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Sunday, September 01, 2019

日韓事変

オウンゴールの国がますます拗らせてます。徴用工裁判の報復を匂わせた韓国のホワイト国除外が大事になりつつあります。特に韓国のこの対応は想定外でしょう。

GSOMIAとは何か 軍事機密共有の「資格」  :日本経済新聞
GSOMIAというのは、軍事情報の共有の協定ですが、元々日本の自衛隊がイージスシステムの情報漏洩やらかしたことから、米軍の逆鱗に振れたたことから始まったもので、暗号レベルでの機密情報共有が特徴ですが、とりあえず米軍がハブになれば間接的には情報の共有は可能とはいえ、米軍に日韓と共有すべき情報の取捨選択という面倒な作業を強いることになるので、アメリカが怒った訳です。

アメリカの怒り自体は韓国にとっても想定外だったでしょうけど、突然のホワイト国除外を安全保障上の理由から韓国を信用できないとした訳ですから、ならば軍事機密共有なんて無理だよねってのが韓国の言い分でしょう。この辺の韓国政府の対応も問題ないとは言い難いですが、これを李明博政権末期のような人気取りの反日政策とする見方は違います。少なくとも2つの変化が韓国政府を揺さぶっているものと見られます。

1つは1人当たりGDPが3万ドルを超えて、低成長の日本との差が縮まったことで、韓国の国民意識が変化したことが挙げられます。かつての植民地支配のみならず、戦後復興で日本が先行した一方、日本の先行をもたらした朝鮮半島の南北分断もあって、韓国の国民意識としては日本からの自立の機運が強まっていることがあります。

漢江の奇跡と言われた高度成長を主導した韓国の歴代保守政権への信任が、朴槿恵大統領の贈収賄事件による弾劾もあって揺らいでいる一方、サムスンをはじめ世界的大企業を輩出しながら、日本のようにそれを支える層の厚い中小企業群は国内に乏しく、素材や工作機械など多くのものを日本企業に依存せざるを得ない状況からの脱却が出来ないでいる中で、今回のホワイト国除外措置が取られたことから、日本への反発が国民レベルで強まったことが挙げられます。

もう1つは経済成長の一方で深刻な少子化もあり、経済成長に陰りが見え始めたことです。日本の後追いをしてきた結果、日本のような長期停滞の入り口に立ってしまったってことです。元々人口規模で日本の半分以下ですから、国内市場は小さく、外需依存が強い韓国経済ですが、財閥と呼ばれる一部の大企業は日本企業を手本に世界へ飛躍して本家の日本企業を追い落としたものの、上記のように中小企業が手薄であることもあって、外需で稼いでいる大企業とそれに乗れない中小企業の格差が開く一方で、当然給与水準も開きが出ており、保守政権と癒着する財閥系大企業への批判が根強くあります。

朴槿恵大統領弾劾で誕生した文在寅政権は、財閥系と中小企業のギャップを埋めるべく最低賃金の大幅値上げを行ったんですが、これが逆に中小企業を苦しめる結果となってしまうなど、経済政策は必ずしもうまくいっておりません。その中でそれでも外需を稼ぐ財閥系企業への逆風となる日本によるホワイト国除外は韓国経済に大きなダメージを与えるものとなる訳で、豊かになった韓国国民は経済の失策を許さないから、文在寅政権としては対抗策を打たざるを得ないってことですね。ですから植民地支配への謝罪要求とかじゃない訳です。逆に言えばちゃんと話し合えば解決可能とも言えます。

韓国も日本同様構造的に長期停滞差し掛かってきている中で、出口が見えない状況なんで、本当は両国の強みを合わせてwin-winの関係を築くことが大事だし、少子化など共通の課題を抱えていることもあるので、そういった面も含めて知恵を出し合って協力関係を築く方が得策です。対立が続けば誰も得をしない訳です。一連の経緯から出口を想定していたかどうかも怪しいところで、展望もなく戦線拡大した戦前の日本と変わらんぞ。

もうちょっと踏み込んで言えば、これ日本にも当てはまりますが、過度な外需依存はアメリカのトランプ旋風のような赤字国の反撃に遭えば打つ手がありませんし、リーマンショックでも日本が最もダメージを受けたように、経済ショックへの脆弱性も避けられません。

米中対立は確実に長期化しますから、寧ろ外需依存を減らして内需の深掘りをすることの方が望ましい訳ですが、内需拡大と言えば公共事業の拡大しかしない日本政府あるいは消費税増税にかこつけてポイントバックを餌にキャッシュレス決壊を普及させようとした結果、7pay終了という余計な仕事で生産性を落としてる日本政府ってどうなんだってことを申し上げたいですね。

ちょっと気になるのが、劣化しているのは政府だけなのか?ってことですが、例えば横浜市営地下鉄ブルーラインで30日に踊場駅の折り返し線で回送電車が車止めを突破して壁に激突した事故ですが、下飯田駅近くでの保線用乗り越しポイント撤去漏れによる脱線事故があったばかりでまたやらかしました。

同様の事故は営団時代の丸ノ内線新宿駅の折り返し線で回送電車が車止めに衝突したため、中野坂上駅の中線を使って折り返して当時の運輸省への報告を怠ったってのがありましたが、そりゃバレるわwww。横浜市でも当初の発表が二転三転して情報開示に問題があります。加えて当該の運転士の過酷な超過引むが明らかになり、労務管理に問題を抱えている可能性があります。加えて過走防止対策が採られていなかったのかってことも疑問です。これ逆走した横浜シーサイドラインの問題とも共通する保安装置のバグの可能性も指摘できます。

そして南海電気鉄道の台車枠の亀裂問題です。

ラピート亀裂台車生産の日本製鉄、鉄道各社と調査検討 (写真=共同) :日本経済新聞
新日鐵住金改め日本製鉄ですが、鉄道車両用台車は旧住友金属工業が最大手で国内シェアの4割を占める存在です。台車枠の亀裂と言えば、新幹線のぞみの重大インシデントが思い出されますが、この時は川崎重工製の台車に不具合があったとされましたが、同時に超音波非破壊検査が実施されておらず、また走行中に異音を確認しながら運転を継続したことなどの問題も指摘されました。

のぞみのケースは断裂寸前という深刻なものでしたが、メーカーの川崎重工のミスが発覚したことで議論が収束したものの、今回はシェア最大の最大手メーカーであることと、のぞみのケースとは部位が異なるものの、台車枠の溶接部で起きていることに加えて、南海電気鉄道で集中的に見つかったことなどで、少々厄介なことになっています。元々溶接部は溶接熱で歪みが生じやすく、応力で亀裂が生じること自体は起こり得ますし、実際多くの場合検査で発見されて補修される訳ですが、南海の検査体制に問題があった可能性もある訳です。

あとのぞみのケースでもあった異音を確認した時の指令の対応など、様々な要因があって原因究明を困難にしています。あるいはある種の馴れで見落としがあったとか、世代交代を経て熟練を要する打音検査のスキルが低下したとか、要員不足による超圧布無での注意力低下とか、あらゆる可能性があります。そのへんをどこまで明らかにできるのか?「想定外」で済ませて良い問題ではありませんね。

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