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July 2026

Sunday, July 26, 2026

HONEBUTOが警戒される骨粗しょう症の国

AIの推中華*1で始まったAI投資への疑念をさらに高めるニュースです。オープンAIがテスト中の新型AIが他社AIにサイバー攻撃を仕掛けた暴走事故です*2。ネットと遮断された実験環境の脆弱性をAIが見つけて突破して他社AIを攻撃したというもので、しかも被害企業側からの通報で発覚したということは、オープンAIは気づいていなかったという意味で深刻な暴走です。AI開発に規制をかけなければ再発の可能性は高いと言えます。というよりも、昨今増えているサイバー攻撃の幾つかは善意のユーザーのエージェントAIの暴走の可能性もあると考えられます。

そんなAIを戦略17分野として官民投資をぶち上げる日本政府の責任ある積極財政路線ですが、そもそも日本は主要国の中でAI規制が最も緩い国と見られており、実際個人情報保護法改正で規制緩和するようなチグハグぶりを見せています*3。熾烈な開発競争を繰り広げる米中AI企業にデータを献上するだけで終わりそうな悪寒すらします。ああ家畜人ヤプー。そもそも成長企業に補助金は要らないんだが*4。そして市場の評価もどん底に沈みます*5。HONEBUTOは海外でも通じます。

そもそも日本の停滞の原因がわかってないから官民投資で供給力を高めれば成長できるし、税収増で財政は立て直せるというほとんど根拠のない思い込みをしている訳で、株価だけは上がったけれど、ほとんどキオクシアなどAI半導体関連銘柄の値上がりで、AI投資に疑念が起きれば下げてしまう結果、円安株安債券安(金利高)のトリプル安となります。円は売られ163円台*6、国債が売られて長期金利も上昇しており、また原案段階での金融政策への言及を撤回した一方、国債が売れない現実もあり、あろうことかGPIFの投資区分見直しに言及して政治介入を批判されるという恥さらしを続けてます*7。本音は為替介入したいけどアメリカに止められているし、市場からも見透かされている中で、GPIFの投資ウェート見直しで国債を買わせようとしたということで批判されてます。政治的PKOですね。年金のような巨大機関投資家を動かせば目先の相場を動かすことは可能ですが、その結果リターンが減れば寧ろ将来の年金の国庫負担が増して財政の重荷になります。

株式市場にも円安で異変が起きています*8。元々レガシー企業の存在感が高い日本市場ですが、その結果事業の見直しが進まず市場の淘汰圧も弱いから企業規模が小さく、円安も手伝って海外勢の投資妙味が薄いということが意識され始めてます。つまり株式市場をにぎわせた海外勢の姿勢に変化が見えてきているということです。寧ろ長短金利差の大きい国債投資に妙味を見出す動きが見えています。だけど喜べないのは海外勢の国債投資で保有比率が上がると、デフォルトのリスクが高まる訳で、ますます手堅い財政運営を求められます。

相対的に小規模なレガシー企業が並立して競争環境にある中で、雇用の安定を理由に賃金を抑えながら世界で戦うという言ってみれば飢餓輸出的な戦略によって90年代半ば以降の交易条件を悪化させた結果が今なわけで、円安はその結果です。だから交易条件の悪化を逆転させる必要がある訳で、賃金の上昇や社会保障の充実によって結果的に国内の購買力を高めることが大事です。その結果として停滞していた国内の民間投資が動き出すなら良いのですが、補助金などでレガシー企業を延命させるなら停滞が続くだけです。

損の意味で考えたいのが整備新幹線をめぐるこの動きです*9。これ北陸新幹線と北海道新幹線の事業費膨張で他起動新幹線は開業時期すら不明という状況にあり、また北陸新幹線と西九州新幹線のミッシングリンク解消が見通せない中で、国交省が財源確保に動いたってことです。とはいえ30年という貸付期間は開業時の設備の経年劣化による更新が必要なタイミングであり、通常のリース資産ならば割引されるところを延長し、さらに貸付料値上げまで示唆している訳です。事業費の膨張やミッシングリンク解消や地元負担に対する不満など、30年間で顕在化した問題点に対して安易な手段で財源だけは確保しようという事なかれ主義です。申し訳ないけどこんなことで人口減少下で需要も細るこれからの整備区間の事業化はほぼ不可能です。

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Sunday, July 19, 2026

AIの推中華

これもAIあれもAIたぶんAIきっとAI♪^_^;。AI相場総崩れになりました*1。すわDeepSeekショック再現?*2と思いきや、それだけじゃない様々な要因がかかわります*3。AIブームでデータセンター投資が活発化してエヌビディアのGPUのみならずメモリーも需要急増、建設関連でキャタピラーなど建機メーカー、電力需要増で電力会社、原発再稼働で原子力産業と投資のすそ野が広がる中、米アンソロピックのフェイブルに劣るものの僅差しかもオープンソースで安価だし先端品禁輸で性能の劣る半導体を使って安上がりだし、メモリー高騰で中国メーカーが参入してという形で新たなシリコンサイクルに直面して日韓台の半導体メーカーもトバッチリ。米テック企業の寡占が崩れて元々行き過ぎが心配されていたデータセンターや半導体をめぐる巨額投資が見直しを迫られたわけです。

TACOエントリー*4の個人情報保護法で分かりにくい見せかけの規制緩和とか見当違いのことばかりの日本の成長戦略が役に立たないことだけは確かです。米テック企業の下請けに甘んじながら株価を爆上げし、一時トヨタを抜いたキオクシアも時価総額半減となりました。ムーアの法則で微細化が進んだ半導体ですが、競争市場で最先端品のサプライヤーはTSMCなど少数に絞られ、日本勢は市況品の汎用チップのレッドオーシャンにどっぷり浸かっていたわけで、微細化の限界が見えてきて、複数のチップを組み合わせて機能を高める後工程に比重が移る中で、日本勢は有利と言われましたが、アメリカの輸出制限で最先端品が手に入らない中国は国策で国産化にまい進し、日本がもたもたしてる間に最先端ではないけどAIに使えるチップの国産化を進めてアメリカに追いついてきている訳です。

EVで成功している中国の功利主義的市場型計画経済*5がAIでも機能しています。但しAIでは僅差でアメリカには追い付いていないものの、資金力頼みの力技のアメリカに対して、後追いゆえに同じことをもっと安くできるという非対称競争になっていると言えます。そしてエネルギー争奪戦でも同様のことが起きています。停戦中なのに戦闘が止まらないホルムズ海峡が事実上再封鎖され、油田や製油所などが空爆されて中東の生産能力も減っている中で、イラン産原油が手に入らない中国も同様に苦しいとはいえ、調達先の多様化進んでいるし、そもそもEVが普及しているし、プラスチックや化学繊維などもナフサ以外の代替原料へシフトしている一方、アジア各国が原油や石油製品、LNGのアメリカからの代替調達を増やした結果、アメリカではガソリン価格が跳ね上がって国民の不満がたまっています。中間選挙の年にトランプ大統領は窮地です。そのためEVがまた見直されているとか。

石油製品のサプライチェーンではウクライナ軍によるロシアの石油施設空爆の影響で軽油などの輸出が止まったりと、こちらでも異変が起きていて、また世界規模の製油所の能力が減った分、米製油所のマージン拡大でガソリンや軽油の価格を押し上げてもいます*6。それでもEV普及率の高い中国は涼しい顔ですし、電力料金の安さはAI学習のスケーリング則の面でも有利です。電力の主力は国内炭による割安な石炭火力ですから脱炭素的には問題あるんですが、太陽光や風力といった再生エネルギーや原子力などのエネルギーミックスで安価で安定した電力を実現しており、地政学リスクに強いということで、日米欧の苦境をしり目に安定しています。加えてロシアのシベリアガス田開発で欧州の販路を失って中国向けのガスパイプライン整備の計画から中国が下りてロシアは苦境ですが中国は我関せず。確かに不動産バブル崩壊による内需不振でも積極投資は続いており、この点は日本のバブル崩壊後とは大違いです。

あと軍備増強が周辺に圧力を与えているといわれる中国ですが、GDP比1.7%を堅持しており、経済成長に連動しているだけです。しかしその結果周辺国は対抗策を取らざるを得ないのも確かで、アメリカを当てにできない日本やNATO諸国は軍備増強の財源確保に苦しんでいます。こうした状況で中国と敵対することが現状いかにリスキーかということは言えます。アメリカだって結局対中貿易を増やしてますし。少なくとも中国は日本のような失われた30年のようにはならないことは確かです。逆に出口の見えない日本の失われた30年は失われた21世紀になりそうです。

整備新幹線関連で動きがあります。西九州新幹線の佐賀県エリアで長崎県の負担を前提に合意しました*7。国とJR級数うが佐賀駅ルート(新鳥栖駅接続)、佐賀県が佐賀空港ルート(舟子屋温泉接続)と別れており、両論併記の方で環境アセスメント手続きを取ってルートと事業費を確定するという形で異例ですが、こうして対立を乗り越えて着地点を探ることは重要です。長崎県知事も負担受け入れを「在りうる」としています*8。新幹線のミッシングリンク解消に動き出したことは評価できます。

佐賀と滋賀で「詐欺だ!」*9でも取り上げましたが、ミッシングリンク解消という観点から言えば北陸新幹線も米原ルートが事業費が少なく早期に開業できるという観点で優れており、小浜京都ルートとの比較で言えば桂川ルートで5.5兆円に対して米原ルート一部直通で2.7兆円、乗換で1.7兆円と半分以下です。しかも積算根拠が公開されていませんから推測ですが、米原ルートの直通と乗換で1兆円の差が出るというのは考えにくく、一体評価の小浜京都ルートの優位性を示すためにする数字の可能性もあります。

加えて言えば高速道路などでは一体評価はすでに行われているそうですが、これいくらでも数字を盛れるということは指摘しておきます。公費投入、しかも地方負担があるがゆえに、保守的な個別評価で数字をはじいて判断するのが本来で、ネットワークがつながることでの上振れ分はあえて計算に入れないのが本来です。結局政治が干渉して判断を間違い意思決定されてしまうということの積み重ねが、失われた30年をもたらしたと言えます。

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Sunday, July 12, 2026

DOGEな猿真似も見苦しい日本のTACO

国会終盤の空転解消で動き出した国会ですが、熟議とは程遠い強引さはTACO(Takaichi Always Charenges Official)*1そのもの。人の話を聞かず答弁を勝手に変える高市首相を国会に出したくない与党は結局数の力で強引に一転突破するしかないわけです。あれこれ突っ込みどころ満載ですが、ここでは2点だけ指摘します。

まずは皇室典範改正ですが、憲法で定義された国民統合の象徴からかけ離れた議論で決着しました*2。産経を除く新聞各紙は審議を尽くさない国会運営に苦言を呈します。これ事実上の憲法解釈の変更ですからね。世論もその点は政権に逆風です。にも拘らず付帯決議で歯止めを狙った中道改革連合が与党に突っぱねられたにもかかわらず賛成に回ったことは禍根を残します。逆に与党の強引な国会運営を批判するチャンスだし、立憲と公明の3党合流で大きな塊を作って政権交代を目指すんじゃなかったのか?

あと個人情報保護法改正案ですが、専門家も警告を発しています*3。経済界からのAI学習のデータ活用で、個人データの利用に本人同意が必要で、匿名化も含めて手間とコストがかかることから規制緩和が求められたものですが、政府はそれに対して情報類型を増やして対応した結果、対応が寧ろ複雑化しますし、漏洩の心配から利用が忌避されることもあります。KDDIのメールアカウント不正アクセスとパスワード漏洩のように*4外部からのアタックや、そもそも企業の法令順守がいい加減だったりということもありますし、仮に漏洩したり利用目的を逸脱しても、個人レベルでは察知できませんし、AIで容易に名寄せされてしまうことになります*5。規制緩和を求めた企業も戸惑っています。

拙速な政権運営は例えばこんなところにも表れてます*6。官僚の言うことを聞かないTACO政権ですが、寧ろ易々と官僚に操られている実態があります。熟議を経て対立を乗り越えた一致点という意思決定の正当性がないからこういうことになる訳です。正当性で官僚を抑えられない。それが如実に表れたのが骨太ショックですが*7。同エントリーで取り上げた京成電鉄の新型特急の続報です*8。京成はスカイアクセス線の部分線増も予定しており、千葉ニュータウン中央~印旛日本医大間で並行する成田新幹線の路盤活用でスカイライナーなど有料特急を160km/hで走らせることで、スピードアップと増発を図るものです。

てことで成田新幹線の遺構の活用となります。元々都心から遠い成田空港のアクセスに新幹線を建設する国策だったもので、成田闘争で遅れた成田空港の建設に併せて成田線分岐点の土屋~成田空港間の路盤とトンネルと空港第2ビル、成田空港の駅部は作られていたわけですが、その煽りで京成電鉄の成田空港線はルートが被るといういことで現在の東成田駅からバス連絡でターミナルビルへ向かうという形で建設され開業しました。しかしせっかく作られた成田新幹線の遺構を活用すべきじゃないかということで、国鉄と京成で争った結果、当時の石原慎太郎運輸相の裁定で単線並列で双方がシェアする形に落ち着きました。

それとは別に成田新幹線の都心側ルートを活用したルート案も提案され、現行京葉線都心ルートから都市計画8号分岐線(有楽町北進線)ルートで押上に至り、押上線から北総ルートで成田空港へ向かうというものでした。結局実現はしなかったものの成田新幹線の遺構活用は模索されて、のちに成田スカイアクセス線として実現した訳です。国家プロジェクトに依拠しながら実現しかかった部分を乗っ取った形です。報道では京成の成田湯川からの新線は高架で新ターミナルに乗り入れる形のようですが、結果的にかつて成田空港駅を名乗った東成田既に近接します。この辺の詳細はまだ報じられておりませんが、芝山鉄道がどうなるかなど絡みます。

そして千葉県と関連9自治体には課題ものしかかります。成田空港拡張で土地収用制度活用で成田エアポート(NAA)に同意しました。県も自治体も成田闘争の記憶から及び腰でしたが、国策ということで渋々同意したものです。用地買収交渉は県と自治体が担うわけです。高齢化や代替わりで穏健化しているとはいえ、国との戦い方の経験値が高い地権者との交渉は簡単ではないでしょう。となると地元への見返りの位置づけの芝山鉄道に何か動きが出る可能性はあります。九十九里延伸までは無理でも若干の路線延長や増発はあるかもしれません。いずれにしても強引なやり方では話は進まなくなるということは言えます。TACOじゃダメなんです。

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Saturday, July 04, 2026

骨太ショックで複雑骨折

前エントリー*1のタイトルで「正体」のつもりで「招待」に誤変換^_^;。しかし内容と齟齬がないのでこのままで訂正はしません。ポピュリズムを呼び込む政治状況は日本に留まらずBrexitやトランプ現象も同様です。結局政治のエンタメ化で絡めとられるどうしようもない現実だけは続きます。

てことで本題に入る前にBusRama最新刊(216号)で和田編集長がEVMJ問題でコメントを載せてます*2。ザックリ言えば地獄への道*3で述べた中国EVのアジャイル開発の波に吞まれて、工業製品につきものの初期不良対策ができていなかったということです。一方でネットで炎上した中国製で詐欺だとか選定プロセスの疑義などは踏み込まない慎重さで好感が持てます。特にブレーキホース損傷などのリコール案件は、修理すれば使用可能だった車もあったはずですが、自動運転社会実験用40台を含む全190台の減損処分には疑義を呈していて大手メディアにはない視点を提供しています。大阪では議会で突き上げられており、まるで証拠隠滅でもするような全車処分はむしろ意思決定過程を不透明にします。少なくとも失敗を認めて教訓を後世に残す姿勢ではありません。これサナエトークンやt中傷動画問題と似ています。

てことで本題ですが、経済財政諮問会議の骨太の方針が発表されました。予想通りの積極財政路線ですが、市場は早速反応しています*4。3日の債券市場で長期金利の指標となる10年物国債金利が一時2.81%をつけて3%をうかがわせる動きとなりました。また金利上昇観測から2日に2.7%で実施された国際入札は不調で、原因は政府が日銀の利上げに消極的なことで円安が進むと市場が見た結果です。利上げしても円安といっても、欧米の金利水準よりかなり低い上にインフレ補正の実質金利は相変わらずのマイナス圏ですから、日本国債を積極的に買う理由がない訳です。

やや長くなりますが、日本経済の複雑骨折ぶりがあぶりだされました。先月の日銀の利上げは予想通りだったけど、政府は難色を示していました。上田総裁は政権の圧にやや弱気だったようですが、病気の治療を理由に異例の政策決定会合欠席となりましたが、審議委員5名が利上げ賛成を表明していましたから利上げは既定路線だったといえます。そして政府は盛んに為替介入をにおわせて市場けん制を試みましたが、ドル円162円台をつけても動かなかったように、実際には原資となるドル預金を4~5月に11.7兆円も使って155円台に戻したものの効果は1月で剥落しさらに円安が進みました。市場は介入警戒ムードで小刻みな動きでしたが、結局介入はないと見てより利回りの良いアメリカ国債やAIブームに沸く株式投資の原資になるドルが買われてじりじりと円安が進みました。政府は意に染まぬ日銀の利上げを今回は為替介入が困難だから容認したという背景が透けて見えます。その裏には為替介入のために保有米国債を売られることをアメリカが嫌っているという事情もあります。

そんな中で明らかにされた骨太の方針が予想されたとはいえ財政出動のオンパレードで、財源としてインフレによる税収上振れを当てにしています*5。2025年度に2.6兆円の剰余金が発生したことから、税収上振れ3兆円を見込んで国債発行を抑えるとしてますが、つまりインフレが進行することを前提にしているわけで、その分国民生活が圧迫されることには向き合わず、単なる帳尻合わせをしている訳ですが、インフレが進めば遅れて金利上昇は避けられないから、国債の利払い費の負担も増すことは考慮されてません。日銀に圧をかければ低金利が続くというアベノミクスの劣化コピー版の経済見通しを打ち出したことで複雑骨折と表現すべき状況です。

そうは言うけど日経平均株価は上がってるじゃないかともいわれますが、これアメリカのAIブームの流れで半導体関連が買われている結果の株高で、半導体以外はほぼ横ばいです。株価以外全部沈没をご参照ください*6。ちなみに同エントリーで取り上げた京成電鉄の押上発着の有料空港連絡列車の続報です*7。現在成田空港ではB滑走路の1,000m延長と3,500m級の新滑走路整で大型機発着が可能な3,500m級滑走路2本として、分散しているターミナルも統合するというもので、実現すれば1.5倍の発着枠拡大が実現しますが、そうなると鉄道アクセスの輸送力不足が問題になります。現状でもスカイライナーやN'EXは満席が多く、アクセス特急や快速エアポート成田も時間帯によって混雑する状況です。

京成電鉄は2027年運転開始を予定する押上発着の湯量特急を30年代に都営浅草線と京急に直通させて羽田空港と成田空港を結ぶ構想で、成田新幹線の遺構を単線並列でJRとシェアする成田湯川~成田空港間を複線高架の別線で建設し新駅を設置し、JRは京成が新線移行後に線路を改築して複線化し、京成は有料特急毎時6本、アクセス特急毎時3本と倍増し、JRもN'EXを毎時4本と倍増する計画です。統合新ターミナルへの移行が前提となりますから、具体的な時期は明示されておりませんが、新滑走路整備を含めて用地買収が難航しており、遅れることは確実です。加えて供用時間拡大問題でも地元の同意が必要で、こちらも流動的です。資金問題は国や県などと協議されるようですが、京成本線ルートや東成田駅、芝山鉄道の扱いなどは報道にはありません。

あとJRは羽田空港アクセス戦を活用した羽田成田連絡輸送を目論んでおり、おそらくりんかい線を介した京葉ルートでの実現を狙っていると思われますが、その場合京葉線から総武快速線への渡り線整備が欠かせません。候補としては高谷支線活用の西船橋ルートと千葉みなと~本千葉を結ぶ連絡線新設などが考えられますが、どちらも実現のハードルは高いといえます。加えて軽京成新線の整備後の複線化と実現時期も京成の後になるという意味で苦しいところです。そしてインバウンドの拡大が前提ですから、円安が進んで国民生活はさらに窮乏すると考えると、手放しで喜べないところです。確かに便利にはなりますが、果たして国民を幸せにするものかどうかは微妙です。

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