後手後手の後出しジャンケン
ドイツの後塵に留まらず順調に衰退しています。
揺らぐ世界最大の債権国 日本円に2つの2024年問題 - 日本経済新聞過去の経常収支黒字の累積としての債権国日本ですが、その世界一の地位もドイツに明け渡します。ユーロ圏のドイツと違って自前の通貨を発行する日本にとっては、通貨の信任を担保する要素が1つ減ることを意味します。これは円安要因です。
経常収支黒字は続いてますが、貿易収支は赤字と黒字の行き来するイーブンの水準に後退してます。電機産業の衰退で特にパソコンやスマホといったハイテク製品の輸入超過に加えて、コロナ禍の影響もあってワクチンや医薬品などの医療品の輸入超過で帳消しとなっております。加えてサービス収支の悪化もあります。これは主にクラウドサービスなどデジタル関連サービスの海外(主にアメリカ)依存の結果で、水準としてはインバウンドによる旅行収支黒字の倍の赤字です。国内企業や個人の海外資産の配当に当たる所得収支の黒字で辛うじて経常栗字を維持している状況です。つまり国内の稼ぐ力が減衰していて実需でも円安が定着していることを意味します。それを踏まえて見るべきニュースです。
円乱高下、一時141円台 4カ月ぶり高値 - 日本経済新聞為替が円高に振れて円安の終了という見方がされてますが、円安の地合いは変わりません。相場が乱高下したのは米FRBの利上げ打ち止め観測によるドル高ポジションの修正と日銀の緩和修正先取りという投資家の2つの動きが重なった結果ですが、141円台まで円高が進んだ後144円台まで戻しているように、結果的に相場の修正は起きたものの、円安傾向を逆転するほどの話ではありません。超インフレでも経済成長しているトルコリラ以上に円の実質実効レートは下がっています。故にこうなります。
消費の再点火、成長持続の条件に 7〜9月期GDP下方修正 - 日本経済新聞個人消費の弱さから下方修正されたものですが、円安によるインフレに賃上げが追い付かず実質賃金が下がっている状況では当然の結果です。しかもガソリン、電力、ガスの補助金や原油価格の下落があっての結果ですから深刻です。日銀政策変更は来年の春闘後と考えられますが、インフレ率を越えるとなれば5~6%程度の賃上げ水準が必要ですが、そうなると賃上げを原因とする供給制約によるコストプッシュインフレが起きます。2024年問題で人手不足が深刻化するとしても達成が困難な水準ですし、仮に達成されてもインフレは寧ろ進むことになります。つまりどのみち日銀は緩和修正を迫られます。
という訳で後出しジャンケンで後手を踏むドツボに嵌っているようにしか見えない状況は減税くそメガネで予想した通りで、世論を気にして所得減税を打ち出したら叩かれ、地方選挙の江東区長選でSNS広告打って選挙違反を問われ、更に派閥パーティを巡る裏金疑惑という決定的な問題で政権は迷走しています。
安倍派パーティー「裏金」数億円か 週内に捜査本格化 - 日本経済新聞法的には派閥パーティのパーティ券の議員個人の販売ノルマを超えた分のキックバック自体は違法ではないのですが、それを個人の政治資金収支報告書に記載しなかったことが問題視され地検特捜部が捜査している状況です。パーティ券販売自体は野党議員もやっていることで、立憲安住議員の30万円の記載漏れも報じられましたが、安倍派議員の記載漏れの金額が数百万から一千万単位という数字で、仮に1千万円とすれば1人5万円のパーティ券を200人分余分に売ったことになりますから、1回のパーティでは無理な数字ですからうっかり記載漏れという言い訳は通用せず、何回も意図的に不記載を繰り返していたとしか考えられない訳で、その分が裏金となっている訳でかなり悪質です。
また法的にはパーティで政治資金を集めることは禁止されていませんが、まとまった額を得ようとすれば構成員の多い企業や団体に頼ることになりますから、政党向け以外は禁止されている企業団体献金の抜け穴になっている可能性もある訳で、そうして恩を売られた議員はパーティ券を引き受けた特定の企業団体に便宜を図ることになる訳で、利権政治の温床でもあります。故に真っ直ぐ問題解決に繋がらず、寧ろ特定利害を保護する骨抜きがされる訳です。例えば旧統一教会の解散命令前の財産保全を狙った法整備でもそうなりました。こうして既得権益が保護された結果の日本の停滞ならば、選挙で変えられるということでもあります。例えばこんなことも。
公共工事、物価高超す増額頻発 国発注の4割で計5.2兆円 - 日本経済新聞資材高や人手不足で事業費が膨張すること自体はやむを得ないことですが、問題は過程が不透明なこと。事業ごとに相対で増額が決まるもので、物価スライドのようなルールに則ったものではありません。例えば辺野古の新基地建設や大阪関西万博関連などのようにどんどん予算が増額する一方、再三取り上げてますがローカル線の存続や都市部でも顕著なドライバー不足によるバス減便など、国民生活にリアルに支障が出ている問題に対しては予算がつかない現実があります。あるいは事故起こしたオスプレイには予算がつき意味のないトマホーク購入も予算化されようとしている訳です。流れを変えるには主権者たる国民が覚醒する必要があります。
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