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Sunday, February 21, 2021

地震、雷、火事、親父

昔は怖いものとして言い慣わされておりました。かくいう私も親父にはよく𠮟られてました。家父長制の傾向が強かったかつての日本ですが、核家族化して「元気で留守がいい」と言われちゃうぐらいにはマイルドにはなりましたが、ジェンダー問題や選択的夫婦別姓問題など相変わらずではあります。

夫婦別姓問題を「日本の伝統に反する」とか「家族制度が崩壊する」とかで反対する人たちは、今や核家族どころか単身世帯が増えて核家族すら典型的と言えない現実が見えていないようです。加えて言えば公家、武士、豪農、豪商を除けば大多数の日本人が姓を名乗るようになったのは明治以降の話ですし、例えば北条政子は源頼朝に嫁いでも北条政子のまま、源姓を名乗っておりません。昔は夫婦別姓だったんですね。

そんな家父長的パターナリズムの権化みたいな人が炎上して公職を去りましたが、どう見てもその影響下にあるとしか見えない元アスリートの現役閣僚が後任だそうで、伝えられるところでは本人は固辞したそうですが「あなたしかいない」と周りから言われて火中の栗を拾ったらしいと言われております。親父が差別発言で批判され逆切れカミナリで炎上。地震以外全部キタ—―――――――^_^;。結局組織委が森前会長から橋本新会長に変わっても、開催の方針は変わらない訳です。

文化放送の有森裕子氏のインタビューで「オリンピックはチャンピオンシップではない」という言葉が刺さります。元々オリンピックはスポーツを通じた国際交流を目的とした平和の祭典で、古代ギリシャで宿敵のアテナイとスパルタもこの時は戦いを休んでスポーツに興じた故事から20世紀にフランスのクーベルタン男爵が提唱して始まったものです。コロナ禍でIOCも無観客若しくは国内観客限定の開催に傾き、大会組織機もその前提で動いているのが現状でしょうけど、それってオリンピック精神に反すると声を上げた訳です。FIFAワールドカップや世界陸上のようなアスリート同士で勝敗を競うチャンピオンシップなら無観客も有り得るけどオリンピックにはなじまないという訳です。更に地方からも声が上がりました。

島根県、五輪聖火リレー中止を検討 知事が表明:日本経済新聞
島根県の丸山達也知事は旧自治省、総務省でキャリアを重ねた元官僚で地方出向を重ねた地方自治のエキスパートですが、2018年に退職し2019年の島根県知事選に無所属で出馬し、自民党と共産党の候補を破って当選した実力派知事です。地方自治の専門家らしく五輪関連の法令や通達を熟読して県の判断で聖火リレーを中止できることを確認した上での発言で、国や都のコロナ対策の下では聖火リレーはできないという趣旨です。

そもそもコロナ終息後の経済浮揚策だった筈の Go To トラベルの見切り発車、特に10月1日の東京都の Go To トラベル除外解除によって地方への観光旅行が増えた結果、コロナ感染がジワジワ全国に広がり11月以降は明らかに指数関数的増加が見られ、一部都府県で医療に負荷がかかりました。コロナ病棟で陽性者を受け入れると最低2週間の経過観察が必要ですから、指数関数的に新規感染者が増えれば早晩破綻する訳で、そのために病床を空けるために他の傷病者の退院や転院、手術の延期や救急搬送のたらい回し頻発など医療崩壊と言える状況が出現しています。

暮れの12月28日の Go To トラベル停止と帰省初詣の自粛要請、東京都などの飲食店時短営業要請、1月7日の緊急事態宣言発出で新規感染者が減ってきてはいますが、重症化しやすい高齢者の新規感染が増えており,死亡者も高水準でとても終息に向かっているとは言えない状況が続きますが、地方では Go To トラベルを巡る混乱で振り回され、緊急事態宣言対象外で営業自粛に対する補償金もない中、ただただ貧乏くじを引かされ続けていることへの不満が渦巻いている訳です。丸山島根県知事の発言はそれを代弁している訳で、隣県の知事たちも理解を示しています
が、この人はそうじゃない。

自民・竹下氏「島根県知事を注意する」 聖火リレー発言:日本経済新聞
国とは別法人の地方自治体の首庁に国会議員が注意する権限はもとよりありませんが、2019年の知事選で自民候補を応援した当事者ですから、政局絡みの恨み節ですね。言外に「あんな知事選ぶからこうなる」という有権者への当てつけですね。こんな奴次の選挙で落としましょう。

また竹下氏は橋本組織委新会長を「男みたいな性格、ハグ当たり前」と発言して炎上。二階幹事長も森氏用語発言といい自爆テロ級の火に油ですし与党議員の夜遊びといい管首相長男の総務省接待疑惑といい、炎上を競い合っているとしか見えませんね^_^;。

てな冗長な前振りはここまでで^_^;、本当に怖いのはもちろん自然災害です。先日の福島県沖地震は10年前の東日本大震災を思い起こさせましたが、プレート型地震の東日本大震災に対して「スラブ内地震」と呼ばれるもので、平たいプレートをスラブと呼び、地中の圧力によるひずみでスラブにひび割れが生じることでおきます。阪神大震災のような内陸型地震はほぼこれで、浅い震源ならば地上に断層が出来たり津波の原因になったりしますが、今回は地下53kmという深い震源だったので、津波も起きず震度6強とマグニチュードの割には弱い揺れになりました。但しその分広範囲に長時間揺れたことで思わぬ被害が出ました。

鉄道耐震化間に合わず 東北新幹線、電柱など損傷:日本経済新聞
東北新幹線は高架橋にスラブ軌道という構造の区間が多いのですが、これが災いしたようです。ちなみにスラブ軌道は上述の平たいプレートを表すスラブと同じ意味です。土の路盤のわきに基礎を打って立てる在来線の架線柱と違ってコンクリート構造物の高架橋に建植された架線柱は共振しやすく、今回のような長い揺れで傾いたり折れたりした訳です。東日本大震災の時にも見られ、鋼板を巻いたり鉄芯を入れたりする補強工事が施工中ですが、とにかく数が多いから工事は進まず、終了は2,028年頃の見込みということで、実際未施工区間で被害が出ています。

そういうこともあってJR東日本はひたちの仙台延伸や在来線の臨時快速運行などでカバーしましたが、輸送力の差はありますから完全にはカバーできないですが、迅速な緊急対応という意味でレジリエンスを示しました。加えてJRバス東北や福島交通の高速バス増便や定期便のない羽田から福島、仙台、花巻へ臨時便を出したANAとJALの対応といい、震災の体験が活きているようです。コロナ禍で需要が減っていたことや、特に航空は大量減便で機材も人員も余力があり、ネックとなる羽田空港も空いていたなどの要因もありますが、こうした迅速な動きは評価すべきでしょう。どっかの国の政府とは大違いです。

加えて言えば鉄道のネットワーク効果は大事だということを改めで感じます。阪神大震災の時に被災した京阪神地区を迂回する貨物ルートが無かったことが混乱を拡大しましたし、東日本大震災の時は逆に貨物列車の設定が無い磐越西線を利用した燃料輸送で代替ルートを確保したなんてこともありました。レジリエンスってこういったことの積み重ねなんですね。

ってことで、国土強靭化はその意味で明後日の方向の対策にしかならないと改めて思います。津波対策で防潮堤が整備されたものの、寧ろ海が見えない方が危険ということで、人が住んでいるところほど反対に遭って整備が進まず、無人地帯の巨大防潮堤が飛び飛びに整備されており、だれを守るものか曖昧です.寧ろ市町村役場などの公共施設を高層化して高層階に比内所を兼ねた集会場施設を作るとかする方が現実的です。

東北新幹線の架線柱損傷に見られるように、高速鉄道は元々レジリエンスが弱い存在だってことも覚えておきましょう。逆に盛土にバラスト軌道の東海道新幹線の方が頑丈に作られた山陽新幹線や東北新幹線よりレジリエンス面で優位ということも言えます。但しその分メンテナンスにコストがかかる訳で、東名阪をカバーする東海道新幹線でしか成り立たない可能性はあります。その意味で高速鉄道の二重化を唱えて中央リニアや北陸新幹線の大阪延伸が必要とする主張にも疑問を禁じ得ません。特にリニアは地震など自然災害時の安全性に関して未知な訳で、東海地震に備えた代替路線という位置づけも疑問を禁じ得ません。

加えて整備新幹線の並行在来線問題でも、頼みの新幹線が長期運休になった場合のリカバリーを考えれば維持する方が良いのは言うまでもありません。北海道新幹線の並行在来線で貨物列車のない長万部―小樽間の山線区間の存続はかなり厳しく、受け皿三セクの経営が成り立つ可能性は低いと言えます。こうしたコストも込みで整備新幹線が有利な投資なのかどうか、きちんと見極める必要があります。

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