AIの酸化に降参か左様なら
鹿の敵討ち*1の高市失言を立憲の野田代表がうまくフォローしました。発言撤回は求めず従来の政府方針を語らせることで国内向けには事態を収拾し、同時に質問者として批判されていた岡田代議士の名誉回復を図るという大人の対応を見せました。残念ながら高市首相はそれでも「質問されたから答えた」と岡田代議士批判の世論に乗っかって自己弁護で救いようなし。これからも失言しまくりで誰かがフォローする流れでしょう。その前にトランプ習近平電話会談があり、その後トランプ高市会談で釘を刺されたから本人も失敗は自覚しているとは思いますが*2。
18.3兆円の補正予算を閣議決定して国会へ上程されますが*3、こちらは簡単ではないでしょう。特に本来本予算で対応すべき防衛費増額を補正予算で行うのは臨時的対応を旨とする補正予算の趣旨にも反します。というよりも防衛費に限らず本予算では金額を明示しない事項請求をしておいて、補正予算に潜り込ませたということならば財政民主主義に反する暴挙です。中国の戦狼外交は団体客のキャンセルに留まらず日本のタレントの中国公演の軒並み中止など実害が出ていますが、中国の強硬姿勢を逆手に取って正当化する高市ショックドクトリン*4を警戒すべきでしょう。これナチス台頭時のドイツワイマール共和国時代の大砲かバターか論争の相似形で、敵を作って国民生活を圧迫することに他なりません。
既に市場は財政悪化を織り込んで長期金利が上昇する一方、短期金利は低いままで長短金利差が拡大しています。今後長期債の発行は困難になり短期債で回すことになりますが、そうすると国債の新規発行以外に既発債の借り換えが頻繁になり、インフレによる金利上昇でジワジワと財政を圧迫することになります。そしてその前に所謂債券自警団の投げ売りが始まると一気に国債大暴落となります。株価以外全部沈没*5で指摘したように株価はインフレを反映して上昇しているもののあくまでも円建ての話であり、円安と債券安は進んでいる現実があります*5。高市ショックも近いかも。株に関してはアメリカのAI相場の後追い*6で、AIブームに沸く米テック企業にも選別の目が向けられています。
2年前に勤労感謝にAIは勝つ?*7で分析しましたが、AIによる生産性向上効果は主に高スキル労働者の経験値に裏付けられた暗黙知をAIに学習させることで低スキル労働者の生産性が改善することが主なもので、謂わば教育効果による労働力の底上げなんですが、これは同時に高スキル労働者にとってはライバルの増加を意味しますから労働市場での優位性を失い賃金が下がることを意味します。加えて低スキル労働者にとってもスキルアップの機会とモチベーションを失わせますから、一定水準以上のスキルアップが止まり生産性向上効果は一巡します。つまり結果的にはAIなしには使えない労働力の劣化を意味する訳です*8。
逆にAIの開発者はそれを利用して労働者を都合の良いツールに誘導する誘因を持ち、創造性のない苦役で労働力を消費される訳ですから、次世代のイノベーションを阻害し経済自体の持続可能性を危うくします。そしてベーシックインカムの美名のもとでばら撒かれる給付を受動的に消費するデジタルペット状態になるとすれば、そんな未来はディストピアでしょう。そしてその片鱗は見えています。例えばアイドルの推し活はある種の依存症的なものがありますし、実在に人が相手ならまだしも生成AIが唯一の話し相手といったことにもなりかねず、実際AI依存症が原因と見られる若者の自殺は報告されています*9。
てことで気になるのがJR東日本がPayPayなどに対抗してモバイルSuicaにteppayというQRコード決済機能を持たせ、且つチャージ上限を現行の2万円から30万円に引き上げて個人間の送金にも使えるようにし、またVIEWカードとの紐付けで後払い決済にも対応すると発表しました*10。従来のFELICAベースのIC乗車券と電子マネーは残りますが、利便性に差をつけてモバイルSuicaへ誘導しようということですね。FELICAチップという特定ハードに依存した結果半導体不足で新規発行を止めた苦い経験もあるでしょうけど、同時に事実上記名カードとなることで個人データを取得しようということでもあります。
乗車券予約、宿泊、ショッピング、決済といった一連をカバーするスーパーアプリ化が狙いでしょうけど、同時にタッチアンドゴーという簡便さで高齢者などライトユーザーにも浸透したSuicaの良さは、アプリ操作で煩雑になり決済絡みでセキュリティも強化されるとすると、ユーザーインターフェースは複雑化が避けられませんし、ポイントやクーポンで利用を誘導することで一種の依存症的なことも起こり得ます。故に私は乗り換えるつもりはありませんが、ユーザーは気をつけて使わないといけません。これが進化なのか?
Suicaリニューアルに関係あるかどうかはわかりませんが、Suicaペンギンの卒業も発表されてます。普通に考えたらイメージの継続性を損なうリスクのあるキャラクターの変更は冒険だと思いますが、原著作者が個人であり個人保有の著作人格権は没後の相続以外に譲渡ができないことからの決定のようです。彦根市キャラクターのひこにゃんを巡る事件を参考に意思決定されたようで、企業として揉め事の芽を摘むということのようです*11。現時点で原著作者と揉めている訳ではないようですが、Suicaリニューアルとタイミングを合わせての決定というところでしょう。AIの時代にも個人の創造力は強固です。
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