コロナは万病の素らしい
社畜人ヤプーで帰省とコミケと青春18キッパーを取り上げましたが、コロナの自粛モードが、行動制限のない今年はかなり戻っているようです。それでもJR各社の指定席予約はコロナ前の6割水準ということで、戻りは限られます。コミケは台風直撃、豪雨や台風で足止めされた18キッパー死屍累々。
第7波渦中ですから無理もないところで、オミクロン派生のBA.5が猛威を振るう中、感染者の若年層への拡大と感染者の急増で「祖父母のために帰って来るな」と言われたケースもあるようです。実際ワクチン接種が進まない若年層の児童生徒が学校から持ち帰ったウイルスで一家全滅とか、エッセンシャルワーカーの職場内クラスター感染などで、例えば小田急バスの大減便とか宅配便の遅配とか、もっと深刻なのは只でさえコロナ禍で逼迫する医療現場の人手不足など、ウィズコロナを模索する政府の対応を難しくしています。
根拠薄れた感染対策、見直し急務 ウィズコロナへ岐路 岸田改造内閣の課題②:日本経済新聞岸田首相は第7波終了後の見直しに言及してますが、第7波渦中の現在、既に医療逼迫が起きており、検査キットの不足もあって綱渡りの現実があります。実際行動制限は求められていなくても、帰省を断念した人も少なからずいた訳で、感染拡大のアナウンス効果によると思われます。その意味で全数検査を無くすことは歯止めが無くなるという意味で時期尚早です。そもそも全数検査と言っても陽性率が3割とか5割とかの水準では検査件数が過小と評価せざるを得ません。つまり公称の感染者数は実数に満たないと考えられます。
そもそもコロナで日本が世界に誇る医療の皆保険制度がマイナスに働いた今回のコロナ禍ですが、その見直しの議論は停滞し、感染症に有効なオンライン診療の解禁も進まず、またイギリスの家庭医に相当する制度もなく、小規模な医療機関が乱立した中でのフリーアクセス制では発熱外来設置は風評になると尻込みされたり、指定を受けても非公開だったりで、実際の感染者を早期発見早期治療する体制は確立されず、見なし陽性とか自主隔離とか医療放棄ともとれる現実がある訳です。
イギリスの家庭医制度は日常的な健康相談など日本の保健所の機能を家庭医が担い、不具合が見つかれば専門医へ紹介するという制度ですから、電子化されていなくてもカルテが共有され、患者側から見れば最適な医療が受けられる体制です。それでも財政再建のために予算が削られたことから、コロナ対策は後手に回り多くに犠牲者を出しました。その意味でジョンソン首相が当初打ち出した集団免疫作戦は背に腹は代えられなかった結果とも言えます。
それでもカルテの共有で多くの疫学データが抽出され、各国のコロナ対策にプラスになりました。特にワクチンの効果を巡る問題では、mRNAワクチンの有効性の高さやオミクロン株で見られたブレークスルー感染でも重症化回避の効果があることなど、多くの知見を得られました。それに引き換え混乱し機能しなかった日本のコロナ対策ではデータ活用すらお寒い状況です。イギリスの家庭医に倣ったかかりつけ医を医師会は推奨してますが、法的位置づけが曖昧ですし、そもそも初期医療のための専門教育を受けていない一般診療所の医師では役割を果たせず、結局専門医へ直接診療できるフリーアクセス制を見直すことはできません。
あと日本ではあまり議論されておりませんが、コロナ後遺症の問題はほぼ手付かずです。コロナ感染し重症化して死亡するケースでも、肺炎が死因となるケースは半数ほどで、他は心筋症や血栓症など別の死因です。また回復後の味覚障害やコロナ鬱と言われる神経疾患も報告されておりますし、回復後の帯状疱疹の発症が有意に増えていて、且つ若年化しているという報告もあります。帯状疱疹自体は水痘の原因ウィルスとされるヘルペスウィルスが回復後も体内に潜伏し、高齢化による免疫力の低下など何らかのきっかけで発症すると言われる疾病ですが、コロナ感染がトリガーになる可能性が示唆されます。
このようにまだよくわかっていないところですが、コロナ感染がトリガーとなって他の疾病を誘発する可能性はそれなりにあると見るべきでしょう。特にオミクロン株では喉など上気道での感染が見られ、それが若年者の感染拡大をもたらしている可能性もあります。生育途上で免疫力も相対的に弱い子供への感染は、例えばサイトカインストームのような免疫の暴走で他の疾病を呼び込む可能性もあり、実際若年層の重症化自体は増えています。将に万病の素ですね。
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