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May 2020

Saturday, May 30, 2020

マイクロオフィス365

緊急事態宣言が解除され、揺り戻しか一部で渋滞や密集が見られますが、COVID-19を克服した訳じゃないので、引き続き警戒は必要です。故に乗り鉄どころか駅前に出るバスも自粛してますが、ネタ探しできないのが悩みです^_^;。そういや鉄道ジャーナル最新号の列車追跡シリーズはリバイバル掲載と趣味誌も苦しんでます。てなどーでもいい話が吹っ飛ぶえらいことが起きてます。

中国、香港に「国家安全法」導入方針決定 全人代閉幕:日本経済新聞
これ三蜜で即身成仏で指摘したコロナ禍による米中対立の不可逆的な悪化の結果です。貿易摩擦なら妥協を伴うとはいえ外交的解決の可能性がありましたが、最早その段階を超えたと中国当局が認識した結果です。元々一国二制度は台湾の復帰を睨んだ中国側のアピールでもあった訳ですが、コロナ禍で初動を失敗したことで中国政府は批判を浴び、更にマイナス成長で統治の正当性に疑義が向けられる中で、国内向けに強硬な対応を取らざるを得ない状況ということで、習近平体制が言われるほど盤石ではない結果です。

加えて1億人ほどいると言われる先進国レベルの所得層の政治的影響力が増した結果、香港を思うように統治できないことに対する中国国内の世論の不満もあります。一方、そうした高所得層は自由度の高い香港への移住が進み、狭い香港で不動産価格の高騰をもたらした結果、元々の香港人が家を買えない事態に陥り、大陸からの移住者への反発が強まっていました。故に雨傘運動から始まり逃亡犯引き渡し条例撤回などのデモは主に将来に不安を抱える学生主体で進み、大人たちが支援する構図となりました。これ60年安保闘争当時の日本が、安全保障の米軍依存への不安を学生が先導して多くの国民を巻き込んだ構図とそっくりです。

一方のアメリカもトランプ政権の初動ミスでCOVID-19の感染拡大で大統領選の再選が怪しくなったトランプ大統領は、中国に責任転嫁して乗り切ろうとしています。こうなるともう話し合いで落としどころを探るどころじゃなくなり、既に香港優遇の見直しに突き進んでますが、更に金融制裁を課して米銀との取引を制限する可能性もありますが、北朝鮮やベネズエラと違って世界第2位の経済大国ですから、簡単には従わないでしょうし、世界を巻き込んだ報復合戦となると、世界中が振り回されます。コロナ後のV字回復はなさそうです。

寧ろニューノーマル(新常態)を考えるべきです。各国ともロックダウンなどで経済にブレーキをかけざるを得ない中で、国民生活や雇用の支援などで財政出動を余儀なくされてますが、財政出動に合わせて中央銀行の金融緩和で金利上昇を抑制する流れもある訳で、例えば米FRBのゼロ金利尾が典型ですが、財政出動で増発される国債を買いオペで支えて中長期の金利を抑制するということを始めた訳で、これ黒田日銀のイールドカーブコントロール(YCC)をFRBが取り入れたに等しい訳です。その結果金利が人為的に抑え込まれて低金利が続く一方、それ故にリスクマネーが拡大して株式に資金が流れ込む訳です。故に説明のつかない株高が実現している訳です。

つまり金融緩和で資金は潤沢だけれども、それを活かす借り手の不在という合成の誤謬が起きている訳で、実はコロナ禍をきっかけに世界が日本に追いついてきたってのが新常態の本質です。つまり世界デフレが進行するってことです。経済を支えるための財政出動はやめられないし、それを支える金融緩和もやめられない結果、金利が消滅してタンス預金が合理的選択になる世界ってことです。これは個人も企業も同じで、ある意味日本企業が内部留保を積み増してきたことは正しかったのか?

社畜の国のリモートワークは、よく考えたら労働法改悪で取り上げられ断念された裁量労働制の拡大が図らずも実現し、残業代カットも実際行われているようですから、恐らく多少の問題ああっても企業は進めようとするでしょう。とはいえ問題山積で、特にセキュリティ面の問題は相当な重荷になりそうです。暗号化による公衆回線上の仮想イントラネットとも言うべきVPNの導入で特需が起きているようですが、暗号化と復号で遅延が生じますから、リモート会議には不向きですが、Zoomは手軽だけどセキュリティが弱点になるなど、課題はいろいろあります。加えてこんな問題も。

在宅ワークの費用、だれが負担する? 就業規則で明確に:日本経済新聞
在宅ワークに伴って生じる通信費や光熱費の増加を家計で負担することになれば実質賃下げと一緒ですが、おそらく就業規則でこの辺を明確にしている企業は少数派でしょう。特にコロナ禍で必要に迫られて始めた会社は、この辺を曖昧にしてやり過ごそうとするでしょう。労組を通じてものが言える会社も多数派とは言い難いところです。

加えてウサギ小屋とも揶揄される日本の住宅事情では、必ずしも個室が用意されているとも限りませんし、下手すれば夫婦共働きで場所取りを争い、更に子供のリモート学習まで対応するってことになると、どれだけの大邸宅が必要なことになるでしょうか。その結果通勤時間の節約はあっても寧ろ非効率になったりストレス抱えたりして脱落する人が増えるとすれば、ワークライフバランスどころじゃなくなる訳で、「働き方改革」の掛け声が如何に空疎だったかってことです。在宅のマイクロオフィスはブラックな毎日になりかねません。

加えて通勤電車の混雑は緩和されるかもしれないけれど、独立採算前提の日本の交通事業では、結局採算が取れなくなって減便や撤退が相次ぐ可能性も指摘できます。既に上尾市の丸健自動車が民事再生手続きで事実上破綻しましたが、問題は救済合併や資金支援をする側に余裕が無くなっていることです。丸健自動車もM&Aを打診していたけれど成立しなかったってことで、事業を継続できずに憤死する事業者が出てくる可能性があります。そのとき自治体が救済に動けるでしょうか?唯でさえコロナ禍で疲弊している中で、その余力は乏しいと言わざるを得ません。

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Sunday, May 17, 2020

マスク、マスク、マスク

私自身はマスクする習慣は無いし、感染を防ぐ効果が乏しいので、マスク無しで通そうと思っておりましたが、取引先でマスク着用を要請されて已む無く入手した布マスクを着用し、毎日手洗いしております。あーメンドクさ。ちなみにアベノマスクではありません。届いてないし。

医療品、海外依存度高く 感染爆発の備えに不安:日本経済新
マスク問題はコロナゲートウエイでも取り上げました。その際に情報の攪乱によるナッシュ均衡(囚人のジレンマ)で説明いたしましたが、yamanotesenさんのコメントで「合成の誤謬じゃないか」というツッコミもいただきました。まあ双方の要素がある訳で、現実の事象ではこうしたことは珍しくありません。

合成の誤謬の典型的な事例は貯蓄投資バランスの問題で見られます。社会の構成員が全員貯蓄に励むと、借り手不在でリターンを期待できない一方、全員が貯蓄を取り崩して借金に頼ると、貸し手不在で金利が跳ね上がり経済を冷やす訳で、日本でデフレと称された現象は前者に該当します。故にアベノミクスや黒田バズーカでデフレ脱却という議論は寧ろ逆効果で如何にバカバカしいかがわかります。

マスクに関してはグローバル化に伴うサプライチェーンの拡大による国際分業の影響が背景にあります。医療品は元々輸入超過状態で、医薬品は国内メーカーの有力特許失効と多額の開発費を費やした海外メーカーの高額医薬品の差がある一方、マスクや防護服などの消耗品は中国を中心に海外生産が定着していた訳ですが、その中国の武漢で爆発的感染が起きて国内需要が爆発的に増えた結果、日本向けに生産されたものも中国港内で消費され日本に回らなくなりました。何のことはない生産の中国依存の必然的結果なんです。

加えて一部は東南アジアなどへ生産拠点を移す分散化も進んではいたものの、規模は小さく、加えて遅れて感染拡大しいてやはりマスク輸出が差し止められる事態になり、結局品薄の解消には至りませんでした。とはいえ中国を含むアジア地域の感染は落ち着いてきており、また内外で増産がかけられた結果、徐々に供給量が増えて入手可能になってきました。結局需給の均衡によってしか解消しない問題です。

その意味で「布マスク配布を決めたから、マスクバブルが弾けて転売ヤーが涙の投げ売り」というストーリーを語る人々の頓珍漢ぶりも指摘できます。未だ5%しか配布されていないアベノマスクを過大評価したいだけの妄言です。そういや安倍首相も国会答弁で言ってたな。おまけですが、多くの日本人にとっては未経験の、夏のマスク地獄が待ち受けています。くれぐれも熱中症には注意しましょう。ことほど左様に国民生活と乖離した政府の姿勢は困ったものです。

マイナンバー、10万円給付で注目だが… 活用で海外と差  税財政エディター 小滝麻理子:日本経済新聞
マイナンバーカードを用いた電子申請がスタートした結果、自治体窓口に人が殺到して密状態という笑えないことが起きています。政府としては10万円の特別支給を梃子に20%しかないマイナンバーカードの発行を増やそうとしたものの、当然これを機にマイナンバーカードを作ろうとする人が自治体窓口に殺到する訳ですが、それに留まらずオンライン申請手続きがうまくいかなくて問い合わせが殺到しているという状況です。

1つは意外なことにマイナンバーを発行した人の年齢層が高齢者に偏っていてITスキルが必ずしも高くなく、二重パスワード認証などの仕組みを理解できていないとか、専用カードリーダー若しくは対応スマホが必要だけど、ガラケーのみでPCすら持っていないとか、マイナンバーカードを巡るお寒い現実の壁に直面している訳です。

三蜜で即身成仏で指摘したように自治体の課税台帳使えばマイナンバーカードは要りません。個人または勤務先の何れかで申告納税していれば漏れはないですし、扶養家族などの情報も把握されてますから、あとは通信事務で世帯全員の氏名と指定振り込み口座を通知してもらうだけで非接触で手続きできます。既存の制度インフラを使い尽くせってことですね。

マイナンバーカードに関しては、国による個人情報取得への拒否感が国民側にありますから、何故必要なのかを本質的なところで説明する必要がありますが、これまで国の説明ではワンストップでコンビニで手続きできて便利といった枝葉の部分が強調されており、国民の納得を得られておりません。この辺古くは納税者カード(グリーンカード)や住基カードの失敗の総括が出来ていないってことでもあります。

グリーンカードに関しては資産課税を含む総合課税のインフラになるとして当時の大蔵省と社会党がタッグを組んで推進し、専用コンピューターセンターまで作られましたが、結局法案成立に至らず実現しませんでした。住基カードは記憶に新しいですが、マイナンバーカードとの重複で無意味化しています。

何故こうなるかというと、結局アベノマスクやアベノコラボが側近の官邸官僚の提案だったように、現場を知らない人間の思い付きでことを進めている結果だってことでしょう。そして普及率の上がらないマイナンバーカードの普及促進という雑音に流されて現場はパニックってことですね。そういう意味で密かに注目しているニュースがあります。

JR四国、コロナで業績悪化 4月の損失「残り11カ月で補えない」:日本経済新聞
前エントリーで取り上げたJR四国の資金繰りが悪化し6月にもアウトという状況です。交通政策基本法の定めるところにより事業者と自治体の協議を経て国に助けを求める手続きとなりますが、現実はそこまで持たないほどひっ迫しています。加えて忘れてならないのはJR四国はJR北海道やJR貨物と同様国全額出資の根拠法に基づく特殊会社であるため、勝手に全業廃業したり解散したりできない立場ってことですね。国は株主として資本注入なり融資なり債務保証なり何らかの姿勢を示す必要があります。こういった法律の建付けを政府は理解しているかどうか。検察官の定年を勝手に延長するような遵法精神欠如が見られる現政権ではまともな対応は期待できないかも。
#検察庁法改正案に抗議します
検察庁法改正案の強行採決に反対します

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Tuesday, May 05, 2020

出口が見えないアベノ自粛

予想されたこととはいえ、緊急事態宣言の延長が決まりました。そしてプロンプター読んでるんだけの「台本営発表」とも謂われる首相記者会見で、緊急事態宣言の解除の基準は語られませんでした。8日を8月に読み違えたみたいですが^_^;。出口が見えないという意味でアベノミクスと同じです。加えて検査体制の拡充が未だに実現できていないために、そもそも出口を判断できるデータがないという現実もあります。

この辺統計135°の歪みで指摘した統計不正問題に通じますが、現状を正しく把握できないから緊急事態宣言解除のような責任のかかる決断が出来ない訳です。あと内緒ですが伝染ルンですアベノミクスで指摘した消費指標を家計調査ではなく商業統計に切り替えてインバウンド消費が二重計上されていた疑惑ですが、コロナ禍でこっそり見直されてます。嘘が下手な嘘つきの典型的対応です。

あと「新しい生活様式」とかいう大きなお世話を専門家会議が発表しましたが、これ政府の諮問に基づいた助言機関がなぜ国民向けにこんな発表するのかですが、助言に基づいて責任を負うべき側に責任を負う姿勢が見えず、専門家会議に丸投げしている状況が透けて見えます。政府への助言が暖簾に腕押しでは、国民に語り掛けて協力を得るしか手段がない訳で、余計なことをさせられている訳です。当然専門家会議としては責任を負えず安全側へ判断が偏りますから、出口の判断はますます遅れます。

てことで巣篭りは長引きそうです。そうなるとリモートワークの範囲が拡大することになります。既に通勤定期券の払い戻しが増えており、加えて年度替わりで買い替えが多い4月もおよそ3割減ということで社畜の国で指摘した企業の通勤手当支給見直しがさらに進むことになります。その結果鉄道事業者が苦境に陥ております。

記者の目 JR東、コロナで見えた鉄道の盲点 3割減収なら利益ゼロ  証券部 堤健太郎:日本経済新聞
JR東日本だけの問題じゃないんですが、大都市圏の通勤需要で支えられている事業者にとっては、割引とはいえ前払いで収益を現金化できる定期券売上は経営安定のキモであり、経営の基礎体力をもたらします。記事で指摘されている固定費のかなりの部分を定期券売上でカバーし昼間や土休日の定期外客で上乗せすることで利益の最大化を図る訳ですが、こちらも外出自粛で激減している訳ですから、JR東日本と言えども1-3月期に赤字転落してますし、現状では4-6月はもっと悲惨です。

収益構造から言えば、運輸収入の依存度の高いJRの方が関連事業収入が多い大手私鉄より厳しい訳です。例外的に関連事業比率の高いJR九州は安泰かと言えば、ライバルの西鉄と比べれば生活関連事業で沿線にドミナント形成という水準には達しておらず、営業エリアが広すぎるから仕方ないんですが、トータルな経営体力では苦しいところです。

加えて整備新幹線が重荷になります。整備新幹線は30年リースで負債を計上している訳で、特に整備新幹線区間が長いJR東日本には重荷でしょう。救いは水害で水没した北陸新幹線E7系廃車に伴って延命されたE4系を廃車して減便することである程度出費を防げますが、リース料は固定費としてのしかかります。鉄道・運輸機構による債務繰り延べの可能性は、リース料が北海道新幹線などのの整備費用として見込まれており整備を止めることになりますから、難しいでしょう。

それでも莫大な減価償却費があり、JR東日本でおよそ2,000億円規模ですから、投資の抑制によってキャッシュアウトを防ぐことは可能ですが、ホームドア設置やバリアフリー化などは減らせませんから、車両更新や新線建設が抑制されると考えられます。航空業界の逆風もありますから、羽田空港アクセス線は幻の新線計画になる公算大でしょう。

この流れで言えば関空アクセス輸送を睨んだ大阪のなにわ筋線もヤバいかも。泉北線と市営地下鉄の売却益で府市共に財源確保してメトロの稼ぎ頭の御堂筋線のライバル路線を作るという倒錯が起きる訳ですから。

JR東海も稼ぎ頭の東海道新幹線で8割減ですから、長引けばリニアを諦めることになりそうです。名古屋リニヤだがや以来疑問を指摘してきた中央リニアも幻になる訳です。それでも財務体質の強いJR東海はある程度持ち堪えるでしょう。JR西日本は赤字ローカル線の整理に活路を見出すと考えられます。中国地方の路線網はかなり整理されそうです。JR九州は上場時に経営安定基金を取り崩して資産の減損処理と整備新幹線リース料の前倒し支払いで負担を減らしてますが、やはり赤字ローカル線整理に踏み込むことになるでしょう。本州3社と比べて財務体質の弱さは否めません。そしてJR四国ですが。

JR四国に国が改善指導 自立経営阻む2つの「老い」:日本経済新聞
コロナショックで真っ先に連想されるのはJR北海道でしょうけど、札幌都市圏への経営資源集中を前提とした再建策で先が読めるJR北海道に対して、エリアに大都市圏が存在せず、過疎化と高齢化が止まらないJR四国の方がより深刻です。とはいえ関係の深いJR西日本に助けを求めたくてもその余裕はなく、そこへ外出自粛が重なる訳ですから、出口が見当たりません。四国だけ三蜜解禁してお遍路さん呼び込むか?

鉄道として残すならば何らかの財政支援が必要ですが、JR北海道でも見られるように、結局交通政策基本法で謳われた地元自治体の関与が無いから国が動かないという倒錯が起きる可能性があります。JRでこれですから、過疎地の地方ローカル私鉄で持ち堪えられないところはちらほら出てくるでしょう。アベノ自粛は公共交通を枯れさせる可能性大です。

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