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Monday, June 27, 2022

インフレを終わらせるには

電力危機キタ━(゚∀゚)━!

電力逼迫で初の注意報 経産省、27日に東電管内:日本経済新聞
いきなり梅雨明けで電力危機です。特に太陽が傾く夕方の太陽光発電の出力低下時が危ないということで、油断できません。また予報より気温上昇が上振れすれば警報に変更も有り得るということですから、とりあえず節電に励みましょう。電気代も上がったし。

ウクライナ情勢は膠着の度合いを強めております。ロシアは練度の低い徴兵の兵士を前線へ送り兵士の被害甚大なんですが、ナポレオン戦争やww2の独ソ戦でもそうでしたが、兵士の減耗をあまり顧みていないようです。逆に弾薬等は大量にあるので、ミサイル攻撃は今後も続くでしょう。一方で欧米の支援で応戦するウクライナ軍は士気は高いけど武器弾薬の補給で凌いでいるものの、ロシア軍を押し返すには至らず、応戦疲れの気配もあります。加えて支援する欧米諸国ではインフレに国民の関心が移りつつあり、ウクライナ支援の足並みの乱れが見られます。対ロシアの経済制裁で石油も禁輸に近い制限がかかるとか、ガスやその他の資源類も制限対象として検討されています。つまり資源インフレの傾向は続くと考えられます。

アメリカもバイデン大統領を支える与党民主党の中間選挙の苦戦が伝えられており、ガソリン税免除の立法を議会に要請しております。ガソリン高が米国民にはインフレを意識させる度合いが高いからですが、それ以上の対応は考えられておりません。インフレ対策はFRBの金融政策が本命であって、その独立性を尊重する立場から、政府不介入の立場を鮮明にしております。そのFRBパウエル議長は1年前の判断ミスを自覚しておりインフレファイターに変身しました。そして日銀は?

日銀、インフレなお「一時的」 利上げの欧米と開く距離:日本経済新聞
FRBパウエル議長の1年前の発言と同じフレーズが日銀から飛び出した訳ですが、パウエル議長の判断ミスこそこの「インフレは一時的」という見立てで利上げを遅らせたことにあります。その結果インフレが昂進し制御が難しくなって利上げを急いでいる状況で、政策を見直した訳です。日銀の政策見直しは難しいのは確かですが、だからインフレを放置してよいということにはなりません。こんなニュースもあります。
利上げドミノ、市場揺らす スイスが震源に:日本経済新聞
スイス中銀は伝統的に相対的低金利と通貨安への誘導のため緩和的な金融政策を取る傾向がありますが、ECBの利上げに押されて利上げを決めました。理由は低金利でキャリートレードが拡大して通貨安を助長するからというもの。通貨安によるインフレから国民生活を守るためにキャリートレードをけん制する狙いと言われます。主要国で緩和継続はほぼ日本だけという状況になった訳です。これつまり緩和継続の日本円のキャリートレードの拡大が見込まれる訳で、円安要因となります。

これリーマンショック前のゼロ年代の日本だけゼロ金利の時代とほぼ同じ状況になった訳ですが、大きく違うのは当時は貿易黒字が続いていたことです。つまり実需としての貿易決済取引で円高圧力がかかる状況で、金利差によるキャリートレードがそれを中和した訳です。それぐらいキャリートレードの影響は大きいのですが、それでも円高は抑えられず、円売り介入も行われました。今回の輸入インフレは貿易赤字の中で起きている訳ですから、インフレを抑えるには日銀が動いて緩和を終わらせることが必要な訳です。

という訳で、インフレ対策はあくまでも中央銀行の役割ということは踏まえられている訳で、選挙でインフレ対策が連呼される日本の状況は異常です。それも石油元売りへの補助金だったり、財政出動を伴う給付金や減税だったりということですが、輸入インフレに対応するには輸入を減らして貿易赤字を解消するしかない訳で、財政を使って需要を喚起する政策は寧ろインフレを昂進させる逆効果となります。故に日本が政策的に対応できる手段は、繰り返しになりますが金融緩和の縮小と財政支出の抑制による総需要抑制策しかありません。

第三次オイルショックエントリーで取り上げた第二次オイルショック時の総需要抑制策に倣って公共事業やその他公共投資の一時凍結で財政を圧縮し、国債の償還に合わせて日銀保有の国債の償還を進めることなどが必要になります。異次元緩和が長く続いたので、当面これを続けて徐々に国債を減らすしかないのが日本の現状です。

その一方で電力危機解消のために送電網の整備や蓄電システムの構築などへの補助金を出して民間投資を促すのはアリです。公共投資は抑制すべきですが、必要な民間投資は利子補給の形で補助することで輸入エネルギー依存を下げることで貿易収支改善につながります。その意味では原発再稼働も選択肢にはなりますが、それが困難な状況は繰り返し述べてきた通りで、政治判断でどうにかなる訳ではありません。寧ろ稼働していない原発の容量分の空きが送電網にある訳ですから、それを活用して需給調整に生かす方が短期的な対策としては有効です。

ということで、鉄ちゃん的暑さ対策は乗り鉄でしょう^_^;。家にいなければエアコン使わなくて済みますしwww。

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