終わらない後始末
アベノミクスの後始末関連で幾つか。小林製薬紅麹サプリの健康被害で青かびによるプベルル酸原因説の蓋然性が高まり、紅麹培養過程で青かびが混入したらしいということで、小林製薬の衛生管理に問題があったのは間違いないですが、それに留まらず健康成分を凝縮したサプリメントで規制の緩い特定保健用食品というところに違和感があります。規制の緩さ故にメーカーのモニタリングが甘くなった可能性は指摘できます。特に健康成分を濃縮したサプリメントは過剰接収の弊害が見落とされがちで、この面からの運用見直しは必要です。そしてリニア問題で注目の静岡県知事選。
静岡県新知事に鈴木氏、「県中・東部でも仕事で信頼」 知事選2024 - 日本経済新聞川勝氏の後継と目された鈴木氏の当選は順当で与野党対決の構図よりもリニア静岡工区の着工問題が注目されました。鈴木氏自身はリニア推進を掲げていますが7割は反対とされる県民のリニア着工を巡る世論もあり、選挙期間中に微妙に態度を変えています。そしてこのニュースがかなり影響したようです。
リニアトンネル工事で井戸水位低下か 岐阜県瑞浪市で14カ所 - 日本経済新聞大井川だけじゃなかった水問題ですが、実は山梨実験線の建設段階から井戸の枯渇などはいくつも発生していたものの、金丸信氏の鶴の一声で決まった経緯からか政治的にナイーブな問題としてあまり報道されませんでしたし、トンネルの多いリニアのルート故に静岡県以外でも当然起こりうる問題ですが、おそらく大口広告主としてのJR東海への忖度や当事者への個別補償で表に出なかったりだったのでしょう。しかしリニアにメリットのない静岡県故に大井川の水問題は抑えられず、またJR東海は水を全量戻すと言いながらトンネル工事が終わってからと当事者の神経を逆なでしてきたことで県民感情を悪化させてきました。そして川勝知事の突然の辞職を受けての静岡県知事選というタイミングでの報道ですが、開業時期が見通せないリニアの神通力が働かなくなったのでしょう。当然ながら鈴木新知事もJR東海に説明を求めています。
国策で進められているリニア事業が地方からストップがかかる構図はこれだけじゃなく、例えば佐賀県玄海町の核廃棄物最終処分場候補地の文献調査問題で山口知事が待ったをかけたりとか、辺野古の新基地建設を巡る沖縄県玉城知事の対応とか、国の動きに待ったをかけるという意味で地方首長選びは重要です。そんな中で都知事選への蓮舫氏の出馬表明がありました。五輪霧中などで繰り返し指摘してきた不正だらけの神宮外苑再開発が止められるかもしれません。そして国連も後押しします。
神宮外苑再開発「中止を」 ユネスコ諮問機関が会見 - 日本経済新聞「文化遺産の不可逆的な破壊だ」というのは、元々明治天皇崩御を受けて地権者や国民の寄進で成立したメモリアルパークとしての神宮外苑の性格を踏まえたもので、私的所有を制限して成立した文化遺産を商業的に再開発することへの批判です。五輪関連の疑惑や不祥事は他にもいろいろありますが、とりあえず神宮外苑の再開発が止められるなら蓮舫氏だろってことですね。五輪の後始末も大事です。
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