« 戦争は経営でできている | Main | 国家は憲法でできている »

Sunday, April 28, 2024

インフレ定着が意味するところ

インフレは続くよどこまでもで取り上げた米財政支出に対する共和党の反対姿勢が見直され、ウクライナ軍事支援が可能になりました。大統領選を控えてトランプ派が中間層取り込みで妥協した結果ということですから、トランプ氏の再選は厳しいという見方がされているということです。一方パレスチナ問題で若い有権者に嫌われているバイデン氏の再選の確実とは言い難く、本当に五分五分という情勢です。そんな中でこんなニュースです。

麻生太郎・自民党副総裁、トランプ前米大統領と会談 米大統領選後を見据え - 日本経済新聞
もしトラ対策と言われますが、バイデンでもトランプでも日本に対しては「金出せ!」の立場は変わりません。しかも円安でトマホークなどアメリカに「買います」と約束した兵器価格は円建てで上昇する訳ですから日本の財政負担はそれだけ増す訳です。その円安がさらに進んでます。
円安加速で34年ぶり1ドル158円台 米国の高い経済成長率・高インフレ・高金利に歯止め利かず - 日本経済新聞
3月の日銀政策決定会合でマイナス金利解除したときの安心してください時点ではドル円147円台だったから、1か月ほどで10円以上円安に動いた訳です。今回の日銀政策決定会合で追加利上げがあるかどうかが注目されたのですが日銀は動かず、日米金利差が当面続くという観測から当然の動きです。何度も言及してますが、低金利通貨としての円を調達して海外で運用すればそれだけで金利差が手に入りますし、日本の株や債券を買う場合も為替予約してヘッジすることで丸儲けとなるという現状が固定される訳ですから、投機筋にとっては安心材料となります。

唯一為替の円買い介入の有無だけが投機筋には懸念材料ですが、インフレが止まらないアメリカが認める筈もなく日本政府は動けません。仮に為替介入を実施できても効果は一時的で投機筋にちょっとした損失が出るものの、いくらでも取り返せるレベルです。この点は貿易に不利とするトランプ氏が再選されれば変わるでしょうけど、まさかそれだけでトランプ再選期待はあり得ません。

それ以前に日銀は自身のバランスシートを痛める可能性のある利上げや量的緩和終了に動きにくい状況にありますし、それを政府も都合よく利用していると見るべきです。これも繰り返し述べてますが、インフレの最大の受益者は財政赤字を抱える政府です。インフレで貨幣価値が下がればそれJ自体で債務負担が軽くなりますし、所得税、法人税、消費税の基幹3税がいずれも税収上振れとなりますから、逆に財政支出がやり易い状況になっています。所謂インフレ税と呼ばれる現象です。

インフレでGDPの名目値が上昇すればそれに伴って税収は増える訳ですから、政府は名目値だけ見ていればよい訳で、日銀が動けないから利払い増も当面あまり心配いらないし、実質GDPがどれだけ悲惨な状況であっても知らん顔していればよい訳で、過大な財政赤字を抱える日本政府にとってはインフレは神風のようなものです。故に国民や野党がどれだけ騒ごうがアメリカから高い武器を買って国民負担を増やして知らん顔できる訳です。故に防衛費や子育て支援でもどうにか目先を誤魔化しながら、明示的な増税は回避することが政府としての最適解となる訳です。「増税メガネ」とか「ザイム真理教」とか騒いでる人たちが見落としているのはこういうことです。

こうなるのは結局政治が機能していないからで、もしトラで騒いでるアメリカはそれでも政権交代が頻繁にあるから物事がギクシャクしながらでも大外れはしない訳ですが、それがない日本はある意味外国から見ればわかりやすくつけ込みやすい訳で、結局バイデンでもトランプでも日本に対しては「金出せ!」で済む訳です。ここは国民が奮起して政治状況を変えるしかありません。その意味で国を動かすのは大変ですが、手前の自治体を動かすことは難易度は低いと言えます。そんなニュースです。

滋賀・近江鉄道、「上下分離」スタート ICカード導入へ - 日本経済新聞
滋賀県と沿線自治体が支援して近江鉄道の上下分離が実現しました。滋賀県の三日月知事は選挙戦で交通税導入を公約して当選した訳で、増税を約束して当選というのは面白いところです。有権者に身近な課題を提示して信を問うという教科書通りの出来事ですが、地方レベルではこうしたことができる余地があるということでもあります。政府が信用できなくても、身近な自治体を占拠で有権者がコントロールできればやれることはそれなりにあるということでもあります。またこれは赤字ローカル線存続のロールモデルになり得るという意味でも注目です。

| |

« 戦争は経営でできている | Main | 国家は憲法でできている »

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

ローカル線」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 戦争は経営でできている | Main | 国家は憲法でできている »