風邪ひかない人たち
5月25日の記者会見で日本のコロナ対策を自画自賛した安倍首相や日本の感染者の少なさを問われて国民の民度の高さと答えた麻生財務相のニュースを聞くと、この国で古くから言い伝えられたフレーズが頭の中でリフレインします。山中伸弥京大教授のファクトX はこれかい?
よく考えたら国民は風邪ひくからコロナ禍は恐怖であり不安なんですが、その国民の代表が風邪ひかない人たちだとすれば、風邪ひく人の恐怖や不安がわからないから的外れなのかも。アベノマスク然りアベノコラボ然り。検察庁法改正案然り。国民もいい加減風邪ひく普通の人を代表に選ばなきゃ^_^;。当然自粛解除後に感染者数が高いレベルで続いている東京都の知事選びも普通に風邪ひく人が良いのは言うまでもありませんwww。
そして鉄道界で最大の話題はこれでしょう。リニア27年開業延期へ
JR東海と静岡県の協議平行線:日本経済新聞予想された結果ですが、JR東海と静岡県の主張は平行線のまま、川勝知事は折れなかった訳です。
名古屋リニヤだがや以来リニアに否定的なスタンスを取ってきましたが、特に自己負担で名古屋までの先行開業を打ち出したことで、決定的に無理と判断しました。つまり新幹線買い取り代金のローン負債5.1兆円の支払いが2017年に終わり、その部分のキャッシュフローが余剰となるので、名古屋までならギリギリ何とかなるということですね。名古屋まで先行開業して収益化した上で、大阪延伸を後回しにすれば国の支援なしに事業化可能と弾いた訳です。
これの何が問題なのかはわかりにくいかもしれませんが、ほとんど綱渡りに近い資金計画ってことです。よく言われる東海道新幹線との比較では、東海道新幹線の事業計画では事業費2倍で収益が半分でも収支は黒字という手堅い投資だった訳で、経営判断としてやらない理由がなかった訳で、実際当初1,900億円と見込んだ事業費は倍以上の3,900億円に膨張した一方、開業後の営業成績は好調で、赤字体質の国鉄の屋台骨を支える存在になりました。背景には戦後復興で人口増と経済成長が軌道に乗っていて、需要の上振れが見込める時代だったとこもあります。
それに対してJR東海の中央リニアエクスプレスのそれは事業費の大枠が決まっている上、人口減少が始まって経済成長がほぼ見込めなくなっている中で、リニアの収益も不透明なんですから、ほとんど綱渡りと言って良いほどリスキーなんです。故に事業費膨張が避けられない開業延期はJR東海にとっては不都合ですが、だからと言って環境問題を犠牲にして良い訳ではありません。だからJR東海は開業延期を避けたいから着工を認めてくれの一点張りで、川勝知事が求める厳格な環境アセスメントにはほぼゼロ回答ですから、もの別れに終わるのは当然です。
伝えられるところでは川勝知事はリニアには反対しないことを表明し、品川―山梨県駅間の部分開業の提案もしたということですが、まさか山梨リニアエントリー読んだ?但し私の提案はもっと過激で^_^;どうせリニアは実現可能性低いんだから、コンセプト見直して100km程度の中距離の高速輸送システムにすれば汎用性が出て実現可能性が高まるという提案だったんです。
つまり実験線として神奈川県駅と山梨県駅の駅間の大半が出来ていて、前後に数キロ伸ばすだけで実現でき追加コストが抑えられる上、距離と速度から1編成による機織り運行で需要をカバーできるから制御も容易で低コストで実現できます。あとは京王電鉄が相模原線内160km/hのリニアリレー号で新宿―橋本間30分で結べば需要は取れるというもの。実現してシステムとしての優位性や安定性が実証できれば、札幌―新千歳空港間、羽田空港―成田空港間、伊丹空港―関西空港間など短時間移動の需要が見込めるところへ外販できるから開発費の元もとれるよっていう前向きな(笑)提案だったんですけどね。しかも火元は葛西敬之JR東海会長(当時)なんですが。
あとちょっと気になったこのニュース。
JR4社、持ち合い株増 「信頼醸成へ有効」:日本経済新聞JRの上場4社間で株式持ち合いが進んでいるということですが。元々鉄道事業者は長期的に安定した取引関係を重視する傾向から株式持ち合いは多いんですが、国鉄改革の成果として上場を果たした4社間での株式持ち合いとなれば、国鉄一家の再現という有り難くないものを連想させます。実際4社トップは揃って国鉄OBですし。JR東日本初代社党の元運輸官僚住田正二氏がリニアをけなしていたようなことは考えにくくなります。風邪ひかない人たちなんだろうか?
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