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Sunday, October 10, 2021

コロぶナ日本

コロナの新規感染者数が減少に転じ、緊急事態宣言も解除されましたが、病床使用率も重症者数も高水準にあり、また冬に向かって感染再拡大の心配もあり、警戒は続けざるを得ません。そんな中で総裁選で述べたコロナ対策を早期に実現するなら、予算委員会開いて補正予算と関連法を通せば良さそうなものを、首班指名と代表質問が終わったら解散総選挙で、しかも投開票日を最大限前倒しして10?31だそうで、選挙結果如何に拘わらず事後の招集される国会でまた首班指名と代表質問を繰り返す訳で、コロナ対策はいつまでも実現できません。

メディアの政局報道では支持率が高い裡にとか言われますが、支持率は50%程度と低く、しかも株価まで下げて岸田ショックと言われる始末。それでもコロナの新規感染者数が減少に転じた今が選挙のチャンスという訳ですね。どこまでも自分たちの都合で動く自公政権です。当然こうした中で体制が整わないうちに開催されるCOP26への備えは穴だらけということで、さてどんな批判を浴びるでしょうか?

100年に2度の目標が対策しなければ4℃上昇のところをせめて2℃という妥協の産物という点は前エントリーでも触れましたが、正確には既に現時点で産業革命前から1℃の温度上昇が実現している訳で、許容範囲はあと1℃ということです。同時に1℃の上昇でも既に異常気象が日常的に観測され、旱魃や風水害の被害が顕在化している訳で、2℃目標の達成でも厳しい現実は変わらないし、まして4℃、IPOOの最新のシミュレーションによる4.4℃上昇がいかに地獄かは想像を絶します。しかしそれに直面するのは20歳未満の若者たちということで、その意味でグレタさんの怒りは正当なものです。大人たちはどうすべきか真剣に考える必要があります。

真鍋氏「研究、ただ心から楽しんだ」 米大で記者会見:日本経済新聞
ノーベル物理学賞を受賞した真鍋氏がただ好奇心から没頭した研究が気候モデルの数理解析で、現在のIPCCの議論の下敷きになっておりますが、氏曰く「コンピューターを使いたいだけ使え、好きな研究ができた」と日米の研究環境の違いに言及する一方「私にとってはノーベル平和賞」と述べ、気候変動で苦しむ人々の救済を訴えています。ただ好奇心から始まった研究で大きな政治的影響力をもたらしたことへの率直な感想です。

研究者の海外流出は昔からあった訳で真鍋氏の場合協調性を求められる日本の学界が苦手だったようですが、更に政府による科研費の圧縮で研究者は研究費の確保に煩わされてますます研究環境を悪化させている訳です。しかも「役に立つ研究」が重視され好奇心に基づく基礎研究はないがしろにされております。これ例えば水俣病を告発した医師が村八分に遭ったように「役に立つ」の中身は結局マネタイズ可能かどうかにある訳で、その意味では真鍋氏のような研究は歓迎されないという点では今も昔も変わらないのかもしれませんね。人文科学軽視も同じ文脈です。

というかコロナ禍でのオリパラ開催強行に見られるように、そもそも科学軽視なのかもしれません。この夏の感染拡大を見ると明らかにオリパラ開催期間に新規感染者数も病床使用率も上昇しており、無関係と強弁されてますがおかしな話です。スポーツ関連ではこんなニュースも。

F1日本GP、2年連続で中止 関係者入国確実にならず:日本経済新聞
欧州中心に開催されるF1サーカスですが、豪、シンガポールなど欧州以外の開催地は軒並みコロナ禍の影響を受けて中止が相次ぎます。入国後2週間の自主待機となると殆どにチームは日本に来れないということですね。厳格な検疫を重視するならオリパラは開催すべきではなかったってことです。五輪は良くて四輪はアウトというヨタも囁かれましたが^_^;。そして地震です。
地震で日暮里・舎人ライナー脱輪 女性2人が転倒し軽傷:日本経済新聞
水平の案内輪で左右の誘導板に沿って走行するAGTで脱線?という疑問は報道写真で解けました。ポイント部で起きたものですが、標準AGTでは四輪操舵でポイントは分岐部の案内板を少しだけ動かして先頭部の案内輪を誘導してセルフステアリングする仕組みなので、ポイント部に誘導板のない区間が存在します。この事故では舎人公園駅の出発側で副本線からの合流があり、地震発生を受けて地上職員による非常停止ボタン押下で急停止した結果、たまたま先頭車がポイント部にあって走行路を外れたということのようですね。

これは同時にドライバレスのAGTだから起きた事故ということも言えます。急停止のタイミングが悪かったと言えばそれまでですが、通常の鉄道ならば運転士の判断で安全に停止させることは可能ですが、ドライバレスだとそれがないってことです。自動ウン転エントリーの続きの議論になりますが、鉄道におけるドライバレスの実現のハードルは高いってことです。

そしてゴムタイヤ走行のAGTの脱線は同時に低速域でゴムタイヤ走行する超電導リニアの問題にも波及します。垂直方向の支持輪と水平方向の案内輪の組み合わせとなる原理はAGTと変わりませんが,U字型ガイドウエーに収まるリニアでは同様の脱線はないものの、浮上走行を前提に支持輪も案内輪も浮上走行時には折り畳んで収納される仕組みです。地震による緊急停止時に電力供給が止められフラップによる空力ブレーキで減速し収納していた支持輪案内輪を出して着地する仕組みです、高速走行からの着地ですからそれ自体大きな衝撃を受ける可能性があり場合によっては破損も有り得るでしょうし、支持輪案内輪が出てこないで直接着地もあり得ます。その場合に備えて鉄製のローラーがついていますが、相当大きな衝撃があるでしょう。そう考えると活断層だらけの危険地帯を走るリニアは正直乗りたくないですね。そしてオマケ。

消毒用アルコールを検知 JR西日本、ロッカーで漏れる:日本経済新聞
JR東海は運転士の体調不良でも列車を停めなかったけど、JR西日本は乗務予定の運転士と車掌のアルコール検知で一部運休の判断をしました。結果は消毒用アルコールの誤検知だった訳ですが、安全側に判断したJR西日本の対応は褒められるべきでしょう。

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