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February 2020

Monday, February 24, 2020

伝染ルンですアベノミクス

予想はしてましたが、新型肺炎問題がオオゴトになっております。特に横浜港のダイヤモンドプリンセスで防疫体制の弱さを露呈したことで世界から非難されてます。最早感染拡大を遅らせるしか打つ手が無くなった訳ですが、専門家の意見も聞かずに水際作戦に拘った政府の対応がひどいとはいえ、通常の風邪やインフルエンザと同様にうがい手洗いの徹底で感染を防げる可能性が高いのは既に指摘しております。

DMATの一員として参加した岩田健太郎神戸大教授の告発動画が物議を醸してますが「守秘義務違反」と「勇気ある内部告発」と評価が分かれております。とはいえ船内の酷い実体を知らしめて事態を動かしたという意味では後者の評価が妥当でしょう。酷い実態を秘密にすることの方が犯罪的です。まあ情報が錯綜してますし、医療面は素人がこれ以上首突っ込む話でもありませんが、経済への影響はかなり深刻です。

「有事の円買い」の終わり 円安呼ぶ日本の不安  編集委員 小栗太:日本経済新聞
これ簡単に言えば日米金利差で円安誘導の結果、低金利通貨として円建てで資金調達してアメリカなど外国資産への投資を行う流れから、投資家がリスクを取れば円は売られ円安になり、逆にリスク回避に動けば円が買い戻されて円高になるということで、リスクオンの円安リスクオフの円高というのが昨今の相場感でした。

それが米FRBの低金利政策で金利差が縮まり、インフレ補正すればほぼドル円の金利差が消滅した一方、ECBのマイナス金利政策の長期化でユーロがキャリートレードの主役となったことで構図が崩れました。加えて今回の新型肺炎問題では、日本は完全に当事国の扱いとなりますから、外国人投資家の資金引き揚げは避けられないところとなる訳です。こうなるとアベノミクスの初期からあった円暴落シナリオが現実味を増す訳で、深刻な事態です。加えてこれ。

GDP年率6.3%減 5四半期ぶりマイナス 10~12月:日本経済新聞
これ前期(10-12月期)の数値であり、消費税増税の影響は当然ある訳ですが、マイナス4%程度とされた民間予想を下回る悪い数値が出た訳です。これも裏がありまして、成長率の分母はあくまでも前四半期の数値が分母になる訳ですが統計135°で指摘した統計不正で目一杯それを膨らましたもんで、マイナス幅が大きくなったと見られます。加えて各四半期の日数の違いを季節調整と称して調整しますから、日数の多い10-12月期の数値は下方修正されますし、更に四半期ベースの数値を年率換算する訳で、見かけ上の数値を大きく見せてしまいます。

そして鉱工業生産指数、機械受注など製造業関連の一次推計の数値が弱い一方、何故か消費関連は好調だったんですが、これも家計調査の推計値から正確性が高いという理由で商業統計の推計値が採用されてますが、これインバウンド消費が含まれている可能性があり、そうなると国際収支に含まれる旅行収支の推計値と二重計上されている可能性があります。それが日韓事変で韓国からの訪日客が減少した影響が出て、なまじ二重計上されているからマイナス幅も大きくなる訳です。故に見かけほどマイナス幅は大きくないと見ておりますが、そんな事情は知ったこっちゃない外国勢から見れば悪い数字だけが見られる訳です。誤魔化しの果てのオウンゴールです。

そして新型肺炎で中国人の訪日客が激減しており、国慶節需要も空振りですから、1-3月期も悲惨な数字を覚悟する必要があります。更にマスク不足で日本のアパレル各社の下請けの中国縫製工場がマスク生産でアパレル品後回しという状況で春物商戦に暗雲が漂います。そして相次ぐイベントの中止や延期もあり、オリパラもロンドンが代理開催に名乗りを上げる状況で本当に開催が危ぶまれています。

鉄道業界でも既にミシュラン三ツ星の高尾山を擁する京王電鉄が通期見込みを下方修正しており、東海道新幹線も目に見えて利用客が減少しております。新型肺炎の終息は恐らく1年以上かかるでしょうから、今年はホントにヤバい年になりそうです。やってるふりのパフォーマンスばかりで実体を伴わず、バレそうになると公文書を隠したり破棄したり改ざんしたり、統計を細工したりの嘘八百はモリカケや桜と変わらずですが、人命がかかる感染症問題で国民を危険にさらした訳で、アベノミクスに感染した日本には地獄が待ってます。

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Sunday, February 16, 2020

貧テック鈍テック

新型肺炎問題での日本政府の対応に内外から疑問が突き付けられております。無意味な水際作戦は所詮政権のパフォーマンスに過ぎず、結果的に国内感染がジワジワ拡がっていて死者まで出ています。しかも該当の神奈川県の80代女性は不調を訴えながら渡航歴がないことを理由にウイルス検査は行われていなかったとか、国立感染症研究所の人手と予算の制約から1日300人しか検査できないそうですが嘘っぱちです。SARSの時のように民間製薬会社提供の検査キットを配布して対応すれば簡単に能力を増やせるのに、金の出し惜しみをしているんですね。

前エントリーの時点より多くの情報が明らかになり、政府の対応に内外から批判の声が上がっております。既に日本は感染地域とされて渡航制限を課す国も現れましたし、ダイヤモンドプリンセス号の対応の迷走に業を煮やしたアメリカは、乗船中のアメリカ人の帰国のためにチャーター便を仕立てており、流石に日本政府も対応を見直さざるを得なくなりました。感染症対策はれっきとした安全保障問題であり、グローバル化でいつ起きてもおかしくない状況なのに、まともな対応ができないってのは、これまでも山梨の豪雪、熊本地震、西日本豪雨、昨年の台風などいずれも初動の失敗で対応が後手に回った訳ですが、安倍政権はよほど危機管理が苦手らしいです。これ非常時のロジステイックス問題ですから、9条を改正して軍隊を持っても、まともに動かせず負け戦必至です。

東京オリパラに関してはおそらくIOCが中止を判断することはないでしょうけど、感染が収束しなければ無観客試合となる可能性はあります。米NOBCの放映軽量が入ればIOCは潤いますが、開催コストを負担する東京都は大赤字で何のためのオリパラか?それがどうも変な感じに。

新潟・南魚沼で少雪、五輪の暑さ対策ピンチ:日本経済新聞
問題視される東京オリパラの暑さ対策として豪雪地帯の南魚沼の雪を使う計画が暖冬による雪不足で狂いが生じています。何だかどんどん漫画チックになっているような気が\_^;。

一方前エントリーで指摘したように、中国では既にウイーチャットを用いた遠隔診療が行われているとか。これを実現するためにはおびただしい数の画像サンプルをAIに学習させる必要がありますが、医師会の反対で電子カルテによる診療データ共有すらできない日本のなんと遅れていることか。新型肺炎のような感染症診療は特に感染者と医師の接触が避けられるだけに重要です。これガラパゴス・スモールブラザーズに加えたいですね。加えて後れを取っているのは対中国だけじゃありません。

英フィンテック、手数料変革迫る 送金・外貨両替で:日本経済新聞
英国がBrexitで強気な理由の1つがこれです。元々大手銀行の寡占で手数料がバカ高かった英国では、国の法律で銀行にフィンテック企業へのAPI公開を義務付けたことで、フィンテックで世界をリードしています。API公開とは、銀行が保有する決済などのシステムへのアクセス制限を課しているため、フィンテック企業はユーザーの委託で口座へアクセスするのにユーザーからパスワードの通知を受けて行う訳ですが、当然セキュリティが甘いとハックされて外部流出して結果的に不正アクセスにつながる訳ですが、フィンテック企業に直接アクセス権を与えて限定的にユーザーの代理人としての権限を与えれば、問題を回避できます。ユーザーは銀行窓口へ出向くことなく振り込みや海外送金などのサービスを受けられ、競争環境で手数料も割安になるということになります。

ただしこれマイナス金利で青息吐息の日本の銀行はなかなかAPI公開を認めず、国内フィンテック企業が育ちません。そこへ英国フィンテック企業が黒船として襲来するって話です。ただしガラパゴス・スモールブラザーズで指摘したNTTデータの通信網の独占問題が絡みますので、簡単ではありませんが、公正取引委員会が調査を始めており、結果如何では風穴が開く可能性はあります。

そのときに力を持った英国勢に国内フィンテック企業た太刀打ちできるかって問題はあります。またやむを得ない部分ですが、COBOLで記述された基幹業務システムを維持改良しながらセキュリティ対策を取る銀行システムの維持費が高止まりしていることも問題なんですが、さりとてコストダウンのためにクラウドに乗り換えることが簡単にできない悩みもありますし、みずほのシステム統合でトラブったように、特に経営統合機運が強まる地方銀行にとっては頭の痛い問題です。で、基幹業務システム問題は実はJRにも頭の痛い問題でもあります。

タッチしやすい改札機 JR東、新宿駅などで実証実験:日本経済新聞
JR東日本が首都圏で自動改札機を本格導入したのが1990年ですが、この時点でSuicaの開発計画が進行中だったこともあり、10年後をめどにSuica対応機が開発され予定通り更新されました。2010年にはマイナーチェンジ版の現行モデルに交換されてはや10年。次世代モデルを新宿と高輪ゲートウエイ駅で試験導入してテストを行うというものです。

目玉はQRコード読み取り装置を装備してQRコード決済のテストを行うものですが、Felicaシステムはコイルによる電磁誘導の仕組みを使って無電源で瞬時に読み取りが可能なのに対し、QRコードは光学的に読み取って変換する関係で動作に遅延が生じるため、特に混雑する首都圏の駅では動作に問題がないかどうかを慎重に見極める必要があります。加えてユーザーがスマホを操作してアプリを立ち上げる必要があり、混雑する駅で混乱しないかも見極める必要があります。ただしSuicaであれQRコードであれ、固有のID番号を読み取って処理する部分に違いはありません。

とするとQRコード導入の意図は何かってことになりますが、1つは将来的に磁気券の廃止を視野に入れているのでしょう。既に航空の搭乗口では搭乗券をスマホへダウンルードするか紙にQRコードを印刷してゲートの読み取り口にかざす形になっており磁気券の搭乗券は過去のものになっています。となると駅の自動券売機が空港の自動チェックイン機のような形になってユーザーのスマホにダウンロードされる形が考えられます。メリットとしては情報量を盛り込めますから新幹線を含む特急券などとのセット券も簡単に対応できますから、Suicaより汎用性が高まります。

2つ目はローカル線のチケットレス化が低コストで可能になる点でしょうか。ローカル線の場合首都圏のような混雑はあまり考える必要がなく、また読み取り機とクラウドで簡単にシステムが構築できるなどコスト面で有利ということもあります。ただしこれはSuicaの裏側で動く鉄道の基幹業務システムとは異質のシステムなので、ローカル私鉄が単独で導入するならともかく、JRが導入する場合は現行の基幹業務システムとの整合性が問われることになります。JRにとっては構築してきた基幹業務システムを簡単に変更できないだけに、悩みの種になるでしょう。

一方、MaaSを視野に入れると、戸口から駅、駅から戸口のラストマイル輸送との連携でSuica対応はコスト面で課題がありますから、それを睨むとQRコードシステムに優位性がある訳で、両者をどう繋ぐかは大きな課題です。銀行とフィンテックの関係に似た構図が見えてきます。

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Saturday, February 08, 2020

風邪は寝て治せ

新型コロナウイルスで世界が大騒ぎしてます。2003年のSARSのときのことが思い出されますが、当時世界のGDPの4%に過ぎなかった中国も今や16%のシェアとなり、しかも経済のグローバル化でグローバルバリューチェーンによる国際分業の深化もあり、将に中国が風邪ひくと世界が震える状況と言えます。例えばイラン情勢の悪化で跳ね上がった原油価格は中国経済の低迷を織り込んで下落し、1バレル50ドルを付けるなどしてます。シェール革命でアメリカが石油の純輸出国となった結果、世界最大の石油輸入国となった訳ですから、無理もない話です。

今回の新型肺炎の特徴は、感染力が強い一方、致死率は1%に満たないと見られていて、健康な若者では未症状や軽症で回復するなどしており、そもそも診断が難しく発見が困難なんです。但し持病持ちの高齢者などで重症化が見られ死者も出ている訳ですから、警戒は必要です。その意味で日本の対応は疑問だらけですが。

新型肺炎告発、中国の医師死去 処分から一転英雄扱い:日本経済新聞
いち早く警鐘を鳴らした中国人医師は「デマを拡散した」として武漢市の公安当局から処分を受けましたが、それでも混乱の中医療査読誌に論文を発表し世界に知らせた結果、北京政府やWTOを動かした訳です。結果的に2003年のSARSのときより的確な情報開示がされました。

驚いたのは中国ではSNSのウィーチャットで遠隔診療が可能になっていて、多くの肺炎患者は遠隔診療で対応されていることです。日本じゃ医師会の反対で実現できていませんが、日本に比べて広い国土と巨大な人口を抱え医療セクターが相対的に弱い中国では、それをハイテクで補うことが普通に行われていて、軽症者は自宅待機を命じられ、病院には来させないようにしているそうです。風邪は寝て治せって訳ですね。勿論重症者は命にかかわりますから対応されますが、日本のように医療へのフリーアクセスが当たり前だと、寧ろ元気な感染者が病院に集まって院内感染を助長する恐れがあります。

この辺の対応を単に強権的な監視社会といったステレオタイプな見方をしてしまうとおぞましく感じますが、極めて合理的な対応がされてます。それでも封じ込めに失敗している訳で、今回の新型肺炎の影響力は相当大きいと見るべきです。その意味で日本政府の対応は完全に後手に回ってます。それを象徴するこんなニュース。

船旅ならではの環境が要因か クルーズ船集団感染:日本経済新聞
横浜港のダイヤモンドプリンセス号ですが、クルーズ船という閉鎖空間で多くの乗客乗員が足止めされてますが、これ院内感染ならぬ船内感染を助長しているんじゃないかと思います。それが証拠に感染者が増え続けている訳で、乗船中の乗客乗員はさぞかし不安なことでしょう。

重症化しやすい高齢者も多数乗船していて、持病のクスリが切れそうだという声に応えて医薬品も搬入されてますが、量が足りないだけでなく、外国人から日本で未承認のクスリのリクエストもあり対応に困っているといいます。こういう人は指定病院の隔離病棟へ移した上で、未発症の人は暫くの自宅待機を条件に下船させ、船を消毒することで、逆に今後の発症者の隔離先にも使える訳ですね。ホテル三日月の洋上版です。しかしクルーズ船の受け入れ拒否が広がり,彷徨えるクルーズ船が行き場を失っております。これで船内感染を拡大させたら、だれが責任を取るのでしょうか?

あと感染が疑われる外国人の入国拒否とか、水際作戦は無意味です。上述のように無症状や軽症で回復する人が多く、そもそも発見が困難である以上、ある程度の感染拡大は防ぎようがありません。しかし軽症者が多いってことは、通常の風邪やインフルエンザ程度の対応で、短期間の自宅待機などで感染拡大自体はある程度防げる訳で、死に至る可能性のある重症者へのケアを重点的に行うべきでしょう。軽症の感染者が病院に殺到して院内感染が拡大するようじゃ寧ろ事態は悪化します。

SARSのときは有効な治療法も確定しないまま8か月ほどで終息しましたが、今回の感染拡大の様子を見ると、それ以上の影響を覚悟する必要あります。場合によってはオリンピック、パラリンピックも中止を余儀なくされることも考えられます。逆に適切な対応で早めに終息する可能性もあります。中国のハイテク医療の実態はSARS当時と大違いです。

発生が確認されたのが武漢市というのも感染拡大を後押ししています。武漢市は長江中流域唯一のメガシティで人口1,000万人を超える大都市で、位置的には大陸中国のへそと呼べるところで、長江の水運があり、また北京―広州間と上海ー重慶間を結ぶ高速鉄道の交点に位置する交通の要衝です。つまり主要都市との移動が便利な場所ってことで客貨の往来が多く、自動車や電子部品など製造業の集積地となっています。喩えればアメリカのシカゴや日本の名古屋のような位置づけですが、人口は巨大です。肺炎封じ込めに失敗したと批判される武漢市当局ですが、1千万都市を封鎖するような決断はそりゃ国家主席クラスじゃなきゃ無理ってもんです。

そして製造業の操業停止が相次いでおり、再開のめどは立っておりません。長引けば中国経済の低迷を通じて世界経済の足を引っ張ります。既に中国人民銀行は利下げを決めており、軟着陸を模索しますが、気になるのは武漢市で死者が多いこと。これ致死率が同じとすれば、結局分母の感染者総数が把握しきれないほど多いことを示唆します。短期間の終息は期待薄でしょう。

中国の高速鉄道はある意味日本の新幹線のコンセプトに忠実で、高速鉄道を整備して旅客列車を移し、空いた在来線の貨物輸送を強化するというもので、かつて田中角栄氏が日本列島改造論で示した構想が実現している訳です。長江の水運と共に活発な貨物輸送を鉄道が支えている訳ですが、武漢市の製造業集積が止まれば貨物輸送も減る訳で、中国の実体経済の指標として李国境首相が唱えた所謂李国境指数でも貨物輸送量が取り上げられたほど、鉄道貨物の位置づけは大きなものです。翻って日本の整備新幹線は鉄道貨物にストレスばかり与えてますが^_^:。

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