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Sunday, October 18, 2020

デカップリングで謝謝トランプ

風邪と共に去るかと思ったトランプ大統領が巻き返しに躍起になっています。バイデン氏に対して劣勢なのは否めませんが、強力なステロイド剤まで処方して回復して意気軒高ですが、異常なテンションの高さは副作用の可能性もあります。ドラッグでの復活劇ですが、あたかもキリストの復活になぞらえるような展開はキリスト教右派の心を掴むストーリーとしてアピールポイントにもなります。ある意味アメリカらしいですが。

てことでどう転んでも接戦が予想される米大統領選ですが。今心配されているのは、仮にトランプ大統領が敗れても、ホワイトハウスを明け渡さない可能性があることで混乱が心配されてます。特に過激派によるテロの心配が言われ、実際民主党系のミシガン州知事拉致未遂事件でFBIが6名の身柄を拘束したという事件が起きました。下手すりゃ南北戦争以来の内戦すら心配する声まであります。

こうなってくるとトランプ推しと見られていた経済界の対応が微妙になってきてまして、どうせならバイデン氏に圧勝してもらって、加えて上下両院も民主党が多数派となって民主党のシンボルカラーにちなんだブルーウエーブ(民主党による連邦政府上下院独占)を望むようになりつつあります。議会で共和党が多数派を占める捩れ現象が起きると何も決められない政治が実現し、経済政策が滞ることを寧ろ危惧している訳です。一方一般国民はコロナ問題に関心が高く、経済政策は主要な争点にならないという珍しい展開です。

米大統領選「経済重視」最低水準の9% コロナは25% 関心集中:日本経済新聞
てことで経済よりもコロナ対策を巡る国民の分断の深刻さが可視化されていて、アメリカの混乱は長引きそうです。その経済政策で不都合なことが起きています。
中国の対米貿易黒字が最高に 7~9月、医療品など輸出増:日本経済新聞
偉大なアメリカを目指すトランプ大統領にとっては悲報です。医薬品その他のy対米輸出が増えた一方、ハイテク品の半導体関連の輸入が減って対米貿易黒字が拡大した訳です。つまりコロナ禍で需要が拡大した医薬品はアメリカの国内調達が間に合わず輸入依存に追い込まれた一方、Huawei排除などのハイテク品制裁の影響でアメリカからの輸出が減った訳で、自業自得になっている訳です。

またアメリカの経済指標で消費が強い数字を示しますが、一方で14%を超える最悪の失業率が示すように、雇用は戻っていない訳で、加えて貯蓄率も上がっているという謎な動きですが、給付金の影響と見れば腑に落ちます。つまり派手な財政出動で経済の落ち込みを防ぐことはある程度実現できたものの、生産は戻らずその分輸入依存が進んだ訳です。つまりアメリカの国内消費のお陰で中国の製造業yが一息ついた訳です。

これには2つの意味があります。1つは中国叩きのデカップリング政策はうまくいかず弊害ばかりということと、2つ目は元々アメリカに限らずグローバル化で製造業が低賃金の新興国へ移転した結果、先進国ほど製造業の比重が低下し、サービス業比率が高まったことによります。サービスは基本的に生産と消費が同時進行するから輸入で調達できない上に、製造業に比べて労働生産性が低く低賃金の傾向があります。つまり生産性の高い製造業が海外へ流出して生産性の低いサービス業が残ったところへコロナ禍がサービス業を直撃した訳です。

程度の差こそあれこの傾向は先進国全般に見られる傾向で、格差社会の原因とされています。中にはドイツのように製造業ウェートが高い国もありますが、主にEU圏向けの輸出で調整している訳で、製造業を維持するためには、生産能力を活かせるだけの外需に依存せざるを得ない訳です。但しそれは輸出相手国の工業生産を圧迫する要因になり、国際的な摩擦に晒されることでもあります。ドイツの場合ユーロ導入で為替変動から解放された結果可能になった訳で、対米輸出依存が突出していた80年代の日本では円高阻止のために低金利政策を続けた結果バブルを発生させ弾けて長期停滞に至った訳です。その反省が活かされない異次元緩和は論外ですね。

てことで、つまり製造業を国内に呼び込めた新興国がコロナショックからいち早く立ち直るのは当然な訳で、中国はますます強くなる訳です。但し中国も問題だらけで、改革開放路線で製造業を呼び込んだものの、過剰生産能力を持て余すレベルとなり、外需依存せざるを得ない状況にある訳です。その結果としての一帯一路であり、あくまでも国内の過剰生産能力を活用するためであって、相手国を借金漬けにして軍事拠点を得るためというのは違います。ただ融資審査が出鱈目だから通常ならば借入できないような国が群がった結果ですね。

そう考えるとそもそも対中強硬策は現実的には難しいし、新冷戦として中国包囲網を構築とかは、ただの妄想でしかないですし、中国には確かにいろいろ問題はありますが、うまく付き合いつつ、徐々に変化をもたらすしか選択肢はないですね。またこれこそが西欧の啓蒙思想の本来の姿ですが、非西欧世界では簡単には受け入れられないかもしれませんが、だからこそ強硬策は愚策と心得るべきです。

例えばイスラエルは中東に出現した西欧圏の国と見れば、存在自体が摩擦を生むものであると知れます。イスラエル建国以前はイスラム教徒が多数派だったものの、ユダヤ教徒や少数キリスト教のコブト教徒が共存していた訳で、イスラエル建国は主に西欧のユダヤ人が迫害され続け、シオニズムでアイデンティティ確立を目指したものの、ナチスの迫害を受けた結果、西欧の贖罪意識から建国を認めざるを得なかったことに由来しますし、それ以来紛争が絶えないという困難を呼び込んだ訳です。

加えてソビエト末期に連邦を形成する共和国の1つであるアゼルバイジャンで少数派のユダヤ人と多数派のトルコ系イスラムのアゼルバイジャン人の紛争が起きたことから、手を焼いたソビエト政府がユダヤ人のイスラエル移民を認めた結果、入植地が必要になってヨルダン川西岸などに入植地を作ったことでパレスチナ人を圧迫することになりました。ただしコーカサス地方のユダヤ人は西欧のそれとは別物で、元々古代ヘブライ時代からの遊牧民の末裔と言われます。アゼルバイジャンは産油国としても知られており、またロシア人やアルメニア人も少数存在するなどややこしいところで、紛争が絶えない訳です。

その意味では中東産油国も欧米石油メジャーの関与で国際社会に組み込まれた結果、経済中心に西欧化が進んだものの、政治体制は部族社会を維持したまま分断されている訳で、これ戦国時代の明、スペイン、ポルトガルが関わりながら戦国大名が相争う日本の戦国時代をイメージすると理解しやすいでしょう。当時日本は石見銀山、生野銀山など鉱物資源に恵まれていた資源国で、戦国大名は戦費調達のために鉱山開発を推進していましたし、南蛮貿易もそれ故に活発だった訳です。

その意味で中国から見れば香港や台湾は中東のイスラエルと同じような存在に見える訳で、西欧=侵略者という過去の歴史もありますし、簡単にはいかないでしょうけど、拗らせればますます解決困難になります。てことで対中強硬論や新冷戦やデカップリング論は現実的には不可能です。また辛亥革命で西欧流民主国家になる筈の中華民国が軍閥の跋扈で混乱し、蒋介石の独裁国家になったことも影響しています。ただ台湾の民主化のように中国人も理解すれば民主化に舵を切る可能性はあります。

話を戻しますが、経済のサービス化は日本でも進んでいる訳ですが、アメリカとの違いはバブル崩壊で投資が減速した結果、IT関連でアメリカが劇的に生産性を高めているときに停滞していたことが決定的ですね。気が付けば国内製造業の競争力は低下し、新興国に太刀打ちできなくなった一方、IT革命の波にも乗れず失われた30年とか言われている訳です。

結果的にアメリカのハイテク企業は技術革新の恩恵で生産性を劇的に改善しました。特にデジタル経済はコピーが容易なので、追加的な増産のコストである限界費用が限りなくゼロに近い訳です。所謂知財ですが、オリジナルの権利を確保すればほぼゼロコストで増産して市場を席捲できる訳で、それによってGAFAのような巨大デジタル企業が形成され他業種まで圧迫する存在になった訳ですね。

GAFAなどのハイテク企業の従業員は故に高額報酬を得ている訳で、製造業に従事するブルーカラーを圧倒するに留まらず、製造業の衰退でサービス業に転じた多くの人を取り残すことになりました。なまじ巨大ハイテク企業が出現したばかりに、格差が拡大して国民が分断されている訳です。その結果シリコンバレーに本社を置くグーグルが従業員送迎バスのドライバーを高給で募集した結果、公共の乗り合いバスがドライバー不足で休止に追い込まれるという事態に至っています。格差拡大が公共サービスを圧迫している訳です。

同じ時に日本ではバスドライバーの賃金が目に見えて低下した一方、震災復興などによる需要増で多くのバスドライバーがダンプドライバーに転職した結果、地方に留まらず大都市圏のバスまで減便や休廃止が相次ぐ状況になっております。違いは日本では国がわざわざ公共事業を進めて国費で公共交通を圧迫している訳で、愚かすぎます。そこへコロナ禍で鉄道、バス、航空が明日をも知れない逆風に陥っている訳ですが、公的支援の議論は見られません。ましてこれね。

GoToトラベル、急ごしらえ設計に穴 予算を追加配分:日本経済新聞Go To トラブルは続きます。指摘したように旅行会社救済が狙いだった訳で、それどころか大手旅行会社で予算配分を決めていたことが、予算消化の結果発覚したというお粗末な顛末です。コロナで需要が蒸発したホテルや遊戯施設の支援ならば、国が感染症対策の認証施設を決めて、認証施設の利用時に割り引いて割引分を国が補填するといったシンプルな仕組みにすれば何も問題ないし、両行会社や旅行サイト経由で対象商品を予約しないと使えないというのでは、万人が利用可能でもないし不公平感は残ります。

さらに踏み込めばコロナが終息した訳でもない中で旅行に補助金を出すってのもおかしいし、医療や介護、保育などのケア労働への補助とか、経営が苦しい公共交通への支援とか、より緊急度の高い問題は山積しているなかでのことですから怒りが湧いてきます。特に固定費の高い鉄道事業者にとっては大変です。終電繰り上げや通勤定期運賃値上げなど自衛策がボチボチ出始めてますが、いずれ大幅な運賃値上げや減便に留まらず、路線の廃止も避けられない場面が来るでしょう。携帯料金よりこっちをどうにかしてくれ!

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Saturday, October 10, 2020

行政DXでは生まれないデジタルバリュー

去年の池袋暴走事故の公判が始まりました。

池袋暴走、元院長が無罪主張 「車に異常」地裁初公判:日本経済新聞
1ヵ月前の定期点検では異常は見当たらなかったことと、車の操作記録でブレーキ操作が無かったことやアクセルが踏まれていたことなど検察側の証拠固めが進んでおりますが、去年の人間だものエントリー背取り上げたマンマシン系のヒューマンエラーの可能性はあります。飯塚被告の操作ミスは動かないとしても、操作ミスをリカバリーするシステムは組み込まれていなかった訳で、公判を通じてその辺の議論に進むことは有用です。

暴走事故自体は高齢者特有とは言い切れませんし、ほぼ同時に起きた神戸市営バスの暴走事故のように、プロドライバーでもミスする現実が一方である訳で、高齢者の免許返上とか自動ブレーキや操作ミス防止システムを組み込んだサポかーの普及だけで解決する問題じゃないということは指摘しておきます。

加えて飯塚被告の無罪主張に批判が集まってますが、被告の権利ですからとやかく言うことじゃありません。対立があるから弁論を通じて解決策を探るという弁証法の原理は民主主義の基礎の基礎です。裁判はそのためのものです。しかし自動車がデジタル化された結果、ログを調べることでいろいろわかるってのも新たな事態ですね。

その一方で政権は暴走を始めました。日本学術会議の会員任命問題で早速やらかしました。これ学問の自由云々の問題というよりも、特別職公務員の選任を巡る法律問題というのが本質です。日本学術会議の推薦を受けて、内閣総理大臣が任命するという風に根拠法に記載されており、法改正時の1983年の国会答弁でも、それまで自主的な選挙で選任されていた会員を総理の任命とする変更を「形式的なもの」と答弁されております。

つまり政権側に拒否権は無い訳で、仮に拒否せざるを得ない事情があったと仮定しても、その理由は開示されるべきですし、それ以前に法改正の議論が先にある筈です。それぐらい重要な法律問題なんですが、政府の回答は見事なはぐらかしです。

政府、法解釈変更を否定 学術会議人事巡り衆院内閣委:日本経済新聞
政府は解釈変更はないとして、根拠に憲法15条の特別職公務員の選任に関する事項を取り上げております。意味するところは「国民が選んだ内閣の代表者が任命に責任を持つのは当然」ということのようです。これ解釈変更そのものですね。

特に行政法は法の執行イコール公権力の行使となる訳ですから、個別具体法で記述された通りの執行が求められる訳で、それを変えるには法改正が必要ですが、時として法が想定しない事態が発生して判断を迫られることはあり得ます。今回の場合任命されなかった6名が例えば重大な刑事事件の被告人であるとか、国際テロ組織との関係を示す証拠が見つかったとかぐらいの異常事態なら、法改正が間に合わないから法解釈を変更したという理屈は成り立ちますし、その場合に遡って憲法を参照することはあり得ます。但し今回の憲法解釈は間違ってますが。

明らかに内閣総理大臣の権能を持たない問題に介入した訳で、法律違反の越権行為ですが、処罰規定が法律になければ居直ってやり過ごすことは可能です。しかも説明を拒否している訳で、これは言い換えれば「察しろよ!」と言外に匂わせている訳で、凄みを演出することになります。これ反社、無頼漢、不逞の輩やDV夫のやり方です。執行機関である行政のトップが「法律?関係ねぇ!」と言っているに等しい訳です。これじゃデジタルバリューは生まれません。同じDVでも大違いです^_^;。

そして批判されると今更ながら「これも行政改革の対象」と逆切れ気味にあり方の議論をするって完全に順序が逆ですね。マスク、マスク、マスクで取り上げた黒川高検検事長の法令無視の定年延長を批判されて検察庁法改正をやろうとした安倍政権と同じですね。さて長い前振りになりましたが、こんな政権が打ち出す行政改革、行政のデジタル化が如何なるものになるかはわかりますね。新政権は日本を地獄に連れて行きそうです。

行政のデジタル化でハンコ廃止が俎上に上っておりますが、本人確認をどうするかは難題です。認証システムを強固にすると利用しにくくなりますから、ある程度簡便性も考慮する必要がありますが、簡便性に偏りすぎるとこんなことが頻発する押れがあります。

持続化給付金、簡略申請突かれる 800人以上分の不正計画?:日本経済新聞
持続化給付金は指南役がいて個人事業主を装って、且つ単月で5割以上の売上減を示す帳簿を偽造して若者に広がった不正受給ですが、Go To イートでグルメサイト予約によるポイント還元策の錬金術にも通底しますが、若者はシステムのバグに乗じた裏技利用に躊躇が無いですね。しかし不正受給は指南役に手数料を支払っているそうで、発覚すれば延滞金込みで公金返還を迫られますから、結果的に大損となります。高い授業料でした。

またこうしたテクニカルなハードルに留まらず、そもそも明治以来の文書主義を継続性を担保しつつ再定義する必要あありますが、そうなると原本とコピーの関係をどう定義するか、偽造防止をどうするかといった問題もあります。テクニカルな解決策としてはブロックチェーンを使うことで解決可能ですが、モリカケサクラで公文書の廃棄や原本の改ざんまでするような政府が、公開台帳であるブロックチェーン方式を積極的に採用するとも思えません。テクニカル以前のところに問題があります。

ブロックチェーンに関してはデジタル人民元に対抗して日銀デジタル通貨の実験をやるそうですが、気を付けたいのは、中銀デジタル通貨は使いようによっては公開台帳でお金の流れが追えることから、個人や法人の財布の中身が見えてしまう問題があります。デジタル人民元では中銀から商業銀行を介して流通させる二段階方式で通貨の匿名性を担保するとしていますが、不透明な中国当局の姿勢からうまくいかないじゃないかと言われております。日本はどうでしょうか?

話を変えますが、菅首相が重視している筈のコロナ対策をどうするのかが見えません。これから乾季になり手洗いやマスクが効かないエアロゾル感染が増えると見込まれますし、季節性インフルエンザへの警戒も必要な中、相変わらず検査が増えません。その一方で Go To トラベルの東京エリア解禁に踏み込むなどチグハグです。東京の感染者数は安定しているものの高止まり傾向があり、Go To 解禁で全国への拡散が心配されます。その結果新幹線は乗客が戻りつつあるようですが、航空の厳しい状況は変わらないようです。

ANA、希望退職を募集 賃金カットで年収3割減に:日本経済新聞
コロナ禍では単価の高い国際線が壊滅状態にある上、国内線も乗客減少で大幅減便された航空各社ですが、大手2社のANAとJALでは財務状況に開きがあります。ANAも世界的に見れば財務は健全な方ですが、破綻処理を経て再生したJALはひたすら健全経営で財務体質を強化した一方、拡大路線を目指したANAで明暗を分けました。

この辺は同じANAANAと鶴など過去エントリーで繰り返し述べてきましたが、特にANAが自公両党に政権交代以前からロビーイングしていたJALの公的救済に対する競争条件を定めた通称810ペーパーという行政文書によって、2012年―2016年の間のJALの新規投資が抑制されたことで、その間に特に国際線中心に自前路線を拡充してきました。自前化は政権による羽田国際線発着枠の傾斜配分もあってやむを得ないところではありましたが。

一方枷をはめられたJALは専ら財務改善に注力し、規模で勝るANAの2倍の利益計上するに至りました。新規投資が抑制されたこともあって、路線拡充は専らエアライン同士のアライアンスに依存した結果、コストを抑えながら路線拡充を図った訳です。これ破綻以前のJALとANAの逆転現象ですが、同時にコロナショックで先が見えない中で潤沢な手元資金を残して踏みとどまっております。とはいえ減便で余剰人員を抱えているのは同じで、Go To トラベルの受け皿となる観光地のホテルなどへ人員を派遣してしのいでいる状況です。大手エアラインが実質人材派遣業をやっている訳です。

ネットではJAL破綻時でも言われた大手1社体制の話もあり、与党の一部でも動きはありますが、大手2社も国交省も全くその気なしですが、結果的にJALの公的救済で競争環境を維持したことが好結果を生んだことも間違いありませんし、それ以上にANAの政治頼みでやり過ぎたため、1社体制になれば両社の遺恨が顕在化しかねないということで、健全な競争環境維持が共通理解になっている模様です。

前エントリーで指摘した地銀に限らず乗合バス事業者や中小企業の再編に前のめりと言われますが、バス会社は鉄道事業者の転身組を含みますし、地方中小企業tも再編対象は地場の有力企業でしょうから、つまるとこと地方のエリート企業の再編ってことですが、ここは魑魅魍魎の巣喰う世界でANAとJALどころじゃない遺恨を抱えていたりします。政府方針だけで進む話じゃありませんね。

行政改革を標榜する政権ならば、寧ろ鉄道と航空鵜の縦割りに中串を入れて鉄道による航空便のコードシェアを進める方が理にかなってます。実際コロナ禍で打撃を受けたエールフランスに対するフランス政府の救済条件に短距離便の鉄道代替を条件にしております。破綻以前から鉄道によるコードシェアを実施していた独ルフトハンザは破綻処理で国の支援を受けますが、鉄道コードシェアの拡大は確実でしょう。果たして新政権はどうするでしょうか?

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Sunday, October 04, 2020

風邪と共に去りぬ

予想外の展開です。

米政権・議員に感染者複数 ホワイトハウスで拡大か:日本経済新聞
前エントリーで取り上げたギンズバーグ判事死去に伴う最高裁新判事候補の披露イベント時のクラスター感染が疑われています。自業自得というか、ミイラ取りがミイラというか-_-;。

当然大統領選どころじゃなくなりますし、病状次第では執務不能となることもあり得ます。その場合の代理第1位は副大統領、第2位は下院議長となっており、政治的混乱は避けられません。特に共和党にとっては痛手でしょう。今更別の大統領候補を選ぶのもままならず、副大統領候補が横滑りという訳にも行かず、政治的混乱は避けられません。それ以上にコロナ禍の終息がますます見通せなくなり、国民の消費自粛ムードを高めます。

加えてただでさえ財政の崖問題で追加経済対策が打ち出せない中で、雇用情勢は悪化の一途を辿っています。てことは、アメリカの経済回復は遅れる訳ですから、世界中が様子見モードの米中摩擦の行方も微妙になります。確実に経済を回復させている中国を排除して対米追従すれば自国の経済回復も遅れる訳ですから、日本を含め、多くの国の迷いを誘う事態です。まあ日本はそれどころじゃないあれこれがありますが。

東証「バックアップへ切り替えできず」 機器故障が原因:日本経済新聞
下期初日の10月1日に東証がシステム障害で終日取引停止になりました。原因は記憶装置の不具合ですが、バックアップディスクへの切り替えがうまくいかず、混乱を避ける為に已む無くということですが、問題は代替市場が機能しなかったことです。

欧米では地方市場や私設市場が併存していて、相互にバックアップされる自律分散システムとなっているので、危機の不具合による取引停止は避けられるんですが、取引の薄い地方市場では独自のシステム構築の費用が出せず、東証のシステムに相乗りしていたし、私設市場(PTS)は金融庁の規制で規模が拡大すると東証の上場銘柄が扱えなくなるなどで、小規模PTSが複数併存していて、ネット証券が東証を含む複数市場で最も有利な市場で取引するSORという仕組みがありますが、最大規模の東証のシステムダウンでバグが出る可能性があるということで、ネット証券各社はSORを止めたため機能しなかったというもの。

株式市場も東京一極集中の弊害が明らかになった訳で、香港に代わる国際金融都市など無理ですね。金融分野では3行合併でスタートしたみずほ銀行のシステム障害がありましたが、大きけりゃいい訳じゃないってことですね。それを忘れたかのような地方銀行の経営統合を含む再編に前のめりな管政権ですが、同様の問題が起きるとは思わないのでしょうか?

それと気になるのが、同時に経営が苦しい地方乗合バス事業者や地方中小企業の再編も同じノリで進めようとしているんですが、これ1938年の陸上交通事業統制法の時代に逆行させる気でしょうか?今更な国家総動員体制を目指しているとしか思えません。そんな中でのNTT再編ですが、稼ぎ頭のドコモが他社乗り換えでユーザーを減らし、気が付けば3位ということで、もはやガリバー企業としてのNTTグループの協業規制が意味を失ったということです。

加えてNECの出資を仰ぐことになった訳で、気が付けば旧電電ファミリーの復活劇ということですが、5Gの出遅れを取り戻したいってことですね。そしてHuawei対策として国産通信インフラの復権を狙ったものと言えましょう。NTTの筆頭株主は34%を保有する財務大臣つまり国なんですが、上場企業が実は国営企業という中国みたいな現実もあります。何だか国家総動員体制下の電力国家管理に酷似します。携帯料金値下げはこれを誘導する為だったのかな?

このノリで民営化JRに手を突っ込んでくる可能性もあります。経営不振のJR北海道はJR東日本に、JR四国はJR西日本に強引に面倒を見させるとかやりかねないですね。JR九州を含む上場4社は完全民営化されているので、抵抗力は一定にあると思いますが、例えば災害復旧にかこつけて介入する可能性はあります。

例えば熊本地震と大雨で大規模な山崩れで不通となった豊肥本線は3年半かけてやっと復旧しましたが、復旧費用は50億円で半部は国と地方の折版で補助されてます。一方同時に被災した並行する国道57号線は、ルート変更で北側復旧ルートと称する3.6kmのトンネルで外輪山を超える形で復旧し、費用は800億円と言われ、全額公費です。道路予算と鉄道予算にはこんなに開きがあるってのがショックですが、それでも復旧に公費を当てにせざるを得ないJRは、ある意味旧国鉄時代のような政治圧力を受ける存在になりかねない訳です。これはいつか来た道です・

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Sunday, September 27, 2020

縋る世界に闊歩する鬼のレントシーカー

Rentseekerとは企業など特定の利権集団が政治に働きかけて都合の良い規制をかけたり、逆に都合の悪い規制を緩和したりするよう働きかけて超過利潤(Rent)を得ようとする活動(Rentseeking)を行う人々のことです。ロビイストという言い方もありますが。

直ぐに連想するのは森加計問題の後者の加計学園による獣医学科設置を巡るあれこれは典型的です。この問題では認可を渋る文科省に官邸から圧力があったとされておりますが、同時に過疎に苦しむ愛媛県今治市にとっては若者を集めるための大学誘致を餌に地方政治に対しても働きかけがあった訳ですが、こういった中央と地方を巻き込んだ根回しの過程に政治家が関与するケースは枚挙に暇がありません。

若者の流出で高齢者だけが残される地方の過酷な現実は理解できますが、その解決策として大学誘致ってのが何とも発想が貧困です。それ以前に地元の若者が何故流出するのか?という問いを立ててみてほしいところです。結論を言えば若者にとって魅力的な仕事が無いからなんです。獣医学科を誘致した今治にしても、畜産が盛んとは言い難い四国ですから、卒業生は他地域へ流出する訳で、若者を呼び込んでも地域に定住定着できなければ同じことです。

結局地方活性化と言っても、観光地として売り出すか企業や大学その他の誘致といったありきたりの発想しか出てこない訳です。その最たるものは前エントリーの大阪トトに見られる地域特性を無視した東京の劣化コピーで地方活性化だとドヤ顔なんですよね。その東京もリモートよで指摘したように、香港の危機に乗じて今度こそ国際金融都市とか言っている訳で、そもそも金融都市としての比較優位のない東京じゃ無理という現実は見ないんですよね。

つまり何が言いたいかと言えば、レントシーキングじゃ経済は活性化しないどころか泥沼にはまるってことです。そのレントシーカーが間違って大統領になってしまったアメリカの迷走ぶりを見ればよくわかります。

米大統領選、法廷闘争も 最高裁人事が決着左右か:日本経済新聞
法廷闘争にもつれ込んだ大統領選と言えば2000年の子ブッシュとゴアの選挙戦で、一部の州で票の集計結果に疑義が生じて集計をやり直したことが思い出されますが、結局法廷へ持ち込まれて決着しました。お陰で子ブッシュは国民じゃ無くて裁判所に選ばれた大統領と言われました。

今回の構図はもっと複雑怪奇でして、コロナ禍で週によって認められている郵便投票の増加が言われ、結果投票率が上がると民主党有利になるということで、トランプ大統領が郵便公社に圧力をかけてきたこともありますが、同時にここへ来て世論調査の支持率がバイデン有利と言い切れない変化が生じていて、どう転んでも接戦となりますが、そうなると集計に時間がかかる郵便投票の結果で逆転の可能性が出るなど混沌とした状況で、トランプが大統領に居座る事態も想定されるという嘘みたいな話になりつつあります。

そこへもってきて最高裁のリンス・ギンズバーグ判事が死去して、後任の選出が必要なんですが、リベラル派のギンズバーグ判事の後任をトランプ大統領が指名すれば保守派となり、9人の判事の保守派5人リベラル派4人のバランスが崩れて保守派優勢となることから、民主党サイドから新判事選任はf大統領選後、新大統領によって指名されるべきだという議論が起きていて、実際過去には同様の事例はある訳ですが、大統領職を譲る気のないトランプ大統領は法定闘争で有利になるように保守派判事選任に拘っているという構図です。これがアメリカの政治の現実ってのが信じられませんが。

ややこしいのは経済界の動きでして、流石に出鱈目なトランプ支持を打ち出す企業はありませんが、本人がレントシーカーで「話の分かる」ビジネス寄りの大統領を内心歓迎している訳で、特にトランプ減税の見直しを公言するバイデンに対しては複雑な心境にあります。一方雇用情勢の厳しさもあって若者の支持はバイデンに傾いており、どちらが勝つにしても接戦は間違いいあrません。

米中摩擦の渦中にある中国にとっては、実は人権問題に厳しいバイデンよりもトランプの方が内心歓迎ってのが本音です。Huawei問題にしても、トランプが再選されれば交渉次第で活路がありますが、トランプが敗れれば、残る任期中に腹いせにHuawei潰しに走るのは目に見えてますし、バイデンが大統領になっても国内雇用重視で中国には厳しく当たるでしょう。

そして日本ですが、イージスアショア代替策というめんどくさい問題を抱えています。元を質せば安倍前首相がトランプ大統領に対して安易に約束した結果ですが、ブースターの民有地落下問題で無理という結論となったのですが、とにかくアメリカから兵器を買う約束だけは残った訳で、頭抱えながら敵基地攻撃能力などの危なっかしい議論をちらつかせている訳です。ちなみに国連憲章の敵国条項がある限り、日本とドイツに対しては、他国への軍事攻撃の意図があると認められれば宣戦布告なしに攻撃してよいことになっております。保守派脳内フローラでは見えていない現実です。

その他にもTPP11問題もあります。安倍外交の成果とされているようですが、元々アメリカの参加を睨んで農産品輸入や遺伝子組み換えやゲノムに対する知的財産権を認める一方で自動車関税の撤廃は時間をかけてという非対称な内容を盛り込んだ訳ですね。その結果WTOルールによる最恵国条項で第三国も恩恵に浴しますから、アメリカはTPPに復帰することなく日本から引き出した譲歩を享受できますし、だから日欧EPAもほぼ同時にまとまったし、Brexitで揺れる英国も日本に宗派を送る訳です。つまりTPP11は首から安値の値札を下げている状態な訳で、世界各国からウェルカムされる訳です。

そしてコロナ禍ですが、これで安倍政権の支持率が急落したように、管政権にとっても優先順位の高い問題の筈ですが、Go To キャンペーンに代表されるバラ撒き政策に踏み込む姿勢はどうかと思います。先週の4連休で観光地に人が戻ったと言われますが、2週間後の感染拡大が心配されます。Go To トラベルの東京発着解禁やイベントその他のキャンペーンを10月1日スタートとなる訳で、潜在的感染者が増えた状態で迎える訳です。そして急速に気温が低下し、季節性インフルエンザの時期も迫ります。

冷静に見て咳や圧夏などの風邪症状が普通の風邪なのか季節性インフルエンザなのかcovid19なのかは判別できません。てことは医者にかかる前にPCR検査を受けて結果待ちをしないと医者にも行けないという不都合な現実に国民は直面する訳ですが、検査体制の拡充は今もって不十分です。そんな中で旅行に行け!とか飯食え!とかイベント行け!とか言われてノー天気に楽しめるでしょうか?Go To ってそもそも命令形だし。

それ以前に Go To キャンペーン自体が特定業種に利益をもたらすという意味で典型的なレントシーキングの産物と言えます。管政権の本質が良く見えます。風邪ひかない人たちの本質は変わらないってことです。

4連休を振り返ると道路が渋滞して駅へ出るバスが遅れて運行していた一方、電車は意外に空いていた印象があります。伝え聞くところによるとカーシェアの予約が取れないという声があり、通常のレンタカーを含めて相当数のレンタカーが出払っていたようです。コロナ禍で公共交通が忌避された結果でしょうけど、自動運転で予想されるカーシェア拡大や自動運転タクシーは道路のキャパシティがネックになるということですね。政府肝いりのスマートシティが有望なのか?という疑問もあります。結局感染対策を強化している公共交通の利用が都市問題の解決には欠かせない訳です。やや凡庸な着地点ですね^_^;。

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Saturday, September 19, 2020

コロぶナ大阪トト

忘れかけてた大阪都構想が再起動した模様です。大阪府議会と大阪市議会が大阪都構想の賛否を問う条例を可決成立させて、再度住民投票が実施されることになりました。10月12日公示11月1日投票で、賛成多数なら2025年1月1日から新制度へ移行するというスケジュールです。大阪都構想自体は2015年5月17日の住民投票で格差で否決されましたが、今回は公明党が賛成に回っており、支持母体の有権者が動く可能性が高く、可決成立の可能性が高いと言われております。

立場を明確にする意味で、先に見解を述べておきますが、大阪都構想は天下の愚策です。地方自治法で大きな権限を与えられている政令指定都市を廃止して、権限が限定される4つの特別区にするという話ですから、普通に言えば大阪市域の住民サービスは劣化します。但し住民税などの税源は都に移行する訳ですから、府改め都は財政規模を拡大できる訳で、それが狙いと仮定すれば推進派の正体がわかります。大阪都構想は大阪市を廃止して権限を取り上げる構想ってことですね。

東京都との比較で言えば、東京都の人口1,400万人の内、区部が凡そ840万人で7割ですから、単独の市としては規模が大きすぎますし、昼間人口は区部だけで1,500万人を越えますから、単独の自治体として上下水道などのライフラインの維持管理だけでも大変な負担になりますので、広域自治体として都が肩代わりする意味はあります。

一方大阪府の人口は凡そ900万人で大阪市が275万人ですから約3割と東京とは真逆の人口分布です。勿論大阪市も昼間人口が多いとは言えますが、その規模は東京よりずっと小さく354万人と横浜市よりやや多い程度で、広域自治体としての都が肩代わりする必要性は乏しいと言えます。二重行政云々は従来も府市協議会で調整されてきましたし、人口82万人の政令指定都市堺市が抜けていて行政の一体化は最初から穴あきです。

てことで冷静に考えれば大阪都構想は否決されるべきですが、全国区のニュースになりにくい一方で、在阪メディアは大きく取り上げながらネガティブな情報には触れないということで、可決成立の可能性が高まっている訳です。これ安倍首相辞任から始まる謎な内閣支持率上昇と同じ構図ですね。国会も開かず記者会見も開かず巣篭りしていてメディア露出が減っていたところでの辞任報道でメディア露出が一気に増えた結果、安倍内閣の支持率が跳ね上がり、また早々管官房長官の後継が取り沙汰されやはりメディアを賑わせた結果、やはり新内閣は高い支持率となってます。いろいろ言われますが、オールドメディアの影響力は大きい訳です。

でも未だにコロナ禍が収まらず、大阪府だけでも60-70人規模の感染者が毎日報告されている中での住民投票です。普通に考えればコロナ対策を優先すべきところを、敢えて住民投票を行うというのはリスクもあります。実際コロナ禍で大阪市の財政赤字は拡大しています。自粛による税収減だけで500億円規模に加えて、市営地下鉄民営化で誕生した大阪市100%出資の大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)のコロナ禍による赤字転落で、見込んでいた配当金64億円の税外収入もなくなる一方、コロナ対策で歳出が拡大している状況です。

にも拘らず2025年からの大阪都の財政見通しを黒字として、その根拠として大阪メトロの配当金を挙げている訳で、矛盾だらけです。しかも大阪メトロ社長には知らされておらず、記者会見で記者からの質問で知って逆に赤字転落なのでとりあえず今期の配当は無理とした上で、2025年以降の収支を前提とした議論だから、今はわからないと逃げるのが精いっぱいだったというギャグのような話になってます。

これアベノ自粛エントリーで指摘したことですが、大阪府は大阪府都市開発(OTK)の事業の一部だった泉北高速鉄道を売却し、大阪市は地下鉄とバスの市営交通の民営化で得た資金を投じてなにわ筋線の事業費を負担することで、大阪メトロの稼ぎ頭の御堂筋線のライバルを整備するという倒錯したことをしている訳で、2025年以降の安定配当の見込みはかなり怪しい訳です。

大阪市交通局の民営化も、地下鉄事業に関しては2003年に単年度黒字を達成し、2010年には累積赤字も一掃して多額の利益剰余金を市財政にもたらした一方、フェスティバルゲートやオスカードリームなどの関連事業の不振とバス事業の赤字転落で苦しんでいたことは確かですし、何らかの見直しは必要ではありした。オスカードリームについては市有地の財産信託事業を受託したみずほ信託銀行から提訴され裁判で敗れて受託金支払いを命じられました。

交通局に留まらず咲洲地区のコスモスクエア地区でワールドトレードセンタービル(WTC)やアジア太平洋トレードセンタービル(ATC)など第三セクター方式によるビル建設でテナントが埋まらず赤字を垂れ流すなどしていて、それらを批判して台頭したのが大阪維新の会でした。同様に泉佐野市のりんくうゲートタワービルが同時期に建てられ、やはり大赤字となって泉佐野市の財政悪化の原因となりましたが、維新系の市長によるふるさと納税制度の高額返礼品問題に見るように、バブル後の大規模開発の失敗に乗じて台頭した維新の性格がよくわかります。

とはいえ例えば万博会場とされる夢洲への地下鉄中央線延伸のような投資案件を抱え、加えて仮称夢洲駅にはタワービルを建てる計画まで発表してます。財政を悪化させた大阪市の轍を踏もうとしている訳ですね。違いは大阪メトロは株式会社ですから、タワービル事業がコケても株主の有限責任原則で大阪市改め大阪都が直接被ることは無いってことですね。勿論それじゃすまないでしょうけど、あとは野となれで逃げるが勝ちと、アベノミクスそっくりの構図が見えます。

しかしコロナ禍で様子が変わってきております。特に維新をバックアップしてきた関西財界にさざ波が立ち始めております。関西財界をのまとめ役とされる関西経済連合会(関経連)の副会長職にある近鉄と阪急の両トップが腰が引け始めています。前エントリーでも触れましたが、大阪市進出を表明していた米カジノ事業者MGMがコロナ禍で自国の本業にブレーキがかかって白紙撤回した結果、大阪万博の実現可能性を巡って悲観論が出てきていることによります。

地下鉄延伸もタワービル構想もIR誘致を巡ってMGMに事業費負担を打診していたものが消えた訳ですから、その分の負担が関経連企業に奉加帳方式で負担が来ることを危惧する声が出てきている訳です。特に阪急と近鉄は1970年の大阪万博を利用して経営基盤を強化した成功体験があるだけに前のめりでしたが、流石に今回はヤバいと思い始めているようです。

阪急は大阪市域外への延伸だった御堂筋線の江坂以北の区間を阪急主導の三セクで北大阪急行電鉄を設立し、大阪中央環状線と同時整備されつつ未開通だった中国自動車道の本線車道に線路を敷いて会場線として万博中央口へのメインルートを押さえる一方、千里線の万博西口ゲート近くに臨時駅を設置して万博関連の鉄道輸送をほぼ独占し投資回収に励む一方、万博後不要となった北急の余剰車を市交に売却して資産圧縮して超優良企業になりましたし、近鉄は万博関連事業で訪日外国人の広域観光推進で補助金を得て近鉄難波線と鳥羽線を建設し、志摩線の改軌で大阪と伊勢志摩を結ぶ観光ルートを確立しました。

てことで、実は住民投票の裏で関西財界の微妙な対応で万博開催もどうなるかわからない状況ですが、それを悟られないためのイベントとしての住民投票というのはうがった見方でしょうか?しかもメディアはそこを突かないから裏の動きはほとんど気づかれていない訳です。ある意味大博打の住民投票なんで、言ってみれば大阪トトとでも呼びたいところです。それでもベットしますかね?

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Saturday, September 12, 2020

愛なき成長戦略

愛ある成長戦略の秋元司議員が保釈中に偽証依頼で再逮捕されました。呆れてものが言えませんが、秋元議員は二階派所属ですが、時期総理と目される菅義偉官房長官が進めていたIRでの汚職ということで注目されます。

そのIRですが、中心となるカジノは元々クラスター効果で集積を創る効果が期待されていた訳ですが、コロナ禍で見直しは避けられません。実際日本進出を狙っていた米カジノ事業者は本国の事業失速でそれどころじゃなくなり撤退を表明しています。一方で無観客開催が続くJRAの競馬は勝ち馬投票券の売上が過去最高となっています。場外馬券売り場の再開とネット投票の増加が寄与したものですが、これ他のプロスポーツでも参考になります。

カジノを誘致するぐらいなら、ブックメーカーを公認する方がリモートの時代にはふさわしいし、現実的に欧州ブックメーカーのサイトを利用する日本人ユーザーが少なからず存在する現実を見れば、国内ブックメーカーの存在は資金流出を抑止する効果もありますし、逆に海外ユーザーの取り込みも期待できます。だけど新政権はカジノを捨てないだろうなあ。

また管氏はアベノミクスの継承を公言してますが、前エントリーの続きですが、三本の矢の三本目の成長戦略を今度こそと期待する向きもありますが、それは不可能です。一本目と二本目の矢で日本の潜在成長力はむしろ低下してますし、止めを刺せば下手に成長軌道に乗れば資金需要の逼迫で金利が跳ね上がり、それを呼び水にハイパーインフレを呼び込む可能性もありますし、それ以前に利払いの増加で政府財政が急速に悪化すます。ギリシャショックと同じ構図です。

日本の場合国内の貯蓄過剰がありますから、やや事情は違いますが、金利上昇を強引に抑え込む日銀の異次元緩和を続けざるを得ませんから、結局それが成長の足を引っ張り低成長に甘んじることになります。加えて日本の大企業がこぞって銀行の融資枠を設定してもらったり、社債発行が相次いでいるように、低金利故に可能な資金繰りが金利上昇で一転阿鼻叫喚地獄になる訳で、過剰債務は銀行にとっては不良債権になる訳ですから、バブル崩壊後の金融危機に逆戻りです。意地悪い見方をすればバブル崩壊当時はまだ日本の成長力は健在だったからバブル崩壊につながったとも言えます。アベノミクスの一本目二本目の矢も低成長だったから可能だったとも言えます。

管氏の発言からは成長戦略へのコミットを強める姿勢が見えますが、そのために官僚への締め付けは強まるでしょうし、秋元議員に留まらず河合夫妻の疑惑解明も進まないと見るべきでしょう。検察や司法がどこまで迫れるかは未知数ですが、河合夫妻の事件では収賄側の地方議員等100名ほどが全員不起訴となっています。ゴーン事件同様司法取引を悪用した可能性があり、がさ入れまでした自民党本部も訴追されず、河合夫妻だけを断罪する構図は違和感を拭えません。

てことでDXを中心に生産性向上を図るってのが中心になりそうですが、早速冷水を浴びせる事件が発覚しました。

ドコモ口座、全35行で新規登録停止 異業種連携に穴:日本経済新聞
これセブンペイの不正と同じ構図で、消費増税を機にキャッシュレス決済を普及させようと政府が旗振りした結果、セキュリティがガバガバなシステムが出来上がった訳です。しかも既に同じ手口でりそな銀行の不正引き出しが発覚していたにも関わらずNTTドコモはシステムを見直さず、本人確認が緩いまま被害を拡大しました。

今回の不正は更に複数の銀行で過去に口座情報が漏洩していた点も問題です。口座名と名義人がわかれば4桁のキャッシュカード暗証番号を解明することで本人に成りすますことができます。実際今回被害に遭った人はドコモユーザーは少なかった訳で、逆にだから発覚が遅れたとも言えます。こんなんでフィンテックのオープンAPIなんて無茶な話です。貧テック鈍テックな低成長国家に甘んじる現実が見えてしまいました。

それと気になるのが高給取りと言われる銀行マンもご多分に漏れず非正規化が進んでいて、非正規行員には待遇への不満も蓄積していると見られます。加えて見なし正社員ルールを盾に雇用期間も細切れとなれば、不満を理由に銀行の口座情報を外部へ漏らす退職者が現れても不思議ではありません。ただでさえ低金利にあえいでいる銀行で、行員のモラルが低下すればどうなるかということですね。これアルバイトのバカッター騒ぎや東京女子医大病院のボーナス不支給を巡る看護師の大量退職騒動などと同様、人件費を削るとろくなことが起きないってことでもあります。

その観点から言えば、JR北海道やJR四国の置かれている状況も似ています。特に厳寒で路盤を支える土壌も弱いJR北海道の場合、幹線でも線路等級が低く軌道負担力が弱いため、例えば大型蒸機C62の北海道転属の時にボイラー交換して軸重を下げたなんてことまでしてます。有名なスワローエンジェル©622号機もオリジナルではない訳です。

そんな調子ですから、北海道の鉄道マンの苦労は大変なもので、それでも長年の熟練で何とか対応してきたものの、国鉄分割民営化以前にローカル線の廃止も進みJR北海道へ継承された路線は規模を縮小し、熟練社員の多くは余剰人員として国鉄を去った一方、残った社員も高齢化で退職し、一方補充の若手は少なく、技術の継承が困難になりました。その結果保守が行き届かず度重なるトラブルにつながった訳です。

更に言えば国鉄からの資産継承時に資産価格を低く査定した結果、減価償却費の減少で利益は出やすくなりますが、設備更新は進まず脆弱な線路を振り子式高速ディーゼル車が走って線路を痛め、更にJR貨物のDF200型投入も線路を痛める原因になっている訳で、早晩行き詰ることは避けられなかった訳です。なるほどJR北海道自身が北海道新幹線に熱心だったのは、並行在来線切り離しで負担が減ることへの期待もあったのでしょう。

新幹線札幌延伸まで10年 並行在来線に3つのポイント:日本経済新聞
JR北海道にとっては整備新幹線のスキームで国と地方の資金を得ながら設備更新して重荷となる並行在来線を切り離せますから、効率追求の建前からも北海道新幹線は必須だったのでしょう。しかし切り離される並行在来線の厳しい現実も明らかになりました。函館―長万部間は道南いさり火鉄道を受け皿に議論が進んでますが、これはJR貨物の免許区間でJR貨物調整金が当てにできることが前提にあります。

この調整金は東北新幹線盛岡以北でJR貨物の指摘で問題になったJR貨物の格安な線路使用料の維持と並行在来線引き受け三セクの費用負担のギャップを鉄道・運輸機構\が差額補助するもので、原資は整備新幹線の貸付料に上乗せしてJR旅客会社が負担するものですが、逆に言えばそれぐらいしか並行在来線三セクを支える原資は無いってことです。一方の長万部―小樽間は貨物調整金が無く沿線人口も少ないことから、鉄道としての維持は困難と見られます。加えて言えば青函トンネル区間の速度制限解除のために貨物の船便シフトの計画が国交省で練られてますが、実現すれば函館―長万部間の鉄道維持も困難になる訳で、実現は困難です。

しかし心配なのが新政権で効率優先を旗印に政府が干渉する可能性があり、地元の調整を頭越しに無視する可能性も指摘できます。そうった強権主義の片鱗は例えば地方銀行の数が多すぎると合併促進に言及したりする姿勢にも見えます。加えて鉄道維持にビタ1銭出し惜しみをする北海道庁の姿勢もあり、愛なき決着の可能性を高めています。油断できませんね。

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Saturday, September 05, 2020

アベノミクスは終わらない

終わらせろと書いといて何ですが^_^:、より正確に言えば終われないんですよね。てのは効果のない無意味なアベノミクスを続けた結果、身動きが取れなくなっているのが実際だからです。だから誰が後継総理になっても、あるいは極端に言えば与野党で政権交代が起きても、打てる手は限られてしまうという地獄のような現状だからです。

始まる前からのアベノミクス批判に留まらず、不思議の国鏡の国でも指摘したように、効果がないばかりか副作用ばかりで、結果的にウソノミクス統計135°のように統計数字を誤魔化すし、森加計問題のように公文書の改ざんも平気ということで、後継者と目される管官房長官のスガノミクスが注目されたりしてますが、結局アベノミクス継承で国民を騙し続けるってことです。

余談ですが、不思議の国の相鉄JR直通列車は利用が伸びず、結果的に武蔵小杉民の乗車機会を拡大しているのが皮肉です。おそらく東急との直通で品川東京方面へシフトが考えられますが、そうなるとグリーン車組み込み15連で付属4連羽沢落としG車込み11連で相鉄へということも考えられます。延伸不能な田浦駅対策で横須賀線の基本編成は1両ドアカット機能がありますから不可能ではありません。ついでにグリー料金のおまけも。相鉄12000系はATACS搭載を活かして朝に新宿以北へ送り込んで埼京線で終日運用して夜帰還する運用で車両走行キロ調整に供するってところでしょうか。

鏡の国の公共事業が実はゾンビ企業温存にしかならない点は指摘しましたが、加えてGoTo トラブルで示した恒等式GDP=消費+投資+政府支出+輸出-輸入
を思い出していただきたいんですが、これ生産の指標であるGDPを所得の面から見たもので、所得=消費+貯蓄と同義です。つまりGDPの式の右辺の第2項以降の合計が貯蓄とイコールなんです。てことで橋本政権の金融ビッグバン以来の「貯蓄から投資へ」というキャッチフレーズは無意味なんですね。経路はいろいろあるけど、所得から消費を引いた残余が貯蓄で、投資と政府支出と輸出から輸入を引いた純輸出に振り向けられるって意味です。貯蓄と投資は裏表の関係でしかない訳です。

ただし貯蓄=投資ではない訳で、政府支出のファイナンスと余剰生産品の輸出で調整される訳です。てことは、政府の財政赤字と輸出依存が続く限り投資に資金が向かわない訳で、これアベノミクスの第一の矢は為替の円安シフトで輸出を促し、第2の矢は財政出動でいずれもGDPを押し上げはするけれど、経済成長に欠かせない企業の投資行動を抑制することになる訳ですね。

また両者は本来政府財政の悪化に伴い上昇する筈の市場金利を異次元緩和で抑え込んでいて、特に銀行の融資による利ザヤが圧縮されますから、信用創造の基本である銀行融資の拡大が見込めず、銀行は余剰資金を株や債券で運用せざるを得ません。株式は5%の保有制限がありますから、勢い債券運用に偏りますが、そうなると安全資産とされる国債運用に偏ります。

それが日銀の異次元緩和で爆買いされている訳ですから、社債や外債へシフトせざるを得ません。特に後者はポーt-フォリオリバランスと称して日銀が意図的に民間資金を外債投資に振り向ける結果、為替相場が動いて円安になるって理屈です。しかし米FRBもゼロ金利に復帰したように世界の主要国中銀が金融緩和で足並みを揃えてくると、結果的にどこへ投資しても金利を生まないから、結果的に為替も膠着して動かなくなりますし、信用力の劣るジャンク債への投資も増えます。

あとコロナ禍もあって劣後債の起債が増えてますが、これ債券ながら元本返済の義務が無く、その分高めの金利を払い続けることで会計上資本勘定に算入できるということで、言ってみれば議決権のない株式に近いですが、ややこしいのは優先株のような種類株ではないんですね。優先株はあくまで株式で、議決権を返上する代わりに優先配当の権利を得るもので、金融危機の時の銀行の公的資金注入で使われた手法ですが、優先株は期限を切って普通株に転換する条件が設定されていたりして、期限内に注入された資金を活用して不良債権処理を進め正常化したら買い取って消却するという前提で発行されたものですから、微妙に異なります。

あと株高の意味も考える必要があります。日経平均に限らずTOPIXも上がって取引高も増えているという点でアベノミクスを成功と評する向きもありますが、今や東京株式市場の主要プレイヤーは外国人投資家であって、外国人が買えば上がり売れば下がる状況です。外国人投資家は東京市場をドル建てで見ていて、為替が円安になれば買い円高になれば売る訳です。しかも資金は日本国内で調達しますから、日本の過剰流動性を利用してほぼ為替フリーで投資できる訳で、国民が積み上げた厚い貯蓄を利用して利ザヤを稼いでいる訳です。そして株価上昇は株式市場への資金流入の結果ですから、国民の貯蓄が空回りしているとも言える訳です。

そして株価が高止まりすると時価で見た配当利回りは低下しますから、株価が上がれば上がるほど、長期投資の資金を遠ざけることになり、この面からも債券投資への傾斜が起きる訳です。そうしてジャンク債や劣後債のブーム?って珍事になる訳です。つまりほぼ金利負担なしに資金調達できるけれど、リターンが見込める投資先が見当たらない訳です。その点からすると一時のユニコーンブームや昨今のGAFA等ハイテク企業一人勝ち状態のアメリカでは、ベンチャーキャピタルなどを通じて企業のアニマルスピリットが発現している訳ですが、そのアメリカも財政赤字が深刻化しており、日本化の可能性はあります。

てことでいいとこなしのアベノミクスですが、だからといっていきなり利上げしたり財政を圧縮したりできる訳じゃないところが悩みどころです。財政規律を取り戻すにしても時間をかけて徐々にしかできませんし、過剰流動性相場だからと株価を冷やすことの副作用もある訳で、アベノミクスの失敗は明らかでも出口対策は実は難しい。結局目先の数字を整えるためにこれからの経済政策の選択肢を事実上失わせたことが、アベノミクス最大の副作用って訳ですね。

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Sunday, August 30, 2020

アベノミクスを終わらせろ

健康上の理由による突然の辞任ですが、腑に落ちないのが代理を立てて直ちに静養しないことです。来月の自民党総裁選で後継者が決まるまで執務を続けるのは、責任の取り方としておかしいです。当然国会召集も新総裁に丸投げとなる訳です。自分の任期中に後継者を競わせることで、影響力を維持したいってことでしょうけど。

それはそれとして、アベノミクスの総括がどうなるのかが興味深いところです。成果として株価の上昇と雇用環境の改善が取り上げられますが、いずれもアベノミクスの成果ではありません。株価といっても日経平均株価ばかりが取り上げられますが、これ225の優良銘柄の平均値ですから、上がらない方がおかしいんです。ま、バブル崩壊で実際下がった訳で、38,000円台を付けた最高値に未だに届いていない訳です。

この225銘柄は定期的に入れ替えられますし、合併や上場廃止などで銘柄数が減れば補充されます。謂わば日本のチャンピオン企業を集めた指標ですから、上がらないってことは日本経済の成長力の劣化を意味する訳ですし、実際バブル崩壊以来下がりっぱなしだった訳で、下がった水準から少し戻したことを以て成果とするのはおかしい訳です。

あと雇用に関しては、完全失業率の低下や有効求人倍率の改善が言われますが、非正規雇用が4割を占める質の劣化は問題です。これも90年代後半から生産年齢人口の減少が始まり、2007年以降には団塊世代の大量退職もあった訳ですから雇用情勢が売り手市場になるのは必然ですが、一方で企業の求人難に対しては非正規雇用の拡大で穴埋めされた訳で、その結果高齢者と女性の労働力率は高まりましたが、見方を変えれば、その間GDPはほとんど伸びていない訳で、労働生産性が低いまま労働力の投入量を増やしてGDPを維持したというのが実際です。

これ前エントリーで指摘したように政府の成長戦略で経済成長する訳じゃなくて、企業の成長力が結局経済成長をもたらすという当たり前のことを申し上げておきます。その意味で示唆に富むのがこれ。

角栄メモは今も問う ポスト安倍の金融センター構想は 本社コメンテーター 梶原誠:日本経済新聞
コラムでは今度こそ東京をアジアの金乳センターにすべしという希望的観測が語られてますが、1974年に東証理事長に就任した谷村裕氏に当時の田中首相がメモを渡して株式市場の抜本改革を求めたことが、国際金融都市東京の出発点ということです。

その「角栄メモ」の中身は「エクイティファイナンスは利払いがなく低コスト」とする日本企業のあり方を根本的に見直すべきことが綴られていたそうで、株主価値の向上と株主還元に重きを置くものだったということです。所謂コーポレートガバナンス問題ですが、株式持ち合いで安定株主対策を取りながら、株主に煩わされることなく意思決定していた日本企業の姿がその後どう変わったかは問われます。

リーマンショックで株主資本主義の弊害が指摘されましたが、それ以前に株主という外部の目を排除して独善的に意思決定してきたことが、バブル期に財テクと称して土地や株へ投資資金を振り向け、次の成長に繋がる投資を怠った結果、バブル崩壊で競争力を失った訳で、基本的に日本経済は当時の失敗を乗り越えられていない訳です。

かつて電子立国と言われ世界の半導体市場を席巻した日本の電機産業が典型的です。バブルに踊りIT革命の波に乗り損なった間に、ムーアの法則に則って大規模投資を継続した米インテルや、後発ながら積極投資でグローバルプレイヤーに成長した韓国サムスンやLGの後塵を拝する結果となった訳です。

余談ですが日韓事変の後日談ですが、日本の化成品輸入が滞った結果、サムスンもLGも製造工程を見直し、例えばディプレイパネルなど精度を要求されない工程で韓国産化成品を使う一方、日本の化成品メーカーが現地進出することで、同等品の入手も可能になり、今後製造技術の移転で韓国メーカーもキャッチアップが期待されるという状況になり、財閥企業と中小企業のギャップ解消が進んだことで、韓国から「安倍さんありがとう」の声が上がってます。これをアベノミクスの成果と呼ぶかどうかは微妙ですが^_^;。

バブル崩壊で沈んだ日本の電機産業ですが、コロナ禍で沈むとすれば自動車産業でしょうか。自動車メーカー本体は何とか持ちこたえるとしても、部品メーカーから悲鳴が上がっています。1台3万点と言われる自動車部品の供給がコロナショックで止まり、感染防止の観点からも国内メーカーの操業停止が相次ぎ、結果的に国内部品メーカーも操業を止めざるを得なくなりました。その結果資金繰りが悪化しており、いずれ廃業も出てくるでしょう。そうすると結果的に国内サプライチェーンが弱体化し、生産再開が早かった中国依存が短期的には強まる可能性があります。そうなると危機対応で国内回帰が叫ばれるのと逆の動きとなって、国内サプライチェーンが立ち枯れていく可能性があります。

元受けの大手メーカーが資本を入れるとかすれば何とかなるかもしれませんが、CASEなど100年に一度の変革期を迎える自動車産業で、在来型のガソリン車の部品供給が滞ればEVシフトが進む可能性も視野に入れる必要があります。逆に大手メーカーにはある意味チャンスかもしれませんが、それは多数のサプライヤーを犠牲にしての生き残りということになる訳で、そこまで腹の座った経営者が果たして現れるかどうか?

そしてEVシフトはある意味自動車メーカーの強みを失うことにもつながります。内燃機関をコントロールしてて適切に動力を取り出し駆動する技術はアナログなチューニングの塊であり、それが参入障壁にもなっていた訳ですが、その強みが失われれば、新規参入者との競争を覚悟しなければなりません。

生産台数では劣るテスラがトヨタを時価総額で上回るってのはそれなんですね。部品メーカーとのしがらみのないテスラは、オンラインでバージョンアップしながら性能を高めるというスマホのような繋がるクルマを実現してますが、これが既存メーカーには高いバリアなんです。自動車の世界も電子化自体は進んでますが、それは主にロッドやワイヤーを電子回路に置き換えることが中心で、機能的にひと塊のユニットを組み立てるモジュール化とも関連します。個々のモジュールに制御用のプロセッサーが組み込まれており、独自OSで動いている訳で、モジュールに不具合があればモジュール単位で交換するという形でブラックボックス化しており、これがコネクテッドカーへの進化を阻んでいる訳です。

てことで、心配なのが政府による自動車産業への介入なんですが、実際窮地にある日産をホンダに救済合併させようとして双方から断られたなんて話もあります。仮に構造変化でつぶれる自動車メーカーが出るとしても、それは市場の正常な作用であって、政府が手を突っ込むような問題ではありません。

逆に気になるのが密を避けるという意味で公共交通忌避に乗じて自動車を売ろうという方向へ進む可能性もあります。公共交通の独立採算原則の下では放っといても公共交通は立ち枯れるから車を売るチャンスという訳ですね。国民の移動の権利が規定されていない交通政策基本法の下ではそうなります。

同じ公共交通でも、鉄道やバスは換気に配慮して対応してますが、それが出来ないのが航空でして、空気の薄い成層圏を飛ぶ以上、気密性も保持が優先されます。実際航空機の前後の席での感染が報告されてますし、航空産業にとっては逆風は続きます。ある意味フリュグスカム(飛び恥)実現のチャンスでもある訳ですが、恐らく政府は航空の救済に向かうでしょう。

あと気になる動きとしてはJR東日本が時間帯別運賃の導入を検討するというにゅーすですが、これ運賃制度へのダイナミックプライシング導入が意図されています。その問題点はデジタル経済はビッグブラザーの夢を見る? で指摘した消費者余剰の搾取を意味します。届け出制の特急料金やグリーン料金では既に繁忙期と閑散期あるいは事前購入か車内購入かで格差をつけてますが、これわかりやすく言えば客の足元を見て高く取れるところから取るという話であり値上げの口実です。つまりSuica甘いかエントリーで指摘したように、仮に消費税減税が実現しても交通運賃の値下げは無いってことです。

書きたいことはまだありますが、長くなりましたので一旦終わります。アベノミクスには終わってほしいけど。

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Sunday, August 23, 2020

コロナの後遺症

covid-19の感染拡大が続いていますが、日本の場合検査が少なすぎて、感染拡大の実態が見えないまま、国民の疑心暗鬼ばかりが拡大します。故に大学ラグビー部の寮でクラスター感染が確認されたら。ラグビー部と無関係の教育実習生受け入れが断られたりという差別的なことが起きてしまいます。相変わらず保健所の窓口能力がボトルネックになっていて改善は見られません。

東京都や大阪府の知事がメディア露出で政治利用している実態もあり、国民に寄り添う政治姿勢は見られません。一方で世界中からコロナ感染者が回復後も心臓や肺に延焼が見られるなど後遺症が指摘されており、とてもじゃないけど普通の風邪レベルの話じゃありませんし、感染力の強いウイルスの生存戦略としての弱毒化も見られません。確実に長引くコロナ禍の中で、出来ることを積み重ねるしかありません。

そしてまともなコロナ対策を打ち出せない政府の無能に批判が集まるようになりました。アベノミクスが始まる前から批判していた身としては、ここへ来ての内閣支持率低下に今更感しかありませんが、歴代政権の実質GDP成長率の比較を見ても、大規模財政出動で経済を下支えした小渕・橋本政権で1.0%、規制緩和中心に新自由主義的な構造改革路線の小泉政権で1.0%、何だかよくわからなかった民主党政権で1.6%、大規模金融緩和の2019年までの安倍政権で1.2%です。しかも安倍政権にはオマケがついてます。

日米欧GDP戦後最悪、4~6月 日本はデジタル化カギ:日本経済新聞
統計不正などのインチキで数字を作ってきた安倍政権ですが、コロナで吹っ飛びました。しかも19年10-12月期、20年1-3月期に続く3期連続の下落ですから、ザックリ元の水準から1割減ってところです。しかもコロナ禍が長引くから回復には3-4年程度あるいはそれ以上の相当の時間がかかると見るべきでしょう。安倍政権下の成長率はさらに下がる訳です。

歴代政権の比較で何だかよくわからなかった民主党政権時代が最も高いってのは意外ですが、これ東日本大震災の復興による部分もありますから、やや下駄を履いた数字ではあります。しかし大災害に対して汗かいて国民に寄り添って努力したことは認めて良いと思います。つまり成長戦略ぶち上げて景気の良い話を煽った自民党系政権に対して、目先の課題に取り組んだ結果、経済が反発した訳です。ここ重要です。

てことでまともなコロナ対策も打ち出せずに国会も開かずに逃げている限り、安倍政権の評価は下がらざるを得ない訳です。そもそも財政政策や金融政策を成長戦略とするのは疑問です。マクロ経済政策を理論化したケインズが、報道記者に成長理論を問われて「アニマルスピリット」と答えた逸話が有名です。ケインズの理論は経済成長過程で生じる景気変動を平準化する理論であって、実際の成長は企業家のアニマルスピリットに依存するという意味です。つまり自らの経済理論に成長理論は無いと認めた訳です。

政府が打ち出す成長戦略は当てにならない訳です。結局企業がリスクを取って投資することが成長に繋がる訳で、その意味で成長できないのは政府のせいだという新自由主義者の主張も要注意です。例えば民主党政権で実現した高速乗合バスの規制緩和も、ツアーバス事業者からすれば規制強化なんですが、規制をクリアして乗合免許を取得した所謂新免事業者が輸送市場の活性化に寄与したように、ルールの変更は重要ですが、岩盤規制があるから成長できないなんてほざく経営者は、無能を晒しているに等しい訳です。運輸省や郵政省と戦ったヤマト運輸の事例を挙げるだけで十分でしょう。

ただ悲観すべきではないのは、GDPは付加価値の合計であって、例えば外出自粛や飲食店の営業自粛で必然的に自宅で食事をとる機会が増える訳ですが、飲食店の原価率が3割程度で元々付加価値が高かった一方、スーパーで食材を買って自宅で調理すれば、飲食店が生み出す付加価値は消える訳ですから、生存には問題がない訳です。付加価値って選択的消費の結果生じる訳ですから、早くコロナ感染を封じ込めて、手間のかかる自宅調理より外食を楽しめる環境を作ることが大事ってことです。

心配なのは雇用でして、既に多くの企業が来年度の新規採用を見直していて、JALやANAは既に採用停止を打ち出しておりますし、JR西日本も新規採用抑制を打ち出しております。JR各社は国鉄末期の採用停止で空白の世代があり、今後国鉄OBの社員の大量退職が見込まれるため、計画的に新規採用を拡大してきたのですが、コロナ禍による運輸収入の減少でそれどころじゃなくなりつつあります。

一方でネット通販の利用拡大で宅配便のドライバーは増えてますが、急激な拡大には正社員主義のヤマト運輸も追いつかず、利益を減らすとして減少傾向にあった外部委託に頼らざるを得ないですし、更に外食の宅配でウーバーイーツなどの拡大が見られますが、これも飲食店の営業自粛でアルバイト先を失った学生、フリーター、外国人留学生などが更に不安定なギグワーカーに転落したとも取れる訳で、雇用の劣化は止まりません。ただでさえ低下著しい日本の労働分配率はさらに低下し消費を冷やすことは間違いありません。

そして新卒の正規雇用減少はいつか来た道ですね。90年代後半のロズジェネ世代の再現となり、多くの若者が社会人としてのキャリアの始まりで躓く訳です。とはいえベンチャーキャピタルの弱い日本では起業もままならずですし、コロナ禍が収まるまでは海外渡航もリスクがあります。ある意味ロスジェネ世代より過酷な現実に直面しているとも言えます。

そして現役世代の賃金低下は年金や医療保険など社会保障にストレスを与えます。年金給付の減額や診療の自己負担増で対応すれば、寧ろ老後不安から現役世代の貯蓄性向を高めますから、これも消費を冷やします。そしてロスジェネ再現以上に問題なのが、学校教育の遅れです。学校の閉鎖でカリキュラムの消化が遅れていて、夏休みを極端に短縮しながら密を避けで授業を行う教育現場のストレスは相当高いですが、問題は小中高大と幅広い世代に影響が及んでいることで、将来「ゆとり世代」ならぬ「コロナ世代」が長期に亘って経済にマイナスインパクトを与えかねません。安直に学校閉鎖を決めたツケが重くのしかかります。

てことできりがないのでこの辺にしておきますが、この状況で公共交通の逆風をどう乗り切るかは重大です。おそらく独立採算原則を見直さない限り、立ち枯れていく未来が見えますが、民主党世間が提案した交通基本法を自公政権で交通権部分を省いた交通政策基本法として成立させたことがネックになりそうです。憲法に紐付けされた交通権を盾にしないと、結局自治体は金を出し渋り事業者は撤退せざるを得なくなることになりかねません。

また欧州で見られる交通税のようなものを導入する手はありますが、これも恐らく課税対処になる沿線住民や企業の反対で潰されるのがオチになりそうです。あるいは揮発油税など燃料税を事業者への補助金に使うとか、国税レベルで炭素税のような新税を導入して補助財源にするとか、公的サポートを考えないと持続可能性を損なうことになります。

てことで経済社会にも深刻な後遺症を残しそうなコロナ禍です。国会召集早よ!

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Sunday, August 16, 2020

コロナで変わるパワーシフト

人口減少にあえぐ日本と欧州ですが、人口増加でパワーシフトが起きると言われていた日本を除くアジアに異変が見られます。

中国新幹線、2035年に総延長2倍 投資額70兆円か:日本経済新聞
これ田中角栄の日本列島魁皇論の中国版ですが、都市域の広い中国の50万都市って日本の感覚で言えばさして密集度が高くないので、ほぼ広大な大陸中国の津々浦々を高速鉄道でカバーするという狂気じみた計画です。

風邪は寝て直せで取り上げましたが、そもそも最初にcovid-19の感染拡大が見られた武漢市が交通の要衝で人の移動が活発だったことが、中国全土及び世界への感染拡大をもたらしたことを忘れてはいけません。covid-19はグローバル化がもたらした新しいタイプの感染症であり、高速移動の条件が整えばそれだけ脅威も拡大するし、今後も未知の感染症の蔓延を助けることになるということも考慮すべきです。これ日本でもアフターコロナでリニア作れという議論がありますが、同じ種類の誤謬です。

中国では香港やウイグルの人権侵害問題は取り上げられますが、実はもっと深刻な農民問題が影を落としています。中国の農業人口は7億人程度で人口のほぼ半分ですが、農村出身者は都市住民になれない制度上の制約もあり、都市で就業しても農民工として扱われ、差別的な待遇に甘んじていますが、経済成長と共に都市在住者が豊かになる一方、低賃金労働に甘んじていて、昨今待遇改善のためのストライキが頻発しています。農民工には漢族以外の少数民族も多く、不満がたまっています。

更に法改正で地方政府の土地利用権限の拡大が行われた結果、農村に留まる農民も、分散する農家を集合住宅に移住させて開発用地を生み出すということが各地で行われ、農地に隣接した農家が取り上げられ、集合住宅から農地へ通勤という笑えない事態になっております。経済成長のために地方政府の開発事業は基本的に奨励されておりますが、不正の温床にもなりやすく、習近平政権の不正撲滅運動で少なからぬ地方政府幹部が失脚してもおります。中央集権の建前と裏腹に、地方政府の暴走を手綱を締めて操る現状は、実は中央と地方の緊張感を生みます。故に地方が潤う経済対策を打って不満を和らげる必要もある訳です。

こんな状況ですから、香港だけを特別扱いできませんし、経済成長のエサを撒いて不満を封じ込める必要がある訳です。という訳で、習近平政権の経済重視は変わっておりませんし、ある意味香港市民は金儲けには熱心でも政治的にはノンポリでデモ鎮圧は支持されるという見立てをしていたと考えられます。元々香港は英国統治時代から植民地型の統治システムだった訳で、行政庁と立法会は独立していたものの、裁判官は裁判の都度行政庁長官が指名するという形で、司法の独立は確立していませんでした。それでも英国流コモンローで48時間で公判前保釈が普通に行われるのは、長期勾留当たり前の日本より遥かにマシですが。

だから習近平政権の性格はどちらかと言えば日本の田中角栄政権に近いと言えそうです。田中政権で懸案の日米繊維交渉が妥結した一方、アメリカを出し抜いてイラン原油確保に走るなど、独自外交を展開したことでアメリカに睨まれてロッキード事件で失脚することになったという見立てもありますが、米中摩擦で引かない外交姿勢などもそうですね。中国がアメリカに変わって覇権を求めているというのは当たりません。中国から見ればアメリカの言いがかりに対応しているだけってことですね。

付け加えると高速鉄道整備で資産規模を拡大した中国鉄路集団ですが、当然負債も拡大しており、このまま高速鉄道整備を続ければ早晩日本の国鉄のように経営破綻を免れません。よく見れば日本の歩んだ道をトレースしていることがうかがえます。となればいずれ日本のように低成長に陥りアジア全体の足を引っ張るようになる。中国版失われた20年に突入します。日本の場合は中国の台頭でカバーされましたが、中国の規模の経済大国が低成長になったときの成長をカバーできる国は恐らく現れません。

1897年ペスト禍の香港に派遣されてペスト菌を発見した北里柴三郎博士は、ペスト菌がネズミに寄生するノミを媒介してヒトへ感染する感染経路まで明らかにして、ネズミ駆除のためにネコを飼うことを推奨し、日本でも飼いネコブームが起きたとか。夏目漱石が雑誌ホトトギスに「吾輩は猫である」を掲載し好評を博したのが1905年という時系列ですが、北里博士は脚気菌の存在を否定して東大教授緒方正規博士と対立した一方、勤めていた国立伝染病研究所が突然内務省から文部省に移管されて東大の下部機関になる形で地位を追われます。この辺PCR検査を巡るゴタゴタに通じるものがありますね。

PCR検査自体は採取した検体に含まれる特定の塩基配列を増殖して調べる検査で、抗体検査や抗原検査など他の検査方法と比べて簡単で精度も高いのですが、それでも擬陽性や偽陰性があるから信用できないという謎理論や、医療崩壊につながるという反対論で検査拡充が進みません。後者は検査を医療から切り離して体制整備すれば済むことで、確かに鼻や喉からの検体採取は感染リスクを伴いますし、相応のスキルも必要でしょう。だから大学や民間検査機関まで動員し、必要な検査キットや防護服などの医療用品を国が手当てすれば済むことですが、今に至っても出来ていません。

その結果自粛解除で案の定感染拡大が見られますし、3月4月時点では院内感染も含めてクラスター感染が中心でしたから、クラスターを発見して対応すれば済みましたが、今や感染経路不明が半数を超え、東京や大阪など大都市の感染拡大に留まらず、地方での感染拡大が見られます。医療リソースの限られる地方の感染拡大は深刻な問題です。故に帰省自粛は賢明な対応ですが、おかげでJRや航空会社などは稼ぎ時を逃している訳ですし、当然Go Toどころじゃありませんね。感染封じ込めこそが最大の経済政策です。

実際新幹線や在来線特急の乗車率は悲惨な状況で、こんなに空いているのは見たことがない状況です。一方在来線の普通列車はそこそこ乗ってます。勿論生活動線に組み込まれていて日常利用が一定水準存在するってことでしょうけど、拠点駅で終着列車から接続の始発列車に乗り継ぐ青春18キッパーと思しき集団は見かけます。やっぱり鉄ちゃんは自粛なんかしてないな。

面白いのは車内換気のためにドア半自動扱い区間でも各駅で全ドア開閉していることですが、E531系5連ワンマン運行の東北本線黒磯―新白河間では半自動扱いのままでした。輸送量に対して過剰な5連だから敢えて社内換気は不要ってことですかね。で、運転士は運転業務のみで、乗車券発券回収や運賃収受は行いません。故に事前の乗車券購入または乗車駅証明書による降車駅精算の案内放送が繰り返し流れます。

まるで欧州式信用乗車システムですが、一方で新白河で受ける701系2連では席がさらりと埋まり立客チラホラですから、全駅ドア開閉で社内換気は必要なんでしょう。逆に言えば、黒磯新白河方式は案外汎用性があるかも。必要ならば拠点駅の改札分離で不正乗車を防ぐという方法も考えられます。アフターコロナの芽はこんなところにありそうです。

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