新年早々ウヨ曲折
新年早々世界を揺るがす大事件です*1。これロシアのウクライナ侵攻と同じで、国連安保理決議を経ない主権国家への攻撃で国連憲章違反に加えて合衆国憲法に規定された議会の承認なしに連邦軍を動かしたことで、法の支配をぶち壊した暴挙です。ロシアに物申せなくなると共に、中国の台湾への軍事挑発にも物言えない状況です。なるほど暮れにこんなこと言ってました*2。逆にベネズエラへの攻撃を公言してましたから、トランプ大統領にとっては予定の行動だったのでしょう。しかもベネズエラのマドゥロ大統領がコカイン密輸に関わったという根拠も示されない罪状で逮捕して身柄拘束したから「戦争ではない」というのもロシアの「特別軍事作戦」や戦前日本の「満州事変」「日華事変」と同じロジックで自己正当化しています。まあアメリカの国際法無視は過去にも多数ありましたが、一例として40年前のイラン・コントラ事件貼っときます*3。対イラクで劣勢なアメリカがイスラム革命以来断交中のイランに対して兵器を秘密裏に売って、代金を裏金としてニカラグアの反政府ゲリラのコントラに援助したというスキャンダルです。但しアメリカの中南米への軍事介入や内政干渉はこれに留まらず多数ありますが。
トランプ大統領の狙いは単純に石油。とにかく埋蔵量世界一ながらチャペス政権時に外資メジャーを追い出して石油会社を国有化したことで、経済制裁を受けて老朽化した設備の更新もままならず、石油生産を減らしてきました。チャペス大統領の後継者のマドゥロ大統領を排除して親米政権に転換することで米石油メジャーに利権を渡し、増産して原油価格を下げてガソリン代高騰による米国民の政府批判を封じて、劣勢が予想される中間選挙の巻き返しを狙ったと見られます。原油価格が下がればウクライナ和平交渉で言うことを聞かないロシアへの圧力にもなります。但し中東産油国を敵に回しかねずガザ問題も絡んで批判を浴びるから、国内のの反政府デモを口実にイランへの圧力を強めてかわそうってことですね。ついでにイランが親米政権に転換できれば尚良しで、どこまでも利権絡みです。
こんなアメリカに日本の外務省は苦慮しているそうですが、既に幾つかの国は国名をぼかした上で国際法違反を咎めてます。しかし高市政権の動きは鈍く、寧ろ春の訪米を模索してすり寄る姿勢を見せています*4。一方韓国の李在明大統領は新年早々訪中して習近平主席と会談して対中関係修復に動いています*5。トランプ大統領にゴマすりしまくる一方で習近平主席にも顔つなぎして日本のお手付き*6を巧みに利用して国内世論も抑え込み、経済連携強化で実利を狙います。今やAI大国の米中両国を繋いでサムスンなどの先端半導体で捲土重来を後押しする外交巧者ぶりです。米IBMの技術支援で補助金入れても政府系ファンド以外の出資が集まらず、財界に泣きついて奉加帖方式で資本を整えるラピダスと大違い。日の丸半導体は夢に終わりそうです。
こんな日本企業の中でリニアに賭けるJR東海にも逆風が続きます。リニア60年の紆余曲折*7でザックリ説明してますが、解決が見えてきた大井川の水問題*8で静岡工区の年内着工が見えてきたものの、解決困難な問題が山積します*9。大井川の水問題に留まらず静岡工区以外の工区でも用地買収難や事故に伴うトラブルや事故が絶えず、例えばトンネル残土処理のめどが立っていないこと*10や国策を盾に自治体に用地買収や残土処分を押し付けて住民の反対に遭ったりするなどの問題もあります*11。また南アルプスの地質の問題はかなり深刻で、多数の断層が走り高温高圧の地下水を遮断する難工事は下手すれば山塊の崩落に至るリスクさえ孕みます*12。また東京と名古屋の市街地の大深度地下のシールドトンネルを巡るトラブルも解決困難です*13。あと超電導リニアの技術的リスクも多数あります*14。
JR東海としては名古屋までのリニアを早く開業して次のステップとして海外へのインフラ輸出を狙い、アメリカの北東回廊リニア実現のためにアメリカでロビー活動して技術ライセンス無償供与まで約束しながら、連邦政府の環境アセスメント停止で事実上失敗。代わってAmtrakアセラの代替更新車両を仏アルストムが受注しています。JR東海は他にヒューストン~ダラス間のテキサス高速鉄道計画にも絡んでますが、資金が集まらず停滞しています。それでも希望的観測のJR東海ですが*15。AI時代の電力不足の中で電力食いの金食い虫を買う国があるでしょうか?その間にJR東日本はムンバイ~アーメダバード間のインド高速鉄道を受注して実績を確実にしてます*16。高速鉄道商戦もウヨ曲折してますね^_^;。
*1トランプ政権、国際法より国益優先 ベネズエラに武力行使 - 日本経済新聞
*2トランプ氏、中国の台湾演習「懸念せず」 批判避ける - 日本経済新聞
*3イラン・コントラ事件 ウィキペディア
*4高市首相とトランプ大統領が電話協議 2026年春の訪米で調整合意 - 日本経済新聞
*5韓国大統領が26年1月4日から訪中 習近平主席と会談へ - 日本経済新聞
*6鹿の敵討ち 鉄路的部落
*7リニア60年のウヨ曲折 鉄路的部落
*8田代の水は山をも越すが水に流せぬ大井川 鉄路的部落
*9リニアはなぜ失敗したか 単行本 – 2023/7/5川村 晃生 (編集)
*10
*11土の声を 「国策民営」リニアの現場から 信濃毎日新聞編集局
*12リニア新幹線と南海トラフ巨大地震 「超広域大震災」にどう備えるか (集英社新書) 石橋 克彦
*13仲良きことは美しき哉かな? 鉄路的部落
*14超電導リニアの不都合な真実 川辺 謙一
*15JR東海の丹羽俊介社長、リニアの海外展開に意欲 米国以外も視野 - 日本経済新聞
*16インド太平洋大炎上 鉄路的部落
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