« 高圧経済のワナ | Main | さては民民たま浮かれ »

Saturday, November 23, 2024

オールドメディアの不作為

兵庫県知事選の結果が世間を騒がせてます。地方首長の選挙であり、現地の事情を知る立場にありませんが、ポリティカル・マーケティングに繋がる選挙の裏が可視化された出来事です。

SNSの功罪映した兵庫県知事選挙 斎藤元彦氏が「主戦場」制す - 日本経済新聞
斎藤元彦知事のパワハラ内部告発に始まった一連の報道で県議会の全員一致で辞職勧告による失職を受けての県知事選という流れは全国でニュースになっていた訳で、内部告発者保護法に反して第三者委による事実確認もせずに告発者を特定し個人情報を晒そうとして内部告発者を自死に至らしめたということは知られていただけに、意外なニュースと受け止められましたが、県議会が立ち上げた100条委員会も継続中で第三者委員会設置の話もあったけれど、ローカルニュースや政見放送に触れることにできない他の地方の人にとっては、何が起きていたかわからない状況で、何故か選挙戦終盤で斎藤前知事の支持が盛り返して当選し、立花N国党党首のアシストがあったことなどは選挙後に知ることになりました。

その間斎藤氏や立花氏はSNSの動画投稿でパワハラは捏造という根拠のない情報を垂れ流し、それに多くの有権者が反応した結果らしいということすが、斎藤氏のネット戦略を担当した民間企業トップが自慢げにブログ投降して公職選挙法で禁止されている買収に当たると指摘されて炎上中ということで、都知事選の時よりも裏方が表へ出たという意味でも注目の選挙となりました。

斎藤知事支持者と見られる人たちはウソばかりのオールドメディアに真実を突き付けたネットメディアの勝利と湧いてますが、寧ろ公職選挙法や放送法で謳われる公正中立を狭く解釈して自主規制したオールドメディアの不作為による不戦敗と言えます。少なくとも裏付けのないネットメディアの情報拡散をファクトチェックで検証するとか、刑事事件の可能性があるパワハラ疑惑を事件報道として取り上げるなど、やれることは多数あったし、ネット上ではそうした投稿も見られたけれど、ネット社会とはいえ社会的な影響力はマスメディアが勝る訳で、今後の検証報道をきちんとやってほしいところです。

米大統領選のトランプ現象とパラレルに語られる部分もありますが、元々マスメディアが旗幟鮮明にしているアメリカと、事なかれ主義で踏み込んだ報道ができない日本とではメディア事情はかなり異なります。アメリカでも民主党系メディアほど大接戦と報じてましたから、トランプ支持者の実態に対する見落としはあったと思われますが、メディアの独立性はずっと強いので同一視できません。トランプ支持でも同床異夢の部分はあり、今後それが米国内政局を動かすことになるでしょう。そもそも他所の国の民主主義の危機を心配するよりも足元の日本の選挙のお寒い事情を心配すべきだろ!

てことで心配なニュース2件。

東京・町田の民家で水と気泡、リニア工事中断 JR東海 - 日本経済新聞
大井川の水問題だけじゃないリニアの不都合な真実。岐阜県瑞浪市の地下水枯渇に続いて東京都町田市小野路地区で水と気泡が地上へ出てリニア工事の影響が疑われて工事中断中ということで、掘れば出てくるトラブル多数。また残土処理もめどが立っていないなど、見Kり発車で問題抱えてます。
JR北海道、約220踏切でレール再検証 貨物列車脱線受け - 日本経済新聞
今月16日に起きた函館本線森~石倉間の貨物列車打線事故で、レール腹部の腐食による破断が原因らしいということで、緊急点検となりました。超音波探傷で強度を弱める表面のキズは超音波探傷で確認できますが、腹部の腐食は盲点ということで、鉄道総研の享禄を得て対応するということです。考えられるののは梅雨がない謂われる北海道でも夏の雨量が増えていることで、踏切部の履工で湿潤状態のまま冬の土壌凍結で水分が保持されて春に溶けてもまた雨といった気候変動の影響があるかもしれません。加えて重量のある貨物列車の運行で傷んだ線路の目視や打音点検や補修が人手不足で追いついていないといった事情も考えられます。ともあれ貨物幹線の維持が困難となれば北海道経済には打撃です。

| |

« 高圧経済のワナ | Main | さては民民たま浮かれ »

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

JR」カテゴリの記事

都市間高速鉄道」カテゴリの記事

鉄道事故」カテゴリの記事

鉄道貨物」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 高圧経済のワナ | Main | さては民民たま浮かれ »