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June 2024

Saturday, June 29, 2024

鉄路的連結列車はどこ行き?

怪運国債市場の蓋でYCC末期の悪足搔きから黒田日銀の後継総裁に植田氏の名が挙がったことに加えて、大阪万博の工事遅れで開催が危ぶまれていることを指摘しましたが、案の定万博関連のトラブルは絶えません。

大阪万博はうっすらウンコ臭い? “腐った卵”硫化水素が流出も「対策これから」の体たらく―日刊ゲンダイ
ゴミ埋め立て地の夢洲故に地中で発生したメタンガスが爆発してトイレが吹っ飛んだ事故を受けて、地中にパイプを挿してガス抜き対策がされてますが、その結果硫化水素が検出されてリアルにウンコクサイことに^_^;。比重の大きい硫化水素はガス抜きしても拡散せず地面近くに滞留します。高濃度だと死に至る毒性があるだけに追加の対策が必要ですが何も決まっていないとか。そんなところに人集めて大規模イベントの狂気。いっそ東京五輪に倣ってネット中継で無観客開催したらwww。東京五輪の落とし物で取り上げた神宮外苑再開発はゲートシティ開発で発掘された高輪築堤に続いて2年連続イコモスからクレーム。そしてその続きがこれ。
北九州の「初代門司駅」鉄道遺構保存を イコモスが緊急要請の発出検討 - 日本経済新聞
世界遺産登録に積極的な一方、タイ政府が申請する泰緬鉄道クワイ川鉄橋は裏金のウラで見たように反対して歴史戦を気取る国交省ですが、おひざ元の国内で門司港駅周辺の再開発絡みでイコモスが懸念を示し、3年連続のヘリテージ・アラート発出という不名誉の可能性も。再開発優先で文化遺産保護が置き去りにされています。そしてこれも国交省が関わります。
インフラ海外展開の官民ファンド 累計損失が955億円に - 日本経済新聞
アベノミクスの成長戦略としてインフラ輸出が掲げられ、促進のためにJOINという官民ファンドが立ちあげられましたが大赤字。テキサス高速鉄道のように米政府のインフラ投資法事業として補助金が決まったにもかかわらず事業者となる現地企業が債務不履行に陥り停滞しています。ちなみにJR東海が関与していて安倍元首相との親密さは知られているところです。8連で国際規格準拠のN700Iがデビューする筈だったのですが、人件費が高くコロナ後も人手不足が続くアメリカでは難しいかも。もしトラなら補助金自体キャンセルの可能性も。
角川歴彦前会長、国を提訴 「人質司法で精神的苦痛」 - 日本経済新聞
一連の五輪不正疑惑で訴追された大物ですが、黒幕視される森元首相に代わる当て馬の疑惑があります。公判が楽しみです。裏金問題も森元首相の関与が確実視されているにも拘らずこちらも今のところお咎めなしです。厚労省村木事件や大川原化工J機事件に留まらず長期勾留で長時間の取り調べで言質を取る人質司法の闇が明らかになる可能性があります。
黒川弘務元東京高検検事長の定年延長文書、一部開示認める 大阪地裁 - 日本経済新聞
地裁レベルですが、司法にも変化の兆しはあります。黒川東京高検検事長の定年延長を決めた閣議決定の関連公文書家事を拒否した国を訴えた裁判ですが、全面開示を命じています。当時森友学園、加計学園にさくらを見る会疑惑と追い込まれていた当時の安倍首相が、権力に甘いと言われる黒川氏を検事総長にするための定年延長と言われました。結果的に黒川氏の賭けマージャン暴露で辞任に追い込まれ実現しませんでしたが、裏金問題の対応で今でも甘い検察の態度が更に甘くなった可能性はあります。裏金問題に関しては安倍元首相はやめようとしたけどやめられなかった経緯がありますが、自身の疑惑で手一杯で派閥議員を掌握できていなかったのでしょう。他方でこれ。
東京大学・安田講堂に学生侵入 警備員けが、周辺で集会 - 日本経済新聞
学費値上げを発表した東京大学の安田講堂前の芝生植え込みで東大生がキャンプを張って反対運動しているもので、警備員とのもみ合いはあったようですが、警備員がケガした事実は確認されておりません。大学当局が警察を呼んだものですが、さしずめいちご白書を東大もということか。学術会議指名拒否や科研費削除など大学の自治権を削る政府の姿勢が学生をないがしろにするということです。国内ではまともな学びが受けられないとなればこの国はどうなることやら。

東京繋がりですが町田は東京都 です。この巨大な公設掲示板ジャックが話題ですが、選挙のマネタイズという意味で不快感を表す見解が見られますが、選挙でばら撒き裏金で回収する自民党の方が悪質ですね。選挙そのものがイベント化してメディアもおこぼれ頂戴している現状で、法改正の議論には違和感があります。逆に公職選挙法で発言や表現が保護されているから、300万円の供託金払えばやりたい放題ですが、選挙以外の日常の政治活動や社会活動は世間の目とやらで自主規制される現状のおかしさこそが問題です。

そういえば表現の自由を謳ってヌードポスターを公設掲示板に張った候補もいましたが、表現の自由が実はエロ解禁で、ポスターは東京都迷惑防止条例違反の疑いがあるということで警察が注意して外されました。これを警察の選挙妨害というのは無理があります。条例アッ法律を越えられない減速がありますから、当該候補者がそれを公選法の自由妨害として拒否する可能性もあったでしょうけど、そうしなかった程度の主張だったとは言えます。但し公選法でも表現の自由が公序良俗に反しない限りという但し書きはありますが。

てことで行先の分からない列車に乗っているようなこの国の現状です。鉄路的リンク(連結)集でした。

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Saturday, June 22, 2024

イノベーションを阻むもの

不正を生む会社の掟の自動車検査不正ですが、豊田彰男トヨタ会長の記者会見での検査基準の不合理性に言及したことが不評です。三部ホンダ社長が法令違反の不正を率直に謝罪したことに対して、何だか言い訳がましいということです。もちろん現場を庇いたかったということでしょうけど、謝罪会見でのこの差は意味深です。というのは元々2015年に発覚した三菱やスズキの燃費不正の構造と酷似しているからです。

三菱とスズキは共に当時のJC08モードという日本独自の燃費基準に則った試験ではなく三菱はアメリカ基準、スズキは欧州基準の検査方法を採用していて、惰行法と呼ばれるクルマの走行抵抗を実測して試験ローラーを踏ませるという手間のかかる方法でしたが、テストコースの立地条件や天候次第で実測データのばらつきが大きくなる不都合があり、より厳しい海外基準に準拠した形で試験していたものです。そして海外基準に比べると緩い基準だったこともあり、2016年に見直され燃費基準は国際基準に準じたものに改められました。つまり今回の型式指定検査と同じ構図で既に見直されていた訳ですが、燃費以外の日本独自基準は一部に残って放置されていた訳です。

つまり自動車工業会的には日本基準の不合理性はある程度共有されていたのですが、国に改善を求めるでもなく放置されました。そして基準見直しに最も後ろ向きだったのがトヨタです。検査が不合理で余分なコストがかかると生産台数が少ないメーカーほど負担が大きくなるからトップメーカーのトヨタには有利ですし、まして輸入車にも同じ検査を義務付けられている訳ですから、非関税障壁でもある訳です。国内シェアトップのトヨタとしてはやりたくない訳です。つまり謝罪会見での豊田会長の発言は身勝手ですし、一方海外市場に強いホンダの三部社長は日本基準の見直しは求めるけど、それを言うのはここじゃないという自覚があったということですね。国内市場に対する両社のスタンスの違いが出た訳です。

その国内市場も人口減少で縮小は避けられないから、トヨタも海外進出は活発に行ってはいますが、国内の強さが土台になっており、そこを明け渡す気はないってことですね。また完成車メーカーが乱立して競争が激しかったかつての日本と違って今やダイハツ、日野、スバル、スズキ、マツダとも資本関係を持つ巨大企業グループとなり、かつてのライバルの日産は落ち目、世界のホンダも国内で売れるのは軽ばかり、政府も御用聞きに来ると我が世の春を謳歌するトヨタ。現状を変えたくないイノベーションのジレンマを地で行く存在になっているということですね。これかつてのビッグ3時代のGMの立ち位置に酷似します。

そしてそのアメリカでバイデン政権肝いりの反インフレ法(IRA法)でEV普及促進をしているけど、売れるのはテスラばかりで多数のEVスタートアップは現れては消えで定着せず、そのテスラもEVの普及が進んで市場独占が進んだ結果足踏みしています。そこへ中国メーカーが参入を狙ってメキシコに工場を建ててアメリカ輸出を目論みますが、バイデンでもトランプでも関税がかけられること確実と見られています。とはいえテスラの1/3の価格の新型小型EVなら仮に200%関税かけられても競争力はある訳で、EVの世界でも早くもイノベーションのジレンマが起きつつある状況です。

中国の強さはBYDに留まらず多数のメーカーがしのぎを削る過当競争状態で、かつての日本市場を凌ぐ国内競争市場で鍛えられた競争力は、すでに東南アジアでは存在感を増し、例えばいすゞのピックアップトラックが席巻するタイ市場でも異変が起きています。日本でも大型中型小型のラインナップを揃えた中国製EVバスが増えており、乗用車でもBYDが既に国内ディーラーを立ち上げています。中国は今不動産バブル崩壊や習近平体制で民間企業を圧迫するなどして経済は順調とは言えませんが、EVブームでイノベーションを先導しています。欧州で中国製EVの補助金によるダンピング輸出の認定も、それだけ中国製EVが売れている結果の市場防衛であって、右派の台頭もあってEUとしても動かざるを得なかったものですが、イノベーションの波に乗れていない訳です。、

とはいえ中国も既に人口減少が始まっており、日本を含む先進国と同じ成長力の低下に直面している訳ですが、それでも人口規模が大きく、農民工などの廉価な労働力のボリュームがあり、加えて海外企業との合弁による技術移転もあって最新技術+廉価な労働力という強みは健在です。そしてネックの先端半導体分野でも独自技術でキャッチアップに動いており、台湾や韓国にはかなわないかもしれませんが、日本よりは強くなると見られます。もちろん製造装置その他日本の強い分野はありますが、逆に中国デカップリングが進めばその日本の強みも薄まります。

という訳でマクロ経済的には経済減速が見込まれる中国が強いのは、国内市場規模が大きくそこへ多数の事業者が参入して熾烈な競争を展開しているからで、その中で例えばBYDのような企業が勝ち上がって世界を目指すというかつての日本の自動車産業のようなミクロの競争環境があり、それがイノベーションを生んでいる訳です。イノベーションを唱えたシュムぺーーターもイノベーションはあくまでミクロの現象であり既存のリソースの組み合わせによる新結合による価値創造としており、日本でイメージされる技術革新とはニュアンスが異なります。寧ろ国のマクロ経済政策に経済成長の要素はなく、経済成長は企業家のアニマルスピリットと述べたケインズと同じことを言っています。故に補助金でTSMC誘致とかラピダス支援とか、その他スタートアップ支援とかしても意味はない訳です。

その意味ではJR東海の中央リニアへの挑戦はアニマルスピリットと言えなくもないですが、本音は東名阪の三大都市圏の都市間輸送の市場独占に狙いがあります。だから東海道新幹線の二重化による東海地震対応とか東海道新幹線の老朽施設更新のための長期運休の必要性とか、もっともらしい理由を並べますが、既に東海道新神瀬はのぞみ大増発で対航空で優位に立っています。航空便は便数こそ維持してますが、機材の小型化で提供座席数を減らしていますし、さらに国際線のコードシェアで座席を埋めるとかしている訳で既に勝負はついています。加えて二重化ならば東海道新幹線と共通の徹軌道方式の方が合理的ですし、中央リニアのルートも東海地震警戒エリアが被ってます。東海地震対策ならば地震減の異なる北陸新幹線の大阪延伸こそ本命の筈です。

加えて言えば国土の均衡ある開発という全幹法の趣旨から言えば新幹線ネットワークの形成こそ求められる訳で、取ってつけたような小浜京都ルートではなく米原ルートこそ本命です。何故ならば距離が短く少ない事業費で短期間に整備が可能であり、既に関西広域連合で合意されており、費用便益比(B/C比)2.2と優秀です。

それに対して東海道新幹線の過密ダイヤに乗り入れは不可能とか、米原駅周辺の土木工事の困難さや保安装置の違いや脱線防止システムの違いといった重箱の隅つつきがされてますが、全て解決可能です。そもそも米原ルートもとりあえず米原乗換をベースにB/C比を算出しており、それでもこれだけの経済効果が見込めるという意味ですし、乗入れの為の米原駅の構造とかはJR東海を含めた協議を経なければ決定できませんし、その場合B/Cは悪化するでしょうけど。それでも1.8程度には収まるでしょう。東海道新幹線の過密ダイヤといってもこだまの退避で列車間隔が空くところへ滑り込ませれば可能です。この場合事故や悪天候時の運転整理が複雑にはなりますが、不可能ではありません。あと保安装置や脱線防護システムの違いを言い訳にするのは笑っちゃいます。初代ユーロスターはDC660v,1.5kv,3kv,AC16+2/3hz15kv,50hz25kvの5電源で架線集電とサードレール集電両対応、英仏ベルギーで異なる信号装置やホーム寸法に対応した可動ステップなどのギミックてんこ盛りでした。全幹法で規格が決められている新幹線同士の直通運転はそれよりはるかに容易です。技術的課題を回避する姿勢はイノベーションを阻害します。

まあとかく孤立主義のJR東海との協議をJR西日本が嫌った可能性はあります。例えば北へ届かなかったひかりで取り上げた東北新幹線の東京延伸に伴うJR東日本の東海道新幹線直通要請をJR東海は断りました。国鉄時代の計画では東北新幹線開業時に6番ホーム(12,13番線)を在来線から転用するほか、7番ホーム(14,15番線)を東北新幹線と繋げて東京をスルーする運転形態が考えられていた訳ですが、J国鉄分割民営化時に財産区分として7番ホームはJR東日本と東海の共用とすることになっていたものをJR東海が拒んだ形です。こうした前科があるからJR西日本がJR東海との協議を嫌った可能性はあります。それもこれも国鉄分割民営化に合わせて全幹法を見直さず、法を読み替えて対応した結果、国の事業なのにJRにイニシアチブを握られるという不都合が生じた訳です。こうしたことをきちんと見直さないから、後になって揉める訳ですね。ああイノベーションはいずこに?

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Saturday, June 15, 2024

これからも失われ続ける日本

円安が止まりません。原因はこれ。

日銀政策決定会合、量的引き締めへ転換 国債購入減額「相応の規模」 - 日本経済新聞
国債買い入れ減額による量的引締めの予告ですが、利上げと共に次回の議題ということで今回は現状維持ということで円安圧力は続きます。日銀の慎重姿勢は金利の大きな変動の悪影響は為替変動の比ではない混乱をもたらしますから動くに動けないのが本音。赤字が常態化した拡張的な財政運営を日銀の実質国債引き受けでファイナンスして為替の円安誘導したものの、国内企業の製造拠点海外移転で輸出は増えず、逆に資源高で貿易赤字が定着したため、財政と貿易の双子の赤字状況になっております。アメリカの80年代を見ればわかる通り、国力の低下による構造的な変化なので、米FRBの利下げで一気に反転する状況にはありません。

賃金ホントに上がってる?で金利を名目で見る短期の投機筋の動きは直ぐに止みますが、日本が未だマイナス圏にある実質金利に反応するのはより期間の長い中期資金ですから、目先のイベントに反応するより腰の入った投資ポジションを採ります。故にこれを反転させるためには米利下げと日本の利上げが複数回続くぐらいのことがなければ実現しません。故にインフレは今後も続きますし財政赤字は財政インフレとなって国民生活を圧迫し続けます。そんな局面での「バターより大砲」の防衛費増額はさらに国民を苦しめます。

産業政策としての半導体ですが、台湾TSMC熊本工場の影響で関連企業の投資も呼び込んでますが、政府の補助金大盤振る舞いが功を奏してるものの、日本企業はあくまでわき役ですし、電力と水を大量消費する半導体産業の成長の持続可能性はいかほどか。AIブームで時価総額が一時アップルを抜いたエヌビディアのGPUの電力消費の大きさから、気候変動問題がAIで解決可能になるか寧ろエネルギー消費を増やして気候変動の原因になるかという議論が既に始まっており、著作権やフェイク問題、さらに労働市場への悪影響など不確定な問題が山積しております。国や財界は円安メリットとしての製造業復権に期待があるようですが、生産年齢人口の減少が立ちはだかります。そこで政府は技能実習生に代わる育成就労を制度化して外国人労働者を増やそうとしてますが、そもそも円安で稼げなくなった日本にわざわざ来る外国人がどれだけいるのか。本当に現実が見えていませんね。こんなニュースも。

企業物価指数、5月2.4%上昇 4カ月連続で伸び率拡大 - 日本経済新聞
消費者物価の先行指標とされる企業物価指数の上昇が続いており、転嫁が進めば消費者物価に波及することは確実です。「物価と賃金の好循環」が如何に空疎かということです。加えてこれは日本だけではありませんが、企業の価格転嫁が便乗値上げの疑いが指摘されております。これはマクロデータのGDPデフレーターに見られるGDPの名目値と実質値の乖離が欧米も含めて大きく、名目値はプラスなのに実質値はマイナスという状況が続いています。つまり企業の強欲が国民を苦しめている訳です。こうした企業にとって心地よい状況を続けるには企業献金やパーティ券購入で政治家に裏金作らせて見返りを求めることは続けたい訳です。

とはいえ労働力不足は簡単には解消できず、特にサービス業の人手不足は深刻で、2024年問題による働き方改革も影響します。特例で長い待機時間を認められていた運輸業も規制対象となります。故により多くの人手を確保しないとサービスを維持できない訳で、運賃値上げの要件緩和もあってJR東日本をはじめ各社が値上げに動いています。DXブームに乗ってみどりの窓口を減らしたり営業時間を短縮したりしたものの、ネット予約や指定席券売機のユーザーインターフェースの使いにくさもあってJR東日本は見直しを宣言しました。複雑な運賃料金制度やマルスシステムの縛りもあってうまくいきません。故に省力化も足踏みとなる訳ですが、そうなると例えば豪雨被害で長期運休中の肥薩線のように、道路予算や河川予算を投入してJR九州の負担を軽減しても、JR九州が渋っているために復旧が手つかずとなってますが、仮に復旧しても赤字路線だし、そこに人手が取られれば全社的にマイナスという判断になる訳です。

よく引き合いに出されるJR東日本只見線では福島県と沿線市町村で54億円を負担して線路を普及した上県が第三種事業者となって第二種免許を受けたJR東日本が運行する上下分離形態で復旧したものの、福島県包括外部監査ではバス転換の方が地域活性化できた可能性があると指摘されるなどしており、これが今後のローカル線維持のロールモデルになるかどうかも不明です。やはり災害で長期運休中の津軽線中小国―三厩間もバス転換が決まりました、但し人手不足が深刻なバスによる転換も今後は困難が予想されます。という訳で政治家や企業のやりたい放題を放置した結果、ドン詰まりの未来しか見えないのが現状です。

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Saturday, June 08, 2024

不正を生む会社の掟

自動車メーカーの検査不正でほぼ全メーカーで不正が発覚し、トヨタ会長が謝罪会見するに至りましたが、そこでより厳しい基準で行われた検査結果を理由に「安全に問題はない」とされたことに問題の本質が滲みなす。

「三菱自動車」に学んだのか 型式指定、企業任せの功罪 認証不正 日本品質のおごり㊦ - 日本経済新聞
2016年に発覚した三菱自動車の燃費不正問題では、検査方法の異なる欧州基準のデータを流用したことが問われてますが、トヨタのケースでもエアバッグの作動で日本機銃よりも厳しい基準だったから安全に問題はないと言っている訳ですが、国が定めた検査方法と異なった検査だったから法令違反ではあります。つまり法令の独自解釈が広く行われていた結果、それが表沙汰になった訳です。つまり当事者である検査担当社員に不正の意図はなかった訳です。

クルマのというプロダクツが技術革新で複雑性を増していて内燃エンジン車でもペダルやギアレバーもワイヤーやロッドでつないでいる訳ではなく、センサーで感知して電子回路で伝達する電子制御が当たり前ですし、更に自動ブレーキやハイブリッドやEVも登場し、検査に時間がかかる一方、収益部門ではなく人員の補充のない中で、新車開発期間の短縮が要請され、検査で不合格を出す訳にもいかず、現場レベルの知恵として行われていたという実体があります。今回のトヨタ等の不正発覚も、日野、ダイハツ、豊田自動織機などの珪検査不正を受けて内部調査した結果出てきたもので、ある意味内部告発で発覚した三菱自動車やダイハツよりも深刻ということも言えます。

そしてこうした検査を巡る不合理の是正は今後の議論となるでしょうけど、もう一つ言えば日本より厳しいと言われるユーロ基準準拠の輸入車に対しても同じ検査方法で型式認証を求めている訳ですから、公正な競争の観点からも問題です。さらにいえば、こうした検査部門の現場の問題を経営陣が把握できていなかったことは深刻です。政治献金やパーティ券購入で国の予算取りや減税や補助金や規制緩和の働きかけには熱心なのに、足許の製造現場の声を聴いて業界団体から監督官庁(今回は国交省)へ働き掛けて法改正という正規ルートが機能していないこともまた可視化されました。その結果一部車種の生産停止等で社員やサプライヤーに迷惑をかける訳です。

一方政治資金規正法改正案は自公案に維新が乗っかる形で衆院通過して参院に送致されました。議員立法ですから各党各会派が提出した独自案それぞれについて趣旨説明と質疑が行われた後に委員会採決を経て本会議採決となりますから時間がかかりますし予算案のような衆院優越もありません。それでも自公維案は穴だらけで透明化とは逆行してます。そのココロは資金の出し手の名前が出ないようにしないとお金が集まらないからですが、ここを見直さないと検査不正のような問題は解決しません。現場を知らない政治頼みのけいえいしゃばかりじゃ日本は衰退するばかりです。

似たようなことは他業界でもあって例えば三菱電機の鉄道車両用エアコンの不正なども同じ構図です。現場では正しいことをやっっているつもりで不正を働く訳ですから、悪意がない分深刻でもあります。そしてこんなニュースもありますが、果たして悪意ありやなしや?

「Kアリーナ横浜」結ぶ歩道橋に設計ミス、必要な鉄筋量を満たさず強度不足-日経XTECH
アイドルイベントなどで歩行者の混雑が問題視されて混雑解消を目的とした横浜みなとみらい地区の新歩道橋が設計ミスで開通前日の5月31日に開通延期されました。支柱に大きなひび割れが確認されて発注主体の横浜市からの問い合わせに当初「問題ない」と回答していたJR東日本コンサルタンツが直前に設計ミスを知らせた結果ですが、構造計算の結果必要な鉄筋が不足していたということで、これから原因究明されるのでしょうが、JR東日本のグループ企業としての信用失墜は避けられません。構造計算のミスがどうして起きたのか、同社が手掛けた他の構造物に問題はないかなど続報を待ちたいですが、鉄道関連の構造物を手掛けているだけに問題が尾を引く可能性もあります。近頃おかしなJR東日本ですが、別の機会に深掘りしたいと思います。

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Sunday, June 02, 2024

終わらない後始末

アベノミクスの後始末関連で幾つか。小林製薬紅麹サプリの健康被害で青かびによるプベルル酸原因説の蓋然性が高まり、紅麹培養過程で青かびが混入したらしいということで、小林製薬の衛生管理に問題があったのは間違いないですが、それに留まらず健康成分を凝縮したサプリメントで規制の緩い特定保健用食品というところに違和感があります。規制の緩さ故にメーカーのモニタリングが甘くなった可能性は指摘できます。特に健康成分を濃縮したサプリメントは過剰接収の弊害が見落とされがちで、この面からの運用見直しは必要です。そしてリニア問題で注目の静岡県知事選。

静岡県新知事に鈴木氏、「県中・東部でも仕事で信頼」 知事選2024 - 日本経済新聞
川勝氏の後継と目された鈴木氏の当選は順当で与野党対決の構図よりもリニア静岡工区の着工問題が注目されました。鈴木氏自身はリニア推進を掲げていますが7割は反対とされる県民のリニア着工を巡る世論もあり、選挙期間中に微妙に態度を変えています。そしてこのニュースがかなり影響したようです。
リニアトンネル工事で井戸水位低下か 岐阜県瑞浪市で14カ所 - 日本経済新聞
大井川だけじゃなかった水問題ですが、実は山梨実験線の建設段階から井戸の枯渇などはいくつも発生していたものの、金丸信氏の鶴の一声で決まった経緯からか政治的にナイーブな問題としてあまり報道されませんでしたし、トンネルの多いリニアのルート故に静岡県以外でも当然起こりうる問題ですが、おそらく大口広告主としてのJR東海への忖度や当事者への個別補償で表に出なかったりだったのでしょう。しかしリニアにメリットのない静岡県故に大井川の水問題は抑えられず、またJR東海は水を全量戻すと言いながらトンネル工事が終わってからと当事者の神経を逆なでしてきたことで県民感情を悪化させてきました。そして川勝知事の突然の辞職を受けての静岡県知事選というタイミングでの報道ですが、開業時期が見通せないリニアの神通力が働かなくなったのでしょう。当然ながら鈴木新知事もJR東海に説明を求めています。

国策で進められているリニア事業が地方からストップがかかる構図はこれだけじゃなく、例えば佐賀県玄海町の各廃棄物最終処分場候補地の文献調査問題で山口知事が待ったをかけたりとか、辺野古の新基地建設を巡る沖縄県玉城知事の対応とか、国の動きに待ったをかけるという意味で地方首長選びは重要です。そんな中で都知事選への蓮舫氏の出馬表明がありました。五輪霧中などで繰り返し指摘してきた不正だらけの神宮外苑再開発が止められるかもしれません。そして国連も後押しします。

神宮外苑再開発「中止を」 ユネスコ諮問機関が会見 - 日本経済新聞
「文化遺産の不可逆的な破壊だ」というのは、元々明治天皇崩御を受けて地権者や国民の寄進で成立したメモリアルパークとしての神宮外苑の性格を踏まえたもので、私的所有を制限して成立した文化遺産を商業的に再開発することへの批判です。五輪関連の疑惑や不祥事は他にもいろいろありますが、とりあえず神宮外苑の再開発が止められるなら蓮舫氏だろってことですね。五輪の後始末も大事です。

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