裏金のウラ
裏金のウラでこどもの疲弊は高まりそうです。
離婚後も父母で育児 共同親権、「子の幸せ」双方に責任 - 日本経済新聞結局ろくな国会論戦を経ずに成立した共同親権を認める民法改正ですが、意味不明です。親権は子供を育てる義務を負う権利ですが、子持ち世帯で離婚が発生した場合、経済力のない妻側が親権を取り。経済力のある夫側が養育費を支払うことで離婚を成立させるケースが多い訳ですが、養育費はしばしば支払われないとか、夫の父親としての面会権は法的に担保されているのに誤魔化してそれを梃子に進めたりしてます。加えて既に離婚したカップルにも遡及されるというのも法の非遡及原則に反します。
DV夫の問題などは言われますが、子供のパスポートの取得や受験、手術などに共同親権者の同意が必要になり手続きも煩雑ですし、悪用されれば養育費不払いの口実や児童手当の折半や最悪「イッパツやらせろ」もあり得ます。加えて子連れ再婚も難しくなるし、既に子連れ再婚している場合も生みの親の権利として割り込んでくるとか、寧ろ子育てのコストを高めます。これのどこが子育て支援であり少子化対策なのか?寧ろ婚外子を含むひとり親世帯の子育てを直接支援する方が少子化対策になるのではないでしょうか。
これ以外にも採らぬ狸の戦争の配当で触れたセキュリティクリアランス法や戦争は経営でできているの農業基本法改正などのトンデモ立法が国会をスイスイ通過している現状があります。にも拘らずニュースでは政治資金規正法改正の話題ばかりで、更にNTT法改正や緊急事態対応で政府が地方に命令できる地方自治法改正などのトンデモ立法予備軍が目白押しです。裏金問題が目晦ましになっている訳です。とはいえ裏金問題はこれはこれで無視できない問題だけに、政治が機能せずに政府の暴走が止まらないということでもあります。これ繰り返し述べてますが、戦前の政治不信の果てに戦争へ進んだ歴史に酷似します。
この辺は帝都電鉄物語でも論じてますが、政治不信が行政の統制強化を誘い戦争へといざなった歴史を繰り返すことは避けなければなりません。といった堅い話とは別に、このエントリーで示した戦前のマネーゲームの異常さはこんなことでも見えてきます。
消える新京成電鉄の社名 歴史が生んだ「くねくね路線」 ググっと首都圏 - 日本経済新聞映画「戦場にかける橋」で有名な泰緬鉄道の建設にも関わった旧陸軍鉄道連隊の演習線跡地の払い下げで誕生した新京成電鉄ですが、軍事施設故にGHQに摂取された旧鉄道連隊跡地を巡っては西武鉄道も動いていたと言われます。裏でどのような動きがあったかは定かではありませんが、当時高田馬場馬起点だった西武線の新宿延伸と引き替えに京成への払い下げが決まったと言われております。戦後早々の利権漁りはGHQから始まりました。
当時は無人の原野だった北総台地ですが、東京に近い立地の良さに加えて地盤が安定していたこともあり、松戸市の常盤平団地を皮切りに、沿線で大規模な宅地開発が続き、輸送力増強に追われながらも親会社の京成電鉄の旧型車の支援もあって経営は好調で、子会社ながら株式上場して投資家から資金を集める独自経営が可能になります。地域的に京成との棲み分けも可能だったこともありますし、都営地下鉄との相互直通運転対応で4ft6in(1,372mm)から4ft8ub1/2(1,435mm)への改軌や1号線規格の新車増備などで資金面で厳しかった京成にとっては子会社上場で身軽になるし、用途廃止の旧型車の引受先としても重宝だったという面もあります。
ところがバブル崩壊後の株式持ち合いが問題視され、親子上場は特に狙い撃ちされやすいということもあります。同時にそれは三井不動産との合弁事業としてスタートしたオリエンタルランドの好業績も狙い撃ちされることになります。そこへコロナ禍で空港輸送激減で京成本体が直撃され、オリエンタルランド(OLC)も不振ですが、地域輸送に特化した新京成は好業績を維持しました。そしてコロナ明けで京成本体とOLCが業績回復すると、投資家からのアタックが強まります。
京成電鉄はOLCの好業績高配当のお陰で利益水準が下駄を履いた状況だった訳ですが、それが無ければ株価収益率(PBR)0.5という資本効率の低さは笑う鬼退治でも指摘しました。京成のOLC保有株の時価が京成自身の時価総額の1.6倍にもなり、一部売却でも大きな資金を手にすることが可能ですが、京成自身は空港輸送というもう一方の金の生る木を抱えていて新たな投資案件が見当たらないということもあり、自社株買いによる株主還元の原資にせよという圧力とも見えます。
それに対して京成が示した回答が新京成電鉄の子会社化による上場廃止と経営統合によるシナジー効果獲得ということで、既にOLC株売却で500億円の営業外収益を得ており、新京成の経営統合の資金に充てるという画を描いた訳です。鉄道事業だけを見れば例えば運賃の一元化は成田空港線運賃やちはら線運賃までは無理だし、京成線と新京成線だけの一元化はさほど意味がないので、寧ろ独自に展開された両社のバス事業や不動産事業の統合に狙いがあると見られます。投資家に迫られて追い込まれてという点は戦前の帝都電鉄に似てますが、統治の透明性が求められる時代故に変なことはできないという訳ですね。ピンクの電車もいずれ過去帳入りするかもしれません。それにつけてもで出口の目見えない裏金問題です。
追記:京成電鉄はOLC株を売却しませんでした。特別利益500億円は新京成電鉄株全株取得による完全子会社化によって発生した負ののれんです。
つまり新京成電鉄全株取得費が新京成電鉄の純資産評価額を下回った結果です。コロナ禍でも業績が安定していた新京成電鉄の財務の健全性故の椿事です。うっかりとはいえ間違いました。m(_ _)m
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