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Sunday, October 30, 2016

波浪院莫頭迂迦居士

近所の小さなお社でハロウインやってて、笑っちゃいました。そういやクリスマスシーズンにはツリーにイルミネーションも。神仏耶蘇混淆は日本の伝統芸かもwww。タイトルの読みは「はろういんばずうかこじ」ってことで、ミザリーハロウィンから2年、物価は上がらず、リフレ派は息してる?って心配なんで、いい加減成仏して欲しいんで、戒名考えてみますた(笑)。

豊洲問題の迷走は留まるところを知らずですが、気になるのは犯人探しになっている点。重要なのは今後どうするかなんですが、盛土せずに地下ピットを設置した一方、液状化対策として基礎杭のズレを防ぐ地下梁を設置しなかったので、耐震強度が設計上の数値と異なり、結果的に耐荷重性能を低下させた疑いが出てきました。ややこしいんですが、盛土前提で耐震構造計算されていた設計図面を見直す過程で、本来盛土に乗っかっているはずの床のコンクリート層2㎝とか、砂利を含むコンクリート構造物としてあり得ない数値になっていて、現状は15㎝といった具合で設計図面と現物の違いが明らかになってきました。

コンクリート層が厚ければ建物自体の重量が設計図面の数値より増えるわけですから、構造強度を低く見積もらなければならないわけで、姉歯事件同様の耐震偽装の可能性が出てきたってことです。しかも設計事務所最大手の日建設計の手によってということになれば、同社が手掛けた他の建築物にも飛び火しかねないという深刻な事態です。仮にベンゼン等の安全基準をクリアできても豊洲新市場の建物を使うには上層階の減築が必要になるということでもあり、そもそも手狭で耐震補強も困難とされた築地市場の移転の必要性の議論から見ても皮肉です。ますます着地点が見通せない中、こんな動きも。

水産卸「さらば豊洲」 大田市場への入居急増  :日本経済新聞
元々羽田空港が近く、地方や海外に販路を求めるには好立地ということで、既に事実上水産棟の空きはない状況ですが、予定もはっきりしない次の募集に期待が集まっている状況です。豊洲の解決に時間がかかるならば、大田市場の増強も有力な代案ではありますが、ネックは道路の渋滞。東京港トンネルの一般道R357部分の台場→大井方向のみ開通して高速湾岸線の渋滞が緩和してますから、大井→台場方向の開通で改善の可能性はあります。それでも築地移転を前提とした環状2号線の着手の遅れを取り戻すのは困難ですが。オリンピックやめる?

話は変わりますが、JR九州の株式上場ですが、本業の鉄道事業が赤字ながら、不動産など関連事業の好調で上場にこぎつけました。その際経営安定基金を取り崩して九州新幹線の線路使用料一括支払いなどで強引に益出しするなど、問題のある対応をしてますが、ほとんど報道されておりません。加えて駅みどりの窓口の閉鎖や無人駅化など目先の収支改善も目につきます。繰り返しますが経営安定基金の原資は旧国鉄債務に加算されていて、JR本州3社の負担分を除いて国民負担となっているわけで、国民の財布をちょろまかして誤魔化しているわけです。

そして株式上場ですから、一般投資家への還元重視で所謂コーポレートガバナンスコードでROE8%ってことです。あの絶対王朝にも喩えられたセブンアンドアイの鈴木会長を解任したアレですが、米投資ファンドのサードポイントが求める百貨店と通販のニッセンの整理に続いて創業家が深く関わる祖業の総合スーパー(GMS)事業にメスが入れられるかで株価が上下してます。JR九州の祖業の鉄道事業も投資家の求めに応じて整理縮小されるのは自然の流れです。その時に交通政策基本法の趣旨に沿って地元自治体の支援などの対応を引き出せなければ廃止という流れになるわけで、JR北海道で今起きていることがJR九州で再現されるということです。

JR北海道も北海道新幹線が開業して観光客が増えたものの、地元の受け入れ態勢が整わず、新函館北斗駅から先の所謂二次交通の不備で手つかずの観光資源は生かされず、それどころか函館市内の湯の川温泉の旅館街では人手不足で宿泊客を断ったり、あるいは従業員不足でバタバタ状態でおもてなしもへったくれもなく、リピーター獲得もままならず、過疎化で地域のマンパワー不足でどうにもならない状況です。そういえば九州新幹線や北陸新幹線でも2年目は輸送人員が減少しており、観光面から言えば新幹線の恩恵は生かされていないと言えます。九州も北陸もビジネス利用が一定数見込めますからそれでもマシで、北海道新幹線の前途は多難です。

北海道といえば、日ロ間で交渉が進捗して、領土交渉のバーターで北海道の鉄道とシベリア鉄道を繋いて云々といった話も流れましたが、アホラシ。1,520㎜のロシアンゲージへの対応をどうするつもりなのか。繋ぐのは新幹線、在来線どっち?個人的には貨物輸送の連携は有望だろうけど、むしろ日本規格で低規格のサハリンの鉄道を1,067㎜時代から路盤強化、軌道強化を地道に続け、現在ロシアンゲージへの改軌を進行中と維持困難な過疎地寒冷地の鉄道を確実にグレードアップしているロシアの鉄道運営のノウハウを学ぶ意味でJR北海道へのロシアの出資をお願いした方が良いんじゃないかと。ついでに道内都市間輸送は仏アルストム製のロシアンペンドリーノでも導入すれば?

どうせ日米安保体制下では領土返還の可能性は皆無ですし、むしろ資本や人の相互交流を進めて実質的な国境を低くすることの方が重要です。ただしこれは日本には前科がありまして、サハリンの天然ガス開発で三井物産など日本の資本が投じられ、販路確保の意味でサハリン―東京間のガスパイプラインが構想されたんですが、中東カタールから割高なLNGを購入し、原発の低コストを喧伝していて、また熱源としてライバル関係にあるガス会社を利するということで、電事連が反対して流れました。ロシアからは以前から極東ロシアの余剰電力を連携線で北海道に供給したいという希望もありましたが、これも日本はスルーしてきました。原発村の面々は絶対同意しませんね。

関連しますが、米中がいち早く同意し、EUが加盟国の批准を待たずに批准を決めたことで、気候変動パリ協定の年内発効が確実な状況で、発行に伴う相互検証のルール作りで後手を踏む日本ですが、これも原発再稼働を前提としたエネルギー政策で、電力の20%と、休止している国内原発のほとんどすべてを再稼働しなければ不可能な数値を掲げているのに、再稼働は進まないので、日本は後回しにせざるを得なかったのが実態です。優先度で言えばTPP批准にょり上なのに、やってることは逆。米大統領候補が反対し、議会筋も反対派多数のTPPを日本が急いで批准する意味はないんですが「アメリカの背中を押す」という意味不明の理屈。それが通るなら日米安保の地位協定はとっくに見直されているはず。

その一方で笑えるのがJR東海が進める米ボルティモア―ワシントン間のリニア建設で、安倍首相はオバマ大統領に建設費の半分にあたる70億ドルの負担を3度提案するもスルー。そりゃ未だ営業運行の実績のないリニアを金出すから作ろうといっても、寝言言うなって話ですね。日ロ間とは逆の対応をされているわけです。

てな具合に21世紀の今の日本には怨霊がはびこっているようです。しかもお菓子目当てのいたずらならぬ利権目当ての屁理屈がまかり通る日本版ハロウイン。笑えないのが大阪万博構想。会場は夢洲って、幻の大阪五輪の亡霊ぢゃないか。成仏せえよ-人-チーン。

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