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Sunday, September 15, 2024

JRの掟?

不正を生む会社の掟は鉄道業界も例外ではなかった?

JR貨物が列車運行停止 ヤマトや佐川など配送に遅れ - 日本経済新聞
7月24日に起きた新山口駅構内での貨物列車脱線事故の調査過程でJR貨物広島車両所の輪軸組立工程での不正が社員の証言で明らかになりました。車軸の左右に車輪を嵌める輪軸組立工程で、基準値を超える圧力をかけると亀裂により強度が低下する可能性があることから、基準値を超えた場合は作業を止めて輪軸を点検して亀裂の有無を確認する決まりですが、圧力データを改ざんしていたというもの。荷重を支える輪軸の強度低下は大事故の恐れがあるだけに重大です。

しかも広島以外に関東の川崎と北海道の輪西の車両所でも不正の可能性が明らかになり、また全国で広域運用されていることから、今月11日に全列車を停止して調査した結果、630両の不正が発覚しました。運転停止は1日で済みましたが、ヤマトや佐川などの宅配便に一部遅れが出てしまいました。輸送シェア1%の鉄道貨物ですが、長距離輸送に優位性があり、特に24年問題でトラックドライバーの働き方改革で長距離ほど制約を受けるトラック輸送の鉄道代替はそれなりに進んでいた訳で、影響は大きかった訳です。加えて国交省で鉄道各社に輪軸組立工程の見直しを指導した結果、こんなニュースも。

JR東海、在来線10車両を使用停止 11部品で圧力超過 - 日本経済新聞
会社の掟エントリーで自動車メーカー全社が不正してたように、鉄道各社に広がる気配もあります。但しJR東海によれば新幹線車両に該当はなく、在来線車両で11例が確認され一部車両を運用から外して対応ということです。JR東海の場合は基準値ではなく目安値としてオーバーした場合の対応もマニュアル化されてはおらずアバウトなところがあります。新幹線は流石にちゃんとしているようですが、在来線では言い方は悪いですが手抜き公認だったとも言えます。災害の備えと憂いで取り上げた新幹線保守車両の衝突事故のように乗客の安全に直接関わらない保守車両の手抜き疑惑もありますし。

会社の掟エントリーではJR東日本関連会社による横浜みなとみらい地区の新歩道橋の設計ミスといったこともありますし、安心してくださいで指摘した組合潰し以来同エントリーで取り上げたE3系つばさの500mオーバーランとか不可解なことが起きていますし、見直されたとはいえみどりの窓口縮小など、現場を疲弊させるような意思決定が続いております。今字は年1回に後退した3か月ごとの労使協議を当たり前にこなし、現場の声を経営に反映させてきたJR東日本の様変わりには不安を覚えます。労組対立を背景に尼崎事故を起こしたJR西日本や上場を急いで鉄道サービスの劣化が進むJR九州や経営難のJR北海道JR四国など、民営化して益出しのためにコストダウンに励んだ結果であるとすれば、深刻な問題です。これがJRの掟?

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