ワクチン、五輪で Go To リベンジ幻想
ワクチン接種が始まりましたが、首都圏など人口密集地の進捗が遅いのはやむを得ないところですが、いつ順番が来ることか。地元では予約開始即日ソールドアウトで次回は1ヶ月後ということで、当分やきもきさせられそうです。自治体も会場や打ち手の確保に手一杯ですし、ある程度落ち着いてからと腹括ってます。東京の大規模接種会場はモデルナ製で2回目も足運ぶ必要がありますので、使うつもりはありません。
てことで大号令かけてワクチン接種を進めたい政府ですが、量の確保と自治体への配布までで、あとは任せたですからいろいろ不具合が起きる訳で,、前々エントリーで指摘した大規模会場の予約システムのバグなど、現場への補給であるロジスティクスの発想が欠如しているとしか言いようがありません。
政府がワクチンに入れ込むのは英米や欧州で接種が進むと共に経済回復が鮮明で、日本の出遅れに焦っていることが背景にあります。加えて五輪開催強行で一転突破を狙っている訳ですね。どこまでも国民の寄り添わない政府です。加えて科学的知見の軽視も顕著です。流石のこの人も黙ってられなくなったのでしょう。
尾身氏、五輪に連日警鐘 政府は感染対策徹底を訴え:日本経済新聞選手やスタッフだけで9万人という大規模スポーツイベントであり、国内で行われている他のスポーツイベントとは人の動く度合いが違いすぎるので、やるなら無観客は当然、パブリックビューイングも控えるべきでしょう。また選手やスタッフが感染した場合の医療に与えるストレスも大きく、普通に考えて開催強行は無理です。その当然のことを分科会の尾身会長が述べると「言い過ぎ」とか「越権行為」といった声が政府与党サイドから上がっておりますが、分科会で見解を述べても聞いてもらえず、議事録もない分科会では専門家としての発言が事実上封じ込められているに等しい訳で、流石にヤバいってことでしょう。
尾身会長に対してはPCR検査に消極的などの批判もありますが、それはそれこれはこれです。世界から集まる選手団が未知のものも含めて世界中の変異種ウイルスを国内に持ち込むことの重大性を無視して五輪開催を強行する姿勢は、丁度去年の Go To 強行を思い出させます。結果感染を全国に拡散し、年末年始の帰省自粛から年明けの非常事態宣言へとつながる流れを繰り返すことになります。ホント総括しないから同じ誤りを繰り返します。梅雨明けの4連休も去年と同じシチュエーションですが、1年延期のために祝日法改正までしてますが、どうなることやら。
政府としてはワクチン接種を速めて五輪開催から Go To リベンジという目論見でしょうけど、五輪強行が結局 Go To 再開を困難にする可能性が高い訳で、リベンジお預けでまたもや鉄道、航空、ホテル、テーマパーク、イベントなどは振り回される展開ですね。旅行会社ではJTBやKNT-CTで営業店の閉店や希望退職が始まっております。旅行業法で店舗ごとに供託金を積んでますから、閉店は供託金返還でキャッシュを生み出す一方、希望退職でコスト負担もあります。一方ネット利用は遅れており、またホテルなども自前の予約システムを立ち上げていて旅行会社の取扱高は低下傾向にあります。故にネット専業のじゃらんや楽天トラベルも苦しんでおります。コロナ後の見通しは益々不透明です。
一方でアメリカでは異変が起きていて、給付金配布とワクチン接種が進んだ結果、リベンジ旅行の機運が高まっており、航空大手のアメリカン航空などの株が買われています。日本の Go To で見られたように、通常より上級グレードのシートやホテルの需要が高まる傾向があり、テーマパークの再開も期待が高まっております。勿論未知の変異種で再度感染拡大するリスクは一定にありますが、日本は完全に置いて行かれている状況です。政府の焦りは結局事態を悪化させてしまうリスクが大きいと言えます。
という訳で、日本の鉄道各社にとっては我慢が続く状況にあります。各社当面は投資の見直しを含めたコスト削減による益出しに勤しむことになりますが、そんな中でこのニュースです。
横浜の米軍通信施設跡地 相鉄、テーマパーク開発断念:日本経済新聞横浜市は米軍上瀬谷通信施設跡地へ27年の花博誘致を表明しており、終了後にテーマパーク化する計画に相鉄が出資を降りたというニュースです。計画では相鉄線瀬谷駅からシーサイドラインタイプの2kmのAGTを整備し、足を確保するとしております。現在対面通行の市道環状4号線の整備に合わせて建設することになるのでしょうが、公園と商業施設を合わせたテーマパークの計画ということで、南町田グランベリーパークのようなイメージでしょうか。
但し元々駅前だったグランベリーパークと違ってAGTを整備するというのはどうなんでしょうか。シーサイドラインのような工業地帯でもないし、AGTを必要とするほどの輸送需要が見込めるとも思えませんし、相鉄は降りて正解かもしれません。市道への軌道整備で道路管理者として道路予算が使えるとしても、計画に無理があると感じるのは私だけでしょうか。山下ふ頭のIRもそうですし、横浜市の開発優先の姿勢には疑問を禁じ得ません。
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