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February 2021

Sunday, February 28, 2021

中国デカップリングの同床異夢

管首相長男の総務省接待に留まらず、贈収賄事件で訴追された吉川元農水相と秋田フーズ代表との会食に同席した農水官僚も処分されました。気の毒なのは農水省の場合閣僚の不正に巻き込まれた感がある点ですが、これ森友学園疑惑での安倍前首相の「議員もやめる」発言を受けて財務官僚が公文書改ざんに手を染めたいおうに、元を質せば政治家の利益誘導が火元な訳ですし、総務省接待も首相の長男だったから断れなかった可能性が高いという意味で火元は政治家と言えます。火元を消さないと解決できません。

栃木県足利市の山林火災が続いておりますが、オーストラリアやカリフォルニアの山火事は遠い海外の出来事だったけど、身近で起きたことで認識を改めさせられます。山林は広大な空間に樹木が密集していて、一旦火が出て延焼すると、消火活動が困難なんですね。そもそも消火栓から延ばす消防ホースが届かないし、都市や田園と違って延焼の緩衝帯となる道路や田畑などの空間が無いところへ、乾燥と強風に煽られてれば近づくことすらかなわない訳で、ヘリで水を落とすぐらいしかできない訳です。

しかも火が強ければ低空からの水投下は難しいですから、高高度からの投下となり、水は塊から飛沫化してバラバラ落ちる訳ですし、雨のように連続で投下できる訳じゃないしで、消火は困難を極めます。火元に近づけないという意味で官僚接待問題と似ているような。ちなみに公務員倫理規程のきっかけとなった大蔵省過剰接待事件とは当時の武藤敏郎官房長がクビになったノーパンしゃぶしゃぶ事件のことです。森友事件の佐川理財局長が国税庁長官に出世したり、武藤氏が五輪組織委に再就職したりと、政治家の覚えめでたいといいことあるという現実を変えない限りどうにもなりません。火元が大事。

そんな中で世界は動いています。取り上げたいのはこの2つのニュースです。

米が基幹産業で脱中国 半導体など、同盟国と連携模索:日本経済新聞
米大手銀が中国シフト 成長余地大きく関係緊密:日本経済新聞
アメリカの矛盾に満ちた現状を伝えます。コロナ禍で傷ついたアメリカにとって、医療品や半導体などの中国依存が進んでいた実情を明らかにしました。一方、香港やウイグル問題で強硬策をとる中国への圧力の意味もあり、中国デカップリングに舵を切る姿勢を鮮明にしました。経済と安保を連動させる姿勢が鮮明になった訳です。これはこれで歓迎すべきことですが、同盟国に協調を求める姿勢も鮮明になり、日本にもあれこれ注文を付けるってことですね。

対中安保と言えば尖閣問題としか言わない日本ですが、尖閣の防衛に踏み込んだと喜ぶべきことというよりも、中国海警法が国際海洋法で定める航行の自由の原則に反するというところに注目すれば、領土問題不介入の原則をアメリカが見直したんじゃなくて、中国の国際法違反への対応に焦点を当てたもので、アメリカの姿勢は変わっていないと見るべきです。主戦場は台湾海峡と南シナ海であり、尖閣はついでのリップサービスです。狙いは現状維持であり、その意味で台湾独立派への牽制もしています。

もう少し踏み込めば、中国が海洋主権に対して明らかな誤解をしていて、陸上の国土のような主権を海洋にももたらそうとしていることは、ある意味中国を責めるポイントになり、国際世論を味方につけられるということでもあります。ホワイトハウスに外交のプロが戻った結果、中国にとっては寧ろ手強い相手になったということです。但しタフな外交交渉を強いられる訳で、同盟国である日本が抜け駆け的な対応を取ること、例えば尖閣上陸とかの政治パフォーマンスには圧力をかけて対応すると見て良いでしょう。

同時にアメリカで失われた国内製造業の修復再生への支援も求められます。つまり日本企業の製造拠点の誘致や老朽インフラの補修やリプレースに対する資金拠出などが求められるでしょう。テキサス高速鉄道に意欲を燃やすJR東海にとってはチャンスかも。但し米銀はそんな政府の姿勢に関わらず高金利で手数料収入も多い中国シフトを鮮明にしています。とすると日本企業のアメリカ進出は米銀に頼らずに自前でファイナスする必要がある訳で、邦銀のドル調達プレミアム(上乗せ金利)負担を強いられる訳です。なかなか難易度高いですね。

ぶっちゃけ金融は規模の経済の世界ですが、アメリカを含む先進国の低金利では規模だけではどうにもならない訳で、だからこそ成長力があり高金利な新興国へ資金がシフトしてきた訳です。中国の経済成長もこうした資金シフトに支えられてきたものですし、巨大化しても尚成長余地があり金利も高いし、特に米ドルの通貨覇権を背景にフィーを稼げる米銀の立場は強い訳です。バイデン政権が経済と安保の連動で基幹産業の国内回帰やインフラ整備を打ち出しても、米銀にとってはさほどおいしい話ではない訳です。

加えて言えばそもそも製造業の新興国シフトは先進国の賃金の高止まりが促したもので、中国も例外ではありません。高くなったとはいえそれでも中国の賃金水準は先進国から見れば魅力な訳ですし、加えて国内富裕層の拡大で国内消費市場の魅力が増している訳で、この観点から中国との関係を断つのは容易ではありません。日本もそうですが、韓国、ドイツなど中国内需依存の強い国がアメリカのデカップリング政策に協力できる余地は限られます。そもそもアメリカのGMも中国で売上を作ってますし。

加えてコロナ禍が中国に追い風となっている現実もあります。何だかんだで主要国の中でコロナを克服して経済成長を実現した国は中国だけで、2020年も主要国で唯一プラス成長を実現している一方、変異種の脅威にさらされている先進各国は終息のめどは未だ立ちません。厄介なのはRNAウイルスであるコロナウイルスは当たり前に変異しますし、変異はランダムに全方位に起こる訳で、結果的に免疫迂回など感染拡大に有利なウイルスが生き残りますから、感染力を更に高める可能性が高く、いずれ現時点で有効とされるワクチンの無効化も視野に入ります。

その意味で現在先進国で展開されているワクチン争奪戦は事態をさらに悪化させる可能性があります。元々医療や衛生環境が脆弱な途上国へのワクチン供給はハードルが多く、国際協調で秩序立てて行う必要があります。それに対してアメリカでは自国民優先で国内生産分のワクチンの国外供給を止めてますし、いち早くワクチン接種に踏み切ったイギリスでは、コロナ対策で苦境に立ったジョンソン首相の「Brexitのお陰で早期承認が出来た」とのプロパガンダに政治利用されている状況で、EUは加盟国の調整で身動きできない状況ではありますが、全加盟国の公平性と加盟国の薬事承認の歩調を合わせるという難易度の高い調整を強いられている状況です。日本は単純に出遅れただけですけどね。

つまりワクチン接種の遅れで途上国の感染拡大が今後とも続くとすれば、途上国発の変異種による感染再拡大が何度でも起こり得ることを意味します。とすると中国デカップリングで途上国への生産シフトをしたくても出来ないことが現実化する訳で、ますます中国デカップリングを困難にさせます。ついでに言えば未知の変異種が繰り返し出現するような状況で五輪開催ができると考える楽観論はこうした現実を見ていない訳です。

最後にテキサス高速鉄道のかの可能性が開けるかもしれないJR東海の悲報です。

JR東海、2340億円赤字 今期最終、新幹線低迷が痛手:日本経済新聞
今期4,500億円の赤字を見込むJR東日本と比べれば約半分の数字ですが、2020年3月期に4,000億円近い黒字計上だったことから6,000億円以上の減益となる訳で、そのほとんどの原因が新幹線の不振ということですから、新幹線依存度の高さが浮き彫りになります。

更に順調に債務を減らしてきたところでのコロナショックですが、ザックリ発足時5兆円規模だった長期債務を3兆円まで減らした訳で、大体JR東日本と同等の経営の成果は出ている訳ですが、問題はリニアに偏った投資姿勢にあります。コロナ禍でリニア工事現場でのクラスター感染で工事が止まったり、静岡県との対立による工事着手遅れで2027年の開業は絶望的です。

同じように長期債務を減らしたJR東日本は、老朽車両の置き換えやハイブリッド気動車や蓄電池車ACCUMの開発、無線閉そくATACSの開発と埼京線で実用化、Suicaシステムの開発と導入など鉄道事業全般の強化策を講じる一方、駅の改修や駅ビル、駅ナカビジネスの強化など多様な投資を行って事業環境の変化に備えてきたことから、コロナ禍で更に投資を加速させ、山手線や京浜東北線のワンマン運行の前倒しなどを打ち出しております。ワンマン運行に関してはドライバレスの目標を掲げてますが、おそらくメトロのような通常のATOによるワンマン運行をとりあえず実行ということになるかもしれませんが、余剰資金をほぼリニアにつぎ込んだJR東海よりも事態に柔軟に対応できる状況にはあります。コロナ禍が長引くとすると、この差は今後大きくなると考えられます。

加えてJR東日本と西武HDの包括提携にも触れておきます。共同記者会見では具体像が明らかとは言い難いですが、当面JR東日本のシェアオフィス会員による軽井沢プリンスホテルのリモートワーク利用など限定的ですが、新幹線とプリンスホテルとのコラボと見ると、結構応用範囲が広がりそうです。当面資本提携は無いとしても、資材調達などでの鉄道事業での協業もあり得ますし、例えばバス事業やホテル事業など両社の事業横断的な提携もあり得ます。唯我独尊なJR東海が名鉄や近鉄との提携ができるかと考えると、この差も結構大きいと言えます。

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Sunday, February 21, 2021

地震、雷、火事、親父

昔は怖いものとして言い慣わされておりました。かくいう私も親父にはよく𠮟られてました。家父長制の傾向が強かったかつての日本ですが、核家族化して「元気で留守がいい」と言われちゃうぐらいにはマイルドにはなりましたが、ジェンダー問題や選択的夫婦別姓問題など相変わらずではあります。

夫婦別姓問題を「日本の伝統に反する」とか「家族制度が崩壊する」とかで反対する人たちは、今や核家族どころか単身世帯が増えて核家族すら典型的と言えない現実が見えていないようです。加えて言えば公家、武士、豪農、豪商を除けば大多数の日本人が姓を名乗るようになったのは明治以降の話ですし、例えば北条政子は源頼朝に嫁いでも北条政子のまま、源姓を名乗っておりません。昔は夫婦別姓だったんですね。

そんな家父長的パターナリズムの権化みたいな人が炎上して公職を去りましたが、どう見てもその影響下にあるとしか見えない元アスリートの現役閣僚が後任だそうで、伝えられるところでは本人は固辞したそうですが「あなたしかいない」と周りから言われて火中の栗を拾ったらしいと言われております。親父が差別発言で批判され逆切れカミナリで炎上。地震以外全部キタ—―――――――^_^;。結局組織委が森前会長から橋本新会長に変わっても、開催の方針は変わらない訳です。

文化放送の有森裕子氏のインタビューで「オリンピックはチャンピオンシップではない」という言葉が刺さります。元々オリンピックはスポーツを通じた国際交流を目的とした平和の祭典で、古代ギリシャで宿敵のアテナイとスパルタもこの時は戦いを休んでスポーツに興じた故事から20世紀にフランスのクーベルタン男爵が提唱して始まったものです。コロナ禍でIOCも無観客若しくは国内観客限定の開催に傾き、大会組織機もその前提で動いているのが現状でしょうけど、それってオリンピック精神に反すると声を上げた訳です。FIFAワールドカップや世界陸上のようなアスリート同士で勝敗を競うチャンピオンシップなら無観客も有り得るけどオリンピックにはなじまないという訳です。更に地方からも声が上がりました。

島根県、五輪聖火リレー中止を検討 知事が表明:日本経済新聞
島根県の丸山達也知事は旧自治省、総務省でキャリアを重ねた元官僚で地方出向を重ねた地方自治のエキスパートですが、2018年に退職し2019年の島根県知事選に無所属で出馬し、自民党と共産党の候補を破って当選した実力派知事です。地方自治の専門家らしく五輪関連の法令や通達を熟読して県の判断で聖火リレーを中止できることを確認した上での発言で、国や都のコロナ対策の下では聖火リレーはできないという趣旨です。

そもそもコロナ終息後の経済浮揚策だった筈の Go To トラベルの見切り発車、特に10月1日の東京都の Go To トラベル除外解除によって地方への観光旅行が増えた結果、コロナ感染がジワジワ全国に広がり11月以降は明らかに指数関数的増加が見られ、一部都府県で医療に負荷がかかりました。コロナ病棟で陽性者を受け入れると最低2週間の経過観察が必要ですから、指数関数的に新規感染者が増えれば早晩破綻する訳で、そのために病床を空けるために他の傷病者の退院や転院、手術の延期や救急搬送のたらい回し頻発など医療崩壊と言える状況が出現しています。

暮れの12月28日の Go To トラベル停止と帰省初詣の自粛要請、東京都などの飲食店時短営業要請、1月7日の緊急事態宣言発出で新規感染者が減ってきてはいますが、重症化しやすい高齢者の新規感染が増えており,死亡者も高水準でとても終息に向かっているとは言えない状況が続きますが、地方では Go To トラベルを巡る混乱で振り回され、緊急事態宣言対象外で営業自粛に対する補償金もない中、ただただ貧乏くじを引かされ続けていることへの不満が渦巻いている訳です。丸山島根県知事の発言はそれを代弁している訳で、隣県の知事たちも理解を示しています
が、この人はそうじゃない。

自民・竹下氏「島根県知事を注意する」 聖火リレー発言:日本経済新聞
国とは別法人の地方自治体の首庁に国会議員が注意する権限はもとよりありませんが、2019年の知事選で自民候補を応援した当事者ですから、政局絡みの恨み節ですね。言外に「あんな知事選ぶからこうなる」という有権者への当てつけですね。こんな奴次の選挙で落としましょう。

また竹下氏は橋本組織委新会長を「男みたいな性格、ハグ当たり前」と発言して炎上。二階幹事長も森氏用語発言といい自爆テロ級の火に油ですし与党議員の夜遊びといい管首相長男の総務省接待疑惑といい、炎上を競い合っているとしか見えませんね^_^;。

てな冗長な前振りはここまでで^_^;、本当に怖いのはもちろん自然災害です。先日の福島県沖地震は10年前の東日本大震災を思い起こさせましたが、プレート型地震の東日本大震災に対して「スラブ内地震」と呼ばれるもので、平たいプレートをスラブと呼び、地中の圧力によるひずみでスラブにひび割れが生じることでおきます。阪神大震災のような内陸型地震はほぼこれで、浅い震源ならば地上に断層が出来たり津波の原因になったりしますが、今回は地下53kmという深い震源だったので、津波も起きず震度6強とマグニチュードの割には弱い揺れになりました。但しその分広範囲に長時間揺れたことで思わぬ被害が出ました。

鉄道耐震化間に合わず 東北新幹線、電柱など損傷:日本経済新聞
東北新幹線は高架橋にスラブ軌道という構造の区間が多いのですが、これが災いしたようです。ちなみにスラブ軌道は上述の平たいプレートを表すスラブと同じ意味です。土の路盤のわきに基礎を打って立てる在来線の架線柱と違ってコンクリート構造物の高架橋に建植された架線柱は共振しやすく、今回のような長い揺れで傾いたり折れたりした訳です。東日本大震災の時にも見られ、鋼板を巻いたり鉄芯を入れたりする補強工事が施工中ですが、とにかく数が多いから工事は進まず、終了は2,028年頃の見込みということで、実際未施工区間で被害が出ています。

そういうこともあってJR東日本はひたちの仙台延伸や在来線の臨時快速運行などでカバーしましたが、輸送力の差はありますから完全にはカバーできないですが、迅速な緊急対応という意味でレジリエンスを示しました。加えてJRバス東北や福島交通の高速バス増便や定期便のない羽田から福島、仙台、花巻へ臨時便を出したANAとJALの対応といい、震災の体験が活きているようです。コロナ禍で需要が減っていたことや、特に航空は大量減便で機材も人員も余力があり、ネックとなる羽田空港も空いていたなどの要因もありますが、こうした迅速な動きは評価すべきでしょう。どっかの国の政府とは大違いです。

加えて言えば鉄道のネットワーク効果は大事だということを改めで感じます。阪神大震災の時に被災した京阪神地区を迂回する貨物ルートが無かったことが混乱を拡大しましたし、東日本大震災の時は逆に貨物列車の設定が無い磐越西線を利用した燃料輸送で代替ルートを確保したなんてこともありました。レジリエンスってこういったことの積み重ねなんですね。

ってことで、国土強靭化はその意味で明後日の方向の対策にしかならないと改めて思います。津波対策で防潮堤が整備されたものの、寧ろ海が見えない方が危険ということで、人が住んでいるところほど反対に遭って整備が進まず、無人地帯の巨大防潮堤が飛び飛びに整備されており、だれを守るものか曖昧です.寧ろ市町村役場などの公共施設を高層化して高層階に比内所を兼ねた集会場施設を作るとかする方が現実的です。

東北新幹線の架線柱損傷に見られるように、高速鉄道は元々レジリエンスが弱い存在だってことも覚えておきましょう。逆に盛土にバラスト軌道の東海道新幹線の方が頑丈に作られた山陽新幹線や東北新幹線よりレジリエンス面で優位ということも言えます。但しその分メンテナンスにコストがかかる訳で、東名阪をカバーする東海道新幹線でしか成り立たない可能性はあります。その意味で高速鉄道の二重化を唱えて中央リニアや北陸新幹線の大阪延伸が必要とする主張にも疑問を禁じ得ません。特にリニアは地震など自然災害時の安全性に関して未知な訳で、東海地震に備えた代替路線という位置づけも疑問を禁じ得ません。

加えて整備新幹線の並行在来線問題でも、頼みの新幹線が長期運休になった場合のリカバリーを考えれば維持する方が良いのは言うまでもありません。北海道新幹線の並行在来線で貨物列車のない長万部―小樽間の山線区間の存続はかなり厳しく、受け皿三セクの経営が成り立つ可能性は低いと言えます。こうしたコストも込みで整備新幹線が有利な投資なのかどうか、きちんと見極める必要があります。

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Sunday, February 14, 2021

しんきろうで2020五輪霧中

五輪組織委森会長の辞任問題が尾を引いております。

不透明プロセス、世論の離反招く 五輪組織委会長の選考:日本経済新聞
密室の謀議で首相になった人が公職を去る時も7密室でって、らしいと言えばらしいけど、流石に通りませんでした。森氏が指名した川淵三郎氏は過去の発言に問題いありとIOCからダメ指しされたようですが、そもそも辞任する森会長に後継指名の権利はありませんし、川淵氏も就任後に森氏を相談役に指名するということまで決めていたとか、もうドロドロ。個人商店じゃあるまいし。ちなみに森氏を慰留した武藤敏郎事務局長は、大蔵省ノーパンしゃぶしゃぶ事件当時の官房長で引責辞任した人物です。ポンコツ同士の身内意識なのか?

加えて昨夜の地震。震災の余震だそうですが、10年経っても大きな余震が続く現実は重いですね。家屋被災で負傷者が出てますし、発電所の停止で大規模な停電が起き、水道の被災で水道が止まるなどライフライン被害も出ています。東北新幹線は架線柱が傾いて復旧に10日以上貨化kる見込みですし、常磐道も被災しています。復興五輪を標榜していた東京オリパラにとっては最悪のタイミングです。

震災復興にとってはオリパラ関連の公共投資でヒトモノカネが取られますから、寧ろ復興を遅らせるだけというのはこれまでも指摘してきましたが、震災復興も道半ば、コロナ禍で無観客も有り得る五輪開催の意義が見出しにくい上に、大会組織委のガバナンスにクレームがつく事態で、流石に延期で追加負担を求められた企業スポンサーも不満爆発となりました。実はこれが効いたようで、国民世論の勝利と言いにくいところですが。

そんな中で小池都知事は奇妙な立ち回りを見せています。来現つに予定されているI4者会談不参加を表明しましたが、そもそも日程も決まっていない中での点数稼ぎと見る向きもあります。五輪前に行われる都議選で対立する都議会自民党への圧力ですね。実は森首相の辞任も都議会自民党の意向が働いたと言われており、総裁選で小泉政権誕生をもたらした訳ですが、自民党がゴタゴタすれば小池知事自身の国政復帰が見えてくるという訳ですね。五輪開催都市としてのダメージを国に付け替えて政局を有利にする思惑が見え隠れします。

てことで都知事としては大した実績を残せている訳ではありませんが、自分が有利になる立ち振る舞いは得意ということですね。築地市場の豊洲移転問題でも「豊洲は活かす築地は残す」という発言にも現れてますが、食のテーマパークというコンセプトは示したものの、豊洲市場の活性化のために整備予定だった観光施設は権利を落札した民間企業が反発して降りてしまいました。

タワマンたわわエントリーで取り上げた8号豊住線(豊洲―住吉)荷動きが出てきました。

膠着の有楽町線延伸問題、国交省委員会で議論進むか:日本経済新聞
東京メトロは株式上場を控えて大規模投資となる新線建設を打ち止めとする方針ですが、一方で混雑の激しい東西線の東陽町駅の改良(構内線増)や九段下の折り返し線拡張などの大規模改良工事を手掛けている訳ですが、タワマンで人口が急増した江東区では、東西線、総武線の混雑緩和のために比較的空いている有楽町線へ誘導するために豊住線建設を要望していて、豊洲問題のバーターで豊住線建設を江東区に約束したものの、東京メトロはこれを拒否している訳です。

ややこしいのは東京メトロ自身の株式上場問題が絡んでいて、国(財務省)53%都47%の株主構成で国が株式を手放しても都が手放さなければメトロに対する支配権が国から都へ移行する訳ですが、経営的に重荷となる新線建設を回避したい東京メトロに都が圧力をかければ利益相反が生じる訳で、そうなれば投資家が東京メトロ株の保有を躊躇することになるので、より高く売り出したい財務省としてはそれは認められないということで膠着状態になっている訳ですが、国交省が委員会を立ち上げて妥協点を探ろうと動いた訳です。

整理すると豊洲移転を巡るゴタゴタで都が江東区にいい加減な口約束をしたものの、株式上場問題も絡んで東京メトロは建設を渋り株式を高く売りたい財務省が後ろ盾になっているという構図です。政治家のいい加減な発言が事態をここまで拗らせてしまった訳ですが、小池知事は政局で国政復帰を模索しているからあとは野となれなんですね。同委はしませんが地下鉄一元化を打ち出した猪瀬氏はまだしも理念がありましたが。委員会を立ち上げた国交省にとっては難題ですが、どうするつもりなんでしょうか。

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Sunday, February 07, 2021

イット革命でデタラメトランスフォーメーションな神の国

五輪大会組織委員会の森会長が大炎上中です。

五輪組織委・森会長「発言撤回しおわび」 辞任は否定:日本経済新聞
小渕首相の急死を受けて密室の謀議で首相に就任した森喜朗氏は当時から「しんきろう内閣」と揶揄されてましたし、とかく失言が多く、「神の国」とか「(選挙前に)無党派層は寝ててくれば」とか枚挙に暇がないですが、コロナ禍で五輪開催自体が流動的な中で、かなり致命的なダメージとなりました。一般的には話が長いのは高い地位にある高齢男性ですが、女性の発言が多いってことは、それだけ女性が感じる不自由が多いことの反映な訳ですが、それを疎ましく思うってのは、人の話を聞く気が無いってことです。

故に思わぬ逆風にとりあえず謝罪しておこうという会見で辞任を否定して逆切れしてますます炎上とドツボに嵌っております。首相時代に失言であれだけ叩かれた経験が活かされていない訳で、口で言う「反省」が出来ていない訳です。故に組織委女性理事に対する「わきまえている」発言で更に火に油。組織委会長という公職にある公人ということをわきまえていないのはあんただよ。

森氏の失言数あれど、私が真っ先に思い出すのは「イット革命」発言ですね。これIT革命に関する経産省のペーパーを見て「君、このイット革命とは何だね?」という発言が外部へ洩れて週刊誌に抜かれたものですが、不勉強ぶりに眩暈がします。元々こういう人なんで、公人になっちゃいけない人なんですね。こんな人を担ぎやすさだけでトップに据える日本の組織文化がもたらした炎上劇ってことです。

ただ森氏だけを笑えない現実がありまして、例えばコロナ感染濃厚接触を知らせるアプリCOCOAの不具合ですが、OSの後進にアプリの修正が追い付かなかったとか。

「COCOA」不具合 スマホOS更新、アプリ修正後手に:日本経済新聞
これスマホアプリに関する認識が出来ていなかったことが原因らしいってことです。これスマホアプリが典型ですが、使いながら不具合を修正するアジャイル式のシステム開発を厚労省が理解sていなかったってことです。

ソフト開発の手法で、ウォーターフォール式とアジャイル式の2つの方式に分かれます。前者は主に基幹業務システムで採用されているもので、システム全体の業務フローを上流から下流へと一貫して開発するもので、計画、要求分析、設計、実装(コーディング)、テスト、文書化の工程で段階的に進みますが、アジャイル式は反復(イデレーション)と呼ばれる短い単位期間でこれを繰り返し、修正を重ねることで対応するものです。

基幹業務システムでも要求分析の段階で発注者としての関与が大事なんですが、この部分をソフト会社に丸投げすることが日本の官庁や企業では多く、結果、システムのメンテナンスやバージョンアップも丸投げとなって、それ故に日本のITベンダーは言い値で請け負っておいしい思いをしてきた部分はあります。しかしその結果ユーザーである官庁や企業にシステムの全体像を理解する人がいないという異常な事態となり、今あるシステムを後生大事に修正しながら使い続けて却って非効率になっているという一面があります。

スマホアプリは典型的なアジャイル式のシステム開発であり、使いながら不具合を修正する訳ですから、よりユーザーの関与が大事なんですが、ウォーターフォール式のノリで発注してあと放ったらかしすれば、OSのアップデートで生じる不具合が放置されたとしても不思議ではありません。これぞイット革命wwwwww。DXはデタラメトランスf-メーションの略だったのか?^_^;

冗談はさておき、コロナ禍で露呈した日本のDXのお寒い状況はホントにヤバいですね。マスク、マスク、マスクで指摘したマイナンバーカードを巡る混乱は記憶に新しいところですが、特別給付金の交付を自治体事務に定義した一方、マイナンバーカードは住民基本台帳と紐付けされておらず、そのことを理解しない政治家の不規則発言で混乱した訳です。こうして見るとイット革命の呪縛^_^;は続いているような。ワクチン接種でも混乱は覚悟しておいた方がよさそうです。流石神の国-_-;。

国鉄からマルスシステムを継承するJR各社はまだユーザーリテラシーを持っているとは言えますが、コロナ禍で売上減少が続く中、JR東日本などで時間帯別運賃の導入などでの対応が注目されます。Suicaによる非混雑時間帯の利用客へのポイント還元や週2-3回程度の利用を想定した新タイプの定期券などが考えられているようですが、バスや航空鵜で見られる大胆なダイナミックプライシングへ進むのは難しいと考えられます。

ということで、3月改正は国鉄末期を彷彿させる減量ダイヤ改正ですが、違いは私鉄も含む鉄道全般ということですかね。ただ影響は各社各様で、整備新幹線のリース料がのしかかるJR東日本や観光やホテル事業の比重が高い近鉄、東武、西武などが特に厳しいようです。そんな中でJR東日本がこう動きました。

JR東日本、「羽田空港アクセス線(仮称)」で鉄道事業許可を取得:日本経済新聞
今期4,500億円の赤字を見込む中で、3,000億円の投資を実行するということです。29年開業予定ですから、いくら何でもコロナ禍は終息しているでしょうけど、鉄道事業への投資は続けるということですね。吉と出るか凶と出るかはわかりませんが。

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