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Saturday, August 03, 2024

波乱の8月

プランBで指摘した日米金乳政策の方向性の違いは予想通りでしたが、日米で株価下落が起こり、波乱のスタートとなった8月です。為替も円高へ動き、円安メリットが縮小したことや円安に助けられた日本株の株価押し上げ効果も剥落し、早速日銀の利上げにイチャモンですが、直接的にはには無関係です。そもそも今年年初は130円前後で、150円を割った今の水準は3月の日銀YCC終了時の水準とほぼ同じです。日経平均4万円台もこのときにつけました。今回の下落は別の原因です。

そもそもは米半導体大手インテルの業績不振とそれに伴う1,5万人規模の人員削減が発表され、半導体を中心としたテック株が売り込まれたことがきっかけですが、突然喰らうド障害の混乱や生成AIブームに陰りが見えてきたこともあります。加えて米雇用統計が予想を下回り、米景気にマイナス面が見えてきたことで、9月FOMCで利下げはほぼ確実視されながら、金利低下の恩恵を受ける筈のテック企業に逆風が吹き始めたってことです。AIバブルが弾けたと言っても良いでしょう。ムーアの法則で半導体業界牽引してきたインテルですが、微細化の壁に突き当たりました。先を行く台湾TSMCや韓国サムスンも手詰まりなのは同じで、寧ろ米中デカップリングで販路を狭められています。

米景気に関しては既に悪化しているという分析もありまして、実際インフレで賃上げが追い付かず実質賃金が下落する場面もありましたが、インフレの鎮静化で追いついてきたとはいえ、逆に企業の負担は増す訳ですし、堅調と言われる国内消費も、コロナ給付金の大盤振る舞いで支えられていただけで、家計の余剰資金は底を尽きつつあり、低価格品に消費がシフトしているとも言われます。加えてもしトラで低金利、減税、高関税、規制緩和なんぞしようものならインフレ再燃は避けられず、米経済も失速を余儀なくされるでしょう。中国の減速もあり外需依存の強い今の日本で株価が下がるのは当たり前です。そんな中で気になるニュースです。

JR東日本、Suica販売停止1年 ガラパゴス仕様で半導体作れず - 日本経済新聞
一時半導体不足から販売停止に追い込まれたSuicaとPASMOですが、半導体供給が増えて半導体市況を悪化させているにも拘らず、Felica用半導体はSuica販売停止を受けてメーカーの撤退が相次ぎ、今は1社のみとなっている現状です。一方で地方向けICカード乗車券やnanacoやWAONなどの流通系カードは販売されているのですが、販売量の違いから、十分な在庫がないと安定販売が出来ないということで販売開始に踏み切れず、そのためにメーカーの増産が難しいというジレンマに陥っております。故にインバウンド客へのSuica提供ができずに取りこぼしている訳です。

突然喰らうド障害エントリーで取り上げた国際規格のOpenLoopの台頭を許すことになりかねず、JR東日本にとっては頭の痛い問題です。そもそもは香港のオクトパスカードに始まったFelica系カードですが、ソニーが経営再建途上でEDYをNTTに売り、更に楽天に転売して袋小路に迷い込んだ結果、国際化を果たせず、量産効果によるコストダウンも実現できずということで、シャープやエルピーダメモリやジャパンディスプレイなど死屍累々の山を築いた日本企業の失敗の歴史をなぞっているとも言えます。折角香港で普及しているんだから中国や東南アジアで仲間を増やすことは出来た筈です。Felicaカードなら経済安全保障面でストップがかかる心配もないですし、寧ろ中国企業の参入でコストダウンしてたかも。

という訳で、こんな日本企業には円安でもなければ海外勢は見向きもしないという現実を認識できないで日銀に恨み言言っても始まりません。政府もTSMCやラピダスに補助金突っ込むよりもはるかに安上がりなFelicaチップ増産助けてやれよ。別のニュースです。

敦賀原発2号機不合格へ、日本原子力発電の経営に影響 大手電力負担重く - 日本経済新聞
福島の事故後発電停止された13年間、電力供給契約を結ぶ電力5社から基本料金として1.4兆円を受け取って黒字経営という日本原電ですが、東海第2は不祥事続きで地元同意が得られず、敦賀第2は活断層で審査停止で、流石に電力各社も契約見直しに動きそうということですが、再エネ賦課金が明細に記載されている一方、こちらの拠出金は明細には記載されておりません。同様に奉加帖方式で各電力会社に割り振られている福島の廃炉費用も明示されておりません。当然国民はその分高い電気料金を負担している訳です。

実際は太陽光を中心に再エネ電力が猛暑の夏の需要をカバーしていて電力不足は起きていません。AI普及田将来電力需要が増すとも言われますが、そのAIブームが著作権やフェイク問題などで規制が検討され、また電力消費で温暖化を促進するリスクも言われ、見直しでAIブームが踊り場にあるのは上述のとおりです。つまりAIで人類滅亡を早めるかもという微妙な問題がある訳です。

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Comments

いつも面白く読ませていただいております。今回誤字が多くて読めない部分が多すぎるので修正していただけませんか?

Posted by: や | Saturday, August 10, 2024 10:45 AM

大変失礼いたしました。ご指摘のとおり護持の老いエントリーでした。見つけた者は修正いたしました。しかし我ながら酷い^_^;。

>やさん
>
>いつも面白く読ませていただいております。今回誤字が多くて読めない部分が多すぎるので修正していただけませんか?

Posted by: 走ルンです | Saturday, August 10, 2024 08:12 PM

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