コロナ終わりそうにないな
韓国の文在寅大統領と米バイデン大統領の首脳会談が行われました。日本に次ぐ2カ国目の直接会談ということでバイデン政権のアジア重視は鮮明です「中国から韓国を引き戻した」という新聞の見出しはちとミスリードかなと思います。冷戦時代の発想から抜けていないようです。寧ろこちらの方が重要です。
韓国の4兆円対米投資、供給網の中国外し加速:日本経済新聞米バイデン政権の狙う中国デカップリングはあくまでもハイテク分野の中国外しでって、軍事的対峙は必ずしもメインではありません。勿論通信やサイバー分野での安全保障面野茂d内もありますが、寧ろ半導体など中国の生産能力が必ずしも強くないという意味で弱点を突く戦略ということができます。その意味で今や最先端技術は台湾と韓国が握っている訳で、それを米国内の生産拠点整備に利用することで国内雇用の創出を兼ねて台湾と韓国を自陣に取り込むことで間接的に中国に圧力をかけることを狙った訳です。主戦場はあくまでも経済という訳です。
一方で軍事面でもアジアシフトを進めますが、これも中国の軍備増強に対してバランスを取る以上の意味はありません。軍事的な封じ込めはコストがかかりますし。とはいえ結果的に中東関与が減っており、そのことが今回のイスラエルとパレスチナの紛争にも表れております。前エントリーで指摘したように、アメリカはイスラエルの自衛権を認めた上で、国連安保理の議案審議を止めて停戦を呼びかかたものの事態は動かず、結果的にエジプトの仲裁で和平が実現しました。またイスラエルもハマスも紛争を長期化させる気はなく、和平のきっかけが欲しかった訳で、ハマスは勝利宣言すらしています。
エジプトはイスラエルと国交があり、またイスラム同胞団と関連が深いハマスともパイプがある訳ですが、過去の紛争と異なりアメリカも国連安保理も機能しない中でエジプトの仲裁ということで、ある意味アメリカは顔に泥を塗られた訳です。軍事シフトの連座が働いた訳です。しかも紛争のきっかけは東エルサレムのユダヤ人入植によってパレスチナ人が土地を奪われ家を追われたことに対するハマスの報復です。
イスラエル国内法では合法ですが、国連安保理決議違反で日本を含め国際社会は反対しているのですがイスラエルは無視していて、またパレスチナ自治政府はイスラエルに対して弱腰で且つ汚職や腐敗がはびこり何もできず、パレスチナ人には不人気故にアッバス議長も任期がとっくに切れているのに選挙すれば負けるからと居座っている状況で、パレスチナ人の義憤をハマスが代弁する形でのロケット弾攻撃となった訳です。加えてラマダンで密集が心配とコロナ感染の恐れがあるとしてモスクにガサ入れした結果、自国民はワクチンで保護した一方パレスチナ人はコロナ感染を口実に容赦なく弾圧ですから、イスラム主義を標榜するハマスの怒りが爆発した訳です。、
一方イスラエルのネタニヤフ首相も汚職事件などでグダグダで組閣もままならずですが、対パレスチナ強硬策で人気を繋ぎ止めている現状があります。故にガザ地区からのロケット弾攻撃に素早くガザ空爆で反撃し、結果的に2百数十人のパレスチナ人犠牲者を出した一方、イスラエル人の犠牲者は8人という非対称な命の交換です。自国民には府早くワクチン接種を済ませた一方、モスクに集まるイスラム教徒をコロナ感染の心配を理由に段夏した訳ですからひどい話です。中国のおウイグルでもモスクの破壊があったと報じられ、アメリカは人権外交を言いますが、ダブルスタンダードですね。
てな具合にコロナ禍は世界の地政学的変化にも影響を与えている訳で、その意味でワクチン接種が進まない日本の現状はちとやばいですね。気になるのがこれまで欧米に比べて台湾や韓国など感染拡大を抑え込んだと言われてきたアジア地域で、感染拡大の勢いが増しており、東南アジアから日本に至る広範な地域で同じ傾向が見られえる点です。幸いなことに雨季に差し掛かり当面の感染拡大は抑制される可能性はありますが、逆に雨季が終わってからの感染拡大がかなり心配です。丁度五輪の時期が危ないと言えます。それでもやる気かい?
そしてインド株などの変異種が入ってきており、若年層の重症化など去年と異なる傾向も見えますし、秋冬の寒い乾季にはまたどうなるかわかりません。命が惜しけりゃ当分旅行は諦めた方がよさそうです。頼みの綱はワクチン接種ですが、それもいろいろありまして、さkを見通しにくい現状です。関連ユースです。
大規模接種でシステムに不備 架空番号でも予約可能:日本経済新聞「架空予約けしからん」とか言って朝日と毎日に警告文送り付けた政府ですが、日経もやってますね。予約システムの不備を報じるのは公共性がありますし、早い時点で明らかになったことで結果的にシステム改修が決まったんですから、問題ありません。寧ろ防衛省の雑すぎる仕事ぶりの方が問題です。
自治体の接種券ナンバーの10桁は各自治体毎に独自にコーディングされており、それを照合することは無理なんですが、自治体コードのチェックと誤入力しても訂正できないバグなどは修正されたようですが、日経の記事にあるように、元々複雑化してシステムダウンすることを防ぎたかったということで簡便なシステムとしたというように防衛省自身は認識していた訳で、短期間のやっつけ仕事はろくな結果にならないというのはアベノマスクで懲りてないのかな。大規模接種も支持率回復になるという官邸官僚の入れ知恵らしいところまでそっくりです。
つまりコロナの集団免疫獲得による感染抑え込みにはまだ時間がかかりそうということですが、その結果運輸や観光関連の逆風は続きますが、21年3月期に大赤字を計上したANAとJALの大手航空2社の22年3月期の予想で、ANAは黒字予想している一方、JALは先が見えないとして予想の発表を見送りました。一方でANAが断念した中期経営計画をJALは発表しており、春秋航空を傘下に収めジェットスター、ジップエアとLCC3社を活用して本体のスリム化と大型機B777の退役などを打ち出しております。
この違い何処にあるかというと欠損に対してANAが借入金を増やして対応した一方、JALは公募増資で資本増強している違いが出たものです。株主還元が優先される昨今の株式市場での公募増資は珍しく、実際投資家が嫌って売りで株価が下がりましたが、資本増強で信用力を担保するのは事業会社としての本来の姿と言えます。一方借入金に頼ったANAは、税効果資産を計上して資本の棄損を防いだ訳ですが、その為に次年度の黒字転換必達の縛りを受ける訳ですy。
税効果資産というのは、法人企業の単年度の欠損を今の法律では最大10年繰り越せることを利用して、次年度以降の利益を控除して法人善課税を免れることから、これを税の割り戻しと見做して資本勘定に繰り入れる会計処理ですが、当然次年度の黒字が前提ですから、仮に赤字になれば取り崩しを余儀なくされます。これ悩ましいところですが、現在の不透明な先行きを前提に事業会社として安定的な経営を目指すならば、JAL方式の方が確実性があります。勿論中計で約束した成長戦略の実行が問われるという意味でより厳しい選択ではありますが。
その意味で気になるのが鉄道各社の対応でして、JR3社は揃って次年度の黒字見込みを発表しております。つまり借入金を増やして税効果資産を積んだ訳です。故に次年度黒字は必達となりますから、なりふり構わぬコストカットに走ることになります。その結果JR東日本横須賀線のE235系によるE217系置き換えが止まってますし、みどりの窓口の閉鎖や一部電化路線の電化設備撤去まで打ち出してますし、JR西日本に至って例えば小浜線の半減などはローカル線の大幅減便まで打ち出しています。ローカル線廃止は地元協議で1年かかるので次年度黒字に直接貢献できませんが、ただでさえ本数の少ないローカル線の大幅減便は利用者離れを招く結果、将来の廃止を呼び込むことにはなりそうです。
私鉄では西武HDのプリンスホテル売却や近鉄の都ホテル売却など資産の切り売りが中心のようですが、多数の関連事業を抱えている結果、売り物が多いのは確かですが、コロナ禍が長引いたときにどうするかは考えておいた方が良いでしょう。現状 Go To どころじゃないですし。
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