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Sunday, July 03, 2022

梅雨明けの徒然大草原www

インフレを終わらせるには日銀の政策変更が必要なんですが、その日銀が炎上黒田節hl でインフレ対策眼中になしの姿勢を見せている訳ですが、第三次オイルショックエントリーで指摘したように、世界はスタグフレーションに向かいつつあります。第一次第二次のオイルショックは何れも戦争が契機となっている点に共通点があり、今回が第三次オイルショックと呼べるほど酷似しておりますが、同時にオイルショックに先立つ1973年のニクソンショックで米ドルと金の交換がストップし、戦後のブレトンウッズ体制が崩壊したことの影響も指摘できます。

結果的に金の裏付けを失った米ドルの信認は低下する一方、当時の米FRBの緩和的金融政策もあって米ドルが大量に発行されました。その結果ドル建てで決済される石油取引に影響し、ドル建ての原油価格急騰となった訳です。加えて対ドルで上昇圧力のかかる他国通貨は為替相場維持が困難になり、特に日本円と西ドイツマルクには厳しい状況となり、当時の日銀とブンデスバンクは米FRB以上の金融緩和を迫られます。その結果世界にマネーは溢れバブル状態になっていた訳です。

今回もリーマン後から続き各国中銀の緩和措置によるコロナバブルの渦中ですから、金融政策面から見ても第三次オイルショックと呼ぶべき類似性があります。これが是正されるのは80年代米FRBボルガ―議長の高金利政策によるインフレ退治と、高金利でドル高ととなり米国経済を圧迫したことから85年のプラザ合意でドル売り協調介入した結果やっと落ち着き、米経済が成長軌道に乗る90年代半ばまで待たなければなりませんでした。

つまり危機を抜けるのに20年ほどかかっている訳ですから、今回もそれぐらいの時間軸で見る必要があります。加えて日本が半導体産業で先行しながら他国に追いぬかれたIT関連産業の興隆という産業構造の世界規模の転換が起きた訳ですから、それを考慮すれば今やるべきことは脱炭素に舵を切り産業構造を大転換することでしか出口は見いだせないという見通しも得られます。

一方日本ではまさかの6月中の梅雨明けでいきなり猛暑で電力逼迫ですが、よく考えたら6月は年間で最も日射量が多いシーズンですから、太陽光発電の出力を活用することで対応は可能なんですね。ですから注意報も太陽光の発電力がピークアウトする午後から夕刻の節電って話でして、実際は朝から太陽光の過剰出力を揚水発電所のポンプを作動させて上流調整池を満水にして備えていた訳ですから、結果的にやや大げさな煽りになった点は否めません。平年だと梅雨という雨季で太陽光の出力を当てにできない一方で、今年は梅雨明けが早まったことが幸いしたということは言えます。

寧ろ日射量の少ない冬期の寒波襲来時の厳しさの方が深刻です。電気が足りない訳じゃない 21年1月の電力危機の再現はあり得ます。よく言われる原発再稼働も、東日本で最も早い東北電力女川原発で24年度見込みですから、どう頑張ってもこの冬には間に合いません。故に老朽火力の高稼働で対応せざるをえなせんが、それは同時に老朽火力のトラブルを増やします。

福島・勿来火力発電所が停止 姉崎5号機は再稼働:日本経済新聞
東北電力では東電への電力融通をしていた中でのトラブルですが、より古い東電姉ヶ崎火力へ火を入れる結果となった訳です。元々原発の13か月ごとの法定点検時のバックアップ電源として温存された老朽火力は燃費も悪いしメンテナンスも手がかかる厄介者なのに、原発再稼働を前提とするからつなぎで稼働率を高めてトラブルを呼び込む悪循環なんですね。そんなところに金掛けるならNAS電池やグリーン水素+燃料電池で蓄電設備を拡充することの方が緊急度は高いと言えます。その分エネルギー輸入を減らせますし、脱炭素にも貢献します。
5月の鉱工業生産7.2%マイナス 自動車など低下:日本経済新聞
サプライチェーンの混乱で鉱工業生産指数が低下しております。これつまり日本の製造業の生産能力が低下し、輸出余力が減ったことを意味します。つまり円安で輸出企業の利益拡大も望めない訳で、円安を活かした製造業の国内回帰も円安で設備投資の直達面の制約が増すことになります。円安メリットは悉く失われます。唯一工場稼働率の低下は電力逼迫を緩和しますから、悪いことばかりではないということは付言します。

という訳で電力問題では早い梅雨明けは言われるほどの影響はないと言えますが、もう一つ終わらないコロナの観点から言えば別の面が見えてきます。元々欧米に比べてアジアの感染者が少なめなのは、雨季の影響があると思われますが、雨季が早く終わるということは、次の感染拡大を警戒すべき状況と言えます。実際こんなニュースが。

東京都、新型コロナ警戒度上げ 感染者が増加傾向:日本経済新聞
実際人が動いていて感染機会は増える傾向に会否めません。ワクチンのブースター接種が進んである程度感染拡大は抑えられるでしょうし、重症化を防ぐ効果から言えば、緊急事態宣言やまん延等防止措置の発動による行動変容の必要性は低いと言えますが、同時に熱中症との取り合いで医療逼迫が起きる可能性は高い訳で、警戒は必要です。マスクに関しては35℃以上でウイルスは活動できなくなりますから、屋外で外すのは問題ないと思いますし、熱中症予防の観点からもマスクは外した方がリスクは減らせますが、逆に空調の効いた屋内や交通機関利用時は引き続きマスクは必要でしょう。てことで乗り鉄はマスク着用で。
ミサイル攻撃の避難先は地下鉄駅 自治体の指定数3.5倍:日本経済新聞
これも繰り返し指摘していますが、キーウ市民が地下鉄駅へ避難したのは元々核シェルター機能を持った社会主義国仕様の地下鉄だからということですね。日本の地下鉄とは設計思想に違いがあります。寧ろ狭い地下空間へ人が殺到スタ時の危険性は顧みられていません。梅雨の後先の男たちに騙され続ける純真なカフェ女給の君江ですが、いい加減政治家や役人に騙されることから卒業しないと不幸なままですね。

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