HONEBUTOが警戒される骨粗しょう症の国
AIの推中華*1で始まったAI投資への疑念をさらに高めるニュースです。オープンAIがテスト中の新型AIが他社AIにサイバー攻撃を仕掛けた暴走事故です*2。ネットと遮断された実験環境の脆弱性をAIが見つけて突破して他社AIを攻撃したというもので、しかも被害企業側からの通報で発覚したということは、オープンAIは気づいていなかったという意味で深刻な暴走です。AI開発に規制をかけなければ再発の可能性は高いと言えます。というよりも、昨今増えているサイバー攻撃の幾つかは善意のユーザーのエージェントAIの暴走の可能性もあると考えられます。
そんなAIを戦略17分野として官民投資をぶち上げる日本政府の責任ある積極財政路線ですが、そもそも日本は主要国の中でAI規制が最も緩い国と見られており、実際個人情報保護法改正で規制緩和するようなチグハグぶりを見せています*3。熾烈な開発競争を繰り広げる米中AI企業にデータを献上するだけで終わりそうな悪寒すらします。ああ家畜人ヤプー。そもそも成長企業に補助金は要らないんだが*4。そして市場の評価もどん底に沈みます*5。HONEBUTOは海外でも通じます。
そもそも日本の停滞の原因がわかってないから官民投資で供給力を高めれば成長できるし、税収増で財政は立て直せるというほとんど根拠のない思い込みをしている訳で、株価だけは上がったけれど、ほとんどキオクシアなどAI半導体関連銘柄の値上がりで、AI投資に疑念が起きれば下げてしまう結果、円安株安債券安(金利高)のトリプル安となります。円は売られ163円台*6、国債が売られて長期金利も上昇しており、また原案段階での金融政策への言及を撤回した一方、国債が売れない現実もあり、あろうことかGPIFの投資区分見直しに言及して政治介入を批判されるという恥さらしを続けてます*7。本音は為替介入したいけどアメリカに止められているし、市場からも見透かされている中で、GPIFの投資ウェート見直しで国債を買わせようとしたということで批判されてます。政治的PKOですね。年金のような巨大機関投資家を動かせば目先の相場を動かすことは可能ですが、その結果リターンが減れば寧ろ将来の年金の国庫負担が増して財政の重荷になります。
株式市場にも円安で異変が起きています*8。元々レガシー企業の存在感が高い日本市場ですが、その結果事業の見直しが進まず市場の淘汰圧も弱いから企業規模が小さく、円安も手伝って海外勢の投資妙味が薄いということが意識され始めてます。つまり株式市場をにぎわせた海外勢の姿勢に変化が見えてきているということです。寧ろ長短金利差の大きい国債投資に妙味を見出す動きが見えています。だけど喜べないのは海外勢の国債投資で保有比率が上がると、デフォルトのリスクが高まる訳で、ますます手堅い財政運営を求められます。
相対的に小規模なレガシー企業が並立して競争環境にある中で、雇用の安定を理由に賃金を抑えながら世界で戦うという言ってみれば飢餓輸出的な戦略によって90年代半ば以降の交易条件を悪化させた結果が今なわけで、円安はその結果です。だから交易条件の悪化を逆転させる必要がある訳で、賃金の上昇や社会保障の充実によって結果的に国内の購買力を高めることが大事です。その結果として停滞していた国内の民間投資が動き出すなら良いのですが、補助金などでレガシー企業を延命させるなら停滞が続くだけです。
損の意味で考えたいのが整備新幹線をめぐるこの動きです*9。これ北陸新幹線と北海道新幹線の事業費膨張で他起動新幹線は開業時期すら不明という状況にあり、また北陸新幹線と西九州新幹線のミッシングリンク解消が見通せない中で、国交省が財源確保に動いたってことです。とはいえ30年という貸付期間は開業時の設備の経年劣化による更新が必要なタイミングであり、通常のリース資産ならば割引されるところを延長し、さらに貸付料値上げまで示唆している訳です。事業費の膨張やミッシングリンク解消や地元負担に対する不満など、30年間で顕在化した問題点に対して安易な手段で財源だけは確保しようという事なかれ主義です。申し訳ないけどこんなことで人口減少下で需要も細るこれからの整備区間の事業化はほぼ不可能です。
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