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Sunday, March 02, 2025

答え合わせあれこれ

まずMAGA不思議の答え合わせ。

米ウクライナ首脳会談が決裂 トランプ・ゼレンスキー氏が口論、協定署名せず - 日本経済新聞
トランプ流ウクライナ戦争停戦がとん挫しました。バイデン時代のウクライナ支援の資金回収にウクライナのレアアース権益を要求する一方、停戦後の平和維持にアメリカが関与する意思がないことをゼレンスキー大統領に突っ込まれ、罵り合いとなって決裂したものです。EV生産に必要なレアアースの供給網を中国がほぼ独占している状況から、ソビエト時代の資料を根拠にウクライナのレアアース採掘に投資するというもので、対中国を視野に米企業の投資を後押しするという目論見でしたが、ソビエト時代の資料の正確性にも疑問があり、また同資料ではロシアが実効支配するドンパス地方に多く埋蔵されているということで、民間企業が投資するにはリスクが大きすぎますし矛盾だらけの代物です。それでもアメリカがコミットすればロシアも手を出せないというMAGA的ゴリ押しでまとめようとして案の定失敗。その結果株価が反応。
自縄自縛のトランプ相場 分水嶺は選挙前水準か - 日本経済新聞
株価自体は上昇したものの、今週軟調だった株価の戻しに過ぎませんし、交渉決裂のニュースで下げる場面もあり、トランプトレードの巻き戻しに自身が関わる皮肉な状況です。それでも強気の投資家は下げれば政府要人の口先介入で相場を戻すと見ており、トランププットと呼ばれます。選挙前水準を割り込む場合が想定されているようです。神頼みならぬトランプ頼み。

そして貿易決済通貨としての米ドルは世界中の国で外貨準備として保有され、特に対米黒字国が保有するドルの多くは投資目的でアメリカに還流されて、米資本市場の流動性の供給源になっている訳で、それが赤字スタートアップを支え、そこから育ったGAFAMのような大手テック企業の資金調達を助けていて、一方日本や欧州には同種の企業が育たない背景でもあります。だからDeepSeekショックで見えたLentSeekが米テック大手の優位を揺るがせた訳です。同時にS&P500の時価の3割はテック大手という偏った状況で、バブルが心配されている理由でもあります。またトランプ関税のインフレ効果で好調とされる米経済も曲がり角ではあります。アンチ地球の歩き方の答え合わせ。

岩手・大船渡の山火事、ヘリで消火活動 1人焼死で関連調査 - 日本経済新聞
カリフォルニアだけじゃない山火事ですが、陸前高田にしろ大船渡にしろ、被害市日本大震災の復興住宅として高地に建てられた復興住宅に被害が広がっています。地震の仮設住宅が豪雨で流され豪雪で復興が進まない能登半島もそうですが、災害に対する脆弱さを克服できません。その一方で万博工事たけなわで復興は後回し。狂ってます。
「消えたコメ」さらに2万トン 備蓄米放出に影響も - 日本経済新聞
インフラゾンビの見つけ方で農水省の言う流通段階の不明米21万トンがなかった可能性を示すニュースです。おさらいすると23年のコメ不作で端境期のコメ不足から値上がりし、24年産の新米が出れば落ち着くとされていたけど、寧ろ値上がりが止まらない状況で、政府備蓄米の放出を決めたものの、そのアナウンス効果による値下がりはない状態で、1年前より不足分は増えていたということです。つまり流通段階の行方不明米というナラティブが疑われる状況です。どうする政府。
JR東日本、送電ロス防ぐ「超電導送電システム」 中央線で検証 - 日本経済新聞
個人的には以前から期待していたことですが、鉄道総研が開発する超電導技術の応用としての直流長距離送電システムの実証試験が中央快速線で実施されるというニュースです。混雑は飛んで来る五輪霧中の首都圏JRの弱点としての饋電システムの改善になる可能性があるだけに注目したい動きです。桜木町のエアセクション短絡による架線切断事故や籠原の絶縁不良による地落事故などですが、エアセクション事故は大都市部の変電所立地のバラツキの影響で電路区分毎に異なる線路抵抗の差分でショートに近い大電流が流れる現象で、絶縁不良による地落は、15連2列車の同時力行で1万アンペアにもなる日常的な大電流で、マイルドな絶縁不良による地落をブレーカーが検知できずに起こるなど、大電流故のトラブルという点で共通してます。加えて戦前からの電化区間で変電所も老朽化が進み、設備更新が課題になる中で、線路抵抗ゼロの饋電システムが実現すれば、変電所の数を減らすだけでなく、変電所立地の偏りによるエアセクション事故も防げますし、同一電路内での複数列車で力行と回生のマッチングの可能性が高まり、回生電力か有効利用という交流電化のAT饋電のような効果も期待できます。

あとオマケ。中央快速線の輸送改善で国鉄が意図した全電動車編成による高加速とクロージングイン(移動閉そく)信号システムによる1分ヘッド運転で殺人的混雑緩和を意図したものの、落成したモハ90(後の101系)の電力消費量が変電所容量を超えることがわかって量産車では一部未電装を余儀なくされ、結局旧型国電と同等の性能しか発揮できなかったという、大電流に阻まれたイノベーション挫折の舞台でもあります。リニアよりもこうした一見地味なイノベーションの優先度は高いということは申し上げておきます。

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