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Sunday, September 29, 2019

トランプ・ポリティカル・プロブレム

略してTPP^_^;。トランプ大統領が就任後真っ先に取り組んだのが12ヶ国で合意したTPPからの離脱でした。慌てたのが日本政府です。何故ならばTPP交渉ではアメリカとの合意を最優先し、農産品で大幅譲歩する一方、一番の目玉の筈の自動車関税の撤廃は25年かけてという結果ながら、発効すれば強制力が出ますから、一応成果はあったと強弁できる結果だったのに、それが白紙に戻った訳ですから、頭真っ白になったと察します。

しかし捨てる神あれば拾う神あり、残る11ヶ国で折角合意したんだから、それを活かすべきだという声が上がり、TPP11に仕切り直しされて合意しました。その結果対米向けに譲歩した日本の農産品輸入に関しては、TPP水準を維持したまま対米非関税輸入枠の配分まで受けた、オーストラリアやニュージーランドにワインで売り出すチリなどが恩恵を受ける一方、見返りの減った日本は貧乏くじでした。それでも日本の農産品輸入でアメリカ産が減ればアメリカが音をあげて再度TPPに復帰する筈という、都合の良い展望を掲げた結果、こうなりました。

日本、農産品7800億円分の関税下げ 肉類など:日本経済新聞
つまり農産品はTPP水準+αの譲歩を呑んだ一方、自動車関税の撤廃は25%の報復関税で脅された結果、現状維持がやっとですから、寧ろ防衛ラインが下がりました。TPPの一番の目玉だった筈の自動車関税の撤廃は無くなった訳です。TPP11締結国相手では日本に対抗しうる自動車生産国は見当たりませんから、大局を見失った日本の敗戦です。都営バスが導入したフルフラットバスが豪ボルグレン社製というツッコミはご容赦を^_^;。

しかもこれで終わりじゃなくて、今後医薬品、保険、サービスなどの個別交渉は残ってますし、米議会が求める為替条項も消えた訳じゃありません。為替に関しては米国内法で為替操作国指定をすれば、相手国に通告無しに為替介入ができますから、そのリスクは残ります。既に中国に対しては為替操作国指定をしており、アメリカでは中央銀行に当たるFRBと財務省の外貨準備基金で対応しますが、FRBが同意しなくても基金の運用は政府の判断で可能なので、いずれドル売り元買い介入をするんじゃないかという憶測は絶えません。但しこれやると混乱が予想されますので、簡単には踏み切れないでしょうけど、交渉の脅しには使えます。

米中対立に関しては中国側が長期戦モードで対応してますから、簡単には動じないでしょうけど、同じことやられたら日本は簡単に折れちゃうでしょう。実際農産品関税で成功体験を得たアメリカは、他の分野でも同様のことを仕掛けてくると見るべきでしょう。加えてTPP11でISDS条項を盛り込んでますから、日米での紛争解決手段としてのISDS条項は既に準備されてます。かくして大後悔時代の大企業による主権国家支配が現実のものとなります。既に種子法廃止や水道事業民営化法で準備は整ってますが-_-;。まだまだ毟られます。

トランプ大統領の立ち位置は、グローバル経済の現実の中での国益追及ですが、あくまでも選挙に勝つための短期的利益の追求なので、中国のように長期戦に持ち込まれると対抗できない訳で、同様に目先の選挙しか見えていない日本の政治家は与しやすい相手ですが、中国や原理原則にシビアなEUに対しては厳しいところです。だからBrexitはトランプ的には大歓迎でしょう。他方中国Huaweiの排除では米アップルやクアルコムよりも、ノキアやエリクソンなどの北欧勢が恩恵を受けるなど、必ずしも自国企業や有権者に恩恵が及ばないという実態もありますが、今さら止められない訳です。

一方サウジアラビアの石油施設がドローン攻撃で破壊された事件で世界に衝撃が走りました。イエメンの反政府勢力フーシ派が犯行声明を出しましたが、アメリカとサウジはイランから飛んできたとして混乱してます。真相は藪の中ですが、対イラン経済制裁問題でアメリカとイランの首脳会談実現が言われていた状況に水を差しました。それでもトランプ大統領は軍事行動を控えています。これ殺傷力の高まった兵器性能に加えて先進国の兵士が傷つくことへの世論の反発が強まり、戦争のコストが高くなったことが背景にあります。

対して紛争地域では残念なことですが自爆テロも辞さずといった人命のコストが相対的に低い上に、ドローンなどより低コストで敵に打撃を与えられる手段が登場しています。これ戦争のダウンサイジングと捉えるとわかりやすいんですが、テクノロジーの進化は戦争も無縁ではありません。明らかに時代は変わってきています。中国や北朝鮮のサイバー攻撃やロシアのフェイクニュースによる世論誘導などもこの範疇に入ります。

寧ろバンコデルタアジア銀行の北朝鮮関連口座の凍結が効果的だったことから、金融制裁がアメリカの武器になりつつあります。対イランでは制裁破りした国や企業に対して米国内銀行との取引禁止とすることで、イランから原油を買ってドルで支払った場合、受け取ったイランは自国通貨に両替することも輸出代金支払いに充てることもできないから干上がる訳ですね。イランにとっては死活問題です。逆に言えばイランが首脳会談の可能性を自ら閉ざすような行動に出るとは考え難い一方、アメリカとイランの対立で漁夫の利を得る第三国は多数あります。

他方フーシ派はサウジが支援するイエメン政府と対立し、政府軍を追い込んで実効支配エリアを拡大する一方、サウジは軍事介入でフーシ派攻撃をしてますから、犯行声明を出しているフーシ派の犯行と捉えるのが一番素直な見方ですが、フーシ派はイランが支援していることもあり、フーシ派の犯行で追い込まれる図は何とも皮肉ではあります。ただこの状況で軍事介入を控えている米トランプ政権は歴代政権とは良くも悪くも一線を画します。

その一方で大スキャンダルが発覚します。ウクライナ疑惑です。

米民主、もろ刃の弾劾攻勢 ウクライナ疑惑で:日本経済新聞
ロシア疑惑は大統領選を争う中でロシアの偽ニュースによる選挙介入でクリントン候補への攻撃に利用したのではないかというものですが、結局訴追に至らず、議会民主党も弾劾に慎重でしたが、次期大統領候補のバイデン氏の息子が絡む現職大統領の不正行為として見過ごせないことから、今回は弾劾に本気です。但し/大統領弾劾は下院で成立しても上院の2/3以上の賛成がなければならず、可能性は低いことと、バイデン氏が絡む疑惑なので民主党に跳ね返る要素もあり痛し痒し。

結果法人税増税など反ビジネス的なウォーレン候補が有力視される可能性からNYダウが下落したりとひと騒動ありました。何だかんだ言って無茶苦茶でもトランプは親ビジネスという一点で経済界は親トランプに傾いてるんですね。日本の自動車関税問題のように必ずしも経済界にプラスの働きをしていない安倍政権を経団連がバックアップする図と同じです。

てなわけで、世界の揉め事でトランプが絡まないのはインドとパキスタンのカシミール紛争ぐらいか?環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱した結果、トランプ絡みの政治紛争(TPP)は世界へ拡散しましたwwwwwwwwww。おまけ。

リニア、わずか9キロの壁 静岡知事が工事認めず:日本経済新聞
JR東海がリニア建設に意欲を燃やす理由の1つかアメリカへの売り込みですが、そのためには名古屋までの開業はクリアしなければならないのに、静岡県の川勝知事の反対で僅か9㎞の区間の工事着手ができないというニュースです。

これ前から揉めてた事案ですし、既に山梨実験線の工事でも井戸が枯れたなどの報告がされてます。静岡県工区は大井川の源流の水源を断つ可能性が高く、それに対するJR東海の回答がいい加減ということで川勝知事を怒らせてます。駅ができないことに対する条件闘争か?という見方がある一方、川勝知事はあくまでも環境問題として譲歩の姿勢がありません。そして工期が遅れて開業が先延ばしされれば資金計画に狂いが生じて大阪延伸も微妙になりますし、ましてアメリカ輸出は夢のまた夢となります。

アメリカ北東回廊はAMTRAKのメトロライナーの時代から都市間輸送の有望エリアとされ、現在仏アルストム製のプッシュプル編成による"アセラ”が好調で、エアライン合同のワシントン―ニューヨーク間のシャトル便を廃止にするなどアメリカでは珍しく鉄道優位の地域です。そこへリニアを売り込もうって話ですから、まずは日本で開業して現物を見せて、アメリカに買ってもらおうって都合の良いシナリオを描いてますが、あれ?日米貿易交渉と似てないか?

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