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Sunday, February 07, 2021

イット革命でデタラメトランスフォーメーションな神の国

五輪大会組織委員会の森会長が大炎上中です。

五輪組織委・森会長「発言撤回しおわび」 辞任は否定:日本経済新聞
小渕首相の急死を受けて密室の謀議で首相に就任した森喜朗氏は当時から「しんきろう内閣」と揶揄されてましたし、とかく失言が多く、「神の国」とか「(選挙前に)無党派層は寝ててくれば」とか枚挙に暇がないですが、コロナ禍で五輪開催自体が流動的な中で、かなり致命的なダメージとなりました。一般的には話が長いのは高い地位にある高齢男性ですが、女性の発言が多いってことは、それだけ女性が感じる不自由が多いことの反映な訳ですが、それを疎ましく思うってのは、人の話を聞く気が無いってことです。

故に思わぬ逆風にとりあえず謝罪しておこうという会見で辞任を否定して逆切れしてますます炎上とドツボに嵌っております。首相時代に失言であれだけ叩かれた経験が活かされていない訳で、口で言う「反省」が出来ていない訳です。故に組織委女性理事に対する「わきまえている」発言で更に火に油。組織委会長という公職にある公人ということをわきまえていないのはあんただよ。

森氏の失言数あれど、私が真っ先に思い出すのは「イット革命」発言ですね。これIT革命に関する経産省のペーパーを見て「君、このイット革命とは何だね?」という発言が外部へ洩れて週刊誌に抜かれたものですが、不勉強ぶりに眩暈がします。元々こういう人なんで、公人になっちゃいけない人なんですね。こんな人を担ぎやすさだけでトップに据える日本の組織文化がもたらした炎上劇ってことです。

ただ森氏だけを笑えない現実がありまして、例えばコロナ感染濃厚接触を知らせるアプリCOCOAの不具合ですが、OSの更新にアプリの修正が追い付かなかったとか。

「COCOA」不具合 スマホOS更新、アプリ修正後手に:日本経済新聞
これスマホアプリに関する認識が出来ていなかったことが原因らしいってことです。これスマホアプリが典型ですが、使いながら不具合を修正するアジャイル式のシステム開発を厚労省が理解sていなかったってことです。

ソフト開発の手法で、ウォーターフォール式とアジャイル式の2つの方式に分かれます。前者は主に基幹業務システムで採用されているもので、システム全体の業務フローを上流から下流へと一貫して開発するもので、計画、要求分析、設計、実装(コーディング)、テスト、文書化の工程で段階的に進みますが、アジャイル式は反復(イデレーション)と呼ばれる短い単位期間でこれを繰り返し、修正を重ねることで対応するものです。

基幹業務システムでも要求分析の段階で発注者としての関与が大事なんですが、この部分をソフト会社に丸投げすることが日本の官庁や企業では多く、結果、システムのメンテナンスやバージョンアップも丸投げとなって、それ故に日本のITベンダーは言い値で請け負っておいしい思いをしてきた部分はあります。しかしその結果ユーザーである官庁や企業にシステムの全体像を理解する人がいないという異常な事態となり、今あるシステムを後生大事に修正しながら使い続けて却って非効率になっているという一面があります。

スマホアプリは典型的なアジャイル式のシステム開発であり、使いながら不具合を修正する訳ですから、よりユーザーの関与が大事なんですが、ウォーターフォール式のノリで発注してあと放ったらかしすれば、OSのアップデートで生じる不具合が放置されたとしても不思議ではありません。これぞイット革命wwwwww。DXはデタラメトランスf-メーションの略だったのか?^_^;

冗談はさておき、コロナ禍で露呈した日本のDXのお寒い状況はホントにヤバいですね。マスク、マスク、マスクで指摘したマイナンバーカードを巡る混乱は記憶に新しいところですが、特別給付金の交付を自治体事務に定義した一方、マイナンバーカードは住民基本台帳と紐付けされておらず、そのことを理解しない政治家の不規則発言で混乱した訳です。こうして見るとイット革命の呪縛^_^;は続いているような。ワクチン接種でも混乱は覚悟しておいた方がよさそうです。流石神の国-_-;。

国鉄からマルスシステムを継承するJR各社はまだユーザーリテラシーを持っているとは言えますが、コロナ禍で売上減少が続く中、JR東日本などで時間帯別運賃の導入などでの対応が注目されます。Suicaによる非混雑時間帯の利用客へのポイント還元や週2-3回程度の利用を想定した新タイプの定期券などが考えられているようですが、バスや航空鵜で見られる大胆なダイナミックプライシングへ進むのは難しいと考えられます。

ということで、3月改正は国鉄末期を彷彿させる減量ダイヤ改正ですが、違いは私鉄も含む鉄道全般ということですかね。ただ影響は各社各様で、整備新幹線のリース料がのしかかるJR東日本や観光やホテル事業の比重が高い近鉄、東武、西武などが特に厳しいようです。そんな中でJR東日本がこう動きました。

JR東日本、「羽田空港アクセス線(仮称)」で鉄道事業許可を取得:日本経済新聞
今期4,500億円の赤字を見込む中で、3,000億円の投資を実行するということです。29年開業予定ですから、いくら何でもコロナ禍は終息しているでしょうけど、鉄道事業への投資は続けるということですね。吉と出るか凶と出るかはわかりませんが。

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