開発計画の中心都市ニューオーリンズはオルレアン公爵に因んだ名前です。リフレ派の紡ぎだす物語の破局的な結末ですが、安倍と黒田は革命起こしたいのかwww。

日銀も株価連動投信(ETF)を年6兆円買い増すことを発表してますが、国債と違って償還の無い株式の保有ですから、ローの国債と株式の交換に匹敵する奇策です。国債80兆円に対してETF6兆円だから問題ないというのは間違い。新発債だけで毎年40兆円発行される国債に対し、IPOや増資で増える株式は兆円単位にも満たないので、株式市場を歪めているわけです。加えて国債は償還まで持ち続けることで時間はかかっても保有高を減らせますが、株式はいつの時点かで売らなきゃならないわけですし、あと特にETFの性格上ファストリテイリングのような値嵩株の買い付けが多くなるので、結果的に投信による間接保有ながら日銀が筆頭株主になるという矛盾もあります。これバブルと言われる中国国営企業の実態とどう違うのかって話です。

財政政策に関しては、東日本大震災のときにも指摘しましたが、公共工事の増大で資材費や人件費が高騰した結果、復興事業の進捗が阻まれたわけですが、台風3連発で大きな被害を受けた岩手県や北海道の復興が遅れることは避けられないところ。仕掛かり中の事業の一時停止をしてでもリソースを被災地に振り向けるべきなのは言うまでもないところです。そんな中でJR北海道がダメージを受けており、特に根室本線の復旧は年単位を要するところ。経営問題を抱えるJR北海道にとっては、公的支援を得ても自己負担分は確実に経営体力を奪うことになります。

気になるのは北海道産農産物の輸送が滞っていることで、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンなどの価格が高止まりしており、被災地以外の地域の食卓を圧迫します。ジャガイモに関してはわさビーフでお馴染みの山芳製菓が製造の一時休止を決めたりと経済に悪影響が出ています。災害復興のような必要不可欠な財政支出が阻害されるのでは、何のための財政政策なのかと問い詰めたいところです。

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Sunday, September 04, 2016

ガラクタ経済列島

略してガラケー列島-_-;。やっとメディアも注目し始めた築地市場の豊洲移転問題ですが、数箇月の延期では済まない事情があるようです。

豊洲新市場、移転延期でも解決できない根本的欠陥|Close Up|ダイヤモンド・オンライン
土壌汚染の問題や店舗が狭隘といった問題点に留まらず、既に姿を現している建物躯体そのものの問題があるという指摘です。

1つは動線計画が滅茶苦茶。生鮮品の荷卸しはスピードが勝負なのに側面荷降ろしではなく後面荷降ろし前提のトラックバースとか、5層に分かれるフロア間の移動用リフトの不足とか、フォークリフトやターレットの通路の不備など。もう1つは床面荷重が700㎏/m^2で4tのフォークや2tのターレを支えられるかという問題。フォークを使う場合1.5tの耐荷重が普通なのにその半分にも満たず、使えるのか?という問題。他の問題がクリアになっても、工事が進んでいる現状で今更手直しもできないと。

原因は現場のニーズを無視して日建設計にプロポーサル契約で丸投げした結果だというのですから、お粗末すぎます。日建設計といえば新国立競技場デザインコンペでザハ事務所の下請けで協力し、再コンペで隈研吾氏の下請けに横滑りした会社です。お粗末な顛末も含めて新国立競技場問題と似ています。横浜の傾斜マンション問題も含め、この辺設計事務所も含めて業界の劣化が疑われるところです。

元々移転問題も二転三転の歴史がありまして、築地た手狭であることと、アスベスト問題もあって改築工事が困難ということもありますが、移転すれば移転先の工事と跡地の再開発で工事が発生するわけですから、公共事業の削減で干上がっていたゼネコンがメディアの監視が緩い東京都に都議を通じてアプローチしたとしても不思議ではありません。

それ以前にチェーンストアや通販などで産地直送販売が増えてきて、築地のような公設市場のシェアは低下してきた流れがあり、ネット通販の拡大もあり、公設市場の位置づけそのものが問われている現状もあります。もちろんだから簡単に廃止はできないわけですが、民営化やIT活用など市場そのものの改革も問われる中で、ハードの議論ばかりが先行した結果、使えない新市場ができたんだとすれば、笑えない話です。公共事業の増加や都市再開発の増加で有卦に入ってバブル越えのゼネコン業界ですが、中身の劣化は如何ともし難く、このままでは全国にガラクタの山を築くんじゃないかと危惧します。

東京都の悪口ばかりでは何ですから、神奈川関連も取り上げます。

都と川崎市、羽田跡地と殿町を「特定再生地域」に指定申請  :日本経済新聞
10年前に「神奈川口構想」の名で計画が浮上した羽田連絡道路が、紆余曲折を経て実現というと、喜ばしいところですが、神奈川県や川崎市の上滑りで対岸の大田区側の同意を得られずお蔵入りしたものですが、丁度羽田空港国際線ターミナルの対岸に位置する殿町地区の再開発を諦められない中で国家戦略特区の指定を受けたことで流れが変わってきたということですが、R357の整備より優先度が高いのかという疑問は大田区側にはあるようです。
羽田連絡道路の行方は 神奈川口構想から10年/川崎|カナロ …
にしても事業費の半分を国の補助金でってのがどうなのか。川崎市は市営地下鉄構想やそれに関連した京急大師線の地下化や、南武支線の川崎駅連絡線構想や浮島の再開発計画など空振りが多いのですが、企業のリストラで空洞化が進む中、税収確保に四苦八苦しているのが見て取れます。浮島再開発では手塚治虫ワールド誘致を掲げて実現せず「手つかずワールド」と揶揄されたりと散々です。大師線地下化も産業道路大踏切除去を優先して産業道路―小島新田間の末端の地下化が先行する形で進んでますが、あとは未定というていたらくです。というか、現状ここに橋がかかっても使いにくいのが正直なところ。殿町地区限定では空港アクセスの利便性は勝るけど川崎市中心部からは利用しにくいというヘンテコな計画です。それ以前に日本の空の空洞化が心配なところ。
デルタが東京~NY線撤退、成田空港離れが加速中|Close-Up Enterprise|ダイヤモンド・オンライン
日米航空協定はデルタ航空の成田空洞化の懸念から遅れていましたが、今年になって、利用しにくい深夜早朝枠の昼間への移行プラス日米1便ずつの増枠で決着し、日本はANAへ、アメリカはユナイテッドへの配分となったわけですが、その結果デルタ2便に対してJAL+アメリカンが3便ANA+ユナイテッドが4便と劣勢になり、且つANAが羽田―ニューヨーク線を開設する一方、デルタが競争力低下を嫌って東京(成田)-ニューヨーク線から撤退というもの。以遠権のある成田はデルタにとってアジアのハブだったはずなのに、日本を飛び越してアジア各地へ直行便を飛ばす形で戦略転嫁してきたわけです。長距離を飛べる中型機の登場でハブ空港の見直しが始まったわけですが、同時にそれは太平洋路線における日本のプレゼンスの低下でもあるわけです。思えばスカイマークがデルタ陣営に入っていれば、違ってたかも。

この辺JAL憎し外資憎しの偏狭な日本の航空行政の結果とも言えるわけで、つくづく政治家も官僚も先を見る目が無いんだなと思い知らされます。それでいて公共事業をドッカンドッカンの大盤振る舞いであとはお構いなしというわけで、首都圏に限らず日本全国ガラクタの山を築いて国力を低下させるディストピア。ホントしょーもなー。

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