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長文テキストで綴る(笑)非ビジュアル鉄道時評です。閲覧注意(爆)

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  • 椎橋 章夫: Suicaが世界を変える JR東日本が起こす生活革命

    椎橋 章夫: Suicaが世界を変える JR東日本が起こす生活革命
    JR東日本IT・Suica事業本部長の筆者によるSuicaプロジェクトの解説書です。同じ筆者の「自動改札のひみつ」の続編としても読める内容ですが、磁気SFカード乗車券であるIOカードをICカードに置き換えただけではないSuicaの深い意義が述べられております。特に自動改札機や自動券売機など、それ自身はスタンドアローン機器である自動化機器をネットワークで結んだもので、ネットワーク特有のさまざまな問題を内包しているものでもあります。実際昨年10月12日にシステムダウンを引き起こし、改札開放という非常手段を取らざるを得なかった苦い経験があります。またスルッとKANSAIによるPITAPAがポストペイ方式を用い、さまざまな割引制度をポイント付与で対応し、定期券や回数券まで省略した意欲的なシステムであることは、本書で知りました。おそらく鉄道営業のあり方まで変えてしまう潜在的な可能性を秘めているのがICカード乗車券システムであるとはいえます。同時にそれは常に未完成なシステムであるということでもあり、ユーザーの係わりも重要なファクターとなるということです。 (★★★★★)

  • 宇田 賢吉: 電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書 1948)
    退職した元JR西日本運転士の筆者による、運転士から見た鉄道システムについての解説です。特に橋梁部などの無道床軌道では走行抵抗が増すなど、案外知られていないことがらです。また 安全に係わる保安装置の取扱いなど、現場ならではの視点も散りばめられており、鉄道会社の経営幹部といえども、現場の事情に疎い人がいたりするなど、ややシニカルな視点もあります。しかし全体的に実務者だからこその見方が貫かれており、それを平易に解説しています。鉄ちゃんの知ったかぶり矯正にうってつけの本でしょう。 (★★★★)
  • 嶋田郁美: ローカル線ガールズ

    嶋田郁美: ローカル線ガールズ
    2度の正面衝突事故で運転休止に追い込まれた京福電気鉄道福井支社が、2年の休止期間を経て自治体出資の第三セクター、えちぜん鉄道として復活しました。列車はワンマン運転ですが、アテンダントが乗客案内に活躍しております。赤字で公共部門の支援を受けているのに、運転業務と無関係の要員を乗せることには、地元でも賛否は分かれているようですが、高齢化の進む沿線で、ヒューマンタッチの重要性に着目し、需要創造のための投資と考えて実行されたものです。乗客1人1人に声掛けをして、わざわざ仕事を増やしているとも言えるのですが、一度休止した路線に乗客を取り戻すには、普通にしてても難しいのもまた確かなところです。中には2101と6101の駆動装置の違いを質問する鉄ちゃんもいて、しかも違うアテンダント1人1人に訊いてまわる(迷惑な^_^;)のですが、同じ答えが返ってくるほどに知識が共有されてます。恐るべし^_^;。 (★★★★)

  • 島 秀雄編: 東京駅誕生―お雇い外国人バルツァーの論文発見
    絶版本ですが、アマゾンに在庫があるようですので、取り上げます。ドイツ人お雇い技師バルツァーの主張を取り入れた中間駅形態の中央駅として建設された東京駅ですが、ご存じのとおり、山手線などの電車線のみがスルーし、長距離列車は永らく分断されておりました。それがJR東日本の東北縦貫線事業着手の発表により、一旦切られた列車線が再度つながり、かつ中距離電車によるスルー運転が2013年にも実現する運びとなりました。バルツァーが構想したコンセプトが、100年の時を超えて実現しようということですね。こうした孫子の代に残せるインフラというのは、つまるところ孫子の幸福を願う思想の反映であって、昨今の公共事業のバラマキとは一線を画するものといえましょう。 (★★★★★)
  • 進士 友貞: 国鉄最後のダイヤ改正―JRスタートへのドキュメント

    進士 友貞: 国鉄最後のダイヤ改正―JRスタートへのドキュメント
    昭和61年11月のダイヤ改正は、国鉄最後のダイヤ改正だったのですが、事実上は62年4月のJR発足を先取りしたものでした。しかし国鉄改革法案は国会審議中で、国会通貨後で良いじゃないかという国鉄部内の声を押し返して実施したそのダイヤ改正は、事実上JR7社の会社の形を決めるものでもあり、国鉄改革の実態を作る作業にほかならないものでした。そのため何から何まで異例づくめで進んだのですが、その現場での実務に一貫して係わった筆者の記録です。既に組織として末期症状を呈していた国鉄ですが、現場の実務に携わる人々が、民営化で自身の将来の身分保障すらない状況の中で積み重ねてきた努力は、つまるところ国鉄自身の「変わらなければ」という意識が支えていたものといえます。本書の内容は実務一辺倒で、鉄ちゃんでも読破に努力を要する内容ですが、一読の価値ありです。 (★★★★★)

  • 生方 良雄編: 懐かしの小田急線―昭和30~40年代を偲ぶ

    生方 良雄編: 懐かしの小田急線―昭和30~40年代を偲ぶ
    昭和30~40年代といえば、小田急がとんがっていた時代といいますか、個性が際立っていた時代です。その後東京の膨張で沿線開発は留まるところを知らず、輸送力増強に追われながら、個性を少しずつ剥ぎ取られてきました。編著者は趣味界の重鎮にして、小田急で長年実務に携わってこられた方ですから、改めて紹介するまでもありませんが、この時代の人たちは、横のつながりが強いようで、多くの写真が寄せられております。いずれも時代を感じさせるものばかりで、涙なくして^_^;語ることはできません。書斎の書棚を飾る1冊です。 (★★★★★)

  • 山之内 秀一郎: JRはなぜ変われたか

    山之内 秀一郎: JRはなぜ変われたか
    国鉄常務理事時代に、国鉄再建監理委員会のコワモテ委員から聴取を受けたら、その人が直属の上司になるという(笑)、稀有な体験をした筆者の回顧録です。気負わずに日々直面する問題に解決策を見い出し実現するという筆者の姿勢には共感できますし、何より現場社員のモチベーション向上を第一に考える姿勢は、ビジネスパーソンとして立派です。その意味で第一級のビジネス書といえますが、民営化前夜の国鉄から、民営化後20年のさまざまなエピソードは、趣味的にも貴重な証言といえます。 (★★★★★)

  • 向後 功作: がんばれ!銚子電鉄 ローカル鉄道とまちづくり

    向後 功作: がんばれ!銚子電鉄 ローカル鉄道とまちづくり
    東洋経済新報社が、実は知る人ぞ知る鉄道書ベンダーなんですが、同じ経済誌系出版社の日経BP社の鉄道書というのは珍しいところです。銚子電気鉄道鉄道部次長の著者による、ファンへのお礼を兼ねたぬれせんべい騒動の顛末報告ですが、それに留まらず銚電の歴史、特に大正期に開業した前身の銚子遊覧鉄道がわずか4年で廃業した後、銚子市民の手によって銚子鉄道として復活するなど、市民生活に密着した歴史をひも解き、さらに筆者のまつづくりへの情熱、地方中小私鉄の役割など、考えさせられる内容です。ぜひ買って読むべし。 (★★★★★)

  • 梅原 淳: 鉄道用語の不思議 (朝日新書 88)

    梅原 淳: 鉄道用語の不思議 (朝日新書 88)
    軌道の意味は? 新幹線と在来線の違いは? 整備新幹線って何? 並行在来線って? などなど、鉄道趣味誌編集者だった筆者の取材経験から遭遇した鉄道用語の不思議満載です。規制業種で法律に縛られ、システム上も厳格さが要求される鉄道ですが、何気なく使う用語の何とあいまいなことか。鉄ちゃん的重箱の隅つつきの書です。笑って楽しもう^_^;。 (★★★)

  • 宇都宮 浄人: 路面電車ルネッサンス (新潮新書)

    宇都宮 浄人: 路面電車ルネッサンス (新潮新書)
    いわゆるあまたのLRT本の中で、論点をコンパクトにまとめたという意味では、右に出る書は今のところありません。ぜひ買って読むべし。 (★★★★★)

お薦め鉄道書

  • 宮本/昌幸∥著: 図解・鉄道の科学

    宮本/昌幸∥著: 図解・鉄道の科学
    技術革新ですっかり様変わりした鉄道技術ですが、私を含め鉄道ファンを自認する人でも案外正確な知識が欠落していたり、以前の常識に囚われて新しい事態に対応できていないなど、"知識の陳腐化"は避けられないところです。 そういう意味で、初心者向けに図解と平易な文章で体系的に最新技術を解説した本書の存在はありがたいところです。 (★★★★★)

  • 鈴木/ひろみ∥著: JR西日本の大罪

    鈴木/ひろみ∥著: JR西日本の大罪
    丁寧な取材で、日勤教育の現実を抉り出した力作です。労使対立による不毛な争いが、現場を荒廃させている異様さは深刻というほかありません。 (★★★★★)

  • 栗原/隆司∥著: 高千穂鉄道

    栗原/隆司∥著: 高千穂鉄道
    2005年9月に台風14号で被災して以来運休中の高千穂鉄道の、国鉄時代から現在に至るまでの筆者所蔵の貴重な写真を1冊にまとめた本です。 水運に依存していた五ヶ瀬川流域地域を飛躍的に発展させた鉄道の足跡を辿るとともに、過疎にあえぎながらも、地域興しをけっしてあきらめない取り組みとしての鉄道再生への努力が行われている現状を多くの方に見ていただきたいと思います。 (★★★★★)

  • 今城 光英編著: 鉄道改革の国際比較

    今城 光英編著: 鉄道改革の国際比較
    欧州の鉄道改革について各国の研究者がリアルタイムに取材した貴重な記録です。類書がなく、鉄道事業のあり方や制度面について興味がある人には必読書といえます。 (★★★★★)

  • 日本経済新聞社∥編: つくばエクスプレスがやってくる

    日本経済新聞社∥編: つくばエクスプレスがやってくる

  • 川島/令三∥著: なぜ福知山線脱線事故は起こったのか

    川島/令三∥著: なぜ福知山線脱線事故は起こったのか
    (★★)

  • 網谷 りょういち: 信楽高原鉄道事故

    網谷 りょういち: 信楽高原鉄道事故
    システム化が進んでいるが故に原因がわかりにくい鉄道事故ですが、特にメディアの事故報道のあり方が問われたという意味で、このタイミングで紹介させていただきます。 (★★★★★)

  • 前田 栄作著: 虚飾の愛知万博(Kobunsha paperbacks 052)

    前田 栄作著: 虚飾の愛知万博(Kobunsha paperbacks 052)
    環境問題で反対運動、ならば環境をテーマにしちゃえ、というノリで開催されたために展開される笑えるドタバタ劇の数々。愛・地球博を巡るさまざまな問題をコンパクトにまとめた裏ガイドブック。これからお出かけの方ならば知っておいて楽しみ256倍です(笑)。 (★★★★★)

  • 山之内 秀一郎著: 新幹線がなかったら(朝日文庫)

    山之内 秀一郎著: 新幹線がなかったら(朝日文庫)

  • 小宮 一慶著: 新幹線から経済が見える

    小宮 一慶著: 新幹線から経済が見える
    鉄道書というよりは経済書ですが、著者の教養あふれる好著です。 (★★★★★)

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