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July 2018

Sunday, July 29, 2018

タワマンたわわで8号豊住線建設マジ卍?

台風一過、暑さが戻った日曜日ですが、連日の暑さから2年後の東京オリンピックの危険性も指摘され、また鉄道や塘路の混雑も予想される中、2年後の予定された災害の声すら聞こえる東京のスットコドッコイです。

地下鉄有楽町線の延伸論、再び熱 豊洲移転に配慮  :日本経済新聞
有楽町分岐線とか北進線とか言われていて、地元江東区ががかねてより建設を希望していた都市計画8号線豊洲―住吉間の建設が動き出したのですが、これが難問だらけで迷走が予想されています。記事のタイトルにある通り築地市場の豊洲移転を巡る迷走で都と対立した江東区への配慮ってことで、きな臭さ漂います。

豊洲市場移転は二転三転して遅れに遅れたわけですが、長くなるのでそこへは立ち入らないことにします。問題は豊洲移転を巡るゴタゴタの結果、都が江東区に対して配慮せざるを得なくなった結果、8号豊住線の建設が決まるという完全な政治路線となることです。江東区としてはタワーマンションが乱立して人口が膨張する湾岸地域を抱え、小学校が足りないなどの弊害が顕在化する一方、洲崎(東陽)や錦糸町といった伝統的繁華街が取り残されており、バランス上南北方向の交通インフラ整備は切実な問題ではあります。

加えて小田急小田原線の複々線化完成で小田急のみならず広域で並行する東急田園都市線などの混雑も緩和され、混雑率ワーストとして東京メトロ東西線、JR総武線、JR京葉線が並ぶ状況で、8号豊住線による分散効果を期待しているわけですが、東京メトロは既に新たな新線建設を行わないと宣言しており、事業者が同意しない限り建設は不可能なわけです。

そこで都が何らかのスキームで建設を行う検討を約束した訳ですが、江東区のレポートによれば、第三セクターが整備主体となって路線を建設し東京メトロが営業主体となって運行を行うことが想定されているようです。都市鉄道利便増進事業費補助制度を用いた受益活用型上下分離ですが、その場合建設費1,420億円を整備主体’三セク)と国と地方がそれぞれ1//3を負担する形で、営業主体の東京メトロの受益が整備主体の必要施設使用料を下回り事業収支が成立しません。

地下鉄補助を適用した場合は整備主体の収支は30年以内に黒字化するものの、営業主体のその他の路線での減収の調整が必要ということで、こちらも営業主体の東京メトロの同意が得られる可能性はありません。整備費用だけで1,400奥苑を超えるのに乗車人員27万人の需要予想ですから、基本的な収支構造から言って、整備スキームを弄ってどうにかなるレベルではありません。

江東区は以前同区間を6連のワンマン列車で折り返し運転し、改札分離して割増運賃を取ることで収支均衡を狙った計画も出したことありますが、それだと果たして利用者がいるかどうかという問題もあります。ぶっちゃけ改札分離が可能なら、都営地下鉄として建設すれば問題はクリアできますが、ネットワーク効果による東西線などの混雑緩和は期待できません。鉄ちゃん的蛇足ですが、車両は三田線と共用で、高島平―元住吉―市ヶ谷―豊洲のルートで回送することは一応可能です。

ウルトラCがあるとすれば、メトロと都営の統一運賃が実現可能ならば、こういった問題はクリアされますが、その場合メトロ都営双方で減収がある程度発生すると考えられますから、その保障措置をどうするかとかややこしい議論になります。個人的見解としては思い切って初乗り200円程度で最高額500円程度に値上げしてプール精算する仕組みを作り、車両営業走行キロなどの代理変数で配分するなどでしょうか。まあそこまでやる気はメトロにも都営にも無いでしょうけど。

利便性だけを考えれば、いっそゆりかもめの延伸で対応するのも手です。その場合当然運賃も割高になりますし、輸送力も落ちますが、例えば新駅構想として豊洲―東陽町間の新駅(枝川?)のJR京葉線潮見駅接続の希望が現状では難しいですが、AGTのゆりかもめならルートの自由度も高まりますから、双方に駅設置ということも可能です。

その他にJR小名木川貨物線のLRT化構想ってのもありまして、やはり鉄道空白地帯の小名木川周辺の再開発狙いで遊休貨物線を活用し、明治通りに沿って新木場まで伸ばし、亀戸へアクセスする計画ですが、こちらは具体化していないようです。事業費の圧縮を考えるなら有力な案ではありますが。

築地市場の豊洲移転を巡っては、築地市場跡地は当面オリンピック対策としてバスプールに使われ、事後に食のテーマパークとして再開発するという構想ですが、これ今のところ口約束だけで何の裏付けもありませんが、こちらも中央区が希望する環状2号線ルートの銀座―有明間の地下鉄を実現するという話になっているようです。こちらは豊住線の半分程度の13万人の乗車人員見込みですから、普通ならまず実現可能性はありませんが、市場移転を巡るずさんな計画の結果、政治路線として建設されるとすれば、今は地方交付税不交付団体の東京都も将来は怪しくなります。

そもそも論として都心再開発花盛りですが、これ90年代頃から続く容積率規制の段階的緩和の結果です。その結果特に湾岸地域に多数のタワーマンションが建って人口が急増したわけですが、タワーマンションの建設にはいろいろ問題もあります。マンションの高層化は地価の高い都心エリアに安価に住宅を提供できる結果、所謂職住近接による交通ラッシュの解消などの狙いはある訳ですが、眺望を売りにできる人気の高層階は高単価な上に軽量化の狙いもあって区分所有面積も広いため高額であり、安価な低層階の住民との断絶がしんぱいされます。

これ管理組合の意見集約が難しいわけで、10年程度で実施する大修繕の費用負担の問題や将来の建て替えの問題で必ず揉めます。つまり人口が増えて税収増で自治体もハッピーとはいかないわけで、一体感の無い分断された地域社会でトラブルだけが頻発するってことです。しかも所得階層の上下はあるけど建設時期による年齢層は近接しており、それが小学校の不足などの特定年齢層増加に伴う問題を引き起こすわけです。

加えて新築志向が強く中古住宅流通が貧弱な日本の住宅市場でjは、年齢の近接した住民がそのまま高年齢化するわけで、小学校の次は中学校、そして高校と不足の連鎖が生じますし、就職や結婚で独立して親元を離れっれば、残るのは高齢の親世代だけとなり、社会保障負担がのしかかる訳です。だから新線を作って新たな再開発を手掛けて人口流入を続けるしかない訳ですが、今や人口減少で全国の住宅の1/3は空き家という状況です。これ以上の人口流入は郊外や地方の人口流出を促すだけで、地方を疲弊させます。こんなことは続けられません。

最後に一言、マジ卍?

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Sunday, July 22, 2018

西のスットコドッコイ

北の次は西ですが、スト労組繋がりで八晃運輸の強豪参入に身構える両備バスのストの顛末が興味深いものです。小嶋社長のローカル路線廃止発言に反応して八晃運輸の参入反対を掲げて労微バス労組がスト通告したもので、両備側から見れば自業自得のような展開ですが、拳を振り上げた労組側も簡単に引き下がれず膠着したところ、交通系NPOのリーダーの発案で集改札ストに落ち着いたという顛末です。

集改札ストはかつて京王帝都電鉄労組が、都内で並行する小田急電鉄労組のスト不参加に対応して始めたものですが、戦術的にインパクトが後退するとして行われなくなりましたが、運行を止める本格ストのノウハウを失った現在の労組からすれば、集改札ストは有効な戦術かもしれません。要は労組が使用者側を話し合いに引っ張り出す手段なんですから、昔ながらのストに拘るのも変です。労働三権として法令でも保護されている権利なのに、使えないなら無いのと同じです。高プロ制度が成立した中で、労組が労働者を守れなければブラック企業が蔓延る結果になります。

で、この話題はここまで。スットコドッコイの本題はこちらです。

長崎新幹線、整備方式の議論長期化へ 決定先送りで  :日本経済新聞
これ何度も話題にしてますが、結局軌間可変車の採用をJR九州が断念し、孤立する九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)をフル規格で整備しちゃったからさあ大変。全区間フル規格を求める声の一方、佐賀県が強硬に反対しているのが現状です。佐賀県にしてみれば軌間可変車の採用を前提に賛成したのに話が違う津尾いうわけです。

佐賀県の言い分は、整備区間が軟弱地盤地帯なので、事業費が上振れして負担増となることを嫌っているのですが、佐賀県の態度には市bン鳥栖駅のゴタゴタも絡みます。元々予定の無かった新鳥栖駅が設置された経緯は、県域をかすめるだけの九州新幹線鹿児島ルートで負担を求められ、ならば駅を作れという条件闘争の結果なんですが、冷静に考えれば県域がほぼ福岡都市圏に属する佐賀県にとっては、鹿児島ルートの完成で在来線の線路容量が空けば増発余地が出るわけですから、そうれで十分でもあります。軌間可変車は当初大阪直通が謳われていたこともあり、これも条件闘争として賛同したものです。

しかし過去に何度も指摘しましたが、軌間可変のメカニズムは車軸の重量増となるわけですから、線路を痛めるバネ下重量の増加となる一方、車体サイズは在来線レベルですから、線路を痛めるのに輸送力の劣る厄介者なわけで、しかも最高速を270km/hとしたため、その後の新幹線高速化には対応できず、山陽新幹線を所有するJR西日本にとっては迷惑な存在というわけで、国交省も大阪直通は無理として九州内運用を言い出す始末。そうなると高価な軌間可変車を入れるメリットはJR九州にはない訳ですから、採用断念は当然です。加えて鹿児島ルートでも山陽新幹線直通のみずほやさくらは好調な一方、九州内を走るつばめは冴えない状況です。

元々高速バスが高頻度に走る中で、新幹線開業前のつばめや有明はほぼ普通運賃並みの格安回数券で乗客を繋ぎ止めていたのが実態です。新幹線の高額な料金を負担してまでの利用は少なく、在来線特急の廃止で寧ろ高速バスの利用が増えている現状ですし、それどころか新幹線と接点のない西鉄天神大牟田線が好調ということで、部分開業の長崎新幹線の悲惨な未来を暗示します。余談ですが、やはり高速バスが好調な北海道でも、北海道新幹線の札幌延伸は悲惨な結果が予想されます。

加えて仮にフル規格/ミニ新幹線の何れかで整備が決まってもという博多南線問題という難関があります。博多―博多総合車両所間はJR西日本の所有で、博多南線はJR西日本の路線として営業しているわけで、長崎sん幹線が繋がっても増発余地は限られます。博多南駅は那珂川町にとっては生命線の路線で、廃止は無理です。近くに西鉄バス中川営業所がありますが、47系統大橋駅経由博多駅・天神行きのバスで1時間の道のりですから、廃止すれば人口流出、地価下落は避けられません。

新幹線欲しさに地域の事情を顧みずに強引に進めた結果、深刻な地域の分断に直面している訳で、スットコドッコイも極まれりです。

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Monday, July 16, 2018

北のスットコドッコイ

前エントリーの続きです。本題に入る前にこのニュース。

人口、最大の37万人減 生産年齢人口は6割切る  :日本経済新聞
死亡数と出生数の差の自然減が39万人で海外との転出入を加えて37万人の減少ってことです。当然ながら15-64歳の生産年齢人口の減少はもっと多いわけです。都道府県別では東京、埼玉、千葉、神奈川、の首都圏4都県と愛知県と沖縄県のみ増加ですが、そのうち自然増は沖縄県だけで、他の5都県は転入超過による社会増ですから、その分地方の人口減の勾配もきついわけです。

あと外国人の増加が16万人ってことですが、いろいろ問題が指摘される外国人技能実習生だけでも25万人を受け入れていて、その他留学生や高度スキルの就労ビザ対象者もいるわけですから、純増が16万人ってことは相当数の帰国外国人がいるってことです。移民や永住権取得が難しいからこうなるわけで、人手が足りないから外国人就労を拡大といっても、現実の生産年齢人口の減少には追い付かないわけです。人口減という現実を受け入れるしかないわけです。

この状況を踏まえて以下をお読みいただきたいんですが、事故や不祥事が重なって先行きが危ぶまれているJR北海道に未来はあるか?っていう話です。JR北海道もJR総連系のJR北海道労組が組織率8割を超える中で、JR東日本と明らかに異なる労使関係があるわけです。

元々赤字基調だからってことで経営安定基金が与えられ、その運用益で赤字を補填するスキームだったわけですが、90年代半ば以降の低金利によって赤字補填が果たせなくなり、基金の積み増しをした上で現状(独)鉄道建設運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)への預託で高金利運用という事実上の利子補給による補助金でどうにか最終赤字を回避している状況です。

加えて事故の原因となった老朽設備の更新も国の支援を得ながら進めている状況なのですが、事故や不祥事の背景として、JR北海道は益出しのために努力してきたんですが、その結果必要な人手確保がままならなくなり、それが事故の遠因となったり、データの錯誤に見られる不祥事につながったわけですね。その意味で強面の労組は役割を果たせなかった訳です。

JR北海道で起きていたのはおそらく労使の癒着だったと思われます。それ故現場の人手不足もゴマカシがまかり通る状況だったと考えられます。そんな状況を変えようとしたのが自殺した中島社長って話がここへきて出てきています。

そのために島田現社長を総務部長に据えて労組との交渉窓口の一本化を狙ったものの、JR北海道労組は反発して険悪になった状況で、事故や不祥事が重なって国交省の立ち入り検査を受けることになり、JR北海道労組も協力を約束していたものの、直後に札幌労基署による本社社員の36協定違反の摘発があり、労組側が態度を硬化して島田総務部長の関連会社出向を余儀なくされたという経緯がありました。それで追い詰められての自殺ではないかという見立てです。

本社社員もJR北海道労組に所属していたのだから、労組側が知らなかった筈はないと言われてますが、おそらくこれ本社社員だけの問題じゃなかったんじゃないでしょうか。各現場で人手不足が起きていて、36協定順守ところじゃなかったとすれば、そりゃ事故や不祥事も起きるし、労組側からの改善要求もあったはずです。しかし増収とコストカットに励む経営陣を動かせなかったという意味で、労組側からすればスルー出来ない問題ではあります。労使の癒着自体は日本の大企業で結構見られますが。

というわけで、国主導で島田氏の社長指名と設備更新補助金の交付が決まったものの、覆水盆に返らず、労使関係は険悪なまま、後ろ盾のない島田社長は指導力発揮もままならない中で、自力での維持が困難な線区を発表し、自治体にボールを投げたのが現状です。ただ現実的には冒頭の人口減のニュースに見られるように、北海道で言えば札幌都市圏以外の地域の人口減少は今後も続くと見るべきですから、その中でJR北海道が必要な人手を確保して現在の規模を維持できると考えるのは現実的ではありません。人口動態に合わせて身を縮めるのはほぼ唯一の現実解でしょう。

自治体にとっては青天の霹靂でしょう。元々人口減少が止まらず、財政再建団体に指定された夕張市はいち早く廃止を受け入れ、JR社員の出向など条件闘争で実を取った形ですが、夕張支線のように単一自治体だからという面もあります。廃止若しくは公的支援を求めるエリアは広大で、広域自治体としての北海道の対応が待たれますが、高橋知事は経済や人口の状況が分割民営化時と著しく変化していることを理由に国に対応を求めています。財政負担を警戒してという側面はあるものの、経営安定基金による赤字補填もままならず、沿線人口の減少も収まらない中で、交通政策基本法を盾に対応を迫られても受け入れられないってのは正論です。

加えて国絡みの問題も多数あります。例えば北海道新幹線の札幌延伸問題も、JR北海道は自治体との合意を得て国に要望してきたものの、時期の問題が見通せないまま、札幌駅の新幹線駅スペースと見込まれていた駅南の用地に駅ビル(JRタワー)を建てたことで、道庁などから非難されましたが、商業スペースとして価値の高い遊休地の有効活用は当然の話ですし、建設時点で札幌延伸は決まっていませんでした。

その結果新幹線札幌駅の位置問題が二転三転して大東案に決まったのは最近のことです。北海道新幹線の札幌延伸が前進して2030年開業が決まったものの、駅をどうするかで迷走したわけです。当初北口側に新ホームを作って順繰りに振って1,2番線を新幹線用に転用する案が提案されたものの、既に北口の開発が進んで支障する建物が多数あると断念され、西案、東案、地下駅案が検討されたものの何れも却下され、修正東案として1番線南にギリギリ設置可能な1線分のスペースを新幹線上りに充て、1番線を新幹線下りに転用した上で東へ延伸して在来線とずらして設置する修正東案に落ち着いたものの、これも東日本大震災を受けて耐震補強が必要となり、結局在来線駅から離れた元の東案を大東案として決まったものです。位置的には札幌市営パーキングがあるということで、新幹線ターミナル駅設置のスペースも十分な上、駅前に新たな再開発ビル建設の可能性もあり、JR北海道の経営にもプラスと評価されますが、地権者の札幌市の意向は現時点で不明です。

あとJR貨物問題もあります。北海道の農産物を消費地の首都圏や近畿圏に輸送する上でJR貨物の役割は大きいのですが、それが結果的に線路を痛める原因にもなっております。加えてJR貨物は国の支援を得て設備強化投資をした結果、ドライバー不足によるトラック輸送からの移転もあって黒字転換が見込まれる状況ですから、格安な線路使用料を強いられてきたJR北海道には見逃せない問題です。まして株式上場まで取り沙汰されてますから尚更です。

温暖化の影響もあって北海道が稲作適地になりつつある現状もあり、競争力のある農業が叫ばれる中、その競争力を維持する意味で市場アクセスに欠かせないインフラとしての貨物鉄道という視点から、国の関与を強める余地はあります。貨物輸送のためにJR北海道の路線の一部を国の所有としてJR貨物やJR北海道に留まらず、自治体出資の三セクが第二種事業者としてローカル輸送に参入する余地を持たせるあたりに着地点があると思いますが、国が動く気配はありませんね。

加えて訪日外国人が増えている中、北海道観光人気で新千歳空港の利用が増えており、千歳線支線(南千歳―新千歳空港)が単線で空港駅も1面2線のため、対応しきれていない状況にあります。そこで新千歳空港駅を移転して3面4線とし、外側2線を千歳線につなげ、途中で単線を分岐して石勝線につなげる改良案が提案され、2022年の完成を目指すとされてますが、事業費は1,000億円規模になるということで、費用負担を巡ってひと悶着ありそうです。

実現すれば複線のまま空港新駅へ入れるだけでなく、苫小牧方面や帯広方面からも直接アクセスできるようになり、輸送力面に留まらず利便性も改善されますが、よく考えたら自衛隊と共用時代の千歳空港ターミナルビルとこ線橋で直結だった千歳空港駅(現南千歳駅)の機能を取り戻すだけであり、民間空港分離で誕生した新千歳空港のターミナルビルが離れた位置に作られたから仕方なく単線の空港支線を作った訳で、ここでも国の政策に翻弄された現実があります。しかも費用負担の問題でおそらく国の支援制度活用となるでしょうけど、JR北海道の事業縮小構想もあり自治体との調整は微妙です。また滑走路下のトンネル工事など難工事も予想されます。

あとこの問題は思わぬところへ飛び火しております。コメントを頂いたはまださんにご指摘いただいた日本ハムファイターズの北広島ボールパーク構想です。ダルビッシュや大谷をメジャーリーグへ送り出しながら若手の育成で実力を維持し、人気球団となったファイターズですが、不自由な札幌ドームに不満を抱いていたわけですが、ポスティングの補償金を得てそれを活かしたボールパーク構想を発表し、自治体向けに誘致コンペを行うというスキームを打ち出したところ、応札して勝ち抜いたのが北広島市です。

元々市民運動公園整備を構想し広い用地を確保していたところへ、ファイタースのコンペでボールパークをコア施設としてアクセスも千歳線に新駅を作って直結というもので、JR北海道にとっては増収策になるから大歓迎かといえば、空港輸送で線路容量に余裕のない状況では、寧ろ負担になりかねないということでご議論を呼んでいます。竣工予定は2023年3月ですが、空港新駅がそれまでに完成している確率はかなり低いと言えます。

さて、一番のスットコドッコイは誰?

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Sunday, July 01, 2018

ストでスベってスットコドッコイ

FIFAワールドカップで日本がGL突破しましたが、ポーランド戦の戦い方で賛否が分かれてます。

賭けた「負け残り」 西野監督の戦略と野心: 日本経済新聞
この「勝ち残り」作戦ですが、余力を残して決勝トーナメントへ望める訳ですから正解です。選手の能力を活かしてパフォーマンスを最大化するのが監督の役割ですから、非難される謂われはありません。

これが所謂マネジメントって奴でして、結果的に選手の能力を最大限引き出せるわけですね。GL突破で全力を尽くせば決勝トーナメントを戦う力は残らない訳ですね。これ企業のマネジメントも同じで、とにかく全力を求める所謂ブラック企業が駄目な理由でもあります。そんな中で高度プロフェッショナル制度が国会を通過しました。どう言い繕おうが日本企業が90分をうまく戦った西野ジャパンのようなマネジメントをやる気はサラサラないってことですね。

その裏で気になる動きがありました。JRグループ最大労組のJR東労組で大量脱退が起きているのですが、これどうもJR東日本の経営側が仕掛けたみたいなんです。詳しくは週刊東洋経済の集中連載に詳しいんですが、わかりやすく言えば経営側が労組を追い込んだってことのようです。JR東労組は所謂JR総連系の労組で、左翼セクトの革マル派が浸透していると言われていて公安からもマークされていて、2020年の東京五輪を控えて政権からも対応を迫られたようです。

2年前に死去した松嵜委員長は元革マルNo.2で、国鉄の動力車労働組合(動労)の指導者になり、国鉄民営化に関して反対から賛成へと態度を変えて国労と袂を別ったことで、国鉄民営化を後押ししたことも知られております。国労が主導したスト権ストで国民の支持が離反したこともあり、寧ろ民営化で公労法で違法とされていたスト権を取り戻せると考えたようです。

しかし実際には90年代にJR総連でスト権確立の動きを見せたもののうまくいかず、結果的に傘下労組の多くが総連を脱退してJR連合を結成し、以後総連との対立が続きます。そうはいってもJR東労組はJRグループでは最大規模であり、組織率8割に達する巨大組織ですし、革マル派の浸透に経営側も及び腰だったこともあって最強の労組でもありました。

スト権確立には失敗したものの、事業所単位で締結される労使間の36協定を3か月単位で締結する体制を敷いて、その分労使の話し合いの機会が多かったので、ストを打つ理由もなかったわけです。スト権はあくまでも経営側を協議の場に引き出すためのものですから、頻繁に協議が行われる体制ではストを打つ理由は無いわけです。

革マル派自体は反帝国主義反スターリン主義を標榜してますし、暴力革命を否定してもいませんが、故松嵜委員長の対応から察せられるように、中核派などと違って柔軟な対応ができる分マシな存在ですが、経営陣にとっては緊張を強いられる存在ではあったでしょう。ある意味JR東日本の経営がJR他社と比べて幾らかマシなのはこの緊張感のなせる業でしょうし、特に東中野事故後の対応など安全対策でJR他社より踏み込んだ対応を取ってきたのも、頻繁な労使協議のお陰と見ることができます。

一応誤解の無いよう断っておきますが、反スターリニズムを標榜しながら、その源流のボルシェビキ流の前衛主義から抜け出せないという意味で中核派共々ダメな存在ではあります。彼らが頼みとする大衆の蜂起は前衛である自分たちが指導して実現するってフィクションから抜け出せないんですから、革命なんて出来っこありません。この辺日本共産党も同じなんですけどね。それでもJR東日本経営陣に緊張感を与え、安全対策の強化に寄与したという部分では評価いたします。

今回の騒動は経営側がまず運転区と車掌区を統合して運輸区とする組織改編で運転士と車掌を同一組織に纏めたことから始まります。動労母体のJR東労組ですが、旧動労系組合員の多い運転士とそれ以外の穏健派が多い車掌との温度差で現場の足並みを乱れさせるところからスタートし、ベースアップの配分を巡って若手に手厚い経営側の提案に一律ベアで対抗し、これが引き金になってスト通告に至ったのですが、その後組合員の大量脱退が起きており、この過程で経営側による若手を中心とする組合員の引き剥がしに動いたようです。これ下手すると国鉄時代のマル生運動にかこつけた労組選別の不当労働行為になりかねないという意味で、経営側もリスクを負ってますが、大きく異なるのが若手の組合への不満が大量脱退を後押ししたってことですね。

ストを打つと言っても、経営側を協議に引き出すのが目的ですから、事前通告に始まって一連の手続きを踏む必要がありますし、経営側が協議に応じればストを解除しなければなりませんから、組合員にはあらかじめ決まった場所に待機させる必要もあります。加えてスト期間中は賃金の支払いが止められますから、組合員の生活補助のための日当を支払う必要もあります。これら一連の作業を行うには大変なノウハウが必要なんで、既にストをしなくなって久しいJR労組にとっては、急に「ストやります」といっても組合員は戸惑うばかりです。執行部の命令一つで事態が動く状況はとっくに失われていたわけです。

と、ここまでだとJR東労組のスットコドッコイぶりが目立ちますが、今後は経営側が立ち上げた社友会と称する親睦組織との間で36協定の話し合いが行われ、しかも年1回ということですが、労組ならざる組織で安全に関わる様々な意思決定がされることになれば、今までよりもヌルい労使関係で緊張感が失われることが心配です。それは場合によっては安全上の問題を引き起こす可能性も否定できません。JR東日本のように事業所が多数分散している大組織で、組合をスルーして上手く回せるのかは疑問です。西野ジャパンで後半終了間際に長谷部を投入してメッセージを伝えたアレの重要性に類似した問題です。

実際国鉄時代から続いていて福知山線尼崎事故の遠因と指摘された日勤教育の見直しはJR東日本が先行し、他社の見直しは尼崎事故後ですし、山陽新幹線の台車枠亀裂問題や車内犯罪やトンネル内人身事故などを見ると、JR東日本が同じレバルに堕する危険性は排除できません。となると経営側もスットコドッコイかも。やれやれ。

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