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Sunday, January 23, 2022

リア充爆発感染で草生えるwww徒然

ゆくΔくるΟが進みます。予想通りデルタ株からオミクロン株への置き換えで感染爆発となりました。一部に弱毒化の指摘もあり、その根拠として従来株では肺にしか見られなかった感染部位が喉や上部気道に見られ、その分潜伏期間が短くなっていることが挙げられています。つまりウィルスが肺に達する前に発症するので重症化しにくいというロジックですが、だから軽症で済むわけではなく、感染者の増加に伴い重症化も増えており、死亡者数も今後増えるでしょう。有効な治療薬が無い状況は変わらず、また検査体制の拡充が追い付かないレベルの新規感染者増では、未知の陽性者との遭遇の恐れがある訳で、第5派までと同じ心理的不安は解消されません。当然医療逼迫も時間の問題です。

これまでの経過を見ると人が動いたり集まったりすると感染が拡大するということを繰り返している訳で、言うなればリア充感染症という傾向を示している訳で、国民としては自粛せざるを得ない状況が続きます。但し感染力の強さはそれだけ感染拡大のスピードが上がる分、終息も早い可能性があり、早ければ2月中旬にも終息となる可能性があります。とはいえウィルスが消滅した訳ではありませんから、年度替わりの異動シーズンでまた次の波が立ち上がる可能性はあります。コロナとは長い付き合いにならざるを得ないようです。

一方地政学エントリーで取り上げたように中国のゼロコロナ下の北京五輪開催がどうなるかが注目されます。東京五輪のときの経験則から言えばゼロコロナ下でも感染拡大を抑え込むことは難しいと考えられます。但し失敗が明らかになっても中国当局がそれを認めるかという問題もあり、評価の難しい問題でもあります。そして実際中国経済は確実に冷え込んでおり、人民銀行による利下げが繰り返されていることがそれを示します。

一方米国経済は順調とは言えそれ故にFRBの緩和縮小と早期の利上げ警戒から株価は下げております。特に我が世の春を謳ったハイテク株の高値が意識され始めており、巨大ハイテク企業への規制強化の動きと相まって先が読みにくくなっております。ただ米利上げは新興国からの資本逃避を呼び起こすため、それを阻止するために利上げを余儀なくされます。ただでさえコロナで経済が痛んでいる中での利上げは経済にマイナスです。

そしてこの点は実は日本も他人事ではありません。最近の円安傾向が進みドル円120円の水準を突破すれば、日本でも同じ問題が起こる可能性があります。アベノミクスによる異次元緩和や財政の拡大で円の信任が低下しており、そこへインフレが襲う訳ですから、国民生活を圧迫します。故にアフターコロナの回復は見込みにくい状況です。但し世界3位の経済大国であることには変わりなく、2,000兆円に達する国内貯蓄は陰に日に海外から狙われることになります。

例えば防衛費の拡大は米軍産複合体にとっては美味しい話です。軍事機密を理由に防衛装備品は日米政府間取引として扱われ、防衛企業から米政府が買い取って日本政府に売るスタイルで、価格は言い値プラス保守契約と秘密保持契約締結を義務付けられます。つまりリバースエンジニアリング不可で国産化も出来ず、自国防衛をアメリカの軍産複合体に依存する状況になる訳です。

これに限らず政府支出が国債で調達される状況は、つまるところ国内貯蓄でファイナンスされることですから、国民の家計防衛が米政府と企業を太らせる訳です。そうしてジワジワと蓄えた富を侵食される訳です。その変化は劇的ではありませんが、それ故に気づかないうちに貧乏になっていたということになります。

あと米利上げでハイテク株下落の結果、損失を抱えた人は日本にも少なからずいる筈です。日本株のさえない状況から米国株にシフトした投資家は、結果的に米経済を支えて損失を被ったと見ることもできます。一方日本株に投資してきた海外勢はここへ来て資金を引き揚げております。高値で手の出しにくい米国株に比べてリーズナブルだし低金利の米債券に比べればリターンも見込めるということで買われてきた訳ですが、米利上げでその構図も変わります。つまり米投資家に配当を貢いだ挙句に使い捨てられた構図です。

インバウンド観光がコロナで打撃を受けてますが、これも簡単には回復しないでしょう。というか、結局円安で日本の物価の相対的な安さが訪日客を増やしただけで、特に中国からの訪日客は富裕層より中間層中心で、所謂爆買いも物価の安さが後押ししたもので、リフレ派が目の敵にしてきた「デフレ」のお陰なんですよね。その結果京都などで観光公害が顕在化して国民生活を圧迫しております。という具合に様々なルートで日本の富が海外に流出している訳です。結局アベノミクスは日本大安売りの経済政策で国民を不幸にしました。

加えて脱炭素で自動車産業のゲームチェンジが避けられない中で、そのことに対する国内メーカーの意識が追い付いていないことが気がかりです。砂を嚙む半導体争奪戦でも指摘しましたが、欧州メーカーを中心に自動車産業のゲームチェンジが進行中で、電動化でHEVが除外されたことにトヨタが憤っていて内燃機関養護発言をしていますが、ベンツのツウェッチェCEOが言い出したことですが、単なる電動化ではなく自動化やシェアリングを同時進行させるもので、自動車産業の在り方を変えてしまおうということです。

特にシェアリングが重要なんで、自動車は耐久消費財からモビリティのツールとして資産となる訳です。故に販売数は激減し価格も上がるけど、稼働率は上がるしメンテナンスやソフトウエアのアップデートを通じて販売後も収益化されるし、生産量の減少はライフサイクルアセスメントでも脱炭素になる訳で、現在のマイカーはよほどの金持ちの道楽になるということですね。そして選択される車はベンツのようにブランドが確立しているメーカーほど有利ですし、販売減少による販売価格の上昇はリセールバリューの上昇でチャラにできるということですね。

トヨタのEV戦略はHEVを含む全方位戦略で、特にアジア地域での内燃動力の優位性を主張しているように、明らかに量の拡大を狙っている訳で、それ自体が脱炭素に反するって視点がないんですね。てことで日本の最後の砦とも言える自動車産業もガラパゴス化が見られます。また五輪選手村内での自動運転バスとパラ選手の接触事故でも「信号があるべき場所になかった」と自己弁護しましたが、それも公的に否定されました。

記事公開が終わってますが、日経記事ではトヨタの自動運転バスは横断歩道横断中の視覚障害者の選手を認識しながら、添乗していたトヨタ社員のオペレーターが誘導員の存在から選手を「制止してくれると思った」として発車ボタンを押した結果の事故ということで、完全な人為ミスです。信号機の有無は関係ありません。この程度の安全認識で自動運転に挑戦とはあまりにもお粗末です。

一方でJR東日本のドライバレス自動運転は本気度が高く、2030年頃をメドにとりあえず手前のワンマン運転は実現するつもりのようです。鉄道事故では被害が大きいこともあって安全意識が高いのは当然ではありますが、モビリティサービスの提供者としての経験値の違いは大きいと言えます。ただトヨタの場合は生産技術は高い水準にある訳で、台湾TSMCのようなOEMメーカーとしての生き残りの可能性はあると思いますが、自社ブランドでの販売は厳しいかもしれません。

貧すれば鈍すというか、衰退国企業は生き残りも茨の道かもしれません。但し別のところに面白い現象が見られます。

EVシフト、地方が先行 岐阜・愛知は東京の2倍普及 データで読む地域再生:日本経済新聞
過疎化でガソリンスタンドの維持が難しい地方でEVによる活性化が進みます。電力は過疎地にも届くし、災害時にはEVのバッテリーが非常用電源にもなりますし、また再エネ電力で地産地消という形での活性化にもつながります。この辺が案外現実解かもしれません。

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