スポーツ

Sunday, December 27, 2015

レジ袋と新聞紙

消費税の軽減税率を巡る自民と公明の協議アホらしさに声も出ません。ある意味安保法制以上に日本の民主主義が壊れた、あるいは最初から欠陥品だったかもと思い知ります。

そもそも日本の消費税制度は欠陥だらけで、税率の変更を大騒ぎしてやってますが、EU加盟各国はこともなげに税率も変えるし軽減税率も導入されてます。ただし低所得者対策としてはあまり効果がなく、むしろ線引きの曖昧さもあって運用面で混乱したり新たな利権を生んだりとマイナス面も指摘され、見直す議論もあるわけですが、遅れて導入する日本では、少なくとも現政権では一顧だにされていません。

それどころか、来年の参院選のことしか頭にないようで、財務省案のマイナンバーカードでを使って還付する案を「軽減税率の有難みが感じられない」と却下するあたり、本音はここですね。もちろんマイナンバーカードのセキュリティ真似など財務省案は問題だらけですが、軽減税率よりも還付の方が、低所得者対策としての効果は高いわけで、現在も住民税非課税世帯に1人当たり6,000円の還付は行われております。これは各自治体の課税台帳から抽出して該当する世帯へ通知し、申請させるという形で、現行の制度インフラの範囲で実行可能です。難点は申請率が低いことですが、低所得を恥じて申請を躊躇する世帯が多いということでしょう。

これは民主党が主張する所得税の給付付き税額控除と組み合わせて全世帯を対象とすれば解決します。その際所得税の基礎控除38万円+扶養控除や青色申告控除の65万円、合計103万円の基礎控除相当額の還付とすれば、女性の社会進出を阻む103万円の壁と言われる扶養控除制度の見直しが同時にできるわけで、課税所得のある世帯は還付の代わりに税金を控除するわけですから、この部分の予算の手当ては不要です。自公の軽減税率を巡る議論のスジの悪さは呆れます。

新聞報道では公明党の強硬姿勢に官邸が鶴の一声で決着というストーリーが語られてますが、実は軽減税率を制度として確立したいのは財務省というあたりは、あまり言及されません。地味ですが2021年からのインボイス導入が決まったことが最大の肝です。というか、従来日本の消費税制度はインボイス導入をしなかったために矛盾に満ちた制度だったということは指摘できます。

インボイスというのは税額票と訳されているようですが、取引毎に発行される税額を明示した伝票で、事業者はそれに基づいて預かり消費税から仕入れにかかった消費税額を算出して控除する仕組みです。その結果インボイスが金券の役割を果たすことになり、一連の取引の連鎖の中で、課税事業者にしか認められないインボイスの発行ができない非課税事業者が排除され、結果的に事業者同士の相互チェック体制が出来上がるわけです。

加えて税率の異なるものが混入しても問題ないので、複数税率の併存が可能で、この結果軽減税率が可能になるほか、税率の変更が容易になることになります。これは昨年4月の5%から8%への税率アップのときに政府が音頭を取って価格転嫁を促し、店頭の商品の値札が一斉に取り換えられましたが、事業者は取引時点の税率で明示された税額だけで例えば5%で仕入れた商品を8%で販売しても、実際の納税額は両者の差額だけですから、本体価格への影響が出ないわけです。またインボイスで税額が明示されますから、価格交渉で売り手と買い手の関係もフラットになるので、現状のように買い手側の一方的な値下げ要求はしにくくなるわけです。欧州で税率変更をこともなげにできるのはこのためです。

こう考えると財務省がインボイスの導入に拘った理由も明らかですが、総額から税額を逆算する現状の扱いとは全く異なった扱いとなり、周知期間を含めて長い準備期間が必要なわけですから、17年4月の導入はさすがに無理ということで揉めたわけです。結果は当面のみなし課税の容認などで着地したわけです。しかも当初中小企業だけとされたみなし課税を大企業にも認めることになりましたから、所謂新たな益税問題が出てきたわけで、21年のインボイス導入までにひと悶着ありそうです。

インボイスに関しては経済界の反対が強く、曰く「事務処理負担増で中小企業に負担になる」というのですが、よく考えたら大量のインボイスを管理しなければならない大企業の方が負担が大きいわけで、中小企業向けにはインボイス導入をIT化のテコにすることは考えられますし、必要ならばシステム導入の補助制度を設けて初期投資の負担を和らげることは考えられますが、大企業ほど確立した基幹システムの改修が大変なことになりますから、実は大企業が中小企業をダシにして反対している可能d性があります。しかし複数税率を運用する以上、インボイス導入は避けては通れません。

消費税は最終消費者が負担する仕組みですから、今回議論されている食料品に関して、軽減税率を適用するときに、極論すれば小売り段階だけ税率を下げれば良いわけです。なぜならば仕入れ段階で10%課税された商品でも、小売り売上時点で8%課税しても、当該小売事業者が納める税額は売上にかかる8%相当の税額から仕入れにかかる10%相当の税額を控除した差額だけで済むわけですから、インボイスで対応する限り問題は起きません。この意味って大きいんですが、説明するとややこしくなります。

例えばペットボトル入りの水で言えば原価に占める内容物の率は4%程度であとは容器代ですが、容器代は10%課税になるわけですね。そう、食品といっても容器や梱包材のダンボールやスーパーのトレーやレジ袋といった包材類は10%課税になりますので、流通段階での消費税の計算はかなり煩雑なものになります。公明党が当初主張していた区分経理方式が非現実的なのは言うに及ばず、当面可能な帳簿方式による簡便法やみなし課税制度も、実態としては相当な混乱をもたらすこと間違いありません。おそらく現場の混乱はマイナンバー以上でしょう。何となればマイナンバーはバックレても処罰はないですが、納税に関わる虚偽申告や脱税行為は重罪です。

というわけで、線引きにあいまいな部分があることも含めて、恩恵を受けるはずの食品業界や飲食・小売り業界は頭を抱えてます。帳簿方式を前提としてPOSやバックオフィスシステムを構築してきたものをかなり変更しなければならないし、当面の簡便法への適応をし過ぎると21年のインボイス導入が難しくなるわけで、2度にわたってシステムの大変革を求められるわけです。いやこれ、軽減税率導入で国民に感謝されると考えてろアホな議員たちは救いようがないです。Suica甘いかどころじゃないパンドラの箱です。

そんな中で喜んでるのが新聞業界。何でも報道の公共性に鑑み、軽減税率導入を求めていたのが認められたということで、基本的に宅配が軽減税率適用になるようです。これ人口減少とネットの普及で新聞宅配は部数を減らし続けており、巻き返しを狙ったんでしょうけど、そのために政府にすり寄って報道の魂を抜かれ質の低下した新聞を取る意味が失われます。ホントこのところ新聞は政府をヨイショするばかりで、クリティカルな報道は見られません。恥を知れ(怒)。

あ、でも軽減税率ならレジ袋の代わりにはなるか(笑)。

おまけ。

北海道新幹線、「青函」が阻む3時間台(真相深層)  :日本経済新聞
ただでさえ赤字にあえいで安全運航に支障が出ているJR北海道に赤字の新幹線誕生とか、悪い冗談。さらに。
ザハ氏側、類似性を調査 新国立、隈氏のデザイン案 :日本経済新聞
おいでよパクザハの森(神宮外苑)へ。結局再コンペは予想通り大成グループで決まり、ザハ氏からパクり疑惑を指摘され。ま、機能面からスタンドの形態は決まりますし、その機能の絞り込みが不十分な上、おそらくザハ案でもスタンド工事受注を見込んで鉄鋼など資材の調達を始めていた可能性のある大成建設の意向もあったのでしょう。工期を考えれば妥当とはいえ、透明性があるとは言い難いところです。今の政権こんなんばっかし。

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Monday, July 20, 2015

Undoしたい大草原wwwの小さな森

いやもうあまりにも面白いので、新国立競技場のネタ続けます。まずは当事者のインタビュー記事です。

新国立、安藤氏「頼まれたのはデザイン案の選定まで」  :日本経済新聞
【新国立競技場】森喜朗氏「生牡蠣がドロッと垂れたみたい」(発言詳報)
今回のキーマン2人が揃いも揃って他人事コメント。意訳すれば「ボク悪くないもん」というわけです。ザハ案を強く推したのは安藤氏であることは、様々な証言から明らかであり、今回の一件で安藤氏の名声は地に落ちたと言えます。コストを無視したデザイン選定はあり得ません。

また2019年のラグビーW杯を新スタジアムのこけら落としにしようとした森元首相は元々ザハ案が嫌いだったとのたまう始末。ノミの心臓サメの脳みそと言われる御仁だけに、無い知恵を絞っての釈明は、それ故に本質をついているところもあります。例えば責任は文部科学省にありという部分。実際の事業主体は(独法)日本スポーツ振興センター(JSC)ですが、こういう大きな公共インフラを手掛けたことはなく、不慣れだったことを指摘しています。確かにそうでしょう。

あとザハ案が嫌いだったという発言ですが、巨大キールアーチ構造の施工の困難さを指摘していることはあまり報じられておりません。橋なら船で運べるけど、陸上の大径間アーチは現地組み立てを余儀なくされ、形状が複雑だから大変だし、櫓を組んで仮受けする必要もあるなど、安藤氏よりよほど構造設計に詳しかったりします。さすが土建族。北陸新幹線を巡る談合事件が報じられてますが、関与は?

そもそもコスト感覚が希薄だったのではないかと思われます。求められている機能は国際大会の開ける陸上競技場であって、サッカー国際試合用の8万人収容のスタンドも、コンサート会場として音漏れ防止や全天候型のための開閉式屋根などは必ずしも求められていないわけで、むしろサブグラウンドがないなどがアスリートから指摘されている始末。事業の目的を忘れて盛り過ぎということで、この部分はデザイン案に関わらずコストを押し上げる要因になっています。

事業費の膨張も、具体化と共にジワジワとで、本来は1,000億円程度だったはずが、震災復興や円安の影響で資材費が値上がりし、人手不足による人件費高騰もあって1,300億円に見直された経緯もあります。つまり文科省やJSCが事業費膨張の理由として説明しているこの部分は、1,300億円に盛り込まれているはずで、その後の膨張は、設計の具体化や施工希望のゼネコンの意見などによるわけで、入札もされていないわけです。

しかもゼネコンの意見は日本の公共事業で慣例化している事後的な予算の増額が含意されていると見るべきで、2,520億円で終わりという話ではないと考えられます。杜撰すぎるプロジェクトの進行でこうなったわけですから、安藤氏や森氏を含む当プロジェクトに関わったメンバーは更迭し、新しいメンバーでプロジェクトをやり直すべきです。一応プロジェクトマネジメントに経験豊富な国交省が関与するようですから、少しはマシな展開になるかもしれません。とはいえ都に負担を求めたりToTo収益金など別サイフに付け替えるだけで誤魔化す可能性もありますから、引き続き国民の監視は必要です。

そして白紙見直しとなったわけですが、安保法制の強行採決で支持率が低下したことから、目晦ましとの指摘がある一方、最終選考に残ったザハ案以外の2案でも概算で事業費が減らないということで、白紙見直ししか手がないということもあります。コンペのやり直しなども言われますが、今回の件で国際的に信用を失ったプロジェクトに応募してくれる得る奇特な建築家が現れるかどうか。実際ザハ・ハディド・アーキテクツが公式にコストアップがデザインのせいではないとのコメントを出しています。

また別の論点として旧国立競技場の残存基礎や地下鉄大江戸線を含む地下埋葬物の支障問題も指摘されていますが、なぜか関連する資料は公開されておりません。そもそもこれでまともなデザインコンペができるわけがないですし、工事が始まれば地雷のように立ちはだかる可能性があります。再コンペやるならこの点の情報公開も必要でしょう。

ま、というわけで、鉄分少な目の今回のエントリーですが、大規模公共工事はまかり間違えばとんでもないことになるという教訓を得ることはできます。事業費査定が甘い中央リニアに幸あれ。

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Friday, June 23, 2006

事ー故ジャパン!

眠たい1日のお勤めご苦労様でした。しかし事故の多い日でした^_^;。渋滞?と思えばパトカーがいて実地検分中ということで、疲れました。やっぱこれもW杯効果? 眠気にはセブンイレブンのO2サプリミント缶がお勧めです。

サンシャイン近くの都電荒川線の踏切で足留めされ、通過した電車がなぜかガラガラ。そういえば先日追突事故があったことを思い出します。乗客が忌避しているのでしょうか。アホなメディアが「都電にはATSがない」なんて無知な報道するもんだから、こんなことになるんでしょうか。でもね、ATSなんぞ装備したら続行運転できなくなって、とげぬき地蔵の縁日でパニックになりまっせ。車内警報装置(旧国鉄B型相当のATSと同等)を装備した世田谷線が、暮れと新年のボロ市のときに容赦のない詰め込み輸送をするのも、続行運転できないため。あんたらの正義はいかにズレまくってるか自覚してほしい-_-;。

そういえば耐震強度偽装では姉歯建築士が以前から偽装をしていて、国会の証人喚問で「木村建設に圧力かけられた」という証言を翻しました。これには関係者が共謀して偽装を行ったという捜査当局のシナリオが崩れて、姉歯建築士の個人の犯罪となりそうな気配ですが、一罰百戒を狙って別件逮捕オンパレードできた捜査当局の責任問題にも波及するかも。そもそもは専門家が経験則に基づいて行ってきた強度計算ですが、国際化の進捗で海外とくに米企業の参入要求もあって、基準を明示することと規制緩和の要求が重なって、4つの異なった基準で強度計算を行うという木に竹を接ぐような制度になってしまったことに対する当局の反省は見られず、結局建て替えもままならないまま放置された被害者は置き去りです。困ったもんだ。

あとエレベーターの事故なんて話題もありますが、これもいろいろな問題を含んでます。そもそも建築基準法で通り一遍の安全基準が示されているだけのエレベーターですが、高層建築が増えて、コンピュータ制御の高度なメカになってきていて、メンテナンスの専門性が高いのですが、メーカーは競争激化でハードを安く売ってメンテナンスで元を取ろうとするから、メンテナンスに必要な技術情報の開示に消極的だし、一方で独立系のメンテナンス会社が安値で参入する一方で自治体では入札制度の見直しで随意契約や指名入札から競争入札へ移行したら、安かろう悪かろうでトラブル続出とは困ったもんです。鉄道ならば運賃収入を安全投資の原資にできるものの、エレベーター自体は、ランドマークタワーの展望エレベーターのような例外を除けば、直接キャッシュフローを生む資産ではないので、制度設計に難しさがあります。どうする国交省。

6月といえば株主総会の季節ですが、5月施行の新会社法の影響で、株主総会も様変わり、今年のトレンドは買収防衛策だそうで、なんとも保守的な日本企業です。新会社法も国際化の進展で国内企業の海外での事業展開や外国企業の国内事業展開などなど、国によって異なる会社の定義を米国基準や欧州基準などの要素を取り入れてやり直し、かつ規制緩和というナイーブな要求を満たすなど、要請される事項が多くて、カタカナ旧文語体の旧商法よりも難解な現代語条文のオンパレードとなりました。何か耐震強度問題に似ていることか。

会社法を難しくしているのは、さまざまな機関設置や株主の議決権を定款で制限できる場合があったり、商法の株主平等原則が消え去り種類株が解禁されるなど、使い方によっては紛糾しそうなさまざまな要素が盛り込まれているのですが、阪阪統合のTOB価格930円が妥当だったかどうか、TOBに応募しなかった阪神株主から異議が出されたらどうなるかなど、ややこしい問題があります。いわゆる株主代表訴訟がやりにくくなった感は否めません。ま、阪阪統合の場合はTOB期間中の株価下落という想定外の事態がなければどうなっていたかわかりませんし、1,000円を超える株価水準自体が利益水準から見て倍誓い高値という指摘もありますし、微妙な問題テンコ盛りです。ま、株価下落自体が米FRBバーナンキ議長の不用意発言がきっかけということで、中央銀行総裁の言動がいかに責任重大か、福井さんわかってんでしょ。

ブラジル戦が終わって、中田ヒデがピッチにへたり込んで悔しさを露わにしたのが印象的です。結果を変に庇うこともけなすことも不要です。悔しさこそアスリートには明日の糧です。

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Sunday, November 07, 2004

コクド球団売却に動く!? 西武ライオンズの蹉跌

事態は想像を超えて、思わぬ方向へ進んでいるようです。
 日本経済新聞11/6夕刊トップにタイトルの記事ですから、驚きました。前回、西武鉄道の自立をテーマとした記事で、鉄道側の事情での球団売却の可能性に言及いたしましたが、実際はコクドの方が球団売却に動いていたというわけですね。ま、西武鉄道にとっては、西武球場は乗客を集める集客装置として意味があるわけで、コクドも西武球場をフランチャイズとすることを条件にしての売却先探しだったようですから、西武鉄道の事情を汲んでいるわけですね。
 しかしライブドアにも声かけてたとは。楽天イーグルスにヤフーホークス???でかつて電鉄リーグと呼ばれたパリーグが、今度はITリーグの様相を呈しているのが、時代の変化を映しているようで面白いところです。
 半世紀にわたるライオンズファン^_^;の私ですが、思えばかつての黄金時代は石炭景気で業績好調だった西日本鉄道が、名監督や名選手をかき集めて実現したものといえるかと思います。
 黒い霧事件で戦力ダウンしたときは、既に国のエネルギー政策が石炭から石油へシフトして、親会社の西日本鉄道の業績も下り坂の時代ですから、西鉄が球団を持ちきれずに太平洋クラブへ身売りしたのも無理からぬところです。その後クラウンライターを経て西武コクドグループが買い取り、西武ライオンズとなったわけですが、鉄道屋からゴルフ場屋、ライター屋を経て(実際は共に平和相互銀行が資金提供していたようですが)、鉄道屋とはいえリゾート開発に傾斜していた西武コクドグループへの譲渡は、それ自身が歴史に翻弄された結果といえるのかもしれません。
 結局200~250億といわれる譲渡希望価格が高すぎて不調だったようですが、西武鉄度の管理ポスト行きで資金調達力が著しく低下した西武コクドグループとしては、聖域なきリストラにまい進するしか道がないということでしょう。
 日本のプロ野球は、ライオンズの歴史を見ても、所詮はタニマチ経済に支えられていたということなんですね。そしてタニマチの旦那衆に仲間入りするには、旦那衆の中でも頭領格の御仁(読売のナベツネ)の覚えめでたい者に限るという暗黙のご了解の下、頭領を抱き込んで10球団1リーグ制を画策したグループが、謀をめぐらせて失敗し、タニマチを抜けたいと言っている構図と見ればわかりやすいですね。これは裏を返せばプロスポーツとしての興行的な自立とは程遠い姿といえます。
 ま、私みたいに弱かった時代も離れなかったファンのいるライオンズですから^_^;、これぐらいのことでどうにかなるとは思っておりません。スポンサー企業が変わってもV2目指してがんばっていただきたいところです。

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Thursday, November 04, 2004

脱堤、西武鉄道は自立できるか?

西武ライオンズ日本一という結果をもって2004年シーズンを終えたプロ野球ですが、同時に堤義明氏のオーナー辞任によって、西武コクドグループの役職から公式に退いたわけですが、誰もこれで堤氏の西武コクドグループ内の支配がなくなるとは見ていないでしょう。
 でもいろいろな形で確実に変化の兆しは現れているというのが、この記事の要旨となります。とりあえず早稲田大学のご学友^_^;グループが経営陣から退き、生え抜きと運輸官僚出身者がトップに立つことで、本業回帰を目指す動きが見え始めているあたりに注目したいと思います。
 思えば春に発覚した西武鉄道の総会屋利益供与事件が発端だったんでしょう。監査役まで身内で固めて、事実上監査が機能しない上場企業は、何も西武だけに限りませんが、その体制を維持しようとすれば、さまざまな無理を重ねる結果となり、利に敏い闇の勢力につけ込まれたとしても不思議ではありません。
 結果として堤氏の腹心中の腹心である戸田博之社長と共に会長職を辞任し、社外取締役2人の選任と併せて7月に倫理委員会と業務改革委員会を立ち上げ、社内改革へと舵を切るという変化が出てきたようです。さらに取引先企業へのコクド実質保有の西武鉄道株を勧めてインサイダー取引を疑われたことで、常務取締役の白柳敏行氏が辞任に至り、堤氏側近が経営陣からいなくなるという椿事と相成りました^_^;。
 結果として西武鉄道経営陣は自立経営を志向する動きが出てきたという見方となります。本業の儲けを本業に再投資するから経営基盤が強化されて経営が安定するのは、鉄道業に限りませんが、大規模な資本を要する鉄道業においては、重要な経営戦略です。例えば東急が数々のビッグプロジェクトを当初計画とは違う形であっても実現していって現在の地位を築いたこととか、国鉄資産を継承してスタートが恵まれているとはいえ、毎年着実に投資を続けるJRの姿を今の西武鉄道経営陣はうらやましく感じているようです。
 しかし従来は堤氏の個人保証と保有不動産の含み益で銀行融資を引き出すことも、株式のグループ保有で株価を高止まりさせてエクイティファイナンスで資金調達することも今後は難しいわけですから、不採算事業の切り離しなどの事業の見直しが避けられないといえます。
 ところがこれが曲者で、例えば日本一に輝いた西武ライオンズはコクドの完全子会社ですが、フランチャイズ球場の西武ドームは西武鉄道が保有し、ライオンズに興行権料を支払っているという関係ですが、年間20億円程度の赤字事業という現状では、見直しせざるを得ないところですが、堤氏が継続保有を希望している限りは難しいですし、同じく堤氏ご執心のプリンスホテルも、赤坂や高輪など都内の好立地物件の多くは西武鉄道の保有でテナント収入を得ている現状ですが、資金調達のために手放すことになったらどうなるかなど、不透明な要素テンコ盛り状態といえます。
 とはいえやっと鉄道屋として目覚めた新経営陣には、やはりエールを送りたいと思います。

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Friday, September 24, 2004

プロ野球、労働争議の見本として

一連の騒動も、とりあえず球団側と選手会の歩み寄りによって、ストが回避されたことは喜ばしい限りです。実際はこれからが改革の本番なんで、まだまだ気が抜けないところなんですが。
 で、選手会のがんばりにエールを送りつつ、そこはかとなく感じる違和感というか、無力感のようなものを感じてしまうのは何故なのか、そのあたりを書きたいと思います。
 どうも今回のプロ野球選手会のがんばりですが、組合本来の役割を見事に果たしたという意味で、特筆にあたいするものではないかと思うんです。戦後になって認められた労働者の争議権ですが、私たちが見てきたものといえば、イデオロギーに侵されて労働争議に名を借りた政治運動であったり、その対極に位置する労使協調路線の御用組合の両極端ばかりで、実際に組合員の生活と雇用を守る役割は忘れ去られていた感じです。実際「失われた10年」と言われた90年代に、リストラ、賃カツ、外部委託で切り崩された組合のなんと多かったことか。こうなる前に時短と賃下げを組み合わせたワークシェアリングになぜ取り組めなかったのかが悔やまれます。
 今回の球団側と選手会の合意事項は、時短はともかくとして、賃下げやサラリーキャップといった選手会側にも痛みのある内容ですし、ドラフトの見直しなどの課題も提示されています。選手にとっても年俸を下げられるかもしれない話ですから、よくぞ仲間割れせずに団結を維持できたものと感心します。
 「プロ野球スト、団結と分断」のページでも触れましたが、労使の争いでは、常に労働側が多人数で経営側が少人数となります。経営側内部で利害の衝突があっても、調整に費やす時間やエネルギーは相対的に少なくて済みます。対して労働側は、意思統一をはかって調整するだけで時間と労力を浪費します。その上経営側からは切り崩しを仕掛けられます。元々労使は対等ではないんですね。
 今回のプロ野球ストでは「高給取りのプロ野球選手が何を言うか」「違法なストであり、霜害賠償も辞さず」などの圧力発言が相次ぎました。さらに個別にはクビをにおわされた選手もいるようですし、実際スト突入前の選手会内部の事情は、必ずしも一枚岩ではなかったようです。
 ま、ここまで来れたのは、ファンの後押しがあったためといえるかもしれませんが、ある種退路を断って擬似的な共犯関係を選手会内部で醸すことができたことが勝因かもしれません。で、それは私自身の過去も含めて、日本のサラリーマン社会にもっとも欠けていたものではないかと感じます。
 自分の受け取る給料が上がることには興味があるけど、それ以外のことには反応しない組合員を抱えていては、組合の執行部も賃上げ闘争に傾斜せざるを得ないですし、会社がつぶれるなんて考えもしないから、会社からより多くのものを引き出すことに重点が置かれてしまうんですね。雇用を守るために経営陣に注文をつけるなど夢のまた夢、まして組合員に向かって「痛みを分かち合おう」などとは口が避けても言えないわけです。
 その結果どうなったかといえば、多くの企業が国際競争にさらされて利益を確保できなくなり、また厳しい現実を忘れさせる粉飾や手抜きの横行で、不祥事が表面化して破綻した企業も少なからずあります。営業部門は常に期末の数字操作の魔力にはまり、決算後にいつのまにか取り消される架空売り上げで数字を作り、心地よい実績に酔っていました。その数字を鵜呑みにして銀行も貸し出しをしました。それが後になって裏づけがあやしいということがわかって、いわゆる不良債権となったわけです。あるいは管理の手抜きやリコール隠しなどで見かけ上のコストを低く見せて「他社の追随を許さない」競争力に酔いしれて不祥事を起こした企業など、枚挙に暇がありません。
 今回のプロ野球スト騒動では、選手会はそうではない労働争議のあり方を見事に描き出してくれました。それなりに(無駄に^_^;)サラリーマン生活の長い私としては、ある種打ちのめされた感覚があるんですね。スト回避自体は喜ばしいニュースではあるけれど,思いは複雑です。

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Sunday, September 19, 2004

プロ野球ストについてさらに考えてみた

阿由多さんからトラックバックをいただきました。いかなる決着が待っているのかはわかりませんが、選手会がスト突入したことで、選手会側はむしろ一線を越えて退路を断った形になり、結束を固める結果となりました。
 むしろ球団側のほうが、何故新規参入が2006年度からでないと無理なのか(少なくとも野球協約上は11月30日までに加盟申請することが条件付けられており、文字通り解釈すれば来期からの新球団参加は可能なはずです)、さらに遡れば近鉄の買収に手を上げた企業が現れた時点で、赤字を理由とした合併の意味そのものも揺さぶられているわけです。何か今は明らかにできない「模範解答」があることを予想させます。
 でもそれは言えない。そりゃオーナー同士の阿吽の呼吸で決め事が進んでいるのであれば、球団社長・代表クラスでは何も言えないのも無理からぬところです。何しろ球団オーナーは日本に12しかない「名門」ですから、何か決めるのにいちいち他人にお伺いをたてるいわれなどないのでしょう。
 とすれば交渉に当たった球団代表は、いかに選手会の目先を誤魔化してスト回避させるか、スト回避が不可能ならばいかに選手会を悪者にするかという「使命」をもって交渉に臨んだわけで、誤魔化されず突っぱねた選手会は結果的に正しい判断をしたことになります。
 さらに冒頭に書いたように、一線を越えることで、選手会としても後戻りできなくなったわけで、スト突入前は温度差のあった選手同士の結束は、むしろ深まったと考えられます。ここまで読んでいたとすれば、古田は並外れた優秀なリーダーといえます。
 むしろ球団側は動きすぎた。10球団1リーグという絵を誰が描いたかはわかりませんが、経営側の方が少人数ですから、情報の共有も秘密保持もやりやすいはずですし、以前ならば実際そのように推移したであろうことが、あの手この手を使ってなお進まず、むしろ手詰まり感すら漂っているというのは、確実に時代が変わったことを実感できます。根来コミッショナーの辞意表明も、江川の「空白の1日」問題で巨人の身勝手の追認機関でしかなかった現実が壊れていることを実感させます。
 というわけで、まだまだ波乱を予感させますが、何年後かに今回のストを「やってよかった」と振り返る日が来ることを予想させる展開になりそうです。

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Saturday, September 18, 2004

プロ野球スト突入、団結と分断

旬の話題にシフトします。プロ野球のあり方云々は置いといて、労働組合としてのプロ野球選手会のことについてつらつらと。
 先週末のスト延期が12球団維持のための新規参入規制の緩和などの条件闘争への切り替えであったであろうことは、外野からもわかりますが、結果的に経営側の約束が空手形に終わりそうな気配から、スト突入となったんですね。
 この展開は正直読めませんでした。ただ選手会長の古田ががんばっていることだけはわかります。そもそも選手会も一枚岩ではないわけで、合併が決まっている近鉄とオリックスの選手は、直接的に自らの雇用が危機に直面しているわけですから、強硬な態度を取るでしょうし、中日などリーグ優勝が見えている球団の選手は、ストなどでペナントレースにケチをつけたくないでしょうから、選手会内部の温度差は大きいといえます。
 あと球団側による選手の切り崩し工作もあって、「プロテクト枠から外す」とか「引退後どうする?」みたいな恫喝まがいのことも行われているようです。巨人首脳の「スト決行ならばペナントレースは無効」発言も、「違法ストで霜害賠償」発言を受けたもの、つまりパリーグのプレーオフも日本シリーズも無くなって損害額が大きくなるという意味の圧力発言といえます。
 プロ野球選手のストについては「高学年俸を取る選手がストなんておかしい」という声があることは承知しておりますが、事が選手の雇用に関わる話ですから、スト自体には一定の正当性があると言えるでしょう。そもそもFA制度によって年俸が高騰したのは、制度の問題であって選手が悪いと言えるのかどうか。
 一般サラリーマンでも円高で結果的に世界一の水準となった日本の人件費が、競争上劣位となってリストラの口実となったことを忘れないようにしましょう。プロ野球選手でもFA制度が始まってから高学年俸を理由に自由契約になったベテラン選手は多いんで、何か年功賃金制ゆえに高騰した中高年サラリーマンの話に似ています。
 確かに球団の合併とか新規参入規制の緩和などは、経営の専管事項であって、それ自体は労組が口を挟む問題じゃないといえますが、それを言うのはまともな経営ができている前提での話です。経営者がアホで会社が無くなるというときに「経営の問題だから口出ししません」なんて労組だったら救われませんね。
 やや散漫になってしまいましたが^_^;、言いたかったのは、この難局に挑むリーダーとしての古田のアッパレぶりでして、一説によれば「これでヤクルト次期監督の目が消えた」そうで、かくもリスクを犯しながら、選手会をまとめているのは大したものです。どこぞのフォ-ラムマネージャー氏とは大違いです。

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