« フリュグスカム | Main | 赤恥のアホかい »

Sunday, January 05, 2020

新年早々葬送草草

暮れに膝痛めたのに、新年早々Wifiルーターご臨終で仕方なく足引き摺って買いに行った散々な年末年始ですが、飛び恥に続いて逃げ恥とわ。

ゴーン元会長、無断出国か レバノンに入国:日本経済新聞
弁護団から見れば、ケリー被告と共に法人としての日産自動車も被告として訴追されていて、日本の刑事司法では分離公判で日産に先に有罪判決を言い渡して既成事実を作って、本丸のゴーン氏の反論を封じるって常套手段でして、リニア談合で大林組が先に刑を確定させて大成、鹿島を追い込むアレです。それを阻止すべく統一公判を仕掛けて主張の異なる被告同士を公判で論戦させる枠組みを実現させた弁護団が意図的に逃がす訳がありません。この手の雑音は無視しましょう。

勿論保釈中の逃亡は犯罪ですが、実際に長期勾留されて弁護士や家族との接見も制限される日本の刑事司法手続きの異常さは世界から注目されています。故に逃げるのも無理もないという世界の反応になっています。それどころか倒産寸前の日本企業を救った外国人経営者への仕打ちという意味で、今後日本企業のために働こうという外国人が減る可能性もあります。これ結構深刻な問題ですが。一応お断りしておきますが、ゴーン氏が正しいというつもりは更々ありません。推定無罪の原則に従っているまでです。

思えば2018年大晦日のエントリーでも取り上げてましたから、何だか縁があるのかしらん。同時に2018年の東証大納会で株価が下がったことも思い出されますが。2019年も下げたものの下げ幅は小さく、寧ろ株価の堅調ぶりが目立ちます。但し宴はここまでかもしれません。株式市場のざわつきが見られます。

TOPIX改革、日銀緩和に波紋 ETF購入巡り:日本経済新聞
東証改革で一部市場を分割してプライム市場を創設して3部体制とする方向で話が進んですが、その銘柄選択がどうなるかでざわついている一方、1部市場全銘柄対象だった東証株価指数TOPIXをより流動性の高い銘柄に絞り込む案が検討されており、実現すれば日銀のETF購入の意義が問われる事態となります。多数の銘柄が上場している1部市場全銘柄対象だから、緩和資金を広く行き渡らせるという理屈が通用していたのに、流動性の高い銘柄に限定されれば、より相場操縦の意味合いが強くなり、政策の正当性に疑義が生じます。八百長株式市場もこれまでか。

日本の場合は日銀やGPIFの爆買いが問題視されてますが、一方世界では企業が余剰資金を使った自社株買いが盛んで、やはり市場を歪めています。本来の株式市場は企業にとっては資金調達の場である筈で、事業の拡大など新規投資の資金を公募増資で集めることで、銀行融資などの借り入れを減らせる訳ですが、この場合株式市場に資金が流入することになり、成長に繋がる一方、自社株買いは株価上昇を通じて余剰資金を投資家に渡すことに他ならない訳で、株式市場から資金が流出していることを意味します。だから株価は高くても成長には繋がらず、市場を歪めてます。企業の余剰資金はFRBなど金融当局の量的緩和の結果であり、回り回ってということで、日銀のETF買いと違って直接買い入れではないだけの違いかもしれません。

あとユニコーンなどのベンチャー投資も、投資家にとってはIPOが出口となりそこで資金回収がされますから、上場した株式を買う投資家は高値掴みとなり、保有する旨みに乏しいことになります。ベンチャー投資家も結局中銀の量的緩和の恩恵で低利の資金を手当てできますから思い切り利益の先食いができる訳です。やはり市場に異変が起きていると見るべきでしょう。

英サッチャー政権で打ち出した大衆資本主義は、国民に株式保有を勧め、公営企業の民営化を通じて個人株主を増やしました。それを後押しすべく非課税枠を設定したISA制度が定着しましたが、結局国民は少し株価が上がるとすぐ売って利益確定に走るため、長期保有は必ずしも定着しませんでした。その一方で投資ファンドは大量の資金を用いて相場の変動からさや取りしますから、結局株式市場は安定せず、徐々に個人株主の居場所を狭めます。その結果池のクジラの競演となり、ますます個人のウエートは減っていきます。

その果てにHFTなどで個人取引に先回りして利食いするてなことすら起きる訳ですから、株式市場から個人投資家が出て行くことになります。NISAや積み立てNISAやiDeCoなどのメニューを揃えて老後2,000万円と切れ気味レポートを出したところでこの傾向は変わらないでしょう。資本主義は結局マネーゲームに行きつき、国民の経済厚生を置き去りにする。Brexitやトランプ現象が示すのは、結局資本主義と民主主義が両立しない現実が為せる業ということですね。

そしてトランプがイランことしてしまいました。革命防衛隊のヒーローで国民的には大統領より知られていたソレイマニ司令官が米軍の攻撃で死亡しました。宣戦布告なしに軍人を攻撃し殺害した訳ですから、無茶です。イランは将軍を葬送し、報復を宣言してます。新年早々草も生えんわ。

| |

« フリュグスカム | Main | 赤恥のアホかい »

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

JR」カテゴリの記事

都市間高速鉄道」カテゴリの記事

民営化」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« フリュグスカム | Main | 赤恥のアホかい »