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Sunday, November 18, 2018

誰得な領土問題

日ロ首脳会談で二島返還って話。様々な評価がネットで見られますが、報道でも取り扱いが難しいようです。

日ロ領土問題、思惑にずれ (写真=共同) :日本経済新聞
冷静に考えれば日米安保条約第5条で米軍は日本が領有権を有する地域のどこへでも基地を置く権利があり、日本側に拒否権は定義されていません。辺野古見ればわかりますが。故にソビエト時代から進まなかった領土交渉ですが、今回の首脳会談の意義は、改めてそのことが明らかになったってことです。これ領土問題に煩い一団の人々を黙らせられるという意味で、安倍首相以外では不可能な着地点です。たまには褒めてやるwwwwwww。

冗談はさて置いて,実質的に歯舞色丹二島周辺は良い昆布の漁場でして、ロシア人は昆布を食用しませんから、ここに日本の漁業権が設定できるなら、主権云々は横に置いて成果として評価することは可能です。というか、元々地元では密漁が横行していた訳で、それが合法化されるなら地元にとっては歓迎されるでしょう。しかも煩い一団の人々が文句言わないなら尚良しです。

また昆布以外でも、例えば花咲ガニのロシア漁船による水揚げが90年代から増えている現実があります。ロシア漁船だって高く売れる方へ持って行く訳です。勿論乱獲による資源枯渇のリスクと裏腹ですが、日本政府のウナギやクロマグロの漁獲制限が実質制限にならないガバガバな水準にあって資源枯渇が現実化している状況からいえば誤差範囲かと。

でもね、前エントリーで取り上げた入管難民法改正あ審議で法務省が提出した技能実習生の失踪問題に関するデータに重大なミスありました。

入管法改正案、実質審議入り先送り 調査ミスに野党反発  :日本経済新聞
これExelの操作ミスと言い訳されてますが、失踪理由として「より高い賃金を求めて」として集計されたデータが最低賃金以下、明示された賃金以下、低賃金の3つのデータを合算した結果の集計ミスであり、しかも実習生側の都合に見える言い換えまでされているという意味で、通常国会の厚労委員会で問題になった裁量労働制のデータ改ざんに通底する法改正のために都合の良い粉飾がされているところが問題です。官邸がウソつきだと官僚が忖度する構図は森加計問題以来続きます。官邸のウソつきぶりは身内の日銀からも指摘されてます。
(真相深層)政府統計、信頼に揺らぎ GDPなど、日銀が精度に不信感 :日本経済新聞
これ2016年のGDP推計の改定で研究開発費や特許権の資本勘定算入その他の新基準が適用され、1994年まで遡って数値が改定されました。この改定は基準が曖昧との指摘が以前からありましたが、賃金データの動きが不自然ということで、日銀からクレームがついたってことなんですが、デフレ脱却を目標にする日銀にとっては賃金推移のデータは重要なだけに、内科k府に元データの開示を要求したところ拒否されたという展開です。ま、ぶっちゃけGDP数値の捏造疑惑ってことです。

これ改定に伴って直近の成長率が高く出た一方、2009-12年の民主党政権時代の成長率が相対的に低くなっているということで、疑惑がもたれていましたが、内閣府は元データの開示を拒んで否定し続けていました。それが遂に身内の筈の日銀からも疑惑の目が向けられた訳です。アベノミクス自体がインチキだった可能性がある訳ですね。

で、領土問題も結構なんですが、以前から指摘しているように、地方の疲弊が止まらない中で、内なる領土の消失とも言うべきことが起きていることにもっと目を向けるべきですね。北方領土間近の北海道がどうなっているか。札幌圏への人口集中の一方で、道東道北の輸送インフラのJR北海道が瀕死の状態です。年間400億円の欠損ってのはもうシャレになりません。しかも100億円は北海道新幹線から発生している訳で、残念ながら新幹線の札幌延伸による延命効果も疑問符が付く状態です。北海道新幹線をJR北海道から切り離して例えばJR東日本に移譲するとかできれば良いんですが、整備新幹線故にそれも難しいところです。

その一方で小樽―新千歳空港間を結ぶ空港快速は15分ヘッドでも大混雑で、座席指定のuシートもプラチナチケットになっている状況です。これインバウンド需要による外国人観光客の増加が寄与しているんですが、この増強が喫緊の課題なのにできない。理由は南千歳から分岐する空港支線が単線で6連しか入れないから、今以上の輸送力増強はできない訳で、北のスットコドッコイで取り上げた新ターミナル駅への移転を待たざるを得ませんが、公費負担を含めて具体化は進んでいません。

あくまでも個人の見解ですが、かつて千歳空港ターミナルビルと直結だった南千歳駅を国の航空政策で失ったことに対する原状回復の保障措置として、全額公費負担でJR北海道の経営支援するぐらいの対応が望ましいところです。てことで、誰得の領土問題よりも地方の過酷な現実こそ目を向けるべきです。

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