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Saturday, July 03, 2021

コロぶナ東京トト

徳仁天皇は温厚そうな顔してますが、皇太子時代にお世継ぎ問題で「俺の嫁にケチつけるな(意訳)」と記者会見でキレて見せたぐらいはっきりした性格です。五輪東京大会名誉総裁として「笑顔で開会宣言なんかできるか」と思っていても不思議ではありません。それが言えないストレスを宮内庁長官が代弁して収めた訳ですが、今や国民にとって五輪開催がコロナ感染拡大のリスク要因という認識が共有されている訳です。

や―似てますね。大阪トトで都構想の住民投票を強行した後、案の定感染拡大して医療崩壊状態に至った大阪府の状況を思い出させます。実際リバウンドと見られるジワリ感染拡大が続いており、11日に予定されるまん延等防止措置の解除は見送られる公算が大きいですが、政府や組織委の対応は後手後手で、ウガンダの選手団から陽性者が見つかった経緯を見ても、そもそも空港検疫で濃厚接触者への対応が出来ていないなど穴だらけの現実です。そんな中で違和感しかないのがこのニュース。

五輪期間、終電繰り下げ 山手線は午前2時ごろまで
米NBCの放映時間の関係で競技時間が深夜に及ぶ以上、観客の救済は必要ですが、既に観客は国内に限り、且つ入場制限まで決めている上、場合によっては無観客という話まで出ている中では違和感しかないニュースです。公共交通を動かせば五輪と無関係に夜間外出する人が増えることは避けられません。ただでさえ長い自粛生活でストレスが溜まってますし、実際夜間の人手はじわじわ増えている現状です。

わざわざ夜間外出を誘うようなことはすべきではありません。観客も上限1万人で5千人に半減とか無観客といった話もちらほら出ている状況です。観客の人数分のホテル確保で対応すれば済みますし、無観客なら必要ありません。組織委がその辺を決めきれずに思考停止しているから、鉄道各社は組織委の要請に従って準備しましたってことになる訳です。また大会スポンサーへの忖度発言が政府閣僚がするなどホント金まみれ五輪の実態も明らかです。人命よりも金が大事という政府もレントシーカーに乗っ取られている状況です。

一方でワクチンキャンペーンを大々的に進めた結果、ここへ来てワクチン不足という笑えない状況になっています。五輪開催のために安心を演出したい下心が勝っての行き当たりばったりです。しかし根拠のない安心の演出は寧ろ不安を増大させます。安心はあくまでも主観的感情です。科学的根拠で安全を確保する前提があって安心を言えるのであって逆じゃないってことですね。

ロジカルなリスクコントロールの前提があって初めてリスクマネジメントが可能であり、その際には事実を誤魔化さずネガティブな情報も含めて開示した上で個人の判断に任せるのがリスクコミュニケーションという関係ですね。客観的な安全を担保して主観的な安心感を持ってもらうために説得的な説明を尽くすということです。これ政府や組織委に留まらない日本の組織全般に見られる病弊かもしれません。そんなニュースがこちら。

三菱電機、鉄道車両空調で「不適切」検査 30年以上か
これ評価が難しい問題なんですが、空調機に留まらず空気圧縮機でも検査を誤魔化していたということで、鉄道事業者に衝撃が走りました。ブレーキやドア開閉の動力源であり、空気ばねへも供給される圧搾空気を作るコンプレッサーの性能試験を誤魔化していたということで、安全に関わる可能性が出てきた訳です。

一方で30年以上にわたって行われていて、具体的にこれが原因と言える事故が起きた訳じゃないから良いじゃないかという議論もあります。確かに国鉄時代からのユーザー優位がメーカーへの過剰な品質保証を求める傾向はあるでしょうし、メーカーから見ればウザい話かもしれませんが、例えばJR四国が圧搾空気供給が間に合わないからということで、傾く台鉄で指摘した土讃線向け特急車に車体傾斜システムの2600系を諦め制御付き振り子の2700系という新形式を起こしたりしている訳で、鉄道事業者にとっては重大な経営判断を左右した可能性も指摘できます。鉄道各社も三菱電機製圧縮機の使用状況を開示すべきことは言うまでもありません。

てことで、こうして見るとそもそも日本の組織はリスクマネジメントが下手ってことかも。失われた30年は必然かもしれません。

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